【良作】フィラデルフィア・エクスペリメント2_舞台はナチス領アメリカ(ネタバレあり・感想・解説)

SF・ファンタジー
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(1993年 アメリカ)
ビデオスルーのB級SFだが、かと言って切って捨てられない魅力がある。前作とちゃんとつながった設定、世界規模の背景を持った物語など、よくぞこれだけ大風呂敷広げられたなぁと。低予算なので多くは期待できないが、やれることはやりきった良作という感じ。

感想

本作を知って誰しもが思うのが、「本当に『フィラデルフィア・エクスペリメント』の続編なの?」ってことである。本来無関係な映画をヒット作の続編ということにする手法はかつて日本の配給会社がよく用いており(『サスペリアPART2』『沈黙の要塞』)、マイケル・パレが出てこない本作でもそれを疑うところだ。

しかしご安心いただきたい。原題も”Philadelphia Experiment II″で、これはれっきとした続編である。

製作したのはトライマーク・ピクチャーズという会社で、彼らは『バタリアン・リターンズ』(1993年)や『サイボーグ2』(1993年)など、他社の企画を買い取っては続編を製作するという戦略をとっており、そんな中で製作されたのが本作である。

役者こそ変わっているが、前作と同じくデヴィッド・ハーデッグ(ブラッド・ジョンソン)が本作でも主人公。

前作ラストにて1984年で生きることを選択したデヴィッドの9年後の姿なんだけど、ナンシー・アレンが演じたアリソンとは死別するわ、事業には失敗するわで、踏んだり蹴ったりの人生を送ってきたようだ。

テンパりすぎて一人息子にもついつい辛く当たってしまうデヴィッドだったが、ある時、前作同様の激しい痙攣を起こす。

痙攣が収まったところで周囲を見渡すと、息子はいなくなっているし、家の周りは荒れ放題。そこは第二次世界大戦にナチスが勝利した歴史上の1993年という『高い城の男』みたいな世界だった。

これにはびっくり仰天、「そう来ますか!」と驚いた。

前作では戦艦を消すためのレーダー実験が引き金で1943年と1984年の時空がつながり、特異体質を持つデヴィッドは1943年から1984年へとタイムスリップした。

本作では1993年にステルス戦闘機を消すためのレーダー実験が行われ、同様の実験をしていた1943年のドイツと時空がつながってしまい、ステルス機が第二次世界大戦中のドイツの手に渡ったものだから歴史が変わってしまったらしい。

『フィラデルフィア・エクスペリメント』の設定を発展継承した素晴らしい展開である。

デヴィッドは細々とレジスタンス活動を続けるグループと合流し、改ざんされた歴史を元に戻すべく1943年にタイムスリップする。

アメリカを半世紀にもわたって支配しているナチス本部が猛烈にショボい、レジスタンスがいとも簡単に侵入できすぎ、1943年のナチスの基地がやたら手薄といったB級らしい欠点も大いにある。

決して万全な出来とは言わないけど、低予算映画とは思えないほどSFしまくった設定や、破綻のない物語など、私にとっては期待以上の収穫だった。

80年代の佳作SFを、90年代風にうまくアレンジした良作だったと思う。

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