【落札額1万5千円】レーザーディスクプレーヤーを買ってみた【CLD-07G】

雑談
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LDプレーヤーが欲しい!

前回、手持ちのBOSEスピーカーがアナログ音源との相性が良いとの記事を書き、そこから私の中でアナログ熱が燃え上がったのですが、そうなってくると当然辿り着くのがレーザーディスクという存在です。

レーザーディスク(以下、LD)とはVHSとほぼ同期、DVD登場前の唯一無二の映像ディスクメディアであり、古い映画はたいていLDで出ています。DVDになっていない映画もLDなら出ていたりします。

中学時代、友人宅に行った際にそこの兄ちゃんのLDを見せられて感銘を受けました。かつて、LDとは映画好きが避けて通れない道だったのです。

高校時代に小遣いを貯めて念願のLDプレーヤーを購入。CLD-R5という「とりあえず見れればいい」レベルの最下層モデルでしたが、それでもこの機体には随分とお世話になりました。

2000年代に入りDVDが成熟してくるとLDプレーヤーの使用頻度も減り、2010年頃にトレーが出て来なくなって昇天されました。最下層モデルでも15年近く持ち堪えたのは、さすがパイオニアといった感じです。

200枚ほど所有していたLDソフトも二束三文で中古屋に売り払い(全部で5,000円にもならなかったはず)、そこからはフルハイビジョンだの4Kだのと新しいメディアにうつつを抜かしていたのですが、今回、アナログに再度目が向いたことから、初恋相手のレーザーディスクにもう一度会いたくなってきたというわけです。

LDの魅力

中古ソフトが異様な安さ

レーザーディスクは1980年代初めに登場して1990年代末にほぼ役割を終えたメディアであり、20年近い現役生活を送ったということになります。しかも現役時代の大半は「唯一無二の映像ディスク」という地位に居たので、そのソフトリリース数はものすごいことになっています。

加えて直径30cmという巨大なディスクは要らなくなったからと言って容易に捨てられるものではなく、現在では行き場を失った大量のLDソフトがフリマアプリやネットオークション上にて安値で取引されています。

LDソフトがいかに安いかの一例ですが、「機動戦士Ζガンダム」と「機動戦士ガンダムΖΖ」のボックスがメルカリにて3,500円(送料込み)で買えました。合計97話が3,500円ですよ、奥さん。LDみたいなバカでかいものとなれば、ほとんど送料で消えて利益など出ていないと思われますが、今ではそういう扱いなのです。

加えてレアものも安く入手できます。

スティーヴン・ソマーズ監督の『ザ・グリード』(1998年)、ジェームズ・キャメロン製作の『ストレンジ・デイズ』(1995年)、リドリー・スコット監督の『1492コロンブス』(1992年)、これらの映画は20年以上も廃盤状態であり、それぞれの中古DVDは1万円超の高値で取引されています。

DVD黎明期のソフトなので画質や音質が良くないにも関わらず中古が1万円超。

これらの作品がLDだと1,000円程度で買えたりします。私の場合、20タイトル600円(1タイトル30円!)でまとめ売りされていたLDを買ったところ、その中に『1492コロンブス』と『ストレンジ・デイズ』が入っていたので、タダ同然で2作品をゲットできたことになります。

後述する通り、私はLDプレーヤーを15,000円で入手したのですが、こうしたレア商品を何作かゲットすればプレーヤー代の元は取れたと考えることもできます。

また中古LDを買うと思わぬものが手に入ることがあります。

『ゴッドファーザー特別完全版』をフリマアプリにて1,000円で購入したところ、ボックスの中にはそのパッケージには含まれていないはずの『ゴッドファーザー』と『ゴッドファーザーPARTⅡ』の劇場版パンフレットまでが入っていました。

ほとんど使用感のない新品同然のパンフであり、これらだけでも価値はあるだろうと思うのですが。

なぜこんなことが起こるのかと言うと、LDの所有者とフリマへの出品者が異なることが原因ではないかと思います。1980年代から1990年代初頭のソフトを持っている人物は現在それなりの年齢であり、断捨離の一環として映画コレクションを売ろうにもやり方が分からず、出品作業は奥さんや子供がやっている場合がかなりあります。

