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	<title>ヴァル・キルマー | 公認会計士のB級洋画劇場</title>
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	<description>筋肉！銃撃！モンスター！最高！</description>
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	<title>ヴァル・キルマー | 公認会計士のB級洋画劇場</title>
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		<title>【凡作】レッドプラネット_見た目はいいけど面白くない（ネタバレあり・感想・解説）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 25 Jul 2022 00:09:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[SF・ファンタジー]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[2000年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
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					<description><![CDATA[（2000年 アメリカ）ビジュアルはなかなかかっこいいのだが、演出力不足のせいか連続活劇として盛り上がらない。また関心を持てるキャラクターもいないのでドラマとしての推進力にかけており、見所がないわけではないが、面白いとも [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2000年 アメリカ）<br>ビジュアルはなかなかかっこいいのだが、演出力不足のせいか連続活劇として盛り上がらない。また関心を持てるキャラクターもいないのでドラマとしての推進力にかけており、見所がないわけではないが、面白いとも言えない凡作に終わっている。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img fetchpriority="high" decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P-720x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9849" width="360" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P-720x1024.jpg 720w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P-768x1092.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/Red-Planet_P.jpg 844w" sizes="(max-width: 360px) 100vw, 360px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-2" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-2">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">『ミッション・トゥ・マーズ』との競合</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">興行的には大失敗</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">ビジュアルはいいけど面白くない</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">盛り上がらないサバイバル劇</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">殺人ロボットがラスボス ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">『ミッション・トゥ・マーズ』との競合</span></h3>



<p>本作の撮影は1999年8月から12月に行われたのだが、それとほぼ同時期に、ディズニーが同じく火星を舞台にしたアドベンチャー映画『ミッション・トゥ・マーズ』（2000年）を製作していた。</p>



<p>この頃のディズニーは企画の当たり屋状態で、ドリームワークスの<a href="https://b-movie.tokyo/deep-impact/" data-type="post" data-id="4748" target="_blank">『ディープ・インパクト』（1998年）</a>に対してディズニーは<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735" target="_blank">『アルマゲドン』（1998年）</a>、ドリームワークスの『アンツ』（1998年）に対してディズニーは『バグズ・ライフ』（1998年）と、他社とのバッティングが酷かった。</p>



<p>そんな中で本作もディズニーと被ってしまい、ロケ地まで同じという状況で、当初のタイトル&#8221;Mars&#8221;をミッション・トゥ・マーズとの混同を避けるために『レッドプラネット』に変更させられるなど、何かと割を食った。</p>



<p>また科学考証にこだわった作品ではあるのだが、宇宙飛行士が殺人をするという内容が問題視されて、NASAのロゴの使用を禁止されるというトラブルもあった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">興行的には大失敗</span></h3>



<p>本作は2000年3月31日公開を予定していたのだが、6月16日に延期。その後さらに延期されて11月10日公開となった。</p>



<p>延期の理由は視覚効果に時間がかかったためだと説明されたのだが、2000年3月10日公開の『ミッション・トゥ・マーズ』とのバッティングを避けるためだったような気もする。</p>



<p>『ミッション・トゥ・マーズ』はそこそこ話題になって全世界で1億ドル以上稼いだのだが、作品評は最悪に近く、火星ものはヤバいという空気が出来上がった。</p>



<p>そんな中で公開された本作は苦戦を強いられ、全米初登場5位と低迷。</p>



<p>全米トータルグロスは1748万ドル、全世界でも3346万ドルしか稼げず、8000万ドルの製作費の回収すら夢のまた夢という大惨敗を喫した。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">ビジュアルはいいけど面白くない</span></h3>



<p>DVDがリリースされた時に見て、その時には「悪評ほど悪くはない」と感じたものの、それ以降に一度も見返すことはなかったので、やはり面白くなかったのかなと思う。そんな映画。</p>



<p>Amazonプライムのもうすぐ配信終了コーナーに入ってたので20年ぶりの再見となったが、思いのほか面白くなかった。</p>



<p>21世紀、地球は滅びかけているため人類は火星テラフォーミング計画を進めており、数十年前に放った藻が光合成して大気が形成されつつあった。</p>



<p>しかし、ある時から大気中の酸素濃度が下がり始めたので、宇宙飛行士と民間の科学者がその調査のために火星に送り込まれるというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ製作ということで、同社の代表作<a href="https://b-movie.tokyo/the-matrix/" data-type="post" data-id="8331" target="_blank">『マトリックス』（1999年）</a>関係のスタッフが多く参加しており、メカデザインや衣装デザインなどはなかなかカッコイイ。</p>



<p>また科学考証にも拘っていて、無重力状態での炎の動きなどはリアルに作り込まれている。</p>



<p>監督はコマーシャル界出身で、カンヌでの受賞経験も持つアントニー・ホフマン。</p>



<p>当時は<a href="https://b-movie.tokyo/con-air/" data-type="post" data-id="5900" target="_blank">『コン・エアー』（1997年）</a>のサイモン・ウエストや『リプレイスメント・キラー』（1998年）のアントワン・フークアなどコマーシャル界出身の監督が多くデビューしており、ホフマンは期待の大型新人という扱いだったようだ。</p>



<p>ホフマンの作り上げるビジュアルは確かに美しい。見てくれだけで言えばAクラスの作品と言える仕上がりであり、決して甘い作りの映画というわけではない。</p>



<p>では一体何が問題だったのかというと、連続活劇としての面白さを打ち出せていないことと、魅力的なキャラクターが不在であることではなかろうか。</p>



<p>宇宙船が火星に到着すると太陽フレアに襲われ、クルー達は機内からの緊急脱出を図る。ロクな準備もなく火星大気圏に突入した着陸船は峡谷に突っ込み、ほぼ墜落とも言える着地をする。</p>



<p>この通り危機また危機の連続なのだが、全く手に汗握らない。なぜこんなにもハラハラドキドキさせられないんだと不思議になるほど、感情を持っていかれない。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">盛り上がらないサバイバル劇</span></h3>



<p>火星の大地に放り出されたクルー達は、数十年前に建設されたまま放置された前哨基地を目指すのだが、その道中で早々にテレンス・スタンプが脱落。</p>



<p>それまでの言動からチームの精神的支柱になると思われたスタンプの脱落はサプライズとして仕掛けられた展開だと思うのだが、これまた特に驚きがない。</p>



<p>続いて副操縦士のベンジャミン・ブラットが仲間同士の諍いから谷間に突き落とされ、残ったのは機関士のヴァル・キルマー、民間研究者であるトム・サイズモア、予備要員のサイモン・ベイカーの３名だけとなる。</p>



<p>サバイバルの主軸を担うであろう宇宙飛行士が相次いで脱落し、その道の専門ではない３人が生き残るという展開によってサバイバルのハードルは高くなるのだが、こちらもまた「この先大丈夫なのか!?」という危機感が生まれてこない。</p>



<p>なぜこんなことになったのかというと、キャラクターの描写不足のせいだと思う。</p>



<p>冒頭にて各キャラのスペックや専門分野が駆け足で説明されるのだが、本当にそれだけで済ませている。チーム内での役割分担がさほど明確に描写にされないので、「彼が死ぬとこの機能を果たす者がいなくなる」ということが観客に伝わっていない。</p>



<p>そんな状態で人が死んだとしても、その影響がどの程度深刻なのかを観客が理解できなくなっているのである。</p>



<p>加えて、生き残って欲しいと思える人物が一人もいなかったことも辛かった。</p>



<p>ヴァル・キルマーは常に冷静なのはいいのだが、ボソボソと喋っているだけなので人間らしさをあまり感じない。直前に両想いになったトリニティの所に帰りたいという思いは持っているのだが、それが生存意欲に繋がっているようにも見えないし。</p>



<p>一方トム・サイズモアは饒舌な面白キャラではあるのだが、サバイバルのための知恵出しに参加せず文句ばかり言ってる感じなので、役立っている風には見えない。</p>



<p>キルマーとサイズモアは<a href="https://b-movie.tokyo/heat/" data-type="post" data-id="6937" target="_blank">『ヒート』（1995年）</a>に続く共演なのだが、本作撮影中に掴み合いの喧嘩になるほど揉めに揉めたらしい。</p>



<p>喧嘩に勝ったのはそのイカツイ見た目通りサイズモアだったのだが、「顔はやばいよ、ボディーにしな！」の三原じゅん子精神を継承し、キルマーの顔だけは殴らなかったらしい。妙に喧嘩慣れしてるっぽい点もさすがサイズモアである。</p>



<p>なおドキュメンタリー映画&#8221;Val&#8221;（2021年）では、本作の撮影現場で二人が仲良く俳優論について語り合っている場面が収録されているらしい。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">殺人ロボットがラスボス ※ネタバレあり</span></h3>



<p>ともかく生き残った３人は、かつてロシアが残したロケットを使って火星軌道上にいる宇宙船に戻ろうとする。</p>



<p>なのだが火星探査用として持って来ていたロボットが墜落の衝撃でおかしくなり、敵と認識した３人に襲い掛かってくる。</p>



<p>このロボット、元は軍事用だったのものを転用しており、誤ってサーチ＆デストロイモードのスイッチが入ってしまったってことらしい。</p>



<p>なんで軍事モードをインストールしたままにしておいたんだろうかと、本作のエンジニアのうっかりさんぶりにはため息が出てしまう。</p>



<p>このロボットとの攻防戦がクライマックスとなるのだが、人類存亡の危機を背景にした壮大なSFとして始まった物語が、最終的に殺人ロボットとの戦いで終わるというガッカリ感は半端なかった。竜頭蛇尾とはこのことである。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/hard-target/" data-type="post" data-id="2751" target="_blank">『ハード・ターゲット』（1993年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/virus-1999/" data-type="post" data-id="8007" target="_blank">『ヴァイラス』（1999年）</a>のチャック・ファーラーが脚本を書いているので仕方ないか。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】ブロンディー/女銀行強盗_主人公に感情移入しまくり（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-real-mccoy/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 16 Jun 2022 08:51:58 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
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					<description><![CDATA[（1993年 アメリカ）公開時には大コケした映画ではあるのですが、娑婆に出た元犯罪者の苦境からスタートして、乗らざるを得なくなった犯罪計画を遂行する場面での緊張感も高く、常に主人公に感情移入しながら見ることができました。 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1993年 アメリカ）<br>公開時には大コケした映画ではあるのですが、娑婆に出た元犯罪者の苦境からスタートして、乗らざるを得なくなった犯罪計画を遂行する場面での緊張感も高く、常に主人公に感情移入しながら見ることができました。なぜこんなに不人気なのかがよく分からない映画。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/The-Real-McCoy_P.jpg" alt="" class="wp-image-7974" width="340" height="482" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/The-Real-McCoy_P.jpg 680w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/The-Real-McCoy_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/The-Real-McCoy_P-71x100.jpg 71w" sizes="(max-width: 340px) 100vw, 340px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-4" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-4">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">興行的には失敗した</a></li></ol></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc4" tabindex="0">主人公に感情移入しまくり</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">ドキドキの銀行潜入場面</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">テレンス・スタンプのキャラが未完成すぎる</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">興行的には失敗した</span></h3>



<p>本作は1993年9月10日に全米公開されたのですが、ハリソン・フォード主演の『逃亡者』（1993年）やトニー・スコット監督の『トゥルー・ロマンス』（1993年）といった類似作に完敗し（なぜ似たような映画が同時期に複数公開されていたのかも謎ですが）、初登場５位と低迷。</p>



<p>翌週はさらに売上高が落ち込んで10位となり、全米トータルグロスはわずか648万ドルに留まりました。</p>



<p>キム・ベイシンガーとヴァル・キルマーという人気俳優の共演作でありながらこの金額は異例の低さであり、興行的には惨敗しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc3">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">主人公に感情移入しまくり</span></h3>



<p>本作の主人公はカレン・マッコイ（キム・ベイシンガー）。そういえばベイシンガーは翌年の『ゲッタウェイ』（1994年）でもマッコイ姓の犯罪者を演じますね。そちらの名前はキャロルですが。</p>



