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	<title>ラジー賞 | 公認会計士のB級洋画劇場</title>
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	<description>筋肉！銃撃！モンスター！最高！</description>
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	<title>ラジー賞 | 公認会計士のB級洋画劇場</title>
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		<title>【凡作】エクソシスト3_『1』のチョイ役が主役に大出世（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-exorcist-3/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 29 Oct 2025 15:37:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[サスペンス・ホラー]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1990年 アメリカ）シリーズ第3弾ではあるが、実質的には『1』の続編。原作者自身が脚色し、監督も務めた意欲作で、素晴らしいショックシーンもいくつかあるけど、全体的には冗長でテンポが悪い。他人に監督を任せるべきだった。 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1990年 アメリカ）<br>シリーズ第3弾ではあるが、実質的には『1』の続編。原作者自身が脚色し、監督も務めた意欲作で、素晴らしいショックシーンもいくつかあるけど、全体的には冗長でテンポが悪い。他人に監督を任せるべきだった。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="713" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/10/The-Exorcist-3_P-713x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11701" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/10/The-Exorcist-3_P-713x1024.jpg 713w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/10/The-Exorcist-3_P-209x300.jpg 209w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/10/The-Exorcist-3_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/10/The-Exorcist-3_P.jpg 752w" sizes="(max-width: 713px) 100vw, 713px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>むか～し、子供の頃にゴールデン洋画劇場で見た時には面白いとは感じなかった映画。</p>



<p>とはいえ熱心な支持層がいることや、DVDのプレ値化などでちょっと気になっていたところ、Amazonプライムで見放題配信されているのを発見したので30年ぶりに再見した。</p>



<p>もしも面白ければ、2025年2月に是空より発売された4Kレストア版を買おうかと思ってたけど（どうせまたプレ値化するのだろうし）、感想は昔と変わらなかったので購入はスルーに決めた。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/the-exorcist/" data-type="post" data-id="8855">『エクソシスト』（1973年）</a>の一件から15年後、キンダーマン警部補は被害者の首を切断するという手口の連続猟奇殺人事件を追いかけていた。</p>



<p>それは15年前に発生した双子座殺人事件の模倣と思われる犯行だったのだが、問題は、15年前の犯人はすでに死刑執行済でこの世にいないにも関わらず、一般には未発表の細部までが正確に模倣されているということだった。</p>



<p>犯人逮捕の糸口すら掴めない中、「自分は双子座殺人犯だ」と名乗る精神病患者がいるというので会いに行ってみると、15年前の悪魔祓いで死んだはずのカラス神父と同じ顔の男だったというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>映画を見た後に調べて分かったのだが、キンダーマン警部は<a href="https://b-movie.tokyo/the-exorcist/" data-type="post" data-id="8855">『エクソシスト』（1973年）</a>に出てきた刑事さんのようだ。</p>



<p>映画版では小さな役柄だったうえ、第一作で演じていたリー・J・コッブが1976年に逝去したことからジョージ・C・スコットにリキャストされたこともあり、見ている間はあの人物だと全然気づかなかった。</p>



<p>そしてキンダーマンは生前のカラス神父とマブダチで、あの一件から15年経った今でも神父の命日には気分が落ち込むので、もう一人の親友ダイア―神父（エド・フランダース）と一緒に過ごすことが恒例になっているとのこと。</p>



<p>第一作を振り返って、キンダーマンとカラス神父はそんな関係性だったっけ？と不思議に思ったのだけれど、どうやら小説版のキンダーマンは重要人物だったらしく、本作は小説の方の設定を引き継いだものだと思われる。</p>



<p>というわけで、映画しか見ていない人にとってはキンダーマンとカラスの関係性が分かりづらいので、思いがけない形で再会することとなったキンダーマンの驚きも、クライマックスの悲しい決着も、あまり心に響いて来なかった。</p>