本件は、元の所有者がLDと一緒に劇場版パンフを保管していたところ、家族がそれを価値のあるものだと気付かず一緒に出品してしまったのだろうと思います。

先ほどの『1492コロンブス』と『ストレンジ・デイズ』の件も同じくです。

本来の所有者とは別の価値が分からない人がひと山ナンボという感じで適当に出品しているので、「なんでこんなものがタダ同然の価格で売られているんだ」ということがしばしば発生します。

こうしたハプニングも含めてLDソフトというジャングルは魅力的なのです。

文明開化後の日本でゴミ同然の扱いを受けていた伝統的な日本美術品に驚き、夢中で収拾したアーネスト・フェノロサのような気持ちを味わうことができます。

未DVD化作品が入手できる

加えてDVD化すらされていない作品もゲットできます。しかも多くの場合はプレミアム価格も付いていません。

前述した『ゴッドファーザー特別完全版』がそうです。『ゴッドファーザー』と『ゴッドファーザーPARTⅡ』を時系列順に並べ替え、50分の未公開映像を付け加えた7時間の大長編なのですが、「テレビ向けのバージョンである」という理由からDVDもBlu-rayも出ていません。

そんな貴重なバージョンなのにLDは1,000円でした。ジャケットの状態の良くないものだと500円で買えたりもします。

他にも、ポール・シュレイダー監督、ウィレム・デフォー、スーザン・サランドン出演の『ライト・スリーパー』(1991年)、ジョディ・フォスター監督、若い頃のロバート・ダウニー・Jr出演の『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』(1994年)など、メンツが豪華で評価も高いのになぜかDVD化されていない作品がLDだと1000円程度で買えました。しかも『ライト・スリーパー』は未開封品でした。

時代に取り残された超大作も多く眠っています。

ディノ・デ・ラウレンティス製作、ミア・ファロー主演の大作『ハリケーン』(1978年)、バブル期のNHKが50億円も出資して大コケした『クライシス2050』(1989年)など、いまだにDVD化されておらず、DVD化の要望の声も上がっていない作品もLDなら見られます。それぞれ380円と500円で入手できました。『ハリケーン』の方は未開封品でしたね。

中古LD市場は宝探しの場と化しています。

ジャケットが滅茶苦茶にかっこいい

DVDやBlu-rayと比較して絶対に勝っていると言えるのがジャケットのカッコよさです。

直径30cmのディスクを収納すべくジャケットは巨大であり、ひとつのキャンバスと化しています。ご覧ください、Ζガンダムのジャケットを。しばし眺めていたくなる素晴らしいアートワークです。

加えて、裏面などにコッテリとした文字情報が付属していることも魅力です。

特に2枚組ジャケットの場合には内側にも何か書かないといけないということで、ここにスタッフ・キャストの情報や作品を補足する記載などがあって、実に読み応えがあります。

LDプレーヤーを購入する

購入方法

LDプレーヤーが欲しいからと言ってヨドバシカメラやヤマダ電機に行っても、まず売っていません。

パイオニアがプレーヤーの生産を終了したのが2009年、11年も前にメーカーが作るのをやめた製品なので新品は売っていないのです。すなわち現在入手可能なのは人の手に渡った中古品か、何らかの事情で未開封のまま眠っていた新古品のみ。

そして、そんなものを買える場所というのは限られています。

  1. オーディオ専門店
  2. ハードオフなどのリサイクルショップ
  3. Amazonマーケットプレイスや楽天
  4. フリマアプリ
  5. ネットオークション

1.と2.はリアル店舗ですが、それぞれネット通販をやっていたりもするので、近所に店舗が無くてもアクセス可能です。

オーディオ専門店

さすがは専門店というだけあって、分解掃除や動作部分のグリスアップ、消耗部品の交換など、実に丁寧な仕事で中古品を蘇らせてくれます。また購入後1~3か月の動作保証を付けていることも多くて至れり尽くせりなのですが、その分お値段もそれなりにします。

あと専門店の絶対数が少ないので、狙っている機種が常に出てくるわけではないという問題もあります。

リサイクルショップ

玉石混交状態。ちゃんと付属品まで揃っているもの、動作確認できたものも売られており、それらには1か月保証が付いていたりもするのですが、専門店ほどではないにせよそれなりのお値段はします。