<p>邦題では女銀行強盗と書かれていますが、カレンは閉店後の銀行に侵入することを手口としているので、強盗と言うよりも金庫破りに近そうです。</p>



<p>で、冒頭にてその鮮やかな手口が描かれるのですが、何かのミスで彼女は警官隊に囲まれてそのまま刑務所送りに。</p>



<p>6年後、カレンは辛い刑務所暮らしを経て仮出所を果たすのですが、前科者の彼女の身には娑婆でも辛いことばかり起こります。</p>



<p>金はない、仕事は見つからない、保護観察官には高圧的な態度をとられる。何より耐えられないのは9歳の息子に会えないことで、6年前、彼女は3歳の息子パトリックを残して入所したのですが、夫ロイは彼女の金で建てた家に再婚相手と暮らし、パトリックに対しては「本当のお母さんは死んだ」と説明しています。</p>



<p>弁護士を頼っても「仮釈放中のあなたが親権を主張しても、月に2時間の面会を勝ち取るのがせいぜいですよ」と言われてしまい、やりようがありません。</p>



<p>前半部分ではカレンの苦境がこれでもかと描かれるのですが、くたびれた美人であるキム・ベイシンガーが前科者の女性に実によくマッチしており、大変感情移入しながら見ることができました。</p>



<p>後半、彼女は逮捕されたのと同じヤマを狙いに行くことになるのですが、娑婆でこれだけ大変な目に遭っているのだから、私は止める気にはなりませんでした。むしろ「得意なことをやってこの社会から高飛びしなさい」と応援したくなったほどであり、前半部分のフリは後半に向けて実によく機能しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">ドキドキの銀行潜入場面</span></h3>



<p>そんなわけで後半では銀行への潜入が描かれるのですが、このパートは緊張感の連続で楽しめました。</p>



<p>計画段階で銀行のセキュリティを見たカレンは、最新式の警報器を切ることは不可能と判断。そこで「警報を鳴らさない」という通常の対応策ではなく、こちらのタイムスケジュールに「警報が鳴る」という手順を入れ込んでしまい、コントロール可能な状態でこれを鳴らすという驚天動地の作戦を立てます。</p>



<p>すなわち、彼女らが銀行潜入中に警察が数度来てしまうのです。</p>



<p>本作の脚本家はよくこんなアイデアを思いついたなぁと感心すると同時に、通常ではありえない強盗計画には特有の緊張感が宿っていました。</p>



<p>加えて全体の空気づくりもよくできており、ハッピーエンドとバッドエンドのどちらでもありそうな微妙な空気感が作り上げられているので、見ている側に先読みをさせていません。</p>



<p>おかげで最後の最後まで固唾を飲みながらみることができました。特に最後のアレには本当にやられましたね。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">テレンス・スタンプのキャラが未完成すぎる</span></h3>



<p>そんなわけで全体的にはとても楽しめたのですが、堅気で生きようとするカレンを無理やりに犯罪計画に引き込む犯罪組織のボス ジャック・シュミット（テレンス・スタンプ）のキャラクターがよくわからなかった点だけは、本作の欠点でした。</p>



<p>ジャックは地元の名士として振る舞い、豪邸で２頭の虎を買っているほどの金持ちなので、どうしても金に困っているようには見えません。彼が悪事によって財を成した人間であるにせよ、満ち足りた現在のジャックがリスクを冒してまで銀行の金を盗もうとする動機が見えてこないのです。</p>



<p>加えて、ジャックは6年前のカレン逮捕劇に関与していたようで、その時の悪感情もカレンが計画に乗ってこない理由の一つになっているようなのですが、具体的に二人の間で何が起こったのかの説明が最後までないので、両者のドラマも見えづらくなっています。</p>



<p>ネットを調べても二人の関係性についてはいろんな意見があって、多いのは「6年前、カレンはジャックに裏切られた」という解釈なのですが、劇中におけるジャックの「あの時、俺と組んでれば刑務所になど入らずに済んだのに」というセリフから考えるに、身内の裏切り説は違うような気がします。</p>



<p>カレンはジャックと組んでおらず、仲間に入らなかったカレンをジャックが警察に密告し、それが冒頭での逮捕劇に繋がったと考えることがもっともしっくりきます。</p>



<p>いずれにせよ、劇中でちゃんと説明してくれればこんなことで悩まずに済んだところを、登場人物同士の関係を理解するために必要な情報が欠けた状態になっているのは作品の欠点だと思います。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【良作】D.N.A./ドクター・モローの島_獣人による市民革命（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1996/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 03 Jun 2022 12:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クリーチャー・メカ]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1996年 アメリカ）昔見てつまらなかったのだが、最近見ると印象が全然違って物凄く面白かった。個人と秩序の関係という社会契約論的な話に始まり、市民革命の勃発から挫折までを描いた含蓄ある物語で、そう思って見れば高校時代の [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1996年 アメリカ）<br>昔見てつまらなかったのだが、最近見ると印象が全然違って物凄く面白かった。個人と秩序の関係という社会契約論的な話に始まり、市民革命の勃発から挫折までを描いた含蓄ある物語で、そう思って見れば高校時代の世界史選択者にはグッとくるものがあるんじゃなかろうか。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="728" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-728x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9630" style="width:364px;height:512px" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-728x1024.jpg 728w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-768x1080.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P.jpg 853w" sizes="(max-width: 728px) 100vw, 728px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-6" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-6">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">『モロー博士の島』（1896年）三度目の映画化</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">若手監督リチャード・スタンリー</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">荒れた製作現場</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">代打監督ジョン・フランケンハイマー</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">批評的・興行的失敗</a></li></ol></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">今見たら面白かった</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">モロー博士≒カーツ大佐</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">万人は万人に対して狼</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">戒律の受け止め方は様々</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">権力者が去った後の混乱</a></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">市民革命の挫折 ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">『モロー博士の島』（1896年）三度目の映画化</span></h3>



<p>本作の原作はH・G・ウェルズ著『モロー博士の島』（1896年）。</p>



<p>他の動物を人間のように改造するという設定が話題を呼んだ作品であり、チャールズ・ロートン主演の『獣人島』（1933年）、バート・ランカスター主演の<a href="https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1977/" target="_blank">『ドクター・モローの島』（1977年）</a>と本作以前にも２度映画化されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">若手監督リチャード・スタンリー</span></h3>



<p>1966年南アフリカ出身の映画監督リチャード・スタンリーも、『モロー博士の島』に魅了された人物の一人だった。</p>



<p>低予算のSFホラー『ハードウェア』（1990年）で20代前半にして注目を浴びたスタンリーは、少年期に読んで影響を受けた『モロー博士の島』の映画化に向けて動き始める。</p>



<p>4年がかりで仕上げた脚本はニューラインシネマの手に渡り、製作が始動。</p>



<p>ニューラインは、モロー博士役にマーロン・ブランドを引っ張ってきた。スタンリーがモロー役にイメージしていたのはユルゲン・プロホノフだったのだが、それを上回るビッグネームの就任となった。</p>



<p>ただしニューラインは若手監督の手には余る企画だと判断したのか、ロマン・ポランスキーに監督させようとしたのだが、自分で監督するつもりだったスタンリーは激怒。</p>



<p>意外なことにスタンリーのビジョンに共感していたブランドが監督交代に反対し、事なきを得た。</p>



<p>が、真の地獄はここからだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">荒れた製作現場</span></h3>



<p>その後にブルース・ウィリスの出演も決まり、キャストはこんな感じになった。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>モロー博士：マーロン・ブランド</li>



<li>国連職員 エドワード：ブルース・ウィリス</li>



<li>モローの助手 モンゴメリー：ジェームズ・ウッズ</li>
</ul>



<p>また作品のキーとなる特殊メイクには<a href="https://b-movie.tokyo/terminator-2/" data-type="post" data-id="4820" target="_blank">『ターミネーター2』（1991年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/jurassic-park/" data-type="post" data-id="7554" target="_blank">『ジュラシック・パーク』（1993年）</a>のスタン・ウィンストンを起用し、なかなかのメンツが揃った。</p>



<p>なのだが、撮影が迫ったタイミングで問題が起こった。ブルース・ウィリスが降板を申し入れてきたのである。</p>



<p>その後任としてヴァル・キルマーを雇ったが、こいつが疫病神だった。</p>



<p>当時、ジョアンヌ・ウォーリーとの離婚問題でプライベートがごちゃついていたキルマーは拘束時間を減らすことを要求してきて、出番の多いエドワード役からモンゴメリー役に変更した。そしてエドワード役にはテレビ俳優のロブ・モローを据えた。</p>



<p>1995年8月1日からオーストラリアでの撮影に入ったが、プライベートでのストレスを現場で吐き出すかの如く、キルマーは奇行に走った。</p>



<p>脚本通りに演じない、監督の考えを繰り返し批判するなど、多くのスタッフ・キャストは妨害的な態度であると感じていた。</p>



<p>普通ならクビにしているところなのだが、当時、キルマーがワーナーで主演した<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/batman-forever" target="_blank">『バットマン フォーエヴァー』（1995年）</a>が大ヒットしており（最終的には全米年間興行成績1位をとる）、ニューラインとしてはキルマーを手放すという判断を下せない。</p>



<p>この記事の最初に掲載している当時のチラシをご覧になっていただいても分かる通り、広告宣伝においてはヴァル・キルマーが全面に押し出されていたのだから、本作の興行的成功を担っているのはキルマーだった。</p>



<p>そして事情をよく聞かされずにロケ地入りしたロブ・モローは、現場のあまりの荒れ具合に恐れをなし、撮影２日目にして降板を申し出た。ニューライン会長ロブ・シェイに直接電話したモローは、涙ながらに降板を懇願したという。</p>



<p>これらの混乱を受け、そもそもスタンリー監督との折り合いの悪かったニューラインは、現場を仕切れていないことを理由にファックスで監督に解雇を通告。撮影開始後わずか３日目だった。</p>



<p>また悪いことに、スタンリーの最大の擁護者だったブランドも当時それどころではなかった。クランクイン前の1995年4月に娘シャイアンが自殺していたのである。</p>



<p>取りつく島のなくなったスタンリーは現場を離れるしかなかった。</p>



<p>スタンリーの監督としてのキャリアもほぼここで終わってしまい、次なる監督作のリリースは実に25年後。ニコラス・ケイジ主演の『カラー・アウト・オブ・スペース』（2020年）までは活動実績が真っ白になった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">代打監督ジョン・フランケンハイマー</span></h3>



<p>現場の立て直しを行わなければならないニューラインは、スタンリーの代打としてジョン・フランケンハイマーを起用した。マーロン・ブランドと仕事ができるということが、フランケンハイマーがこの仕事を引き受けた動機だった。</p>



<p>ジョン・フランケンハイマーは60~70年代に男性映画の雄として活躍した監督だったが、90年代当時はすでに忘れ去られた監督だった。<a href="https://b-movie.tokyo/ronin/" data-type="post" data-id="6396" target="_blank">『RONIN』（1998年）</a>での復活劇は本作後のことである。</p>



<p>早速、フランケンハイマーはロブ・モローの後任を探し、『ネイキッド 快感に満ちた苦痛』（1993年）でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞したデヴィッド・シューリスを起用した。シューリスもまた、マーロン・ブランドとの共演に惹かれていた。</p>



<p>またニューラインとフランケンハイマーはウォロン・グリーン（『ワイルドバンチ』<a href="https://b-movie.tokyo/eraser/" data-type="post" data-id="3893" target="_blank">『イレイザー』</a>）に脚本の書き直しをさせたが、さらに現場での変更をさせるためにテレビ脚本家のロン・ハッチンソンを雇った。</p>



<p>こんな現場なので当然のことながらスケジュールは崩壊しており、キャストやスタッフが何時間も待たされるなどザラだった。</p>



<p>そしてマーロン・ブランドが空調の利いたトレーラーで優雅に過ごしているのに対して、特殊メイクを施されたまま炎天下で待たされる他のキャスト達の不満は募っていった。</p>



<p>またベテラン監督フランケンハイマーの手法は、気鋭の若手監督だったスタンリーとは正反対のものだったことも反発を招いた。フランケンハイマーの演出法は独裁的で、スタッフの言うことになど全く耳を貸さなかったのである。</p>



