(2012年 アメリカ)
アクションだけに特化した作品。『2』もそうでしたが、このシリーズは話を進めることを放棄するとうまく流れ始めます。本作の怒涛のアクションには目を奪われたし、キャラクター勢ぞろいのお祭り的な意味合いもあって、かなり好きな作品です。

開き直ったポール・W・S
回を重ねるほどにバカバカしさが増してくるこのシリーズもついに5作目に突入し、その破天荒さはシリーズ最強レベルに。3分に一度はツッコミを入れられるというかなりいい加減な内容ではあるのですが、「もう、これはどうにもならん」と監督も開き直ってやりたい放題をやった結果、ひと周りしてイベント映画としてはハイレベルな仕上がりとなっています。
公開時にIMAX3Dにて鑑賞したのですが、大スクリーン・大音響の下で頭空っぽにして観るには最高の映画でした。
長期シリーズらしい蘇生措置が功を奏している
本作の基本姿勢は『ワイルド・スピード』シリーズやM:iシリーズと同様であり、マンネリ化したシリーズを蘇生するために底抜けの大作化が図られているのですが、それに当たっては設定や展開に無理があってもお約束で許されるという観客との間の暗黙の了解と、過去作品で観客から支持されたキャラクターの再投入という、シリーズものならではの資産がフル活用されています。
プレイ感への回帰と、キャラバトルの面白さ
東京、モスクワ、NYを忠実に再現した深海の巨大実験場で、人気キャラが敵味方に分かれて大バトルを繰り広げるというネジの飛んだ話なのですが、ここにきてオタク監督ポール・W・S・アンダーソンの手腕が炸裂しまくっています。
ステージをクリアしながら目的地を目指すという進行はゲームのプレイ感に近いし、過去のキャラクターを再登場させるシチュエーション・タイミングには遊びと意外性があります。さらには、敵・味方の戦力が拮抗するように組まれたパーティーには納得しまくりでした。
初登場のレオン・S・ケネディとエイダ・ワンの再現度も高く、キャラものとしてはMCUレベルの素晴らしい完成度だと思います。なお、前作で爆死したはずのウェスカーが生存していることに何の説明もなかったり、前作で活躍したクリス&クレア・レッドフィールドの不在を誰も気にかけないという点は忘れてやってください。
質よりも量でカバーしたアクション
また、本作は常に2つのバトルが同時進行するという構成となっているのですが、このことによって映画全体のボリュームとスピード感が飛躍的に向上しています。ひとつひとつの見せ場の質はさして向上していないものの、全体の構成を変えることでうまくカバーしたようです。
≪バイオハザードシリーズ≫
【凡作】バイオハザード_見てくれは良いがスリルはない
【良作】バイオハザードII アポカリプス_見せ場とヒロインで押し切った快作
【凡作】バイオハザードIII_設定は崩壊寸前
【凡作】バイオハザードIV アフターライフ_シリーズの立て直しに失敗
【良作】バイオハザードV リトリビューション_バカバカしくも楽しいアクション大作
【駄作】バイオハザード: ザ・ファイナル_ご都合主義で摩耗しきった最低作
バイオハザード(2022年)_迷惑姉妹が世界を滅ぼす【4点/10点満点中】
コメント
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居直りに敬意を表して評価がアップしているのがgoodです♪
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>ヤシマさん
コメントいただき、ありがとうございます。
気持ちの良くなる突き抜け方でしたよね。
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投稿お疲れ様です!
てんこ盛り感、盛り上がり的にはⅡとⅤは個人的にも気に入ってます。
ミラ主演のバカアクション映画は「ウルトラヴァイオレット」もなかなかでしたよ笑
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>ニールのシアターさん
コメントいただき、ありがとうございます。ウルトラヴァイオレットはガン=カタがウケたカート・ウィマーが全編に渡ってサービスしまくったナイスな心意気の映画でしたよね。