「それはちょっと高いな」と思って探してみると数千円という極端に安いものも出てくるのですが、それらは電源が入らない、再生できないなどのジャンク品です。

修理する能力を持つ人々はそうしたジャンク品を引き取って復活させるようなのですが、私がそういうことをできるという自信はまったくないのでジャンク品はパスしました。

Amazonマケプレや楽天

その正体はオーディオ専門店やリサイクルショップだったりするので価格帯はそれらと似通っているのですが、「そもそも動きません」レベルのジャンク品の取り扱いは見たことがなく、各オンラインモールの方針に従った運用となっているのだろうと思います。

ただしユーザーレビューを見ると「動作品と書かれていたのに動かなかった」というクレームが無視できない割合で発生しているので、ジャンク同様のものが紛れ込んでいるリスクはあるようです。

そのリスクを避ける方法は出品者の信頼性を見極めることであり、購入前に出品者情報をチェックしましょう。特にAmazonマーケットプレイスではユーザーからのフィードバックも見られるので、過去に問題のある取引をしたことがあるかどうかを知ることができます。

フリマアプリ

メルカリやラクマのことで、個人所有のLDプレーヤーがよく出品されています。

個人所有なので専門店のような整備品が出てくることはほとんどなく、「環境がないので再生できるかどうか分かりません」という商品もザラにあります。

出品者側の都合を考えると「再生できない」と言うよりも「再生できるかどうか分からない」と言う方が売りやすいはずであり、中には本当に未確認のものもあるのでしょうが、実は動かないことを黙っているだけというものも相当数含まれているはずです。よって、このセンテンスが出てくる商品は限りなくブラックに近いグレーだと思うようにしています。

また出品されるのが市場流通数の多かった機種に偏っているという傾向もあります。メルカリで出てくるプレーヤーで圧倒的に多いのがCLD-R5、次がDVL-919。これらはパイオニアが2009年まで製造し続けた機種なので、いまだによく見かけます。あとはレーザーカラオケ対応機もよく出てきます。

他方でハイエンドモデルはあまり出てこないし、出てきたとしても未整備品であるにも関わらず「目立つ傷のない美品です!」と言ってかなり強気の価格設定がなされていたりするので、いろいろと注意が必要です。大事なのは外見よりも動くかどうかなんですけどね。

品質を見る目を持つ専門業者とは違い商品評価者が素人なので、フリマアプリで高く売られているものが必ずしも上質とは限らないという点は常に心得ておきましょう。

個人的には、ジャンクを修理する腕前のない人がLDプレーヤーのようなマニアック商品をフリマアプリで買うべきではないと思います。

ネットオークション

フリマアプリと同じく相対取引の場なのですが、こちらはマニアック商品に強いという特性があります。

売る側も買う側も目が肥えているので機体の状況が詳細に記載されているし、それに応じた値付けがなされているので価格設定も妥当に感じるものが多いです。

加えてフリマアプリではあまり見かけないハイエンドモデルもここではよく出てきます。LD-S1、LD-X1、CLD-HF9G辺りは常に出回っているので、これらの高級機種をお探しの場合はネットオークションが一番です。

また個人で整備した機体を出品している猛者もいます。私が見て驚いたのがベルト交換、ピックアップ清掃、グリスアップといった一般的なメンテナンスメニューに加えて、脆弱なパーツをより強い新規パーツに交換して本来の製品以上の耐久性を持たせている出品者がいました。マニアの恐ろしさを垣間見た瞬間でした。

で、価格ですが、オークションサイトなので購入者側での競り合いが始まると高くなっていくものの、開始価格は他の媒体と比較して安いので、競合がいなければ相場よりもかなりお得に落札できる可能性があります。

ヤフオクで整備品を落札した

この通りいろんな入手経路があるのですが、高い価格設定のオーディオ専門店、動作に不安が大きいフリマアプリはかなり早い段階から私の選択肢からは外れました。

主に見ていたのはネットオークションで、LDプレーヤーはかなり頻繁に出品されています。ただし「通電もしない」とか「通電しますが再生できません」というジャンク品が7割で、問題なく使えそうなものは少数です。四半世紀以上前の製品なのだから当然なのですが。

一度「たまに失敗するけど再生はできます」というLD-S1(定価25万円)の動作品が3,000円のジャンク価格で出ていて、これを安く落とせば得だなと思ったのですが、同じことを考えている人は大勢いたようで終了間際に激しい入札競争が始まりました。

最初は私も入札に参加したのですが、動作品とは言えすでに不具合箇所が報告されていて、いつ壊れるか分からないものに高い金を払うことはできないとの判断から途中で手を引きました。結局20,500円で落札されましたが、ジャンク寸前かもしれない品にその落札価格は高すぎると思います。