<p>加えて、ブランドvsキルマー、フランケンハイマーvsキルマーのトラブルも酷いもので、彼らが揉め始めるたびに、スタッフ・キャストは待ちぼうけを喰らわされるのだった。</p>



<p>また前任者スタンリーが依然としてニューラインに対する敵意をむき出しにしていることも、不安材料だった。</p>



<p>いつ現場に妨害に現れるか分からない状況だったことから、セキュリティを強化。そのことが不穏な空気を余計に助長した。</p>



<p>当初6週間で終わる予定だった撮影には6か月近くもかかり、ハリウッド史上屈指の荒れた作品となったのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">批評的・興行的失敗</span></h3>



<p>そんな具合でどう考えても駄作になるしかない流れにあり、主演のデヴィッド・シューリスはプレミア上映にすら姿を現さなかった。</p>



<p>1996年8月23日に全米公開され、強い競合がいる週ではなかったにも関わらず初登場1位を逃した。僅か4週目にしてトップ10から姿を消し、全米トータルグロスは2766万ドルだった。</p>



<p>国際マーケットでも同じく苦戦し、全世界トータルグロスは4962万ドル。劇場の取り分や広告宣伝費までを考えると、4000万ドルの製作費の回収はできなかった。</p>



<p>そして批評面でも散々で、ラジー賞では5部門ノミネート（作品、監督、助演男優、脚本、ワーストカップル）、マーロン・ブランドがワースト助演男優賞を受賞した。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc7">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">今見たら面白かった</span></h3>



<p>昔、日曜洋画劇場でやっているのを見たのだが、気持ち悪いだけで面白くない映画だという印象で、その後も見返す気にならなかった。</p>



<p>が、最近になってBlu-rayを衝動買いしてしまった。なぜだかは自分でも分からないのだが、面白くないと認識している映画をわざわざ買ってしまう癖が私にはある。</p>



<p>リメイク版<a href="https://b-movie.tokyo/total-recall-2012/" data-type="post" data-id="242" target="_blank">『トータル・リコール』（2012年）</a>とか<a href="https://b-movie.tokyo/avp-2/" data-type="post" data-id="1318" target="_blank">『AVP2 エイリアンズvsプレデター』（2007年）</a>とか<a href="https://b-movie.tokyo/clear-and-present-danger/" data-type="post" data-id="6401" target="_blank">『今そこにある危機』（1995年）</a>とか、散々文句を言ってる割に、うちの棚にはBlu-rayがあったりする。</p>



<p>そんな謎行動でBlu-rayを入手して20年ぶりに鑑賞したのだが、あらためて見ると全然悪くない、というか普通に面白いと感じた次第。</p>



<p>こういう再会がたまにあるから、これからも私の駄作コレクションは続いていくのだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">モロー博士≒カーツ大佐</span></h3>



<p>今回の鑑賞においては、マーロン・ブランド扮するモロー博士の内面の葛藤が実に興味深く感じられた。</p>



<p>国連弁護士のエドワード・ダグラス（デヴィッド・シューリス）は飛行機事故でインド洋上を漂っていたところを、モンゴメリー（ヴァル・キルマー）の貨物船に救助される。貨物船は絶海の孤島に到着するのだが、そこではノーベル賞学者のモロー博士（マーロン・ブランド）がおぞましい動物実験を行っていたというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>モロー博士は遺伝子操作によって動物を人間に改造しようとしているのだが、その実験が余りにマッド過ぎて文明社会にいられなくなり、孤島に引きこもっているとのことである。</p>



<p>モロー博士は獣人たちに自分を「父」と呼ばせているのだが、これは生みの親というよりも創造主というニュアンスに近い。</p>



<p>つまりモロー博士は文明から隔絶されたこの島で小さな世界を築き、神として君臨しようとしているのである。</p>



<p>ただしそれが誇大妄想ゆえの暴走かと言うとそういうわけでもなく、神=人格者になりきることで、自分自身のマッドな面を抑え込もうとしているのではないかと思う。</p>



<p>それほどまでに、神を演じている時のモロー博士は楽しくなさそうなのである。</p>



<p>獣人の前に出ていくモロー博士は、白塗り&amp;サングラス&amp;手袋というマイケル・ジャクソン スタイルで、かなりの肥満体であるマーロン・ブランドがこの姿をしたことで、公開当時には失笑を買った。</p>



<p>しかしこうした奇怪な扮装も自分の内面をさらけ出さない、本来の自分とは別の存在になりきるという、モロー博士の苦肉の策と見ることもできる。</p>



<p>そしてこの扮装が似合わなければ似合わないほど、モロー博士は無理をして神の役を演じているということになり、そこに物の憐れが宿るのである。</p>



<p>恐らくモロー博士は白衣を着て動物実験をやっている時が一番楽しいのだが、劇中でその姿になることはない。一度だけ映る手術も助手のモンゴメリーにやらせており、自分自身で執刀することはない。それが自分に課した戒律なのだろう。</p>



<p>当初の監督のリチャード・スタンリーもマーロン・ブランドも、モロー博士の人物造形に当たっては<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/apocalypse-now" target="_blank">『地獄の黙示録』（1979年）</a>のカーツ大佐を念頭に置いていたらしい。</p>



<p>カーツ大佐は戦争という特殊状況に順応していく自分自身に恐怖を覚えた。</p>



<p>&#8220;The horror&#8230; the horror&#8230;&#8221;という有名なセリフは、「まさか自分がこんなことまで平気でできる人間だったとは」ということに対する恐怖だったと個人的には解釈しているのだが、本作のモロー博士も同じなのだろう。</p>



<p>出来上がった獣人たちを見て「滅茶苦茶やってんな、俺」ということを自覚し、このままだと内面の闇に引きずり込まれてもっと酷いこともしでかしそうなので、自分自身に対する枷として、神という理想的な人格を目指すことにしたのではないか。</p>



<p>本作でブランドはラジー賞受賞という不名誉を得たが、熱演と怪演は紙一重であり、その意図を考えながら見ると、結構良い演技だとも感じられた。</p>



<p>『ドクター・モローの島』（1977年）でバート・ランカスターが演じた超然としたモロー博士よりも、こっちのモロー博士の方が個人的には好み。</p>



<p>またブランドは、何となく誤魔化しながらやったことが結果的に評価された『地獄の黙示録』（1979年）でやり残したことを、本作で完成させようとしていたのではないかとも感じる。</p>



<p>余談であるが、『地獄の黙示録』（1979年）の原作『闇の奥』(1899年）は、行方不明になったリビングストンを探しに行った冒険家ヘンリー・モートン・スタンリー卿の実話にインスパイアされたんじゃないかとも言われているが、リチャード・スタンリー監督はそのスタンリー卿の末裔である。</p>



<p>そのことでもマーロン・ブランドの興味を惹いたらしい。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">万人は万人に対して狼</span></h3>



<p>この島の状況を端的に表現するならば、高校の世界史で習ったトマス・ホッブズ著『リヴァイアサン』（1651年）の「万人は万人に対して狼」である。出てくるのは文字通り獣だし。</p>



<p>社会契約論の代表的哲学者トマス・ホッブズは、人間は本質的には自由であり、自己保存のため他人に対して暴力をふるう権利も有しているとした。</p>



<p>ただし自然権を行使し合うことは、他人の暴力によって自己の死をも招くという諸刃の刃である。それが「万人は万人に対して狼」という言葉で表現されている。</p>



<p>そこで各自は自分の持つ権利の一部を社会に差し出し、完全な自由ではなくなることと引き換えに、他人の権利の濫用から守られるという仕組みを作ることが、幸福の最大化に繋がるんじゃないかと考えた。</p>



<p>これが社会契約論の骨子である。高校世界史もなかなか役に立つものだ。</p>



<p>そしてモロー博士は、まさにこれを実践しようとしている。</p>



<p>モロー博士は獣人たちに対し、四足歩行をするな、生肉を喰らうな、地べたの水を飲むなといった、彼らにとっては厳しい戒律を課す。</p>



<p>構成員が獣のままであれば、お互いが殺し合うだけであろう。全員が平和的な棲み分けを行うためには獣でなくなることが必要であり、自分のため他人のために本能の一部を放棄せよと迫っているのである。</p>



<p>余談であるが、先日子供から「戦争はなぜなくならないのか」と聞かれた時に、咄嗟に浮かんだ答えが「万人は万人に対して狼」だった。</p>



<p>自然人と同じく国家も自己保存の本能を持っており、生存のため戦う権利を有している。なのだが自然人と異なるのは、権利の一部を差し出す先がないということである。</p>



<p>だから依然として国家間では「万人は万人に対して狼」という状況が続いており、争いごとがなくならないのは当然っちゃ当然なのである。</p>



<p>で、その打開策が第一次大戦後に作られた国際連盟であり、第二次大戦後に作られた国際連合なのだろうが、いかなる国をも押さえつけるほどの圧倒的な力を持つに至っていないため、本来的に期待される機能を果たしていないのが現状である。</p>



<p>さらに言うと、国家としての生存権の一部を放棄した憲法を持つ日本国が80年近く戦争に巻き込まれていないのは、哲学的にはある程度説明が付くのである。私は9条にさほど肯定的ではないが、それでも一定の有効性は認めざるを得ないと思っている。</p>



<p>以上、完全な余談でしたな。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">戒律の受け止め方は様々</span></h3>



<p>モロー博士に支配される獣人側はというと、支配を受け入れる層と、拒絶する層に分かれていて、反応が一面的ではない点が興味深かった。</p>



<p>面白いのがベースとなった動物の種類によって受け止め方が変わってくることで、犬や猫をベースにした獣人達は戒律を積極的に受け入れ、人間に近づくことに喜びすら感じている。彼らのレベルになると人間との共同生活も可能。</p>



<p>牛や羊をベースにした獣人達はそこまで人間慣れはしないが、それでもモロー博士の屋敷の周辺で集落を形成し、戒律通りに生きようと努めている。</p>



<p>問題なのはイノシシやハイエナといった野生動物をベースにした獣人達で、彼らは森で放し飼い状態となっている。</p>



<p>体内に仕込んだ電極により苦痛を与えることで何とか行動を制御しているのだが、見られていない場所では戒律を侵したい放題で、ペナルティさえ受けなければ戒律など守る必要がないという態度でいる。</p>



<p>規則を積極的に守ろうとする者、気乗りはしないが仕方ないと受け入れている者、全く守る気のない者といった反応の違いも、現実の人間社会を反映しているようで興味深かった。</p>



<p>この話は実によく作り込まれているのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">権力者が去った後の混乱</span></h3>



<p>そんなこんなで反発を受けつつも島の秩序は守られ続けたのだが、火葬された仲間の死体から電極の位置を特定し、その取り外しに成功したハイエナとイノシシが、モロー博士に対する反乱を起こす。</p>



<p>彼らは神を殺すことに成功する。しかし問題は、その後の島をどう支配するのかのビジョンがなかったことだ。</p>



<p>一時期はモロー博士の助手のモンゴメリーが神の座に就こうとした。享楽的な男モンゴメリーは、「かったるい戒律なんか全部やめようぜ！」と言って獣人達に乱交パーティをさせたが、ラリった獣人の一人に殺された。</p>



<p>モロー博士にもっとも忠実だったはずの犬の獣人は、主人を亡くすと反体制派のハイエナの側に付き、文字通りその走狗となって、今度は秩序の破壊者側に回る。実社会にもこういう奴はいる。</p>



<p>犬の獣人はとっ捕まえた猫の獣人に対して「俺はモロー博士から厳しくしつけられたのに、お前は全然叱られなかったよな」と恨み節を述べるのだが、うちで飼ってる犬猫に会話させても同じことを言い出しそうで、ちょっと興味深かった。</p>



<p>犬ってのは言うことを聞いてくれるので、飼い主としてもついついダメとか言っちゃうんだよ、ごめんな。</p>



<p>話を映画に戻すが、モロー博士の秩序は正義でなかったかもしれないが、かと言って無秩序が善というわけでもない。無秩序は、理不尽な権力よりも多くの血を欲する。</p>



