『DUNE/デューン 砂の惑星』は登場人物が多く、かつ、呼び名も独特で覚えづらいものが多いことから、その整理をしてみました。また1984年版と2021年版のキャストの比較もしたので、特に1984年版に馴染みのある方は2021年版を理解しやすくなるのではないでしょうか。なお、各キャラクターの紹介文は1984年版を基礎としています。
アトレイデス家
惑星カラダンを拠点としている。皇帝の命によりメランジが産出される惑星アラキスの盟主となった。
ポール・アトレイデス
レト・アトレイデスの息子で、スペーシング・ギルドから脅威とみなされている。格闘術の名手であり、また女性修道会ベネ・ゲセリットからの心理攻撃に耐えるほどの常人離れした精神力と集中力を持っている。


新旧キャスト共にザ・美男子という感じで、このキャラクターのイメージはほぼほぼ固定されているのでしょう。あと、両者ともパーマ当ててますね。王子と言えばカールヘアーですから。
レト・アトレイデス
アトレイデス家の当主で、ポールの父。その高い人徳は側近や大衆を惹き付けており、皇帝から脅威とみなされている。


こちらもポールと同じくさほどの違いがなく、重厚な人格者という風情です。オスカー・アイザックスの方がやや野生的でしょうか。
レディ・ジェシカ
ポールの母で、ベネ・ゲセリットの出身。宇宙に平和をもたらすためにはアトレイデス家とハルコネン家の政略結婚が必要であり、そのために女の子を産めとガイウス・ヘレン・モヒアムから指示されたにも関わらず、レトの要望を優先して男の子のポールを出産した。


ポール、レトと同じく、新旧キャスト間でのイメージに大差はありません。レベッカ・ファーガソンの方がやや美人ですかね。
ダンカン・アイダホ
アトレイデス家の副官。ポールとレトからの信頼が厚く、彼らに先駆けて新たな領土であるアラキスに派遣された。


↑の3人とは打って変わって、イメージがガラッと変わっています。優男って感じの1984年版から一転し、2021年版はアクアマンことジェイソン・モモア。いつの間にか退場していた1984年版と違い、今回は大活躍するのでしょうか。
ガーニー
アトレイデス家の副官。武闘派で、ポールに格闘術などを教えている。


ハゲからヒゲへ。パトリック・スチュワートは軍師という風情でしたが、ジョシュ・ブローリンだと武闘派という感じがします。なんてったってサノスだし。
ユエ
アトレイデス家の医師。


腹に一物持ったキャラクターなのですが、東洋人に変更したことで、より内心の読めなさ加減は増したと思います。
ハルコネン家
惑星ギエディ・プライムを拠点としている。惑星アラキスでのメランジ採掘権を所有している。
ハルコネン男爵
ハルコネン家の当主。アトレイデス家の壊滅を狙っている。


1984年版はデヴィッド・リンチの悪趣味が全開になったキャラクターで、皮膚病を患った汚い見た目、趣味は血をすすることで、興奮するとスーツをバルーン状に膨らませて浮き上がるという謎の感情表現から、皇帝から「空飛ぶデブ」などと呼ばれていました。
2021年版は『地獄の黙示録』のマーロン・ブランドのような見た目になり、宇宙の名士としての風格も出ました。
ラバン
ハルコネンの甥で、アトレイデス家壊滅後のカラダンの統治を任された。


1984年版は写真からも分かる通り阿呆丸出しのキャラクターで、こいつの阿呆さ加減でポールが助かった部分もあるので、ある意味で足を向けて寝られない存在。
2021年版は『007 スペクター』(2016年)でジェームズ・ボンドを追いかけるスペクター幹部を演じたデイヴ・バウティスタなので、引き続き脳筋キャラであることは間違いなさそう。
パイター・ド・ブリース
人減コンピューター メンタットで、ハルコネン家に仕えている。


1984年版のブラッド・ドゥーリフは『ロード・オブ・ザ・リング/二つの党』で蛇の舌を演じるなど、精神面に問題を抱える悪の参謀役はお手の物でした。
2021年版のデヴィッド・ダストマルチャンはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』で、めちゃくちゃ気持ちの悪い容疑者役を演じていた人。ドゥーリフのキャラを踏襲していると思われます。
その他
ガイウス・ヘレン・モヒアム
皇帝シャダム4世の読心師で、ベネ・ゲセリットの教母。ポール・アトレイデスに興味を持っている。表面上は皇帝の意向に沿って動いているが、同時に女性修道会ベネ・ゲセリットとしての立場でも動いており、伝説の超人クイサッツ・ハデラッハを作ろうとしている。


1984年版のシアン・フィリップスは英国アカデミー賞受賞経験を持つベテランで、王女らしい威厳と風格、そして策士ぶりを披露していました。
2021年版のシャーロット・ランプリングは演技歴60年近いベテランで、フィリップスを越える重厚さが期待できます。
チャニ
砂漠の民フレーメンの娘で、ポールと恋仲になる。


1984年版のショーン・ヤングはビビるほどの美人だったものの、砂漠の民らしい力強さがなく、個人的にはミスキャストだと感じていました。
そこにきて2021年版のゼンデイヤは、あるべきチャニ像に近いのではないかと思います。
スティルガー
砂漠の民フレーメンのリーダーで、ポールと行動を共にする。


1984年版のスティルガーはあんまり存在感ありませんでしたが、オスカー俳優ハビエル・バルデムなら大いに期待できます!
ガーニー役のジョシュ・ブローリンとは『ノーカントリー』(2007年)で共演済。