<p>あとダイア―神父も第一作に登場済だったようだけど、こちらの存在は完全に忘却の彼方だった。</p>



<p>というわけで基礎となる人間関係がよく分からなかったことは、作品理解に対する大きな障害となった。彼らの関係性への言及はもっとあっても良かったと思う。</p>



<p>本作は『エクソシスト』の原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティがその続編として執筆した小説『レギオン』を原作としており、映画化に当たっての脚色も演出もブラッティ自身が担当した。</p>



<p>ジョン・カーペンターへの監督依頼もなされていたようなのだが、ブラッティが監督したがっていることを察したカーペンターは身を引いたらしい。</p>



<p>かくして原作者自身が監督したことの弊害か、この映画はとにかく冗長でテンポが悪い。</p>



<p>そして何でもかんでもセリフで説明しようとする。</p>



<p>キンダーマンと殺人鬼の対話なんて延々7分も続くんだけど、その一方で死体の描写は一切ない。</p>



<p>とにかく俗物的に見せ切ったウィリアム・フリードキンとは正反対のアプローチなんだけど、映画は絵で見せてナンボじゃないの？</p>



<p>禁欲的で安易なショックシーンに頼らないストイックさはある意味で魅力的ではあるのだが、映像メディアとしての本質を見失うレベルでこれをやられると、刺激不足へと繋がってしまう。</p>



<p>私は何度も寝落ちしかけながら、何とか完走した。</p>



<p>途中、トラウマ級に素晴らしい場面がいくつかあるのでブラッティにホラー監督としてのセンスはあるのだと思うけど、1人で何役もこなした結果、客観的な調整が利かなかったのが本作の欠点だろう。</p>



<p>完成した作品の出来を危惧した製作会社は、急遽400万ドルもの追加予算を組んで、元の脚本には登場しなかったクライマックスの悪魔祓いを追加撮影した。</p>



<p>監督の意に反した再撮は映画ファンによる非難の的になりがちだが、そうでもしないと地味なままで終わってしまうとした今回のスタジオ判断、今度ばかりは間違っていないんじゃないか？</p>



<p>実質上のディレクターズカット版である『レギオン』と見比べないとその判定はできないのだけれど、そちらのバージョンは4Kレストア版を買わないと見られない。</p>



<p>やはり買うしかないのかな。</p>



<p>けど高いんだよなぁ・・・</p>



<p><strong>≪エクソシスト シリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-exorcist/" data-type="post" data-id="8855">【良作】エクソシスト_進路選択に悩んだ時に見る映画</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-exorcist-3/" data-type="post" data-id="11700">【凡作】エクソシスト3_『1』のチョイ役が主役に大出世</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/exorcist-the-beginning/" data-type="post" data-id="10124">【凡作】エクソシスト ビギニング_ゴア描写に特化した前日譚</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/dominion-prequel-to-the-exorcist/" data-type="post" data-id="10129">【凡作】ドミニオン_内面描写に特化したエクソシスト前日譚</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-exorcist-believer/" data-type="post" data-id="11713">【良作】エクソシスト 信じる者_カトリック以外が取り憑かれたら大変だった</a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>【良作】ポストマン(1997年)_まがい物vsまがい物（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-postman-1997/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 02 Aug 2025 08:49:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[SF・ファンタジー]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[コスナー]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1997年 アメリカ）世間的には失敗作として認識されているが、実際見た人の評価はさほど悪くないという不思議な映画。しがない男のホラ話が独り歩きし、やがて世界を変えるという物語は面白いと思う。 目次 関係者みんなが辛い思 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1997年 アメリカ）<br>世間的には失敗作として認識されているが、実際見た人の評価はさほど悪くないという不思議な映画。しがない男のホラ話が独り歩きし、やがて世界を変えるという物語は面白いと思う。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="728" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P-728x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11500" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P-728x1024.jpg 728w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P-768x1080.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/The-Postman_P.jpg 853w" sizes="(max-width: 728px) 100vw, 728px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-4" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-4">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">関係者みんなが辛い思いをした</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">まがい物vsまがい物</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">『SF核戦争後の未来スレッズ』からの影響</a></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">関係者みんなが辛い思いをした</span></h2>