<p>ただし反体制派達の気持ちもわかる。彼らは本能のままに四本足で野を駆け回り、食べたい時に獲物を喰らいたかっただけである。</p>



<p>それを封じられたことが苦しかったという事情も理解できるのだが、一方で本能に忠実な獣だけでは島の秩序は維持できないのである。そのバランスが難しい。</p>



<p>この命題もまた、全体主義か自由主義かという国家と個人の関係を反映しているようで興味深かった。</p>



<p>そういえばこの前見た<a href="https://b-movie.tokyo/the-devils-advocate/" data-type="post" data-id="9616" target="_blank">『ディアボロス/悪魔の扉』（1997年）</a>で、「神は人間に欲望を与えておきながら、それを充たすな、我慢して生きろと言い、右往左往する人間を見て笑っているサディストだ」と言うセリフがあって、私は随分と納得できたのだが、本作にも似たようなものを感じる。</p>



<p>製造者責任というのだろうか、作ったら作ったで、俺らが苦労なく生きられるようにお膳立てしろよという創造物側の苦しみも大いに理解できる。本作でハイエナやイノシシが求めていることって、我々人間の苦しみでもあるのだ。</p>



<p>ある行為を欲する本能は我々が好んで身に着けたものではなく、生来備わっていたものであり、それが悪だから禁止しろと言われたって、そもそも俺らのせいじゃないんですけどという。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc13">市民革命の挫折 ※ネタバレあり</span></h3>



<p>最終的に神の座に就いたのはハイエナであり、旧支配階層の生き残りであるダグラスを引っ張って来て、俺が神であることを認めろと言う。</p>



<p>事ここに至っても人間による権威付けを必要としているあたりに、彼ら獣人の物悲しさが宿っている。</p>



<p>ダグラスは「君は神だ」と認めるのだが、続けて「神は一人だが、君らの中の一体誰がNo.1の神なんだ？誰に従えばいいんだ？」と言って革命派の内紛をけしかける。</p>



<p>これは露骨に市民革命後の内ゲバだ。</p>



<p>フランス革命（1789-1795年）では、酷い王様という万人の敵を討ち取った後に混乱が待っていて、急進派のロベスピエールは政敵を次々とギロチンに送り込み、最後は自分自身も処刑された。</p>



<p>ロべスピエールによるテルール（恐怖政治)は、テロリズムの語源ともなった。ハイエナとイノシシの内紛は、まさにテロに等しい行為だったと言える。</p>



<p>最終的にはモロー博士に対して従順（=保守派）だった羊の長老が権力を握ったという結末も、ナポレオン1世の台頭によって幕引きが図られたフランス革命の顛末を見ているようだった。</p>



<p>これまた高校世界史が役に立った。世界史選択者には必見の映画だと言える。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-b wp-block-embed-b"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1977" title="【凡作】ドクター・モローの島_熱血漢が秩序を壊す（ネタバレあり・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】ドクター・モローの島_熱血漢が秩序を壊す（ネタバレあり・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（1977年 アメリカ）チャチな特殊メイク、平板なキャラクター、凡庸な演出と、映画としてはあまり面白くなかった。学者バカのモロー博士vs熱血漢ブラドックの対比と、結果的にブラドックの正義感が島の秩序を破壊するという顛末は良かったけど、面白さ...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2022.06.03</div></div></div></div></a>
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			</item>
		<item>
		<title>【凡作】トップガン マーヴェリック_学級崩壊中のトップガン（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/top-gun-maverick/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 27 May 2022 23:30:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[2020年代]]></category>
		<category><![CDATA[トム・クルーズ]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
		<category><![CDATA[ブラッカイマー]]></category>
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					<description><![CDATA[（2022年 アメリカ）待ちに待ったトップガンの続編で、80年代ノスタルジーをくすぐってくるので楽しい作品ではあったが、タイトルが表す通りマーヴェリックが物語の中心であり、トップガン生徒たちのドラマにはさほどのスポットが [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2022年 アメリカ）<br>待ちに待ったトップガンの続編で、80年代ノスタルジーをくすぐってくるので楽しい作品ではあったが、タイトルが表す通りマーヴェリックが物語の中心であり、トップガン生徒たちのドラマにはさほどのスポットが当たっていないため、群像劇としてはイマイチに感じた。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" title="【凡作】トップガン_もっと話が面白ければ…（ネタバレなし・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】トップガン_もっと話が面白ければ…（ネタバレなし・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（1986年 アメリカ）トニー・スコットのかっこよすぎる映像や、キラッキラのトム様など見所の多い娯楽作なのですが、主人公の成長譚としてはまったく盛り上がりがなく、トップガン（エリート航空戦訓練学校）という舞台にもいろんな疑問が湧いてくるので...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.09.06</div></div></div></div></a>
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<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P-732x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9778" width="366" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P-732x1024.jpg 732w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P-215x300.jpg 215w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P-72x100.jpg 72w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P-768x1074.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_P.jpg 858w" sizes="(max-width: 366px) 100vw, 366px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-8" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-8">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">個人的にはイマイチ</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">成長していないマーヴェリック</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">トップガンは学級崩壊状態</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">空中戦は見応え十分</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">個人的にはイマイチ</span></h3>



<p>公開前から大絶賛の意見しか聞こえてこなかった本作には期待しかなく、前日に前作<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" data-type="post" data-id="6529" target="_blank">『トップガン』（1986年）</a>を鑑賞したうえで、初日にIMAXへ突撃した。</p>



<p>が、個人的にはイマイチだった。</p>



<p>80年代ノスタルジーを刺激してくるので確かにアガる場面はあるし、本物志向のドッグファイトシーンも素晴らしかったのだが、トム・クルーズとジェニファー・コネリーの50代カップルにスポット当てすぎで若いキャラクター達に魅力がなかったり、肝心のマーヴェリックのドラマにも違和感があったりで、全体としてはノれなかった。</p>



<p>また、ストーリーはそうなるしかないよなという方向に向かってひた走っていくので、この先どうなるんだろうというドキドキ感もなかった。</p>



<p>世界的な高評価を見るにつけ、自分は映画に選ばれなかった不運な観客ということになるのだろうが、以下に何が問題に感じたのかを書いていくので、少数意見として読んでいただきたい。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">成長していないマーヴェリック</span></h3>



<p>冒頭は第一作をなぞらえた空母の場面から始まる。BGMはもちろん1986年のままなのだが、映像はよりブラッシュアップされていて、21世紀のトップガンという感じがする。</p>



<p>ここで一気にボルテージが上がったのだが、カットはいきなりモハーベ砂漠へと飛んでいく。</p>



<p>前作と同じく空母から物語がスタートするわけではなく、単なるファンサービスだったことにがっかりした。</p>



<p>砂漠ではマーヴェリック大佐（トム・クルーズ）が極超音速機の開発プロジェクトを進めているのだが、エド・ハリス将軍から予算の打ち切りと計画の中止を言い渡される。</p>



<p>が、将軍が飛行場に到着する前にテスト飛行を行い、目標を達成すれば結果オーライで予算が戻ってくるだろうと踏んだマーヴェリックは、急いでテスト機に乗り込む。</p>



<p>結果、目標であるマッハ10を達成するのだが、冒険野郎マーヴェリックは記録をさらに更新しようとして、機を大破させてしまう。</p>



<p>相変わらず無謀なマーヴェリックなのだが、前作において相棒であるグースを亡くした事故からその無謀さを抑えることを学んだはずなのに、また元に戻っているような気がして、私はドラマの断絶を感じた。</p>



<p>当然のことながらエド・ハリス将軍はカンカンに怒っており、マーヴェリックを左遷しようとするのだが、そんな矢先に滅茶苦茶えらくなったトップガン同期 アイスマン（ヴァル・キルマー）からの連絡が入り、マーヴェリックはトップガンに戻されることになる。</p>



<p>首の皮一枚でつながったマーヴェリックだが、話によると彼がアイスマンに助けられるのは今回が初めてのことではなく、何かやらかしちゃあ、同期の出世頭に助けてもらうということをここ30年余り繰り返してきたらしい。</p>



<p>これまたグースの一件から何も学んでいない気がしたし、前作からの経過年数分の重みを感じられなかったことも残念だった。</p>



<p>そこには成長して大人になったマーヴェリックがいるべきだったのに、顔だけが老けた昔のまんまのマーヴェリックでしかないのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">トップガンは学級崩壊状態</span></h3>



<p>なぜマーヴェリックがトップガンに戻されたのかというと、米海軍が敵国の核施設を破壊するという軍事作戦を計画中であり、その要となるパイロット達を短期間で訓練する必要性が生じたため。</p>



<p>このご時世に敵基地攻撃を平然と行える世界線ってどうなのとも思ったが、これはジェリー・ブラッカイマー製作の映画なので厳しいことを言っても仕方ない。</p>



<p>で、過去半世紀でもっとも武勲をあげたパイロットであるマーヴェリックが指導の最適任者と見做されたのである。</p>



<p>トップガンには選りすぐりの現役パイロット達が集められており、マーヴェリックは彼らを鍛えることとなるのだが、このパイロット達が学生みたいなノリでマーヴェリックに接してくるし、公然と反発もしてくるものだから、とても見ていられなかった。</p>



<p>もはや学園ドラマのノリである。</p>



<p>第一作のマーヴェリックだって教官のトム・スケリット相手に生意気な態度をとっていたが、そんなことをしているのはマーヴェリック一人だけだったのでトップガン全体はちゃんと機能していたし、そのマーヴェリックですら、上官に対する口の利き方などには一定の抑制を聞かせていた。</p>



<p>それに引き換え今回のトップガン生徒たちときたら、曲がりなりにも大佐であるマーヴェリック相手にタメ口を聞くわ、すぐに言い返してくるわ、授業中に喧嘩を始めるわと、学級崩壊のような様相を示す。</p>



<p>軍隊というのは階級がすべてではないのだろうか？中学校の文化部でも、ここまで序列は緩くないだろう。</p>



<p>グースの息子であるルースター（マイルズ・テラー）は前作におけるマーヴェリックに相当する立場、自信過剰なエースパイロットであるハングマン（グレン・パウエル）はアイスマンに相当する立場なのだが、二人とも魅力的ではなかったな。</p>



<p>特にハングマンはただただ嫌味な奴で、彼が良いところを見せる場面がほとんどなかった。</p>



<p>ルースターは露骨にマーヴェリックを拒絶しすぎで、大人の対応ではなかったのでイライラさせられた。</p>



<p>父の友人で、一度は父親代わりを演じようとして失敗した仲とは言え、現在は上官である。しかもプライベートではなく職場で顔を合わせているのに、あまりにも私情が顔や態度に出過ぎ。</p>



<p>もうちょっと内に秘めた反発心のような表現でも良かったんじゃなかろうか。</p>



<p>そのほかの生徒たちはほぼ空気のような存在感であり、彼らの群像劇はサッパリ盛り上がらない。</p>



<p>軍人らしくない見た目で仲間内でもいじられていたボブ（ルイス・プルマン）なんて、クライマックスにかけて大活躍するのが定石だろうと思うのだが、まったくと言っていいほど活躍の場面が与えられていないため、なぜあんなキャラクターを出したのだろうと不思議に思えてくる。</p>



<p>そのほか、多様性を担保するために登場させられたアジア人などは名前も思い出せないほどの空気ぶりで、存在価値がまったくなかった。</p>



<p>ともかく彼らは敵基地攻撃に向けてマーヴェリックからの指導を受ける。</p>



<p>自動追尾ミサイルに狙われないよう渓谷を超低空飛行し、小さな的に向けて爆弾を投下するという難易度マックスの操縦技をいくつもマスターせねばならない。</p>



<p>これがまんま『スターウォーズ』のデススター攻略戦なのが笑わせるが、恐らくは意図的にそうしたのだろう。</p>



<p>なのだが、精鋭揃いのトップガン生徒たちでもその習得には困難を極め、現トップガン責任者サイクロン将軍（ジョン・ハム）すら、これは不可能だと主張する。</p>



<p>様々なドラマを重ねつつも彼らのトレーニングを軸に映画は推移するのだが、結局のところ生徒たちが技をマスターしたんだかどうか分からない状況で実戦に移っていくので尻切れトンボに感じた。</p>



