【凡作】エイリアン:アース_キャラクターに魅力がない(前半4話の感想)

クリーチャー・メカ
クリーチャー・メカ

(2025年 アメリカ)
『エイリアン』シリーズ初のテレビドラマ。本国での批評家受けは抜群のようだが、個人的にはイマイチ。4話までを見る限り、地球を舞台にした意味がないし、ずっと見ていたくなるキャラクターもいない。要所要所で阿呆な判断が下ることもストレスだった。後半盛り返してくれるかな。

感想

『エイリアン』(1979年)の2年前を舞台にしたテレビシリーズ。

去年の『ロムルス』は例外的に面白かったけど、こうも立て続けにエイリアンを擦られると食傷気味になってくる。

「シリーズの合間に実はこんなことがあったんです」と後付けの物語をどんどん追加されていくと、オリジナルシリーズの見え方も変わってしまうし。

劇場で『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(2025年)を見て「あーあ」と思った直後ということもあり、昨今のアメリカエンタメ界のIP戦略の底の浅さには辟易としていたのだが、スタッフの名前を見てちょっと気が変わった。

ショーランナーを務めているのがノア・ホーリーなのだ。

コーエン兄弟の名作『ファーゴ』(1996年)のテレビシリーズ化という、おおよそ誰がやっても失敗しそうな題材を大成功させた人物だけに、それはそれは凄い仕掛けがあるんじゃないかと期待したのだ。

冒頭では第一作のノストロモ号を思わせるクルーたちが登場し、こいつらが主人公になるのかなと思いきやアッサリ全滅。つかみはバッチリである。

舞台は移って地球。

この時代の地球では政治体制が崩壊し、5大民間企業が世界を分割統治している。

そんな5大企業の中でもっとも新興であるプロディジー社において、難病の子供達の意識をシンセティックと呼ばれる人間型ロボットに移す実験が行われていた。

実験は成功し、人間の意識を吹き込んだ人間型ロボット「ハイブリッド」が誕生。そのプロトタイプこそ主人公ウェンディである。

ウェンディに扮するシドニー・チャンドラーは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)や『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)で知られる俳優カイル・チャンドラーの娘さん。そういわれると目元がよく似ている。

生物体から脳を取り出したわけではなく、思考パターンをコピーしただけなので、ウェンディのオリジナルとなった子供はまだ生きてると思うんだけど、あの子は一体どうなったんだろうね(後半に再登場するのかもしれないが・・・)。

兎にも角にもハイブリッドとして生まれ変わったウェンディはプロディジー社の所有物であり、人間時代の家族からは切り離された存在となっているんだけど、家に残してきた兄ジョーのことはいまだ気掛かりな様子。

難病の娘を大企業に捧げざるを得なかった家庭環境だけに余裕がなく、医学部への進学を希望するジョーは、進学資金を得るためプロディジー社の衛生兵として働いているのだ。

そんな矢先、冒頭の宇宙船がプロディジー社の管理する都市に落下。ジョーは救助隊員として動員され、兄の身を案じるウェンディもまた、現場へと向かう。

ここからドラマは動き始めるんだけど、災害救助であるにも関わらずプロディジー社の私設軍隊はパルスライフルで武装して事故現場に入って行ったり、とんでもないコストをかけて作ったハイブリッドを、どうなるか分からない災害現場に送り込んだりと、どうにも腑に落ちないことが多い。

現場に送り込まれるハイブリッドはウェンディを含めて6名であり、彼らをまとめるのはティモシー・オリファント扮するシンセティック(人間型ロボット)カーシュなんだけど、ウェンディ以外の人物の背景が説明されないので、彼らの物語には特に共感できなかった。

またハイブリッド6名は全員子供の意識を植え付けられているので、時に不合理な判断を下したり、緊急事態の真っ只中にいるということを忘れて感情的になったりする。

そういうのって見ていてストレスで、できれば大人のメンタルを持ったキャラの方が良かったかな。

タイで廃墟になっていたショッピングモールを改装して作られたという宇宙船墜落現場のセットの出来は素晴らしく、目で見せるドラマにはなっているのだが、こうも登場人物がお粗末ではのめり込むほどの面白さを感じない。

しかも宇宙船墜落現場を舞台とする物語は三話まで。エイリアンの回収には成功し、以降は絶海の孤島にあるプロディジー社の研究設備に舞台が移る。

これでは地球を舞台に設定した意味がなくなるのでは?

既存シリーズとの平仄を考えてエイリアンが街に放たれたというドラマにできないことは理解できるが、だったら舞台を地球にする必要がなかったと思う。

今のところ折り返し地点で、後半の4エピソードでの巻き返しがあるのかもしれないが、今のところ突出した見せ場がなく、『1』『2』の縮小再生産品の域を出ていない。

≪エイリアンシリーズ≫
【良作】エイリアン_モンスター映画の金字塔
【良作】エイリアン2_面白い!かっこいい!見せ場の満漢全席
【駄作】エイリアン3_絶望的につまらないシリーズ最低作
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