【まとめ】ピンチからの救援がかっこよかった映画

雑談
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極限にまで追い込まれた主人公の元に到着した救援。アクション映画においても特に盛り上がるくだりだが、そんな中でも最高に素晴らしかった作品をピックアップして紹介したい。

かっこよかった救援シーン

ジュラシック・パーク(1993年)/千両役者T-REX

『プライベート・ライアン』(1993年)のP-51戦闘攻撃機登場シーンなど、スピルバーグは救援場面の演出がうまいのだが、その中でももっともインパクトの強いが『ジュラシック・パーク』(1993年)のクライマックスだった。

平原でのサバイバルを経て、主人公一行は何とか中央の指令センターに辿り着くのだが、そこもまた獰猛なハンター ヴェロキラプトルに上がり込まれていた。

恐竜が手出しのできない空調ダクトをつたってセンターからの脱出を図る一行だが、最後の最後でついに3匹のラプトルに追い込まれてしまう。

そんな万事休すという時に現れたのが、中盤で主人公たちを襲ったT-REX(ティラノサウルス)であり、「それは俺の獲物だぞ!」と言わんばかりにラプトル達をいとも簡単に蹴散らし、恐竜王の貫録を見せつける。

乱入のタイミングと言い、そこに現れたのが肉食恐竜の代名詞存在であるティラノサウルスだった点と言い完璧で、「よっ、千両役者!」と掛け声をかけたくなった。

またそれまでサスペンスフルな曲調だったBGMが、T-REX乱入の瞬間にメインテーマに切り替わった点も最高で、映画は容赦なく盛り上がる。

アバター(2009年)/動物さん大進撃

スピルバーグと並ぶヒットメーカーであるジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(2009年)にも、ピンチからの救援シーンはある。

宇宙に進出した人類は、惑星パンドラの地下に眠るレアアースを狙っている。

しかしそこはナヴィと呼ばれるパンドラの原住民たちの聖地であり、どんな条件を提示しても彼らは立ち退きに応じず、採掘作業に入れない。

業を煮やした資源開発公社は武力行使に打って出るが、これに対しナヴィの諸部族は一致団結して聖地防衛をはかる。

出足では善戦するが、鋼鉄の敵相手に槍や弓ではやはり厳しいものがあり、どんどん追い込まれてゆくナヴィたち。

いよいよ進退窮まったかというところで地響きが鳴り、森の動物さんたちが人類の軍隊に襲いかかってきて形勢逆転。オールパンドラでの勝利をつかみ取る。

援軍がやってくるタイミングと言い、音楽の転換と言い、救援場面のお手本のように美しく決まった名場面で、劇場での初見時には興奮を通り越して涙が出そうになった。

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)/アベンジャーズ・アッセンブル!

『アバター』と興行記録争いをした『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスも激アツ。アクション映画で記録的な興行成績をとりたければ、ピンチからの救援シーンは必須ということなのだろうか。

前作『インフィニティ・ウォー』(2018年)でサノスに敗北したアベンジャーズは戦力半減し、士気も低下していた。

そんな中でもキャプテン・アメリカだけは腐っておらず、トニー・スタークやブルースバナー博士に発破かけてタイムトラベルの方法を構築。

過去の敗北をチャラにするための「時間泥棒作戦」を指揮するのだが、事態は拗れて過去のサノスを現代に呼び込んでしまう。

キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソーはサノスに立ち向かうが、3人がかりでも押され気味。さらにはおびただしい数のサノス軍までが地球に到着し、絶体絶命のピンチに陥る。

それでも諦めず盾を手に取り、絶望的な戦いの決意をするキャプテン・アメリカだったが、その瞬間、時間改変によって復活したヒーローたちが戦場に到着し、両軍の兵力は拮抗する。

ここでキャップはお馴染みのセリフ「アベンジャーズ・アッセンブル」を口にし、バックではメインテーマが高鳴るのだが、この一連の流れには何度見ても震える。

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ロボコップ3(1993年)/空飛ぶロボコップ乱入

ピンチからの救援は大ヒット作の専売特許ではない。B級映画にだって成功事例は存在する。

人気シリーズ第三弾『ロボコップ3』(1993年)は興行的にも批評的にも伸び悩んだが、終盤でのロボコップ再登場場面だけは必見である。

下町の地上げを急ぐオムニ社は私設軍隊リハッブとパンクギャングを送り込み、実力行使してでもデトロイトの貧困層を立ち退かせようとしている。

抵抗する住民は心ある警官達と共に銃を手に取るのだが、ロケット砲や装甲車までを繰り出してきたリハッブには敵わない。

いよいよ追い込まれたその瞬間に現れたのはフライトパーツ装着のロボコップで、まさかまさかの空からの奇襲を仕掛けにいく。

V2アサルトバスターガンダムの如くゴテゴテの重装備になったロボコップは、圧倒的な火力でリハッブを瞬殺。その鮮やかな逆転劇には燃えに燃えた。

後の『トランスフォーマー リベンジ』(2009年)のジェット・パワー・オプティマス登場場面もこれと全く同じ構図だったが、本作ほど効果的には演出できていなかった。マイケル・ベイの手腕をもってしても、この手の演出をバチっと決めるのは難しいのだろう。

