【凡作】48時間PART2_前作の劣化コピー(ネタバレあり・感想・解説)

クライムアクション
クライムアクション

(1990年 アメリカ)
前作で相互理解が進んだはずのバディが、再び仲違いするところから始めるという滅茶苦茶な続編。ドラマは重複しているし、それを補うほどのアクションがあるわけでもないし、前作の劣化コピーという言葉がここまで当てはまる続編も珍しい。

感想

続編製作における悩ましい問題として、「主人公たちのドラマは前作で完結している」ということがある。「いろいろあったけどめでたしめでたし」でスッキリ終わった後に、どうやって話の続きを作るんだという。

その対策としてよくあるのが、主人公が大幅なキャラ変をしているというもの。

『ダイ・ハード2』(1990年)では前作での冷めきった夫婦関係から一転、主人公ジョン・マクレーンは空港に妻を迎えに来る愛妻家に変貌した。『リーサル・ウェポン2』(1989年)ではマーティン・リッグスの自殺願望は消え失せており、底抜けに明るい署内の人気者になっていた。

また追加キャラを投入して新たなドラマを生み出すというのもよくある手で、この要領で『リーサル・ウェポン』シリーズや『ワイルド・スピード』シリーズは回を追うごとに大所帯化していった。

前置きは長くなったけど、ここから本作の感想。

前作『48時間』(1982年)では、ガサツな白人刑事とオシャレな黒人服役囚が組み、当初はいがみ合うも次第に自分にはない相手の良さを理解し合い、最後には親友になって別れた。

このバディのドラマはここで一巡したわけで、じゃあどうやってその続きを作るのかというと、なんとまた険悪な状態から映画をスタートさせたのだ。

映画のインターバルに近く、本作の設定は前作の7年後となっている。

前作においてレジー(エディ・マーフィ)の収監期間は残り半年だったはずなのだが、7年経った今でもお勤め中。いろいろあって刑期が追加されたらしいのだが、細かいことはよく分からない。

前作でレジーが捜査協力をした背景として、彼が娑婆に隠していた50万ドルの存在があった。

で、前作ラストにおいてジャック刑事(ニック・ノルティ)は50万ドルをそのままの状態にしておいてやると言い、その温情溢れる判断にレジーが感謝することが、ラストの爽やかさにつながっていた。

しかし7年ぶりに再会したジャックに対してレジーは「俺の金を返せ」と恨み言を言っている。

ジャックがネコババしたのか、結局警察に没収されたのか、その辺りの事情は説明されないので詳細は不明だが、主にジャックの側で何か壮大な心境の変化でもあったのだろう。

いずれにせよレジーからすれば裏切り以外の何物でもなく、この7年間でそんな不義理を働いておきながら、よくもまぁぬけぬけと再度の捜査協力を求めに来るもんだと呆れている。こればっかりはレジーが正しい。

ジャックとレジーがいがみ合うところから再スタートさせるための措置なのだろうが、前作の余韻をもぶち壊しにする乱暴な前提が置かれているので、本作は序盤から躓く。

しかも前作は「立場が違いすぎてお互いを理解できない」という、いわばどっちもどっちの話だったのに対し、本作ではジャックの方が一方的に悪いので、共感の度合いはグッと下がってしまう。

いったんは捜査協力を拒否したレジーだが、彼の乗る護送車がバイカーギャングに襲われて危く殺されかけ、彼にとっても事件を解決する必要性が発生したので、ジャックに捜査協力することに。

今回、ジャックとレジーが追いかけるのはアイスマンと呼ばれる麻薬組織のボス。アイスマンとは通称であり、その正体は謎に包まれている。

前作に登場した50万ドルはかつてレジーがアイスマンから盗んだもの。レジーはアイスマンの顔を見たことがある数少ない人物なので、本件にも巻き込まれたというわけ。

かくして二人の捜査が始まるのだが、対立と和解という前作とまったく同じ経過を辿るので、これがまったく楽しめない。

また犯罪捜査の過程にも面白みがなく、おまけに目を楽しませるような見せ場が豊富なわけでもないので、前作の劣化コピーに終わっている。

もうちょい何とかならんかったのか。

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