【良作】ワイルド・スピード5 MEGA MAX_金の亡者と化したドム(ネタバレあり・感想・解説)

クライムアクション
クライムアクション

(2011年 アメリカ)
シリーズの超大作化のきっかけとなった第5弾であり、過去作品の仲間を集合させてファミリー化していくのも本作から。シリーズ中興の祖ともいえる重要作だが、ドムにあまりにも大義がなさすぎることは気になった。ほぼ金目的で動いているという。

感想

シリーズに確変を起こした第5弾。ここからワイルド・スピードシリーズは超大作化していく。

またホブス捜査官(ドウェイン・ジョンソン)とエレナ捜査官(エルサ・パタキー)の初登場回でもある。

前作ラストからの続き。ブライアン(ポール・ウォーカー)とミア(ジョーダナ・ブリュースター)は、懲役25年を喰らったドム(ヴィン・ディーゼル)を取り戻しにいく。

ドムが無傷なのが奇跡ってくらい激しいカークラッシュの末に彼を奪還したものの、3人仲良く国際指名手配犯になったうえに金欠ってことで、リオに潜伏中のかつての仲間ヴィンス(マット・シュルツ)を頼りに行く。

ヴィンスは第一作に登場したドムの強盗団の一人で、好意を寄せるミアを巡ってブライアンとひと悶着あった奴。

私はシリーズを集中して見ているので「あ~、あいつね」ってことが分かったけど、過去作品は何年か前に見たっきりという人だと、こいつが誰だか分からないんじゃないだろうか。

本作のキーパーソンの一人だし、もうちょい観客に顔を知られたキャラの方が良かったと思う。

ヴィンスは「良い話がある」と言ってブライアンを高級車泥棒に誘うんだけど、これが走行中の列車と並走しながら目当ての車を奪うという、実に壮絶かつ危険なプランなので驚いた。

列車に積み込まれる前の車を駐車場から盗む方が遥かに楽だし確実性も高いんじゃないかと思うけど、この映画は「可能な限り派手な方法で奪う」「高速移動中のものなら尚良し」という方向に振り切れているので、細かい理屈など気にしないのが作法だ。

車の価値を遥かに上回っていないかという程の二次被害を出しつつ強奪には成功したが、列車に同乗していたDEA捜査官たちとの戦闘になったことでアメリカ政府を本格的に怒らせてしまい、結果、ルーク・ホブス捜査官(ドウェイン・ジョンソン)が送り込まれるに至る。

捜査官と言いつつも、防弾ベストを常時着用し、手にはアサルトライフル、装甲車をわざわざアメリカから空輸してくるという物々しさで、戦争する気満々。「こんな捜査官いるか」というツッコミは入れない約束だ。

「さっきの案件はただの車泥棒じゃなかったと思う…」と今更ながら気づいたドムとブライアンが盗んだ車を調べてみると、リオを牛耳る実業家エルナン・レイエスの闇金記録が入ったメモリーを発見する。

ちょうどそのタイミングでミアの妊娠も発覚し、「俺たちいつまでも逃亡生活を送っていられない」ということで、足を洗うための軍資金としてレイエスの金を奪うことにする。

…こうしてあらすじを書き出してみると、なかなか酷い話だなぁと思う。ドムとブライアンの自己都合ばかりじゃないか。

そりゃレイエスは悪い奴だけど、だからと言って金の強奪を正当化するほどの因縁が二人との間にあるわけでもない。

兎にも角にも大金を奪うことが主目的になったことで、本作はケイパーものとして走り始める。

過去作品が潜入捜査ものを基礎としていたことを考えると、本作はジャンルの転換点でもあったわけだ。

ケイパーものの定番通り、困難なミッションに挑むための仲間集めを開始するドム&ブライアン。そこで招集されたのがシリーズお馴染みの面々であり、この時点でのシリーズ集大成的な意味合いも持つ。

『2』からはローマン(タイリース・ギブソン)とテズ(リュダクルス)、『3』からはハン(サン・カン)、『4』からはジゼル(ガル・ガドット))とテゴ(テゴ・カルデロン)&リコ(ドン・オマール)。

大集合した仲間たちが、それぞれの特技を生かしつつ計画を遂行していく様子は定番通りながらもなかなか楽しかった。ケイパーものとしてはなかなか上出来だと思う。

そしてドムがBBQを食べながら家族だの仲間だのと説教臭い話をはじめ、筋肉界の武田鉄矢と化したのも本作から。

やはり本作はシリーズ中興の祖と言っていい。

クライマックスに向けて派手な銃撃戦やカーアクションが炸裂し、存分に目を楽しませてくれる。

特にリオを破壊しながらの大カーチェイスはマイケル・ベイをも超える破壊の一大ショーと化しており、見ている間中は興奮しまくりだった。

よくよく思い出してみるとドムとブライアンに大義があったわけではなく、ただ引退資金が欲しいだけでリオ市街地にここまでの二次被害を与えるのはおかしいんじゃないかと思わなくもないが。

特にドムは仲間だファミリーだとか言いながらも、社会に対してここまで大きな被害を出しても平然としているという二面性で、真正のサイコパスじゃないかとも思えてくるけど、そんなことは気にしないのが本作を見る作法だ。

クライマックス直前に命を落としたヴィンスからは「息子に会ってほしい」とお願いされていたドムだが、結局ヴィンスの家族の前に顔を出すことはせず、大金を置いてきて終わり。

ヴィンスが求めていたのはそういうことではないだろうに、本作のドムは最初から最後まで金ばかり。ほぼ金の亡者と化している。

…とまぁ文句ばかり書いてしまったが、アクション映画としては過去作品でもっとも良くまとまっており、「そういうものだ」と思って見れば十分に楽しめる。

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