シックス・デイ【駄作】予見性はあったが如何せんダサい(ネタバレあり・感想・解説)

(2000年 アメリカ)
クローン技術が確立された世界。ヘリコプターパイロットのアダムが帰宅すると、別の自分が誕生日を祝っていた。

公開時にも鑑賞したのですが、動員力が急激に落ちていた頃のシュワの華の無さや、SF大作風の宣伝とは裏腹にやけに小さい舞台のドラマだったことから特に印象に残らず、17年以上も忘れ去っていましたが、Netflixでたまたま目に入ったので再度の鑑賞となりました。

テクノロジーの予見は正確

2018年現在の目で見て驚いたのが、車の自動運転技術や指紋認証の鍵、AIによる一部の職業の置き換えなど、その後実現した、もしくは実現しつつあるテクノロジーが複数登場していることです。また、従来のSF映画においてはクローン人間にオリジナルの個性や記憶をどう刷り込むのかという問題が存在していましたが、本作においてはシンコードという奇策により、オリジナルとまったく変わらない人間がクローン技術で再生されるという物語を作り上げています。SFとしてはかなりよく考えられているのです。

なぜ『マイノリティ・リポート』になり損ねたのか

ではなぜ本作が、例えば2002年の『マイノリティ・リポート』(こちらもドローン、生態認証、VR、リターゲティング広告などを先取っていました)のような評価を受けられなかったのかと言うと、単にとてもダサかったからなのだと思います。当時落ち目になりかけのシュワ主演というだけで真面目に見てもらえなかっただけでなく、テクノロジーの見せ方やデザインなどがまったく洗練されておらず、物凄いものを見せられているという気に当時は誰一人ならなかったのです。

また、ピンポン玉みたいのを両目に当てたシュワのどアップが本作のキービジュアルであり、これは子会社のトライスター・ピクチャーズが1990年に『トータル・リコール』を大ヒットさせた際、人体に影響を与える装置に繋がれたシュワの姿をキービジュアルにしたことに本作の配給を行ったコロンビア映画が倣ったものと思われるのですが、このダサいチラシを見て洗練されたSF映画が見られると思った観客は皆無でした。

繊細であるべき物語が脳筋映画に

また、映画として全然面白くなかったという点も問題です。人生を奪われた男の悲壮な物語かと思いきや、俺に似た俺じゃない奴が家にいる、しかも変な集団に襲われた。じゃあ力づくで問題解決しようという脳筋映画に成り下がっているために、この物語に本来あったと思われる哲学的なメッセージが綺麗サッパリなくなっています。

ラストも、オリジナルとクローンの二人でひとつの人生を生きることはできないことから、1名は南米へと旅立つというちょっと悲しい終わり方が脚本上は準備されているのですが、完成した映画は敵を倒した余韻で強引に終わってしまい、そうしたセンチメンタルな部分が完全に放棄されています。これはもったいないと感じました。

≪シュワルツェネッガー関連作品≫
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コマンドー【傑作】人間の心を持ったパワフルな男
ゴリラ【駄作】ノワールと爆破の相性の悪さ
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ラスト・アクション・ヒーロー【凡作】金と人材が裏目に出ている
トゥルーライズ【凡作】作り手が意図したほど楽しくはない
イレイザー【凡作】見せ場の連続なのに手に汗握らない
エンド・オブ・デイズ【凡作】サタンが間抜けすぎる
シックス・デイ【駄作】予見性はあったが如何せんダサい

≪ターミネーターシリーズ≫
ターミネーター【傑作】どうしてこんなに面白いのか!
ターミネーター2【良作】興奮と感動の嵐!ただしSF映画としては超テキトー
ターミネーター3【良作】ジョン・コナー外伝としては秀逸
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シックス・デイ【駄作】予見性はあったが如何せんダサい(ネタバレあり・感想・解説)” に対して2件のコメントがあります。

  1. キャン より:

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    初めまして、キャンと申します。
    いつも楽しく読ませて頂いております。
    ちょうど僕が『シックス・デイ』を紹介したタイミングと同じ頃に書かれていたので、思わずコメントさせて頂きました。
    未来技術の予見の正確さというのは、見ている時は全く気付きませんでした。確かに今のリアルとかなり近い世界でしたね!
    ただそんなことより、やっぱり拭いきれないダサさばかりが先にたってしまって…。
    まあ、スタイリッシュなシュワちゃんなんてついぞ見たことはないですけどね!

  2. children-of-men より:

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    >キャンさん
    コメントいただき、ありがとうございます。
    キャンさんの6d評も拝見していましたが、愛ある擁護に「こういう見方もあるのか」と感心いたしました。
    この映画を初めて見た時に思い出したのがヴァン・ダムの『タイムコップ』で、あちらも一応はシド・ミードが関わってるのに絶妙なダサさ加減が漂っていたのですが、もしかしたら肉体派スターとSFガジェットの相性は死ぬほど悪いのかもしれませんね。

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