ネットオークションの怖いのはこういうところで、激しい入札競争が始まると参加者は熱くなってしまい、もし開始価格がその値段だったら手を出さなかっただろという金額でも入札してしまいます。

出品者からすれば、もしリサイクルショップに持ち込んでいれば値段の付かなかったであろうジャンク品が20,500円で売れたのだから、どんどん上がっていく価格に笑いが止まらなかったところでしょうが。

数週間ほどヤフオクを眺めたのですが、LD-S1、LD-S9、LVD-Z1といった人気機種で状態の良いものでは入札競争がよく起こって市場原理が働いている反面、一応高級機ではあるがさほど有名ではないモデルには入札者が少なく、状態の良いものでも競争なしで落札できそうだということが分かってきました。

そこで実力相応の評価を受けていない高級機を探していると、出品者が完全整備し、動作保証まで付いているCLD-07Gが開始価格15,000円で出てきました。

CLD-07Gとは1993年にリリースされ、定価が15万円もした高級機なのですが、花形だったCLD-9シリーズの影に隠れた存在でした。商品の画像を見てみると、前面にボタンがずらっと並んだデザインがVHSっぽくて、高級オーディオ機器のような洗練されたデザインのCLD-9シリーズに人気が集中した理由も何となく見えてきます。

CLD-07G(1993年9月発売)高級感のない野暮ったいデザイン
CLD-959(1992年9月発売)シンプルでスタイリッシュ

そんな不人気機種なのでネットで調べてみてもあまり情報が出てこなかったのですが、どうやら画質の良さには定評があったらしいということは分かりました。

人間も機械も外見よりも中身よってことで、これを狙うことにしました。案の定、終了間際になっても入札競争は起こらず、競合なしで落札することができました。15,000円で整備品を入手、なかなか良い取引だったと思います。

LDプレーヤーを使ってみた

とにかくデカイ

対応の早い出品者だったようで、落札して2日後にはプレーヤーが届きました。

で、さっそく開梱ですが、90年代には最下層モデルにしか手が出なかった私が、当時の高級モデルに触れているというのは妙な感じがしますね。

商品は28年も前の機体とは思えないほど傷も汚れもなく、元の所有者からいかに大事に扱われていたかが分かります。

そして特徴的なのがその巨体で、最近のBlu-ray再生機と比較すると橋本環奈と大林素子並みの体格差があります。

直径30cmというバカでかいディスクを格納しなければならないので仕方のないことなのですが、LDプレーヤーは奥行きも厚みも凄いので普通のテレビ台には収まりきりません。そこで私はオーディオラックを買いました。まったく金のかかる趣味です。

私はよく配線をいじるのでキャスター付きはマスト条件であり、その線で探して出てきたのが「ハヤミNX-B301」。最近では珍しいガラス扉付きという点も平成一桁台っぽくて気に入りました。LD全盛期の雰囲気が出ますね。

ただし誤算だったのがオーディオラック本体が35kgもあるということで、これは重量のあるオーディオ機器にも対応できるよう堅牢な作りになっているためなのですが(総耐荷重なんと80kg)、一つ一つのパーツがやたら重いので一人で組み立てるのは大変でした。

で、ラックにプレーヤーを収納した状態がこれ。さすがピッタリですね。

このラックに入っている再生機たちでLD、CD、VHS、HDD、Blu-ray、Ultra HD Blu-ray、加えて動画配信も視聴可能で、40年分のホームメディアをほぼほぼカバーできたので、これからは何でも来いです。家族はドン引きしておりましたが。

配線にはひと工夫

そして配線ですが、1993年の機体なのでHDMI端子なんて付いているはずもなく(HDMIのver1.0が登場したのは2002年)、あるのは3色のコンポジット端子とS映像出力端子、そして光デジタル出力端子のみです。

しかし最近のモニターはHDMI端子しか付いていないものが多く、私が繋ごうとしているプロジェクターもまさにそうでした。LDプレーヤーとプロジェクターを直接は繋げなくなったということです。

これに対する一般的な対処法はコンバータを使うことで、コンポジットをHDMIに変換できるコンバータは千円代から売られています。ただしニッチなジャンルであるためか大手メーカーが参入しておらず、この手のコンバータはほぼほぼ中国製で、画質や音質は劣化するようです。