<p>前回投稿の<a href="https://b-movie.tokyo/mission-impossible-8/" data-type="post" data-id="11481">『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』</a>から2か月以上のご無沙汰だが、久しぶりの記事が28年も前の失敗作『ポストマン』(1997年)。我ながら狂ったチョイスだと思う。</p>



<p>1985年に出版されたデヴィッド・ブリンの終末ものSF小説が原作であり、小説の方はジョン・W・キャンベル記念賞とローカス賞SF小説部門を受賞、ネビュラ賞長篇小説部門でノミネートという高評価を獲得した。</p>



<p>出版直後にワーナーブラザーズが映画化権を取得し、1990年代初頭に企画がスタート。監督：ロン・ハワード、脚本：エリック・ロス、主演：トム・ハンクスが当初布陣だった。</p>



<p>が、企画段階でケビン・コスナーが関心を持ち、ワーナーはコスナー起用の方針を固めた。</p>



<p>現在の我々からすると「なんて狂った決断なんだ」と思うところだが、当時のコスナーは『ロビン・フッド』（1991年）や<a href="https://b-movie.tokyo/the-bodyguard/" data-type="post" data-id="2966">『ボディガード』（1992年）</a>の大ヒットでワーナーを大儲けさせ、また私財を投じて製作した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』（1990年）でアカデミー賞受賞という、世界最強の映画人だったのだ。</p>



<p>加えて、原作者デヴィッド・ブリン夫妻が『フィールド・オブ・ドリームス』（1989年）でのコスナーの演技に感銘を受けており、彼こそがポストマンの核となる特徴をすべて体現していると評価したこともキャスティングの追い風となった。</p>



<p>かくして出演契約にサインしたコスナーはエリック・ロスの脚本を破棄し、当時気鋭の脚本家だったブライアン・ヘルゲランドを雇って新しい脚本を書かせた。</p>



<p>後にアカデミー賞６回ノミネート、１回受賞することとなる大脚本家ロスの脚本を捨てるとは凄い判断だが、ロスの脚本は原作の道徳的テーマの真逆をいく内容だったらしく、原作のメッセージを温存したいコスナーの方針とは根本から合わなかった。</p>



<p>他方、解雇されたエリック・ロス、トム・ハンクスは、ワーナーが映画化権を取得したっきり持て余していた<a href="https://movie-review.net/forrest-gump">『フォレスト・ガンプ 一期一会』（1994年）</a>の企画と共にパラマウントへと移っていった。</p>



<p>『フォレスト・ガンプ』は、当初パラマウントが持っていた<a href="https://b-movie.tokyo/executive-decision/" data-type="post" data-id="3462">エグゼクティブ・デシジョン』（1996年）</a>とのトレードだったと言われている。</p>



<p>1994年に公開された『フォレスト・ガンプ 一期一会』は歴代３位の興行成績（当時）と、アカデミー賞6部門に輝く特大ホームランとなった。</p>



<p>ある時点でその企画とメンバーをすべて手中にしていたにも関わらず、まるっとパラマウントに譲ってしまったワーナーは泣くに泣けなかったことだろう。</p>



<p>そしてコスナーも巨大な機会損失を被った。</p>



<p>ソニー配給のアクション大作<a href="https://b-movie.tokyo/air-force-one/" data-type="post" data-id="8172">『エアフォース・ワン』（1997年）</a>の主演は、当初コスナーにオファーされていたのだが、本作のスケジュールを優先したためにそちらは断らざるを得なかった。</p>



<p>ハリソン・フォード主演で製作された同作は全米で年間３位という猛烈な興行成績を上げたが、スターとしての地位低下に悩んでいたコスナーからすれば、この特大ホームランを逃したのはかなりの痛手だったと思う。</p>



