【駄作】ファイナル・プラン_リーアム兄さんもお年ですな(ネタバレなし・感想・解説)

クライムアクション
クライムアクション

(2020年 アメリカ)
正義の心を持つ犯罪者と、犯罪者の金をくすねようとするFBI捜査官の泥試合。犯罪者側の動機も、FBI側の隠ぺい工作も筋が通っておらず、アクションの質も高いものではなく、総じて見どころに欠ける作品でした。

感想

主人公の思考回路が謎過ぎる

今回リーアム・ニーソンが演じるのは凄腕の金庫破りトム・カーター。

これまでに900万ドルを盗み出したうえに、痕跡を残さず足もついていなかったトムが、恋人ができたことをきっかけに足を洗おうとFBIに出頭します。

しかし担当したFBI捜査官が金をくすねようとしたことからいろんないざこざが起こるというのが本編の内容なのですが、そもそもトムがなぜ出頭しようとしたのかが分からないので、話が不安定なものとなっています。

中年でも大学へ通うなど頑張る恋人の姿に触発されたという事情は何となく描かれているのですが、ならばトムは強盗をやめて真っ当な職に就けばいいのであって、わざわざ彼女のために前科者になる道を選択することは、やはり不合理。

例えばFBIの捜査の手が迫ってきており、逮捕は時間の問題。まだ条件交渉の余地が残っているうちに出頭してFBIと取引する等の状況ならば飲み込めたのですが、完全犯罪がほぼ成立しており、このまま黙っていれば恋人との明るい未来が見えているのに、なぜあえて波風立てようとするのだろうかと。

また、事実を知った恋人がトムに詰問する場面も変でした。

心理学を学ぶ彼女は、あなたを極悪人かサイコパスかを見極めると言ってトムに犯行の動機などを質問。

それに対してトムは父親の年金を奪って倒産した事業主への復讐がきっかけだったと説明し、その後はスリルを求めて何件かやってしまったが、金には一切手を付けていないと言います。

それを聞いた彼女はトムは悪人ではないと安心するのですが、金にも困っていないのに金庫破りする奴こそ、サイコパスか何かでしょうね。

金をくすねるFBIが阿呆すぎる

ともかくトムは耳そろえて金を返すと言ってFBIに出頭し、半信半疑の捜査官達も、トムの話が非常に専門的かつ詳細であることから、これはマジのやつだと確信。

相手は犯罪者だし、しかも事の次第が公になる前なので、こいつの口封じさえしてしまえば大金をモノにできるぜ!という物凄い浅知恵で、金を奪ってしまいます。

しかし様子がおかしいと思って現場にやってきた上司を撃ち殺してしまうわ、罪を着せようと思ったトムには逃げられてしまうわ、証拠のピストルをトムに取られてしまうわ、大捕り物を繰り広げて事態をどんどん大きくしてしまうわ、そういえば防犯カメラに写ってたと気付くわと、阿呆なことを重ねてどんどん追い込まれていきます。

これだけの失態を犯す敵が相手だと、リーアム兄さんの活躍も全然映えてきませんね。

必死の反撃の必要もなく、こいつらほっとけば自滅するんじゃないのという勢いなのです。

リーアム兄さんもお歳ですな

そんなこんなで正義の心を持つ犯罪者と、ゲスなFBI捜査官の泥試合が本編の内容なのですが、本作公開時点で68歳のリーアム兄さんの寄る年波もあって、アクションもイマイチでした。

小走りをしたり、殴り合いをしたりといった動きが重々しく、他方でスタントを用いた派手なアクションとの落差がえらいことになっています。

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