<p>そこはスポーツ映画の要領で、生徒たちの仕上がりを見せて欲しいところだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">空中戦は見応え十分</span></h3>



<p>そんなわけでドラマにはあまりノれなかったのだが、見せ場は別。</p>



<p>映像の鬼ジョセフ・コシンスキー監督のビジュアルは相変わらず美しく、前作と同じく実機を用いる撮影にこだわったことで、異次元の迫力があった。</p>



<p>戦闘機が速度を上げた瞬間に発生する波動や、踏ん張っているパイロットの表情などは、実機を使わなければ決して出せない表現だったと思う。これにより説得力がぐっと増している。</p>



<p>前作では誰の搭乗機だか分からずドッグファイトの緊張感が途切れるという問題があったが、本作では情報整理にも成功しており、そのような混乱が生じなかった点も良かった。</p>



<p>戦闘中には自己犠牲あり、思わぬピンチあり、ギリギリでの脱出ありと考えうるイベントがこれでもかと詰め込まれていて、これまた盛り上がった。</p>



<p>前述した通り、ミッション自体は荒唐無稽なのだが、これを圧倒的なリアリティで描いているので、なかなか不思議な感覚のアクション映画だとも感じたが。</p>



<p>そして作品の性質上、敵パイロットの個性が描かれないため好敵手は不在であり、無機質な敵機と戦うだけという前作以来の弱点は、如何ともしがたかったようだ。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" title="【凡作】トップガン_もっと話が面白ければ…（ネタバレなし・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_1-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】トップガン_もっと話が面白ければ…（ネタバレなし・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（1986年 アメリカ）トニー・スコットのかっこよすぎる映像や、キラッキラのトム様など見所の多い娯楽作なのですが、主人公の成長譚としてはまったく盛り上がりがなく、トップガン（エリート航空戦訓練学校）という舞台にもいろんな疑問が湧いてくるので...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.09.06</div></div></div></div></a>
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		<title>【凡作】トップガン_もっと話が面白ければ…（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/top-gun/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 06 Sep 2020 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[トム・クルーズ]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
		<category><![CDATA[ブラッカイマー]]></category>
		<category><![CDATA[トニー・スコット]]></category>
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					<description><![CDATA[（1986年 アメリカ）トニー・スコットのかっこよすぎる映像や、キラッキラのトム様など見所の多い娯楽作なのですが、主人公の成長譚としてはまったく盛り上がりがなく、トップガン（エリート航空戦訓練学校）という舞台にもいろんな [&#8230;]]]></description>
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<p>（1986年 アメリカ）<br>トニー・スコットのかっこよすぎる映像や、キラッキラのトム様など見所の多い娯楽作なのですが、主人公の成長譚としてはまったく盛り上がりがなく、トップガン（エリート航空戦訓練学校）という舞台にもいろんな疑問が湧いてくるので、映画としての出来は程ほどだったと思います。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="211" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P-211x300.jpg" alt="" class="wp-image-6530" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P-721x1024.jpg 721w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P-768x1091.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_P.jpg 845w" sizes="(max-width: 211px) 100vw, 211px" /></figure></div>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun-maverick/" title="【凡作】トップガン マーヴェリック_学級崩壊中のトップガン（ネタバレなし・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】トップガン マーヴェリック_学級崩壊中のトップガン（ネタバレなし・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（2022年 アメリカ）待ちに待ったトップガンの続編で、80年代ノスタルジーをくすぐってくるので楽しい作品ではあったが、タイトルが表す通りマーヴェリックが物語の中心であり、トップガン生徒たちのドラマにはさほどのスポットが当たっていないため、...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2022.05.28</div></div></div></div></a>
</div></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-10" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-10">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">トニー・スコット監督の長編2作目</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">トム・クルーズ初のブロックバスター</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">『アナコンダ』（1997年）のコンビ脚本家</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">年間興行成績No.1の特大ヒット</a></li></ol></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc9" tabindex="0">トニー・スコットのビジュアルセンス炸裂</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">トム・クルーズのスターオーラが眩しい</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">マーヴェリックの成長譚として機能していない</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">トップガンの仕組みがおかしい</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>F-14パイロットのマーヴェリック（トム・クルーズ）は、同じ隊のエースパイロットの脱落によってエリート航空戦訓練学校（トップガン）への入学の道を得る。エリートパイロット同士の競争の中でも首位争いに食い込むほどの活躍を見せるマーヴェリックだったが、無謀な操縦や規則軽視の態度は多くの反感も生んでいた。そんな中で、模擬空戦中にマーヴェリック機が事故を起こし、脱出の際のトラブルで相棒の命を失う。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">トニー・スコット監督の長編2作目</span></h3>



<p>1944年生まれ。兄のリドリーも映画監督。</p>



<p>若い頃は画家として生計を立てていたのですが、1970年代にリドリーが経営するCM製作会社に入り、CMディレクターとして活躍。その後、リドリーの後を追うように映画界入りし、デヴィッド・ボウイ主演のバンパイア映画『ハンガー』（1983年）で長編映画監督デビューしました。</p>



<p>本作『トップガン』（1986年）はジョン・カーペンターとデヴィッド・クローネンバーグに断られた後にトニー・スコットが監督に就任したのですが、『フラッシュ・ダンス』（1983年）より音楽と映像の融合を目指していたプロデューサー ジェリー・ブラッカイマーの方向性とスコットのスキルがピタリと一致しており本作に起用。</p>



<p>以降は『ビバリーヒルズ・コップ２』（1987年）、『デイズ・オブ・サンダー』（1990年）、<a href="https://b-movie.tokyo/crimson-tide/" data-type="post" data-id="4643" target="_blank">『クリムゾン・タイド』（1995年）</a>『エネミー・オブ・アメリカ』（1998年）、『デジャヴ』（2006年）とブラッカイマーの御用達監督となりました。</p>



<p>後年、トム・クルーズと共にトップガンの続編を製作しようとしていたのですが、2012年にカリフォルニア州サンペドロの橋から飛び降りて死亡。遺書はないものの自殺という見方が一般的です。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">トム・クルーズ初のブロックバスター</span></h3>



<p>1962年ニューヨーク州出身。</p>



<p>高校卒業後に俳優を目指してハリウッドに移り、『タップス』（1981年）、『アウトサイダー』（1983年）、『栄光の彼方に』（1983年）などの青春映画に次々と出演。『卒業白書』（1983年）でゴールデングローブ主演男優賞にノミネートされました。</p>



<p>リドリー・スコット監督のファンタジー<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/legend" target="_blank">『レジェンド/光と闇の伝説』（1985年）</a>はコケたものの、その弟トニー・スコット監督の本作が年間第一位の大ヒットとなり、加えて同年に出演したマーティン・スコセッシ監督の『ハスラー2』（1986年）で共演のポール・ニューマンにアカデミー主演男優賞をもたらしたことで評価と人気を獲得。</p>



<p>以降も『カクテル』（1988年）や『デイズ・オブ・サンダー』（1990年）のような若者向けの軽い作品と、『レインマン』（1987年）や<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/born-on-the-fourth-of-july" target="_blank">『7月4日に生まれて』（1989年）</a>のような賞レース向けの映画の両方にバランスよく出演し、スターの中のスターとなりました。</p>



<p>40歳を過ぎた辺りからアクションスターとして開眼し、近年は<a href="https://b-movie.tokyo/mission-impossible-series/" data-type="post" data-id="5837" target="_blank">『ミッション：インポッシブル』シリーズ</a>の無茶なスタントで名を馳せています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">『アナコンダ』（1997年）のコンビ脚本家</span></h3>



<p>本作の脚本を書いたジム・キャッシュ&amp;ジャック・エップス・ジュニアは25年間にも渡ってコンビを組んできた脚本家であり、マイケル・J・フォックス主演の『摩天楼はバラ色に』（1987年）やトム・ハンクス主演の『ターナー＆フーチ すてきな相棒』（1989年）などの脚本を書いています。1997年には<a href="https://b-movie.tokyo/anaconda/" data-type="post" data-id="6163" target="_blank">『アナコンダ』</a>で一部映画ファンからの熱い注目を浴びました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">年間興行成績No.1の特大ヒット</span></h3>



<p>1986年5月16日に公開されてオープニング興収は1221万ドルと、2位の『ショートサーキット』（1986年）の売上高539万ドルの2倍以上というぶっちぎりの1位を獲得しました。</p>



<p>本作が凄かったのはこの高い売上高が1か月に渡って落ちなかったことであり、公開2週目こそシルベスター・スタローン主演の<a href="https://b-movie.tokyo/cobra/" data-type="post" data-id="79" target="_blank">『コブラ』（1986年）</a>と人気シリーズ第2弾『ポルターガイスト2』（1986年）に敗れて3位に甘んじたものの、3週目と4週目には1位に返り咲いています。</p>



<p>公開後25週に渡ってトップ10に居座り続け、全米トータルグロスは1億7665万ドル。2位の『クロコダイル・ダンディ』（1986年）の売上高1億1684万ドルに大差をつけて年間興行成績No.1となりました。</p>



<p>世界マーケットでも同じく好調であり、全世界トータルグロスは3億5381万ドル。こちらでも年間No.1なのですが、製作費が1500万ドルと大作としては控えめな金額に抑えられていたことまでを考慮すると、パラマウントに莫大な利益をもたらした作品となりました。</p>



<p>ここからトム・クルーズとパラマウントの蜜月が始まるのですが、これほど圧倒的な成果を収めたのであれば納得です。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc8">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">トニー・スコットのビジュアルセンス炸裂</span></h3>



<p>朝日をバックに空母のデッキでF-14の発艦準備をするクルー達。夜明けかつ出撃前という状況に合わせたようにスローテンポの音楽とややスローモーションの映像から始まるのですが、いざF-14が発艦というところでアップテンポな主題歌”Dager Zone”に切り替わり、一気に上がるテンション。</p>



<p>このオープニングは何度見ても最高過ぎますね。これだけでごはん三杯いけるくらいイイです。</p>



<p>またこのOPは空母の甲板の構造や、航空機を発艦・着艦させる際の仕組みなど、素人があまり知らない情報を伝達する役割も果たしており、なかなかよく出来ています。</p>



<p>続く公海上でのF-14とミグの小競り合いでは、全方位に視界が開けているキャノピーごしに見える空中の描写、特に前方から迫って来た敵機が後方へと突き抜けていく様は美しくも大迫力でした。</p>



<p>米軍パイロットが目で演技をしているのに対して、敵パイロットはヘルメットのバイザーを下ろして表情をうかがい知れず、いかにも悪役ですというルックスになっている点も分かりやすくて良かったです。</p>



<p>本作は稀代のビジュアリストであるトニー・スコットの手腕が冴えまくっており、そのキメキメのかっこいい映像には目を奪われっぱなしでした。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_5.jpg" alt="" class="wp-image-6532" width="830" height="466" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_5.jpg 960w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_5-300x169.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_5-160x90.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_5-768x432.jpg 768w" sizes="(max-width: 830px) 100vw, 830px" /><figcaption>「『トップガン』ってこういう映画」を一目で表現した映像<br>©Paramount Pictures</figcaption></figure></div>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">トム・クルーズのスターオーラが眩しい</span></h3>



<p>主人公はF-14パイロットのピート・ミッチェル（トム・クルーズ）。コールサインはマーヴェリックと言います。</p>



<p>ミグとの空中戦で初登場した際には頭部をヘルメットと酸素マスクで覆われており、太い眉毛しか印象に残らなかったのですが、着艦後、艦長室に呼び出された際に映し出されるトム・クルーズのご尊顔は男性の私でも惚れそうになるほどキラッキラ。この場面で、これがトム・クルーズの映画であることを世界中の観客が認識しました。</p>



<p>マーヴェリックは高いスキルを誇るエースパイロットだが、その自信と、自らのパフォーマンスを見せつけたいという欲求から向こう見ずな部分もあるという、この手のキャラクターとしてはかなり類型的なものです。</p>