<p>実際、本作以降は大作に関われなくなっており、『エアフォース・ワン』の主演を逃したことでコスナーのスター生命がより縮まったという可能性は否めない。</p>



<p>この通り関係者が多くのものを失いながら製作された本作であるが、その努力は報われなかった。</p>



<p>製作費8千万ドルに対して興行成績は3千万ドル。これはアメリカ国内のみならず全世界の合計数字なので、見紛う事なき大赤字映画だと言える。</p>



<p>コスナーの失敗作と言えば<a href="https://b-movie.tokyo/waterworld/" data-type="post" data-id="3208">『ウォーターワールド』（1995年）</a>が有名だが、期待値にこそ届かなかったものの興行的にはさほど悪くなかった同作と比較すると、金を払って見た人間が地球上にほとんどいないと言える本作の方が傷は深い。</p>



<p>また作品評も芳しいものではなく、<a href="https://b-movie.tokyo/speed-2/" data-type="post" data-id="5350">『スピード2』（1997年）</a>、<a href="https://movie-review.net/batman-and-robin">『バットマン&amp;ロビン Mr.フリーズの逆襲』（1997年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/fire-down-below/" data-type="post" data-id="5108">『沈黙の断崖』（1997年）</a>といった錚々たるメンツを押しのけてゴールデンラズベリー賞を5部門で受賞（俳優、監督、作品、脚本、オリジナルソング）、その年を代表する駄作認定を受けたのだった。</p>



<p>脚本家のブライアン・ヘルゲランドは、ラジー賞とアカデミー賞（そちらは『L.A.コンフィデンシャル』にて）を同年に受賞するという史上初の珍事を巻き起こした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">まがい物vsまがい物</span></h2>



<p>と、コスナーのキャリアのとどめとなった作品として認識されている本作だが、実際に見たという人からの評判はさほど悪くない。</p>



<p>周囲の映画好き達に聞いても「意外と悪くない」「てか面白いだろ」という評判しか聞こえてこないし、私自身も20年ほど前にDVDを購入し、最近購入したBlu-rayで見返しても、悪くない映画だと感じた。傑作の類ではないにせよ、これより酷いヒット作はいくらでもあるだろう。</p>



<p>態度が相当悪かったと言われているコスナーへの人物評が、公開当時の本作の悪評を生み出し、広まった悪評のために鑑賞を取りやめた人達が、見てもいない作品の悪口を言っていただけではないか。</p>



<p>「SNSでテレビ番組を炎上させるのは見ていない人達」という分析もあるが、映画の悪評もまた、見ていない人達が広めるものなのだ。</p>



<p>舞台は核戦争後の未来。</p>



<p>文化も文明も中世レベルにまで退行し、人々は小さなコミュニティを営みつつ細々と生活している世界で、主人公（ケビン・コスナー）はしがない旅芸人として点在するコミュニティを回っては、その日の晩飯にありついていた。</p>



<p>なんやかんやあってホルニストという民兵組織に捕まり、身ぐるみ剥がされ相棒兼移動手段でもあったラバまでを失った主人公は、偶然見つけた制服を着て郵便配達人になりすまし、あるコミュニティに入り込む。</p>



<p>晩飯と寝床確保のための口から出まかせではあったが、「新政権が樹立した」「郵便制度が復活した」という話は想定外にウケまくり、これはいい飯のタネだとして主人公が郵便配達のフリをし続ける中で、本当に情報網が構築されていくというのが、ザックリとしたあらすじ。</p>



<p>希望を求める人々の思いが、まがい物を本物にするという物語であり、ホラ話が独り歩きする寓話的な面白さと、情報を求める人々という深い文明考が、このドラマの醍醐味だと言える。</p>



<p>監督兼主演のコスナーはその本質を的確に捉えていたらしく、<a href="https://b-movie.tokyo/waterworld/" data-type="post" data-id="3208">『ウォーターワールド』（1995年）</a>のようなヒロイズムは控えめに、主人公を情けない男として描く。</p>



<p>物語の中盤、主人公は敵の銃弾を受けて倒れるのだが、死にはしない程度の傷であるにも拘らず痛い痛いと冬中騒ぎまくり、小屋にずっと引きこもっては気丈なヒロイン（オリヴィア・ウィリアムズ）のご厄介になる。</p>



