【ホームシアター】BOSEスピーカーは古い音源を生まれ変わらせる

雑談
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2021年4月16日のホームシアター記事のうち、BOSEに関する記載部分があまりに冗長だったので別記事として分割したのですが、使い込む中での新発見もあったので、その件も追記しておきます。ホームシアター関係の記事はPVが良いのでついつい2週連続でオーディオの話になってしまいましたが、来週はちゃんと映画のことを書きます。

BOSEのホームシアターについて

元映画少年の憧れBOSE

BOSEとはアメリカのオーディオメーカーであり、ボウズと読みます。

その代表作であるモデル101は店舗のBGM用スピーカーとしてよく使われており、またプロ用としてテレビ局で使われているものがバラエティ番組に映り込んだりするので、ロゴと名前は知っているという人は多いはずです。

そして私のような中年の映画ファンにとっては憧れのオーディオメーカーでもあります。

90年代後半から2000年代前半にかけて映画雑誌にはBOSEのホームシアターセットの広告がよく掲載されていたのですが、YAMAHAなどが10万円前後の価格設定としていた時代に、BOSEは20~30万円、ハイグレードだと50万円超というかなり強気の価格設定としていました。

10代の私にはとても手の届く金額ではなかったのですが、「BOSEというのは物凄そうだ」「いつかBOSEのホームシアターセットを所有してみたい」という強烈なインパクトだけは残りました。

独特な設計思想にはアンチも多い

そんな私にとっての憧れのBOSEですが、ちょっとネットで調べてみるとアンチが異常に多いということもわかります。なぜこんなにアンチが多いのかというと、BOSEの製品設計思想がかなり独特のものだからです。

BOSEのスピーカーの特徴はコンパクトでもよく鳴り響くことなのですが、本来スピーカーの音とはボディの大きさに影響されるものであり、コンパクトなボディでよく鳴るというのはかなり不自然なことなのです。

BOSEは独自の設計思想でそんな不自然なことを行っているので、そこから奏でられる音も自然なものではありません。BOSEのサウンドは高音と低音がやたら強調されており、どんな音源を再生してもBOSEっぽい音になります。

スピーカーとは原音を忠実に再現すべきものと考える人たちからすると、何を再生してもスピーカーの個性が前面に出てしまうというのは致命的な欠点に感じられるようで、それで強烈なアンチが生まれているのです。

中古のキューブスピーカーには要注意

さらにご注意いただきたいのが、かつてBOSEが販売していたホームシアターセットのスピーカーユニットを別メーカーのアンプに繋いでも良い音はしないということです。

90年代後半から2000年代前半にかけてBOSEはりんごサイズのコンパクトスピーカーで大迫力のホームシアターを実現するというシステムを販売しており、当該シアターシステムのスピーカーユニットのみがバラ売りされているのを最近でもよく見かけます。

現在の目で見てもデザインが素晴らしすぎるBOSE LS-18(2003年発売)

ただし当時のBOSEのホームシアターというのはアクースティマスという独自理論に基づいた特殊なものでした。これはサブウーファーとの高度な連携でコンパクトスピーカーが不得意とする低音を補う構成としたものであり、サブウーファーと一体となったベースモジュールという中核部分が全スピーカーをコントロールすることで全体の音場を作り上げていました。

ここでのスピーカーはサテライトスピーカーと呼ばれており、文字通りベースモジュールという中核ありきの従たる存在でした。そのサテライトスピーカーだけを切り出すというのは、全員で歌うことで成り立っているアイドルグループの一人だけをソロデビューさせるようなもので、単独でも歌える本業歌手と張り合わせると悲惨なことになります。

BOSEのキューブサテライトスピーカーをベースモジュール無しで使ってみた感想

BOSEのサテライトスピーカーはデザイン性が高くて魅力的であり、それゆえに絶版になった現在においても中古品が取引され続けているのですが、これのみを買うことは避けるべきと考えます。

うちのホームシアター

音楽用スピーカーをホームシアターに転用

じゃあBOSEのどんなスピーカーを選べばいいのとなるのですが、私はコンパクトだがパワフルだと好評な音楽用スピーカーをホームシアターに転用することにして、フロントスピーカーにはモデル161、センタースピーカーにはFS2SEを選択したのは前回記事の通りです。

その他、サラウンドスピーカーは部屋の環境や予算の都合から力点を置く必要はないと考えて、DENON製の得体の知れない安物を使いました。

メルカリで一本当たり300円で売られていたサテライトスピーカー。普通に鳴るっちゃ鳴るので問題ありませんでした。

音楽用でもホームシアターには有用

で、BOSEの音楽用スピーカーをホームシアターに転用した結果はどうだったのというところですが、私的には満足できるものでした。

高音と低音がやたら強調された人工的な音であることは間違いないのですが、派手なアクション映画をよく見る私にとってはBOSEのこの特徴がメリットとなっており、強調された効果音やBGMが実に私好みでした。

一方、人間の肉声などには人工的なBOSEサウンドが馴染まず、セリフがメインの場面になるとその弱みがドバっと出てしまうのですが、そんな短所も長所が凌駕しているので私としては許容範囲内でした。

古ぼけた音源をシャープにするという効果を発見

そして使い込むうちに発見したのが、VHSなどの古い音源をBOSEスピーカーで再生すると、見違えるほどサウンドがシャープになるということです。

ヤフオクなどで見かけた四半世紀前のVHSソフトの里親になることがたまにあって、それらは一応「ドルビーサラウンド対応」などと銘打たれてはいるのですが、通常のホームシアターで再生してもサラウンド効果などはほとんど感じません。

「古ぼけた」とはこのことを言うのかと思う程ぼけぼけの音なのです。

うちの子たち

当時の技術的制約なので仕方のないことなのですが、これをBOSEスピーカーで再生するとあら不思議、セリフ、効果音、BGMの輪郭がシャープになり、サラウンド感も向上し、驚くほど聴き応えのある内容に生まれ変わります。

特にBGMのパワーアップには目を見張るものがありました。

どんな音源でもBOSEっぽい音に変えてしまうことがBOSE最大の欠点とされていますが、低質な音源でもBOSEっぽい音に変えて聞かせるレベルに持っていけるというのは、このスピーカーの長所ではないかと思います。

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