<p>しかしトム・クルーズがこれを演じたことで、キャラクターは陳腐にならずに済んでいます。</p>



<p>トニー・スコットもトム・クルーズの魅力を見抜いていたのか、シャワー室のトム、上半身裸でビーチバレーを楽しむトム、ブリーフ一丁で上官と話すトムと、通常であれば女優さんがこなすはずのポジションまでをトム・クルーズ一人に担わせています。もはやトムのプロモーションビデオ状態。</p>



<p>その割を食ったのが相手役のケリー・マクギリスで、彼女の印象は恐ろしく薄いものとなっています。</p>



<p>恐るべし、トムのスターオーラ。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-6531" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-1024x683.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-300x200.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-150x100.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-768x512.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3-1536x1025.jpg 1536w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/Top-Gun_3.jpg 2048w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption>トム様の圧倒的イケメンぶり<br>©Paramount Pictures</figcaption></figure></div>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">マーヴェリックの成長譚として機能していない</span></h3>



<p>そんなわけで見てくれは限りなく満点に近い映画だったのですが、肝心の話が薄っぺらで未消化の部分も多くあり、内容が伴っていなかったことが作品の足を引っ張っています。</p>



<p>向こう見ずなマーヴェリックが協調性を獲得するというテーマこそかなり早くから打ち出されていたのですが、物語がその方向に向かって動いていないように感じました。</p>



<p>マーヴェリックが自身の弱点と向かい合っているわけではなく、相棒の死や実戦への参加など、心の成長とは関係なく周囲の状況が勝手に流れていっており、そんな中でマーヴェリックが適応していっているだけみたいな。</p>



<p>己の過ちに気付き、苦しみ、克服するという主人公の内面での葛藤がかなり希薄なので、ドラマ的にはまったく盛り上がりどころがありませんでした。</p>



<p>加えて、海軍内では不名誉な存在とされているマーヴェリックの父に係るエピソードも、本筋とうまく馴染んでいませんでした。</p>



<p>マーヴェリックの父は作戦中に戦闘機と共に行方不明となり、「操縦ミス？」「もしや敵国側に亡命？」という疑いを持たれ、マーヴェリックまでが汚名を着ていました。</p>



<p>後半にて、思わぬ人物から父の死の真相が明かされるのですが、この情報の前後でマーヴェリックの心境に際立った変化がなく、だったらこのエピソード自体が無くても良かったんじゃないかと思います。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">トップガンの仕組みがおかしい</span></h3>



<p>タイトルにもなっているトップガン（エリート航空戦訓練学校）の仕組みも何だか変でした。</p>



<p>マーヴェリックは隊のエースだったクーガーの辞退によって繰り上げ当選的に入学となったのだから実力的には下位のはずなのに、入学当初からアイスマンとトップ争いをしているのはどうかと思いました。他の生徒が弱すぎるだろと。</p>



<p>マーヴェリックに対して規律重視とか協調性とか言ってる割に、生徒同士を競わせるカリキュラムは矛盾しているし、相棒の死をきっかけに自信喪失し、満足に模擬空戦も行えなくなったマーヴェリックを実戦投入するという判断も滅茶苦茶でした。あの場面では別のパイロットを選ぶべきでしょ。</p>



<p>実戦でのサポートがマーヴェリックと聞かされた時に「ヤバイ」という本音を覗かせたアイスマンの表情のみが論理的に正しいものでした。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun-maverick/" title="【凡作】トップガン マーヴェリック_学級崩壊中のトップガン（ネタバレなし・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Top-Gun-2_1-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】トップガン マーヴェリック_学級崩壊中のトップガン（ネタバレなし・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（2022年 アメリカ）待ちに待ったトップガンの続編で、80年代ノスタルジーをくすぐってくるので楽しい作品ではあったが、タイトルが表す通りマーヴェリックが物語の中心であり、トップガン生徒たちのドラマにはさほどのスポットが当たっていないため、...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2022.05.28</div></div></div></div></a>
</div></figure>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【傑作】ヒート_刑事ものにして仁侠もの（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/heat/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 15 Oct 2020 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[傑作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=6937</guid>

					<description><![CDATA[（1995年 アメリカ）犯罪者を追い込む刑事ものであり、男の生き様や滅びの美学が描かれた仁侠ものでもあるという一粒で何度も美味しいクライムドラマの傑作。ディテールでキャラクターを語るマイケル・マンの真骨頂でもあり、説得力 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1995年 アメリカ）<br>犯罪者を追い込む刑事ものであり、男の生き様や滅びの美学が描かれた仁侠ものでもあるという一粒で何度も美味しいクライムドラマの傑作。ディテールでキャラクターを語るマイケル・マンの真骨頂でもあり、説得力ある描写の積み重ねには驚かされます。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="210" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P-210x300.jpg" alt="" class="wp-image-6939" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P-210x300.jpg 210w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P-715x1024.jpg 715w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P-768x1100.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_P.jpg 838w" sizes="(max-width: 210px) 100vw, 210px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-12" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-12">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">製作・監督・脚本はマイケル・マン</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">強盗犯役にロバート・デ・ニーロ</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">警察官役にアル・パチーノ</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">その他にも豪華キャスト集結</a></li></ol></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">作品概要</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">”HEAT”とは警察を意味するスラング</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">ニール・マッコーリーは実在の強盗犯</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">『メイド・イン・L.A.』（1989年）</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">キャスティング</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">リアリティへの異様なこだわり</a></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">公開当時の評価は微妙だった</a></li></ol></li><li><a href="#toc14" tabindex="0">登場人物</a><ol><li><a href="#toc15" tabindex="0">強盗団とその関係者</a></li><li><a href="#toc16" tabindex="0">ヴィンセントと家族</a></li><li><a href="#toc17" tabindex="0">その他</a></li></ol></li><li><a href="#toc18" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc19" tabindex="0">強盗団のホンモノ感が凄い</a></li><li><a href="#toc20" tabindex="0">犯罪者達の私生活</a></li><li><a href="#toc21" tabindex="0">仕事人間ヴィンセント</a></li><li><a href="#toc22" tabindex="0">決戦前夜の邂逅</a></li><li><a href="#toc23" tabindex="0">伝説の大銃撃戦</a></li><li><a href="#toc24" tabindex="0">ドン底でも仕事を選んだ男達 ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>ニール・マッコーリー（ロバート・デ・ニーロ）率いる強盗団が現金輸送車を襲った。一味が逃げた後の現場を訪れたLA市警強盗殺人課の刑事ヴィンセント・ハナ（アル・パチーノ）は、その鮮やかな手口から熟練グループの仕業であると推測。現場に居合わせたホームレスがたまたま耳にした「スリック（お調子者）」という言葉から、犯人を一人ずつ特定していく。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">製作・監督・脚本はマイケル・マン</span></h3>



<p>1943年シカゴ出身。1960年代半ばにイギリスへ渡り、リドリー・スコット、アラン・パーカー、エイドリアン・ラインらとコマーシャル演出などを手掛けました。昔の仲間が凄すぎですね。</p>



<p>その後アメリカに帰国しテレビ番組の脚本や演出を手掛けるようになり、製作総指揮を務めた『特捜刑事マイアミ・バイス』（1984-1989年）が大人気となりました。</p>



<p>並行して映画界での活動も行っており、<a href="https://b-movie.tokyo/thief/" data-type="post" data-id="7004" target="_blank">『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』（1981年）</a>で長編監督デビュー。続いてハンニバル・レクターが映画に初登場する<a href="https://b-movie.tokyo/manhunter/" data-type="post" data-id="6578" target="_blank">『刑事グラハム/凍りついた欲望』（1986年）</a>も監督したのですが、どちらもヒット作とはなりませんでした。</p>



<p>90年代に入ると時代劇『ラスト・オブ・モヒカン』（1992年）がヒット。本作がクライムアクションの金字塔となり、『インサイダー』（1999年）でアカデミー監督賞ノミネートと、男性映画の雄としての地位を確立しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">強盗犯役にロバート・デ・ニーロ</span></h3>



<p>1943年NY出身。なおデ・ニーロが生まれたのはNYの中でも芸術家などに愛されているグリニッジ・ヴィレッジです。</p>



<p>『ゴッドファーザーPARTⅡ』（1943年）でアカデミー助演男優賞受賞、『レイジング・ブル』（1980年）で主演男優賞受賞という実績を持つ、当代きっての演技派俳優です。</p>



<p>特にマーティン・スコセッシ監督とのコンビネーションの評価は高く、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/taxi-driver" target="_blank">『タクシードライバー』(1976年)</a>、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/the-king-of-comedy" target="_blank">『キング・オブ・コメディ』（1983年）</a>、『グッドフェローズ』（1990年）などの傑作を生みだしています。2012年に発表された『映画史に残る監督と俳優のコラボレーション50組」では第1位に選出されました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">警察官役にアル・パチーノ</span></h3>



<p>1940年NY出身。なおパチーノが生まれたのはブロンクスであり、そこはマンハッタン島ではなく、またゴリゴリの下町で治安も良くありません。</p>



<p>演劇界で高評価を受けた後に映画界に進出し、『ゴッドファーザー』（1972年）のマイケル・コルレオーネ役でブレイク。ただしデ・ニーロと違って賞レースでは苦戦し、1972年から４年連続でアカデミー賞にノミネートされるも受賞には至りませんでした。</p>



<p>加えて今や名作とされている『スカーフェイス』（1983年）が公開時には惨憺たる批評を受けるなど、出演作自体がなかなか評価されないという苦労もしました。</p>



<p>『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』（1992年）でようやくアカデミー主演男優賞を受賞しましたが、その輝かしい出演作の中でベストとは言い難い同作での受賞はちょっと微妙でした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">その他にも豪華キャスト集結</span></h3>



<p>本作はキャラクターが異様に多い上に、それらをことごとく名の知れた俳優達が演じているため、えらく豪華な作品となっています。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>ヴァル・キルマー（クリス・シヘリス）：1959年LA出身。<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" data-type="post" data-id="6529" target="_blank">アイスマン</a>にしてバットマン。クリス役はキアヌ・リーブスに断られ、ジョニー・デップはギャラが高すぎ、最終的にヴァル・キルマーに落ち着きました。</li>



<li>トム・サイズモア（マイケル・チェリト）：1961年デトロイト出身。中年の貫禄があるものの、実はヴァル・キルマーよりも年下。<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/saving-private-ryan" target="_blank">『プライベート・ライアン』（1998年）</a>、『ブラックホーク・ダウン』（2001年）での鬼軍曹役で有名。なお、チェリト役にはウィリアム・ピーターセンやドン・ジョンソンも考えられていました。</li>



<li>ダニー・トレホ（トレホ）：1944年LA出身。実際の服役経験を持つ強面俳優で、80年代より犯罪者役を多数演じてきました。『デスペラード』（1995年）以降はロバート・ロドリゲス監督の常連俳優となり、『マチェーテ』（2010年）でついに主演の座を獲得。てゆーか、役名くらい付けてあげてよ。</li>



<li>ジョン・ヴォイト（ネイト）：1938年ニューヨーク州出身。アカデミー作品賞受賞作<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/midnight-cowboy" target="_blank">『真夜中のカーボーイ』（1969年）</a>の主演であり、『帰郷』（1978年）でアカデミー主演男優賞を受賞。アンジェリーナ・ジョリーの父。親子仲は最悪らしいですが。</li>



<li>ウィルアム・フィクトナー（ロジャー・ヴァン・ザント）：1956年ニューヨーク州出身。<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/strange-days" target="_blank">『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』（1995年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/contact/" data-type="post" data-id="6680" target="_blank">『コンタクト』（1997年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735" target="_blank">『アルマゲドン』（1998年）</a>、『ダークナイト』（2008年）など、大作でとにかくよく見かける名わき役。</li>



<li>ナタリー・ポートマン（ローレン・グスタフソン）：1981年エルサレム出身。デビュー作<a href="https://b-movie.tokyo/leon/" data-type="post" data-id="5118" target="_blank">『レオン』（1995年）</a>に次ぐ映画出演２作目。『ブラックスワン』（2010年）でアカデミー主演女優賞受賞。</li>