<p>完全なダメ男なのだ。</p>



<p>そんな主人公と対峙することとなるのは、ホルニストと呼ばれる民兵組織を率いるベスレヘム将軍。</p>



<p>将軍とは言うものの軍隊経験があるわけでもなく、核戦争前にはコピー機のセールスマンをしていた人物らしい。こちらもまた、デタラメな世界でいつの間にか祭り上げられていたまがい物なのである。</p>



<p>ベスレヘム将軍に扮するのは、個人的にはサスペンスの傑作だと思っている『追いつめられて』（1987年）でもコスナーと共演したウィル・パットン。</p>



<p>そしてウィル・パットンと言えば、翌年の<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735">『アルマゲドン』（1998年）</a>においてブルース・ウィリスと共に宇宙に飛び立つ石油掘りを演じた人物。</p>



<p>命がけのミッションを前に、長年疎遠にしてきた妻子に会いに行くも「あの人はセールスマンよ」と言われ玄関先で塩撒き追い返される。</p>



<p>が、後日テレビに映っているところを見られると「あのセールスマンはあなたのパパよ」という元妻の豪快な手のひら返しを喰らった御仁である。</p>



<p>２年連続でセールスマンと言われるキャラクターに扮したところを見るにつけ、アメリカ人にとってウィル・パットンという人物は実に凡庸な見た目をしているのであろう。</p>



<p>そんな俳優を起用しているあたりにコスナーのキャスティング意図が見えてくる。</p>



<p>嘘で成り上がってきた男二人が殴り合うクライマックスの盛り上がりのなさはどうだろう。戦闘のプロではないおっさん二人のどつきあいは、まぁグダグダ。</p>



<p>ここを劇的に描かなかったことが、コスナー監督の覚悟だったのだろう。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc3">『SF核戦争後の未来スレッズ』からの影響</span></h2>



<p>ネットワークの回復によって国家という枠組みがよみがえるという本作の物語を見ていると、核戦争後のネットワークの寸断によって文明が退行するという<a href="https://movie-review.net/threads">『SF核戦争後の世界スレッズ』(1984年)</a>を思い出した。</p>



<p>『スレッズ』はBBC制作のテレビドラマだったが、そのディレクターであるミック・ジャクソンは、後にハリウッドに渡って<a href="https://b-movie.tokyo/the-bodyguard/" data-type="post" data-id="2966">『ボディガード』（1992年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/volcano/" data-type="post" data-id="6141">『ボルケーノ』(1997年)</a>を監督している。</p>



<p>『ボディガード』繋がりでコスナーはミック・ジャクソンの知見を本作に取り入れたような気がしないでもない。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【凡作】刑事ジョー ママにお手あげ_観客もお手あげ（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/stop-or-my-mom-will-shoot/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 10 Oct 2024 07:55:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1992年 アメリカ）スタローンが自身の最低作と認める駄作で、コメディなのにまったく笑えない前半部分は確かに酷い。しかし親子のバディで事件解決する後半部分は、割と真っ当なクライムアクションでそこそこ楽しめる。 感想 中 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1992年 アメリカ）<br>スタローンが自身の最低作と認める駄作で、コメディなのにまったく笑えない前半部分は確かに酷い。しかし親子のバディで事件解決する後半部分は、割と真っ当なクライムアクションでそこそこ楽しめる。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="729" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P-729x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11390" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P-729x1024.jpg 729w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P-214x300.jpg 214w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P-768x1079.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/10/Stop-or-My-Mom-will-Shoot_P.jpg 854w" sizes="(max-width: 729px) 100vw, 729px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>中学時代の私は、ランボー初期３作品や<a href="https://b-movie.tokyo/cobra/" data-type="post" data-id="79">『コブラ』</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/tango-and-cash/" data-type="post" data-id="3357">『デッドフォール』</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/lock-up/" data-type="post" data-id="6219">『ロックアップ』</a>などをベビロテで見るほどのスタローンファンだった。</p>



