【良作】トリプルX:再起動_アクションの達人大集合(ネタバレあり・感想・解説)

軍隊・エージェント
軍隊・エージェント

(2017年 アメリカ)
アラフィフのヴィン・ディーゼルが依然として気のいいあんちゃんノリだったのは見ていて辛かったのですが、ドニー・イェンやトニー・ジャーといった達人を動員したことでアクションには見ごたえがあるし、弾薬や火薬を惜しまない後半の尋常ではない盛り上がり方も最高でした。

作品解説

国際色豊かな出演者

本作の配給はパラマウントなのですが、他にHUAHUA Mediaと上海フィルムグループという中国の映画会社も参加していることから、国際マーケット、特にアジアを意識したキャスティングがなされいます。

ザンダーのライバル ジャン役には香港映画界の大スター ドニー・イェン。本来出演するはずだったジェット・リーが降板したことから(理由は不明)、イェンがキャスティングされました。本作の格闘場面ではイェンの主演作『導火線 FLASH POINT』(2007年)が参照されたとのことです。

ジャンと行動を共にする戦闘員タロン役には、『マッハ!!!!!!!!』(2003年)でお馴染みのタイ人アクションスター トニー・ジャー。本作でも身軽な動きを見せてくれます。

そしてザンダーとジャンを繋ぐエージェント セレーナ役には、インド映画界においてトップの人気を誇る女優ディーピカー・パードゥコーン。本作は彼女のハリウッド進出作となります。

ザンダーに潜入担当として召集されたDJニックス役には、中国人歌手で韓国のアイドルグループEXOでも活動した経験もあるクリス・ウー。

そしてザンダーの武器担当ベッキーには、ブルガリア人モデル ニーナ・ドブレフと、国際色豊かな面々がそろっています。

第一作を上回る興行成績

本作は2017年1月20日に全米公開されましたが、M・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』(2017年)に2倍もの金額差をつけられて初登場2位でした。第一作の公開時にも『サイン』(2002年)と競合しており、なぜかこのシリーズはM・ナイト・シャマランと衝突する運命のようです。

その後も苦戦は続いて4週目にしてトップ10圏外へ。全米トータルグロスは4489万ドルで、1億4210万ドルを稼いだ第一作の3分の1以下の金額に終わりました。

ただし元より本作は北米マーケットを意識した作品ではなかったことから、この売り上げはおそらく織り込み済のことでしょう

一方、国際マーケットでは狙い通りに強さを発揮。全世界トータルグロスは3億4614万ドルで、2億7744万ドル稼いだ第一作を25%も上回りました。特に中国マーケットでの成績は圧倒的で、1億6406万ドルを売り上げました。

感想

パリピみたいなノリが厳しい

人工衛星を遠隔操作して地上に落下させることのできる「パンドラの箱」と呼ばれるデバイスがジャン一味(ドニー・イェン)に奪われ、伝説のエージェント ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)がその捜索の命を受けます。

ザンダーは第一作と同じく気の良い犯罪者なのですが、15年も経っているのにキャラも生活もほとんど変わっていないので、イタイおっさんに見えて仕方ありません。

で、ザンダーはプライベートでの仲間たちを召集するのですが、ハッカーのエインズレー(ハーマイオニー・コーフィールド)、DJのニックス(クリス・ウー)、密猟を監視するスナイパー アデル(ルビー・ローズ)ら若いメンバーが中心なので、ザンダーって良い歳をして若い人とばかり遊んでるのかと、こちらにも厳しいものがありました。

このチームトリプルXが悪ふざけみたいなノリでサクサクと事態を解決していくわけですが、「楽しいでしょ」と言わんばかりに繰り返されるパリピみたいなノリが痛快というよりもただイタイだけだったし。

ヴィン・ディーゼルはアラフィフですからね。

後半の異常な盛り上がり

そんな感じで前半のノリは厳しかったのですが、デトロイトでチーム トリプルXとチーム ゴーストが鉢合わせし、「パンドラの箱」めがけてレースを始めるあたりから、映画は異常なまでの盛り上がりを見せてきます。

アクションの達人たちの見事な技の連続に加え、惜しみない銃弾や爆破の連続でとにかくにぎやか。

いつの間にかトリプルXとジャンが共闘を始めたりと、ストーリーは相変わらず頭に入ってこないのですが、底抜けに楽しいノリで細かいことなどどうでもよくなってきます。

そして、何となくなかったことにされてるっぽかったシリーズ第二弾『トリプルX ネクスト・レベル』(2005年)の主人公ダリアス(アイス・キューブ)が抜群のタイミングで再登場した時点で、興奮はピークに達します。

あの場面は本当に感動しましたね。

後半のアクションの連続は本当に最高で、いろいろ辛い部分を帳消しにするだけの魅力がありました。

≪トリプルX シリーズ≫
【凡作】トリプルX_気の良い悪党では盛り上がらない
【良作】トリプルX ネクスト・レベル_低偏差値アクションの極み
【良作】トリプルX:再起動_アクションの達人大集合

スポンサーリンク
公認会計士のB級洋画劇場