(2003年 アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・香港)
アンジェリーナ・ジョリーにジェラルド・バトラーと動ける人間が二人になったことでアクション映画としての完成度は向上したし、ストーリーもすっきりと分かりやすくなった。「生命のゆりかご」に入っていく終盤は恐ろしく退屈だったけど。

感想
キンタローのモノマネの元ネタとなった続編。
ただし人差し指を口元にあてて「トゥームレイダー!」と叫ぶ場面は、本編中どこにもない。
和田アキ子のモノマネにおける「あの頃は ハッ!」や、子供の頃の貴乃花における「あどね~」と同じく、実はネタ元はそんなこと言っていないのだが、なんか言ってそうということで定着したモノマネである(これらをモノマネと言っていいのかは微妙だが)。
前作『トゥームレイダー』(2001年)は世界的なヒット作になったものの、作品評は振るわず主演のアンジェリーナ・ジョリーがゴールデン・ラズベリー賞にノミネートされるという不名誉も受けた。
パラマウントにおいても「これでは先はないで」という焦りでもあったのか、布陣の一新が図られており、アンジェリーナ・ジョリー以外のメンバーはほぼ総とっかえという事態となった。
- 監督:ヤン・デ・ボン(『スピード』(1994年)、『ツイスター』(1996年))
- 撮影:デヴィッド・タッターサル(『スター・ウォーズEP1』(1999年)、『007/ダイ・アナザー・デイ』(2002年))
- 音楽:アラン・シルヴェストリ(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年))
- 編集:マイケル・カーン(『レイダース/失われた聖櫃』(1981年)、『プライベート・ライアン』(1998年))
前作がコケたならともかく、ヒット作の続編でここまで大掛かりな人員交代は珍しいのだが、アクション映画界のベテランをズラリと揃えた座組は壮観でもある。
こうした人材面でのテコ入れも功を奏し、アクション映画としての完成度は前作から格段に向上した。
ギリシャ神話に伝わるパンドラの箱には生物兵器が収められているという大胆な設定の元、これを悪用しようとする悪の組織と、防ごうとするララ・クロフトの世界を股にかけた戦いという、実にシンプルなストーリーに落とし込まれた。
敵方にもこちら側の人物がいたり、開封という目的は同じなので一時的に共闘したりといった込み入ったプロットを扱いきれなかった前作の反省からか、本作では善悪双方の目的と対立構造が明確化されており、何が起こっているのかを直観的に掴みやすいアクション映画として構成されている。
加えて、訓練用ロボットや動く石像などが次々登場した前作とは打って変わってSF要素は控えめに、肉体を駆使した追撃戦や銃撃戦が見せ場の中心となっている。
『ミッション:インポッシブル』シリーズや『ジャック・ライアン』シリーズなど、パラマウントが得意としている国際的な諜報戦として全体が構築されており、アクション映画としては実に手堅いのだ。
ただし問題がなくはない。
撮影監督時代より、限定されたシチュエーションでのタイトなアクションを得意としてきたヤン・デ・ボン監督が、めまぐるしく舞台の移り変わる本作の適任だったとは言い難いし、ララ・クロフト以外のキャラクターはどれも弱い。
キアラン・ハインズ扮する生物学者は、ビジネスパートナーでも平気で殺す冷血漢として描かれているのだが、その恐怖が観客にまで伝わってくることはない。
ジェラルド・バトラー扮する元相棒シェリダンからは、ララを夢中にさせるほどの魅力を感じなかった。
また原題でもある「生命のゆりかご」に入っていく終盤がつまらない割に妙に長く、作品内の密度にもムラが生じている。
パラマウントは更なる続編を作る気があったものの、アンジェリーナ・ジョリーがやる気を失ったので、シリーズはここでいったん打ち止めとなった。
第2弾での改善が見られただけに、続けていれば名物シリーズにもなれたんじゃないかと思うんだけど。