<p>そんな当時の私でも擁護のしようがなかったのが本作『刑事ジョー ママにお手あげ』である。</p>



<p>初見はゴールデン洋画劇場で、確か中３の頃だったと思う。</p>



<p>同じくスタファンだった川村の家で録画を見たのだが、あまりの壮絶なスベりっぷりに二人とも凍り付いた。</p>



<p>とはいえご本尊のように崇めていたスタローンを腐していいものか、川村と私は互いに「あいつはどう言うのだろう」と反応を探り合っていた。</p>



<p>無理やりにも「面白かった」と言ってこの場をやり過ごすという選択肢も私にはあったのだが、一方川村は正直な男だった。</p>



<p>「・・・つ、つまらんかったよな？」</p>



<p>川村が本当のことを言ってくれたおかげで肩の荷が下りた私も、彼の意見に同調した。</p>



<p>人間、正直であることが何よりも大事だということを学んだ15の夜だった。</p>



<p>以降、本作を見返すことは長らくなかったのだが、この度、午後のロードショーさんが放送してくださったので、あらためての鑑賞となった。</p>



<p>しかし青春時代に受けた印象はあまりに強く、午後ローで放送されたのが6月のことだったが、ようやっと録画を見たのは10月に入ってから。実に3か月以上もの間、男なのにグズグズしていたのである（©宇宙刑事）。</p>



<p>で、あらためて見ての感想だが、記憶していた通りコメディとしては相当に酷い。まったく笑えない。</p>



<p>スタローンが扮するのはジョー・ボモウスキー刑事。冒頭では手荒な捜査で犯罪者を追い詰めるジョーの雄姿が描かれるのだが、彼の弱みは田舎のお母さんだった。</p>



<p>気ままな独身ライフを送るジョーの元にママが押しかけてきて、10代の子どものように扱われる。こうしてタフガイ=スタローンの面目が丸潰れになるというのが作品の骨子である。</p>



<p>本作のプロデューサーを務めたのは『ツインズ』（1988年）でアーノルド・シュワルツェネッガーのコミカルな面を引き出したアイヴァン・ライトマンで、脚本を手掛けたウィリアム・オズボーンとウィリアム・デイヴィスもまた『ツインズ』の関係者だった。</p>



<p>確かな実績を持つチームの作品だけあって、アクション俳優として停滞気味だったスタローンは大船に乗った気分でいたのだろうが、これが思わぬ泥船だった。</p>



<p>スタローンが本作の脚本を受け取ったのと同時期、シュワルツェネッガーにもオファーが行っていたのだが、コメディにおいては一日の長のあるシュワはこの脚本がクソであることを見抜いていた。</p>



<p>そしてアクション俳優としては目の上のタンコブだったスタローンを追い落としたいシュワは、自分が本作に関心を持っているという噂をハリウッド界隈で流して、スタローンが慌ててこの企画に飛びつくよう仕向けたのだった。</p>



<p>後に<a href="https://b-movie.tokyo/the-expendables/" data-type="post" data-id="9369">『エクスペンダブルズ』</a>シリーズで心温まる友情を見せるシュワ・スタコンビとは思えないほどのドロドロエピソードだが、兎にも角にもその見立て通りになったのだから、当時のシュワの慧眼、恐るべしというところである。</p>



<p>そのシュワも後には<a href="https://b-movie.tokyo/jingle-all-the-way/" data-type="post" data-id="11293">『ジングル・オール・ザ・ウェイ』（1996年）</a>や<a href="https://movie-review.net/batman-and-robin">『バットマン&amp;ロビン』（1997年）</a>といった恐ろしいものに出演することとなるのだが、それはまた別の話ということで・・・</p>



<p>本作でジョーのママ役を演じるのは、80年代のシットコムで次々とヒットを飛ばしたエステル・ゲティ。</p>



<p>小柄なゲティとムキムキのスタローンという、絵的に面白いコンビを作り上げたことは『ツインズ』チームの成果ではあるが、このコンビをどう動かすのかという点で完全に行き詰っている。</p>