<li>エイミー・ブレネマン（イーディ）：1964年コネチカット出身。ハーバード出身の才媛ながら幸薄くおっさんに惚れる役柄を得意としており、<a href="https://b-movie.tokyo/daylight/" data-type="post" data-id="6187" target="_blank">『デイライト』（1996年）</a>ではスタローンの相手役を演じました。本作の脚本を読んだブレネマンは血生臭すぎるとして出演を断ったのですが、その姿勢こそがイーディ役に丁度良いとのことで起用となりました。</li>



<li>ダイアン・ヴェノーラ（ジャスティン・ハナ）：1952年コネチカット出身。『野獣教師』（1996年）での女教師、『ジャッカル』のコスロヴァ少佐、『13ウォリアーズ』（1999年）のウィロウ女王など、戦う女性役が得意。</li>



<li>アシュレイ・ジャッド（シャーリーン・シヘリス）：1968年LA出身。『評決のとき』（1996年）、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/norma-jean-and-marilyn" target="_blank">『ノーマ・ジーンとマリリン』（1996年）</a>、『ダブル・ジョパディ』（1999年）など、90年代後半には大人気でした。</li>



<li>テッド・レヴィン（ボスコ）：1957年クリーブランド出身。<a href="https://b-movie.tokyo/the-silence-of-the-lambs/" data-type="post" data-id="6582" target="_blank">『羊たちの沈黙』（1991年）</a>のバッファロー・ビル。</li>



<li>ケルソ（トム・ヌーナン）：1951年コネチカット出身。<a href="https://b-movie.tokyo/manhunter/" data-type="post" data-id="6578" target="_blank">『刑事グラハム/凍りついた欲望』</a>のダラハイド、<a href="https://b-movie.tokyo/robocop-2/" data-type="post" data-id="5376" target="_blank">『ロボコップ2』（1990年）</a>のケイン、<a href="https://b-movie.tokyo/last-action-hero/" data-type="post" data-id="32" target="_blank">『ラスト・アクション・ヒーロー』（1993年）</a>のザ・リッパーと悪役ばかりを演じています。</li>



<li>デニス・ヘイスバート（ドナルド・ブリーダン）：1954年カリフォルニア州出身。<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/24-japan-1" target="_blank">『24-TWENTY FOUR-』</a>シリーズの大統領。</li>
</ul>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc7">作品概要</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">”HEAT”とは警察を意味するスラング</span></h3>



<p>タイトルの”HEAT”は直訳すると「熱・熱さ」であり、これはこれで劇中描かれる激しい攻防戦を表現しているような気もするのですが、スラングでは「警察」や「警察による追跡」を意味する場合もあり、そちらの意味合いの方が強いように感じます。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">ニール・マッコーリーは実在の強盗犯</span></h3>



<p>マイケル・マンは長編監督デビュー作<a href="https://b-movie.tokyo/thief/" data-type="post" data-id="7004" target="_blank">『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』（1981年）</a>制作の際に、専門知識を持ったアドバイザーとしてチャック・アダムソンを雇いました。</p>



<p>アダムソンはマンと同じシカゴ出身で、40歳の頃に脚本家に転向した元警察官。同作がきっかけで二人は親友となり、マンがプロデュースしたテレビシリーズ『特捜刑事マイアミ・バイス』（1984-1989年）などにも参加しました。</p>



<p>そのアダムソンから聞かされたのが実在の強盗犯ニール・マッコーリー（1915-1964年）に係る逸話でした。</p>



<p>マッコーリーはいつも同じメンバーとチームを組んで複数件の盗みを働き、最後は警察に監視されていることに気付かず強盗に入り、銃撃戦の末に射殺されました。捜査の過程でアダムソンは偶然マッコーリーと鉢合わせになり、二人でコーヒーショップに入って会話をしたと言います。</p>



<p>このエピソードに感銘を受けたマンは180ページという長大な犯罪ドラマの脚本を執筆。1980年代前半に男性映画の雄ウォルター・ヒルに監督依頼をしたのですが断られました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">『メイド・イン・L.A.』（1989年）</span></h3>



<p>その後テレビシリーズ『特捜刑事マイアミ・バイス』（1984-1989年）を大成功させたマンは、NBCテレビから新たな連続刑事ドラマの製作依頼を受けました。そのパイロット版として先ほどのボツ脚本を流用し、『メイド・イン・L.A.』（1989年）を製作。</p>



<p>180ページのオリジナルを放送枠用に92分にまで刈り込んだこと、後に控えるテレビシリーズのパイロット版という位置付けだったこと、撮影から完成まで1か月足らずしかなかったことなどから芳しい出来ではなく、加えて主演俳優を交代させるか否かを巡ってNBCと折り合えなかったことから、シリーズ化には至りませんでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">キャスティング</span></h3>



<p>『ラスト・オブ・モヒカン』（1992年）が興行的にも批評的にも成功を収めた後、マンはワーナーでジェームズ・ディーンの伝記映画を撮る予定になっていたのですが、企画が一向に進展しないために降板。</p>



<p>スケジュールの空いたマンは<a href="https://b-movie.tokyo/the-untouchable/" data-type="post" data-id="7063" target="_blank">『アンタッチャブル』（1987年）</a>のプロデューサーであるアート・リンソンと共に『メイド・イン・L.A.』を本来の形でリメイクすることにし、制作費6000万ドルを調達しました。</p>



<p>まず脚本を読んだのはロバート・デ・ニーロで、彼は一発で気に入って出演を承諾しました。そしてアル・パチーノにも脚本を読ませて、パチーノも出演を希望。こうして夢の競演は実現したのでした。</p>



<p>ただし実際に撮影に入るまではどちらかの気が変わったり、スケジュールの競合で出演できなくなったりといったリスクは残っており、万が一の場合には『特捜刑事マイアミ・バイス』の主演ドン・ジョンソンを交代要員として考えていたようです。</p>



<p>その他、製作段階ではメル・ギブソン×ハリソン・フォード、ニック・ノルティ×ジェフ・ブリッジスの組み合わせも考慮されていたようです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">リアリティへの異様なこだわり</span></h3>



<p>マンは俳優達への銃のトレーニングのために元SAS隊員を起用。しかも強盗犯と警察官では違う動き方をするであろうという想定から別々のトレーナーを付け、訓練も別個に行うという念の入れようでした。</p>



<p>その他、役作りのために俳優達を本物に合わせることとし、デ・ニーロ、ヴァル・キルマー、トム・サイズモアはフォルサム州立刑務所で服役囚にインタビューを行いました。なお、出演者のダニー・トレホはフォルサムでの服役経験を持っています。</p>



<p>アシュレイ・ジャッドは売春婦上がりの主婦数名に会ったと言います。</p>



<p>またロケを中心にした撮影とし、その場に居たホームレスにまで出演交渉を行って、LAの空気感を全面的に作品に反映しました。</p>



<p>もはや病的なまでのこだわりようです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc13">公開当時の評価は微妙だった</span></h3>



<p>当代きっての演技派俳優デ・ニーロとパチーノ初の本格共演作ということで話題性の高かった作品なのですが、1995年12月15日に全米公開された際には初登場3位。</p>



<p>その後もランクを上げることはなく、全米興行成績は6700万ドルとやや期待外れの結果に終わりました。</p>



<p>クライムアクションの傑作という評価が確立された現在の感覚からすると意外なのですが、公開当時にはネガティブな意見もチラホラと見られ、マフィアの大親分かと思いきやデ・ニーロが泥棒役だったことにガッカリとか、デ・ニーロとパチーノが一緒に映っていない上げ底共演作とか、この内容で3時間は長すぎるなどという声が上がっていました。</p>



<p>12月というバリバリの賞狙いの時期に公開されたにも関わらず大きな映画賞にはノミネートされていないことが、当時の評価を物語っています。</p>



<p>その傾向は日本でも同じくであり、現在の私が閲覧できる範囲内で申し上げると、「キネマ旬報」年間ベストテンでは21位、別冊宝島「この映画がすごい！」ではランク圏外であり、47名の投票者中で本作のタイトルを挙げていたのは塚本普也監督ただ一人でした（4位に投票）。</p>



<p>そんな中、広島のローカル番組「花本マサミのさわやかサタデー」だけは本作を年間ベストで第5位に選出していました。凄いぞ、広島ホームテレビ！</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc14">登場人物</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc15">強盗団とその関係者</span></h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>ニール・マッコーリー（ロバート・デ・ニーロ）：強盗団のリーダー格。非常に慎重で捜査当局にも面が割れていなかった。「30秒フラットで高飛びできるよう面倒な関わりを持つな」を座右の銘とし、人間関係を持たずに生活している。</li>



<li>イーディ（エイミー・ブレネマン）：ニールが通う書店の店員。カフェで見かけたニールに彼女から声をかけ、恋仲になった。</li>



<li>クリス・シヘリス（ヴァル・キルマー）：強盗団の一人。強盗としては腕利きだがギャンブル依存症であるため私生活は荒れ気味である。</li>



<li>シャーリーン・シヘリス（アシュレイ・ジャッド）：クリスの妻だが、ギャンブル依存症の夫に愛想を尽かしてラスベガスの実業家と不倫をしている。劇中語られないが、ラスベガスのショーガールだったという設定が置かれている。</li>



<li>マイケル・チェリト（トム・サイズモア）：強盗団の一人。円満な家庭生活を送り、強盗で得た資金は不動産投資等に回すという堅実な生き方をしている。</li>



<li>トレホ（ダニー・トレホ）：強盗団の一人。車の運転など後方支援に回ることが多い。</li>



<li>ドナルド・ブリーダン（デニス・ヘイスバート）：保護観察中の元囚人。かつて同じ刑務所に居たことからニールと面識があり、銀行強盗に参加できなくなったトレホの欠員補充として急遽メンバーに加えられた。</li>



<li>ネイト（ジョン・ヴォイト）：ニールに襲えそうな場所を教えたり、強盗してきた金のロンダリングなどを担当している。</li>
</ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc16">ヴィンセントと家族</span></h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>ヴィンセント・ハナ（アル・パチーノ）：LA市警強盗殺人課の刑事。大学院卒業後に海兵隊に入ったという文武両道であり、仕事の鬼。そのため家庭生活はうまくいかず２度の離婚を経験し、3度目の結婚も終わりかけている。</li>



<li>ジャスティン・ハナ（ダイアン・ヴェノーラ）：ヴィンセントの妻。仕事のみに打ち込み家に居つかないヴィンセントに対して不満を持っている。</li>



<li>ローレン・グスタフソン（ナタリー・ポートマン）：ジャスティンの連れ子。離婚した実父を慕っているが、その実父は面会日をすっぽかすような男。その上、母の再婚相手ヴィンセントは家に居ないタイプであり、父を求めているのに得られないという気の毒な境遇にいる。</li>
</ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc17">その他</span></h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>ロジャー・ヴァン・ザント（ウィリアム・フィクトナー）：麻薬組織のマネーロンダリングを行っている金融業者。彼が管理している無記名証券がニール達に強奪され、その後、ニールから双方の利益になる取引を持ち掛けられたが、それに乗らなかったためにニールと戦争状態となった。</li>



<li>ウェイングロー（ケヴィン・ゲイジ）：一時的にニールの強盗団に入ったが、低いスキルと狂暴な性格が災いして現場でミスを犯してしまい、ニールに処刑されかけた。運よく生き延びた後も、売春婦殺害などロクでもない行為を繰り返した。演じるケヴィン・ゲイジは2003年に刑務所で服役し、その時のあだ名はウェイングローだった。</li>
</ul>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc18">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc19">強盗団のホンモノ感が凄い</span></h3>



<p>作品は、ニール・マッコーリー（ロバート・デ・ニーロ）の一味が銀行の現金輸送車を襲う場面から始まります。</p>



<p>5名は3班に分かれて行動しており、特に言葉を交わすことなくテキパキと仕事を進めていきます。標的は麻薬組織がマネーロンダリングの手段として使っている無記名証券であり、それ以外の金品には目もくれずに標的のみを奪取。</p>



<p>一味は誰も殺さないことを信条としているものの、新参のウェイングロー（ケヴィン・ゲイジ）が一名の警備員に発砲してしまうと、躊躇せず残りの警備員も射殺。</p>



