【凡作】バイオハザードIII_設定は崩壊寸前(ネタバレあり・感想・解説)

クリーチャー・メカ

(2007年 アメリカ)
ポストアポカリプスものとしての素晴らしいルックスを作り上げており、ラッセル・マルケイ監督の手腕が活きています。ただし良いのは見てくれのみ。そもそも中身の薄いゲーム映画を3作も続けていると設定がもたなくなってきており、劇中で起こるすべてのことに説得力がなくなっています。

ラッセル・マルケイ、久々のアクション大作

原題の”Extinction”とは絶滅の意味。前作の8年後が舞台の本作においては、Tウィルスの猛威によって人類はおろか動植物までが死に絶え、おまけに川や湖が干上がって地上のすべてが砂漠化したという地獄の光景が広がっています。どうすればウィルスの力で水不足になるのかは分かりませんが、とにかくそういうことらしいです。わずかな生存者たちは車両のキャラバンを組んでアンデッドの襲撃から身を守っているのですが、この世界観がまんま『マッドマックス2』。

80年代の終末SFに先祖帰りした本作は、監督も80年代から召喚しています。その才能を高く評価されながらもなかなかヒット作を出すことが出来ず、1994年に『シャドー』を大コケさせて以降はメジャーから干されていたラッセル・マルケイの復帰作となるのですが、監督は十数年ぶりのハリウッド大作とは思えないほどのシャープな演出を披露しています。アクションのキレ味はシリーズ最高レベル、舞台に箱庭的な印象のあった前作までから一転して広大な世界観の演出にも成功しており、この人選は正解だったと思います。

そろそろ設定が持たなくなってきている

しかし、そんなマルケイの手腕をもってしても、脚本の杜撰さまでは救えなかったようです。前作もかなりいい加減ではあったのですが、それでも丁寧に作られた『1』の威光で何とかなっていました。しかしシリーズも3までくると設定の不自然さを誤魔化しきれなくなっており、いま一度丁寧に内容を練り直すべき時だったと思います。

全世界が死滅した中でいまだに悪さを続けているアンブレラ社の存在などはもはやお笑いの領域に達しており、貨幣経済が崩壊した世界で従業員達は何がうれしくて上司の命令に従っているのだろうかと、くだらないことばかりが気になってしまいます。

アリス計画とは一体何だったのか…

前作のラストで広げた大風呂敷も畳めていません。アリスを意図的に逃亡させて「アリス計画始動だ」と宣言した前作のラストには何事かと驚かされたのですが、そんなアリス計画の正体とは、アリスの細胞を使って抗ウィルスワクチンを作るという何ともショボいものでした。

「オリジナルのアリスがいないから成功しない」と博士が泣き言を言い出すに至っては、だったらなんでアリスを逃がしたんだよとツッコミを入れたくなりました。代用品であるクローンアリスに風雲たけし城みたいなセットを歩かせるという実験内容も謎で、何百回これを繰り返したところでワクチンが出来るとは思えないわけですが。

≪バイオハザードシリーズ≫
【凡作】バイオハザード_見てくれは良いがスリルはな
【良作】バイオハザードII アポカリプス_見せ場とヒロインで押し切った快作
【凡作】バイオハザードIII_設定は崩壊寸前
【凡作】バイオハザードIV アフターライフ_シリーズの立て直しに失敗
【良作】バイオハザードV リトリビューション_バカバカしくも楽しいアクション大作
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