せっかく当時の高級機を買ったのに「見られればいい」レベルのコンバータじゃツライなということで、私が考えたのはHDDプレーヤーを間に挟むことでした。

オーディオラックの3段目にいる2011年製REGZAはコンポジット入力が可能なので、LDプレーヤーをREGZAにつなぎ、REGZAからアンプへ、アンプからプロジェクターへという形で配線をしました。

新機種を買ってリビングでお役御免となり行き場を失っていたこのREGZAが、思いもよらぬ形で大活躍。『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)で、それまで足を引っ張っていたローゼン夫人が「私は水泳選手だったのよ!」と言って脱出ルートを見つけ出した時のような感動がありました。

このREGZAが死ぬとLDを見る手段がなくなるので、末永く作動してくれるよう今後は大事に扱います。

画質はまずまず、音質は大健闘

ではレーザーディスクの画質チェックです。『機動戦士Ζガンダム』のオープニング映像をLD版とNetflixで配信されているHDリマスター版とで比較してみました。

LD映像
HDリマスター版

背景の色合いが全然違いますが、これはメディアの性能差というよりもリマスターに当たってソースの照度を大幅に変えたためだと思われます。

映っている人物に着目すると、LD版とHDリマスター版の間に顕著な差がありません。スペックで劣るLDがここまでフルハイビジョンに肉薄したかと驚きました。もし比較対象がDVDだとすると、差はもっと少ないんじゃないでしょうか。

比較画像をもう一つ。

LD映像
HDリマスター

HDリマスター版の拳がブレているのはごめんなさい。ソースがこうだったということではなく、スマホを使った撮影がうまくいかなかっただけです。

やはり画面の照度がまったく違いますね。カミーユの顔の明るさなんて別物レベルだし、LDでは暗く潰れていたヘルメット上部のディテールがHDリマスター版だとはっきりと分かります。

ただしこれもまたリマスターにおける味付けの問題で、メディアの性能差ではありませんね。

じゃあメディアの性能差はというと、輪郭線のシャープさなどではどうしてもフルHDに敵わないのですが、全体的には健闘しています。思っていたよりも見られるなと。

よって、LDの映像は現在でもまずまず通用するものと評価します。

ついでに分かったのが世のHDリマスターと呼ばれるものは思いのほかソースをいじっているということであり、初出時の状態を知るに当たってLDは貴重な資料でもあるようです。

次に音質面のチェックで、こちらはブランドン・リー主演の『ラピッド・ファイヤー』(1992年)を再生してみました。

「なんでそんな中途半端な映画を使うんだよ」というツッコミがあるかもしれませんが、手持ちのLDソフトがまだまだ充実しておらず、純然たるアクション映画がこれだけだったから仕方ないんです。

で、中盤の銃撃戦を再生してみましたが、音のキレは物凄いことになっています。

フォーマットはステレオ音声に毛が生えた程度の昔ながらのドルビーサラウンドで、スペック的には近年のBlu-rayソフトの足元にも及ばないのですが、銃声や打撃音はキレッキレ。BGMの抑揚も素晴らしく、期待以上に聞かせてくれます。

音というのはフォーマットが劣後してもハードによる味付け次第でここまで良くなるものなのかと驚きました。LDの音声は今でも全然いけますよ。

あとコンパチ機なのでCDも再生してみましたが、こちらは完璧に現役レベルでしたね。Blu-rayプレーヤーやUHDプレーヤーでもCDは再生できるのですが、それらの音質を完全に凌駕していました。

さすがはパイオニア、オーディオ機器としても一流の作りとしていたのです。

当時のパイオニアの高級機にはレガートリンクコンバージョンなるものが搭載されていました。これはCDの高音を補正する回路で、CDには20kHz以上の音が記録されていないのですが、それでは不自然であるとのことで高音を推定して生成することがその機能でした。

このレガートリンクが奏功してか、長時間聞いていると高音がキンキンと耳に障る某女性歌手のCDも随分と自然な聞きやすい音に生まれ変わりました。

LDはまだまだいける!

完全に衰退したメディアとしてこれまでレーザーディスクの事はあまり考えてこなかったのですが、パイオニアのものづくり精神のおかげで数十年前のプレーヤーがいまだに動作し、ソフトも格安で入手可能ということで、こちらにも魅力的な世界が広がっていることを認識しました。

今回購入したCLD-07Gを大事に使い、LDの世界を末永く楽しみたいと思います。

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