<p>原則的な行動パターンが叩き込まれている上に、咄嗟の例外対応もできるプロ中のプロであることが一連の場面から伝わってきます。</p>



<p>その後、一味は車道沿いのダイナーで落ち合うのですが、先走った行動で現場を血の海にしてしまったウェイングローに対してニールは怒り心頭であり、席に着くやウェイングローの横っ面を殴ります。</p>



<p>暴力を振るう時のデ・ニーロが本物のヤクザみたいな身のこなしで怖かったし、物音に店内の視線が集まった瞬間、マイケル（トム・サイズモア）が「こっち見んなや」みたいな感じで周囲を牽制する様も同じくでした。</p>



<p>トム・サイズモアの演技はアカデミー賞もので、ガンを飛ばしているわけではなく真顔ではあるのだが、確実に周囲を威嚇しているという絶妙な顔をしていました。あんな怖い人達と鉢合わせになってしまった一般客が可哀そうになってきます。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="581" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア-1024x581.jpg" alt="" class="wp-image-6940" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア-1024x581.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア-300x170.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア-160x91.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア-768x436.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_サイズモア.jpg 1170w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">トム・サイズモア「こっち見んなや」<br>©Warner Bros.</figcaption></figure>



<p>店を出たニールは殺すつもりでウェイングローを引き倒し、その瞬間にマイケルとクリス（ヴァル・キルマー）はそれぞれ見晴らしの利く場所に移動して周囲を監視、トレホ（ダニー・トレホ）は死体を隠すために車のトランクを開きます。</p>



<p>またしても無言の連携プレイが炸裂し、怖いんだかカッコいいんだかという状態となります。</p>



<p>これら一連の描写で彼らがプロの強盗であること、本物のヤクザ者であることが理解できます。セリフではなく描写の積み重ねでキャラクターを描くというマイケル・マンの真骨頂を見たような気がしました。</p>



<p>運悪くパトカーが通りかかってしまったためにニールは手を止め、一瞬の隙を突いてウェイングローは逃走。どうせ小物だと思ってニールはウェイングローを追うことを止めるのですが、その些細な読み違えが後に彼を追い込むこととなります。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc20">犯罪者達の私生活</span></h3>



<p>マイケル・マンは長編デビュー作<a href="https://b-movie.tokyo/thief/" data-type="post" data-id="7004" target="_blank">『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』（1981年）</a>において、有能な犯罪者は私生活のこともしっかり考えており、地に足の着いた人生設計ができているという前提を置いていました。</p>



<p>本作もそのアプローチを継承しており、通常の映画では強盗犯は刹那的な存在として描かれるところ、本作では賢い強盗達は家族との私生活も堅実に送っており、長くは続けられない強盗という職業を終えた後の人生までを見据えて蓄財をしているという設定となっています。</p>



<p>唯一毛色の違うのがニールで、彼だけは家族も恋人も持たず、家具すら置かれていない部屋に一人で生活しています。僧侶のように私生活を完全に切り捨てているのです。</p>



<p>「30秒フラットで高飛びできるよう面倒な関わりを持つな」を座右の銘とし、身一つの状態を維持し続けているニール。マイケル・マンが繰り返し描いてきた職人肌の犯罪者の究極形と言えます。</p>



<p>そんなニールにも綻びが現れます。カフェで偶然知り合った書店店員イーディ（エイミー・ブレネマン）との関係は一夜限りだったはずが、子分たちの楽しそうな家庭生活を目の当たりにしてふと寂しさが去来し、「会いたい」と電話をかけてしまうのです。</p>



<p>守るべきものを持ったニールはこの後どんどん詰んでいくのですが、その発露が彼の人間らしさだった点に物の憐れを感じます。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc21">仕事人間ヴィンセント</span></h3>



<p>そんなニール達を追うのはLA市警強盗殺人課のヴィンセント・ハナ（アル・パチーノ）。</p>



<p>ニール達の強盗現場を見るや「これは腕利きの仕業だ」と言い、口頭では「ヤバイ」と言いつつも心なしか表情は嬉しそうです。</p>



<p>彼は大学院卒業後に海兵隊に入った文武両道であり、家にはまったく居付かず現場に張り付き続けている仕事の鬼。そんな姿勢であるため私生活は破綻しており、2度の離婚歴に加えて3度目の結婚生活にも終わりが近づいています。</p>



<p>そこにまだ見ぬ好敵手が現れ、俄然張り切り始めるヴィンセント。強盗現場に居合わせたホームレスが微かに聞き取った「スリック（お調子者）」というたった一言からマイケルを割り出し、そこから強盗団全員の面を剥いでいくという執念の捜査を行います。</p>



<p>そんな捜査を実現するため、深夜に帰宅し早朝に出ていくという生活を送るヴィンセントに対して、奥さんのジャスティン（ダイアン・ヴェノーラ）はご立腹。</p>



<p>「もっと夫婦らしくしたい。夫婦で分かち合いたい」と言ってくるジャスティンに対して、ヴィンセントは「俺は孤独であることで仕事への緊張感を保っている」と元も子もないことを言い出します。</p>



<p>奥さんに向かって「俺は孤独で」なんて話をしてどうするんだという感じですが、ヴィンセント自身は特に悪気もなく言っているのだから付ける薬がありません。</p>



<p>挙句の果てには「『ハニー、今日はイカれた男が自分の子供をレンジで焼き殺したよ』なんて話がしたいのか」と言って茶化し始める始末。完全に終わっています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc22">決戦前夜の邂逅</span></h3>



<p>勘の良いニールは警察にマークされていることに気付き、また担当のヴィンセントが一筋縄にいく相手ではないことも見抜き、無傷のうちに解散してそれぞれ別の道を行くか、それとも最後のヤマを踏むのかの決断を子分達に迫ります。</p>



<p>冒頭の無記名証券のマネタイズがうまくいっておらずアテにしていた金が入ってきていない一味は、満場一致で次のヤマを踏むという結論に至り、その準備へと取り掛かります。</p>



<p>ヴィンセントはヴィンセントで、こちらの存在に気付いたにも関わらずニール達がLAを離れていないということは何かやるつもりだと考え、彼らへのマークを強めます。</p>



<p>そんな中、ヴィンセントはニールに直接接触を図ります。マイケル・マンが本作のインスピレーションを受けたチャック・アダムソンとニール・マッコーリーの会話の再現であり、ヴィンセントとニールは空港のカフェへと入っていきます。</p>



<p>ヴィ「普通に暮らす気はないのか？」</p>



<p>ニ「庭でバーベキュー、テレビで野球？そんな暮らしが望みなのか？」</p>



<p>ヴィ「俺の気配を近くに感じたら、彼女を捨てられるのか？」</p>



<p>ニ「ああ、自分への掟だ」</p>



<p>ヴィ「寂しいもんだな」</p>



<p>ニ「耐えられなきゃ別の生き方を探すことだ」</p>



<p>ヴィ「別の生き方って？」</p>



<p>ニ「分からん」</p>



<p>ヴィ「探す気もない」</p>



<p>ニ「俺もだ」</p>



<p>妻に対しては「孤独であることで緊張感を高める」と言っていたヴィンセントがニールに対しては本音をぶつけ、ニールも本音で答える。</p>



<p>仕事かプライベートかで迷っていたヴィンセントは、自分以上に振り切れたニールの姿勢から仕事に生きる道への自信を取り戻し、ニールもまたヴィンセントとの受け答えの中でもやもやとしていた思考がシャープになっていき、スッキリとした両者は「今度会うときは殺す」と言い合って別れます。</p>



<p>目の前の敵こそが自分の真の理解者であるという捻じれた構図の上に、お互いへのリスペクトと友情を匂わせる会話。語気は穏やかであるものの、背後にある熱い感情に震えました。</p>



<p>この場面はニールとヴィンセントが初対面であることを重視し、あえてリハーサルを行わずに撮影されたと言います。その結果、二人の会話には緊張感が漂っており、見ているこちらの背筋までが伸びました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc23">伝説の大銃撃戦</span></h3>



<p>ニール達は最後のヤマとして銀行強盗へと入ります。</p>



<p>しかしトレホがウェイングローの手にかかっており、ウェイングローから警察に強盗計画はタレコミ済でした。冒頭、小物を見逃した代償を思わぬところで払わされることになったのです。</p>



<p>銀行から出てきたニール達を警官隊が待ち構えており、ニール達は持っていたアサルトライフルで応戦。映画史に残る大銃撃戦が開始されます。</p>



<p>この見せ場のために俳優達は元SASからの訓練を受けており、その身のこなしには説得力があります。また、強盗団は即座にスクラムを組んで銃撃し、警官隊を近づけないという動き方もアクション映画でかつて見たことがありませんでした。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="684" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦-1024x684.jpg" alt="" class="wp-image-6941" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦-1024x684.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦-300x201.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦-150x100.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦-768x513.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/10/Heat_銃撃戦.jpg 1496w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">これが訓練の成果だ！<br>©Warner Bros.</figcaption></figure>



<p>この場面では実際の銃声を録音して使っている上に、サウンドデザインにもこだわりまくっているので戦場に叩き込まれたかのような臨場感があり、オーディオ的な聞かせ所でもあります。</p>



<p>すべてにおいてレベルの違う銃撃戦であり、今後、これを超えるものは現れないのではないかと不安になるほどです。実際、2020年現在で本作を超えた銃撃戦はないと思います。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc24">ドン底でも仕事を選んだ男達 ※ネタバレあり</span></h3>



<p>マイケルを失ったものの、ニールとクリスは辛くも逃げ延びます。</p>



<p>ニールはネイト（ジョン・ヴォイト）を使って高飛び用の飛行機をチャーターし、イーディに対して自分の正体を明かした上で、今の生活を捨てて一緒に来て欲しいと懇願。イーディは最初こそ取り乱したものの、最後はニールについていくことを選択します。</p>



<p>一方ヴィンセントはというと、ウェイングローの潜伏先情報を街中に流し、ニールをおびき出そうと罠を張ります。</p>



<p>そんな中、別居中のヴィンセントが暮らすビジネスホテルでジャスティンの連れ子ローレン（ナタリー・ポートマン）が自殺を図り、ヴィンセントは彼女を病院へと担ぎ込みます。そのままローレンに付き添おうとするヴィンセントに対し、ジャスティンは「仕事に行きたいんでしょ」と声をかけます。</p>



<p>「すまんな」と言いながらも仕事に出ていくヴィンセント。この状況で仕事を選ぶのかという感じですが、ヴィンセントはそういう男なのです。この夜、彼の家庭生活は完全に終わりました。</p>



<p>ニールはニールで、耳に挟んだウェイングローの情報は罠だと知りながらも、ケジメは付けねばならないとしてその潜伏先であるホテルへと向かいます。</p>



<p>つい数時間前にはイーディに一緒に逃げてくれと頼んでいたのに、今度はそのイーディを置き去りにして死地へと向かおうとするのだから身勝手な話です。ニールもまたそういう男なのです。</p>



<p>ここでの二人の選択に共通する伏線は中盤でのカフェの会話であり、「普通に生活する気はない」「いざという時には彼女を捨てる」「別の生き方を探す気はない」という言葉がすべてここに返ってきています。</p>



<p>二人とも普通の生活をする機会はあったものの、巻き込まれる女性達の迷惑も考えず、自らの意思で仕事を選んだのです。</p>



<p>阿呆です。阿呆なんだけど、ここまで仕事に打ち込み自分の生き方を通し続ける様はかっこよくもあります。 男性映画の最高峰として、本作は輝き続けます。</p>



<p><strong>≪マイケル・マン関連作品≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/manhunter/" data-type="post" data-id="6578" target="_blank">【凡作】刑事グラハム/凍りついた欲望_レクター博士は脇役</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/heat/" data-type="post" data-id="6937" target="_blank">【傑作】ヒート_刑事ものにして仁侠もの</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/collateral/" data-type="post" data-id="6629" target="_blank">【良作】コラテラル_死闘！社畜vs個人事業主</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/miami-vice/" target="_blank">【凡作】マイアミ・バイス（2006年）_物語が迷走気味</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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