映画自体はぐだぐだだったが、ヒーローの強化形態の提示方法だけは百点満点だった。

スーパーマグナム(1985年)/「俺からの礼だ!カージー」

そしてヒャッハーとの市街戦を扱った映画と言えば、チャールズ・ブロンソン主演の『スーパーマグナム』(1985年)も忘れられない。

ブロンソンが街のダニ掃除を買って出るデス・ウィッシュシリーズの第三弾だが、夜の街を舞台にしたウェットな復讐劇だった前2作とは打って変わり、今回のブロンソンは凶悪な暴走族相手に派手な戦いを繰り広げる。

第一作目の時点では裕福な設計士だったはずのポール・カージーは、本作では完全に戦闘のスペシャリスト扱い。

暴走族に悩まされているという旧友からのSOSでNYに舞い戻って来たカージーは、現場に来るや否や、無法地帯の如く狼藉をはたらくダニどもとの対決姿勢をとるのだが、カージーの”戦歴”は良くも悪くも広く知れ渡っていた。

地元の警察署長は暴走族以上にカージーを警戒しており、初日から「お前がどういう奴か知ってるからな」とかましてくる。

その後もちょいちょい嫌がらせをしてくる警察署長だが、そんな中でもダニどもとカージーの対立は深まっていき、ついには数十人もの暴走族が住宅地に押し寄せてくる事態に至る。

放火、爆破、強姦何でもありのダニどもに対し、機関銃で応戦するカージー。

もはやNYとは思えない光景なのだが、やがて機関銃の弾は尽きカージーは劣勢に回る。そしてついに銃口を向けられるに至るのだが、そこでカージーを救ったのは警察署長だった。

「俺からの礼だ!カージー!」

何の礼だかはよく分からんが、それまで憎まれ役だった署長が西部劇の相棒の如くカージーと共闘する場面には燃えに燃えた。意外な人物との共闘というのも、救援場面を面白くする重要な要素だろう。

盛り上がらなかった救援シーン

ピンチからの救援は必ずしもうまく決まるわけではない。うまくいかなかった例もご紹介したい。

ウォーターワールド(1995年)/無謀なバンジージャンプ

『ウォーターワールド』(1995年)は90年代大コケ映画の代名詞的作品であり、1億7500万ドルという当時としては史上最高額の製作費がかけられたものの、批評面でも興行面でも振るわなかった。

USJでの定番ショーになったこともあって、近年では「意外と好き」という隠れキリシタン的なファンも増えてきてはいるのだが、それでも後半に向けてグダグダになっていくという歪な構成は如何ともしがたい。

全世界が水没した未来の地球において、唯一残された陸地ドライランドに至る地図となる少女の争奪戦が作品の骨子。

水上の暴走族スモーカーズに囚われた少女を奪還すべく、主人公マリナー(ケビン・コスナー)はスモーカーズの拠点である巨大タンカーに潜入する。大規模な戦闘の後、タンカーは派手に爆発・炎上し沈没。

海面に投げ出された少女に向けて、3人の暴走族が水上バイクで迫ってくる。

万事休すという時、マリナーは脚にロープを括りつけて上空の気球から飛び降り、少女を掴むとバンジージャンプのようにびよーんとはねて、海面から彼女を救出する。

三方向から迫って来た暴走族達は衝突して大爆発するのだが、普通に考えれば少女がいても衝突は不可避だったし、マリナーはどうやってロープを海面ギリギリの長さに調節したのかも分からない。

あまりにも筋が通っていないので盛り上がらなかった。

エアフォース・ワン(1997年)/援軍への感謝が足りない

『エアフォース・ワン』(1997年)は全米年間興行成績第3位の大ヒットとなったアクション大作だが、やはり救援場面はうまくいかなかった。

米ロ合同作戦で独裁者ラデク将軍が捕らえられるが、熱狂的な支持者達が米大統領専用機エアフォース・ワンをハイジャックし、将軍の釈放を要求する。

当然のことながらこの手の要求が成就することはなく、ラデク将軍は射殺されるのだが、これに怒ったテロリストはミグを呼び寄せ、マーシャル大統領(ハリソン・フォード)ごとエアフォース・ワンを撃墜しようとする。

攻撃から逃げ回るエアフォース・ワンだが、ついにミサイルでロックオンされるに至る。

そこに飛来するのが米空軍F-15の編隊であり、エアフォース・ワンはすんでのところで危機を回避。

なのだが、エアフォースワンを守るためF-15が盾となって撃墜されるという激熱ポイントで大統領が何の反応もしないなど、アクションとドラマがうまく連携していないので、感情的な盛り上がりはそれほどだった。

マトリックス リローデッド(2003年)/案の定間に合ったネオ

『マトリックス リローデッド』(2003年)は見せ場満載のアクション大作だが、演出のキレは前作『マトリックス』(1999年)ほどではなかった。

モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)とトリニティ(キャリー・アン・モス)は、マトリックス内のすべての場所にアクセス可能なキーメイカーと呼ばれるプログラムをさらうが、彼らをエグザイル(消去を逃れた古いプログラム)が追いかけてくる。

さらにはエグザイルを追う体制側のエージェントも現れ、フリーウェイでの三つ巴のカーチェイスに発展するが、モーフィアスとトリニティは押され気味でエージェントに追い込まれる。

そこに颯爽と現れるのがネオ(キアヌ・リーヴス)なのだが、本作でのネオの超人化はすさまじいことになっていて何でもアリに近い存在になっていたので、ほとんどの観客は「間に合うんだろうな」と思いながら見ていた。

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