<p>幼少期のジョーの話をして恥をかかせるママというネタをひたすらに繰り返すだけなのだ。</p>



<p>ゴールデングローブ賞やエミー賞のコメディ部門での受賞歴豊富なゲティをしても面白くないのだから、よほど脚本の出来が悪いのだろう。</p>



<p>加えてスタローンの受け身演技がうまくないので、ボケとツッコミが機能していない。</p>



<p>結果、ゲティが振り切った演技をすればするほど「何？この変なおばさんは」という白けた空気になる。</p>



<p>ジョーに迷惑をかけまくっているという自覚だけはあるママは、息子へのプレゼントに銃を買いに行く。</p>



<p>しかし正規の銃器店では入手に２週間はかかるということを知らされたママは、路地裏の密売屋からサブマシンガンを購入。</p>



<p>「毎度あり」と言ったその瞬間、密売屋はマフィアに襲われ、ママは殺人事件の目撃者になってしまう。</p>



<p>こうして本筋が動き出すのだが、すべてがママの非常識な行動を起点としているので、彼女は迷惑だが愛すべき人物ではなく、ただのトラブルメーカーにしかなっていない。</p>



<p>元の脚本では、ママはジョーの恋路の邪魔をするなど醜悪な人物として描かれていたらしく、それだとトラブルメーカーぶりと整合するので筋も通ったような気がするのだが、ゲティの出演が決まった際に、彼女を愛すべき人物とするよう脚本が書き換えられたらしい。</p>



<p>ここで全体のバランスが狂ったのだろう。後にスタローンも、元の脚本通りならもうちょいマシだったんじゃないかと分析している。</p>



<p>かくしてまったく面白くないドタバタ劇が繰り広げられる前半部分では、ママに恥ずかしい話をされた時のジョー並みに私の表情も死んでいたのだが、ストーリーの折り返し地点から映画は息を吹き返す。</p>



<p>それまでひたすら素っ頓狂な態度を繰り返していたママだったが、殺人事件の様子をジョーに話す際に驚くべき洞察力と記憶力を披露し、タダモノではなかったことを息子と観客に対して見せつける。</p>



<p>ここからジョーとママは一風変わったバディとして捜査を開始し、やがて銀行家による陰謀にまで辿り着くこととなる。</p>



<p>体力担当のジョーと推理担当のママという役割分担は月並みながらもよくできているし、後に<a href="https://b-movie.tokyo/007-tomorrow-never-dies/" data-type="post" data-id="8603">『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』（1997年）</a>を手掛けるロジャー・スポティスウッド監督のアクション演出も冴えている。</p>



<p>滑走路から飛び立たんとする飛行機にスタが運転するトラックがぶつかっていくというクライマックスなんて<a href="https://b-movie.tokyo/face-off/" data-type="post" data-id="5857">『フェイス/オフ』（1997年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/taken-3/" data-type="post" data-id="10783">『96時間/レクイエム』（2014年）</a>を先どっていたし、バディアクションとなる後半部分はなかなか見れたものだった。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>【凡作】マーシャル・ロー_ブルース・ウィリスこそが法だ！（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-siege/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 13 Sep 2024 16:04:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ウィリス]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1998年 アメリカ）豪華スター共演によるシミュレーション映画で、後のアメリカ同時多発テロを予見する内容には驚かされるが、ポリティカルスリラーとしてはさほど盛り上がらない。エドワード・ズウィック監督はハイテクを描くこと [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1998年 アメリカ）<br>豪華スター共演によるシミュレーション映画で、後のアメリカ同時多発テロを予見する内容には驚かされるが、ポリティカルスリラーとしてはさほど盛り上がらない。エドワード・ズウィック監督はハイテクを描くことに不慣れだし、戒厳令（マーシャル・ロー）の急先鋒がブルース・ウィリスでは締まりがない。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="725" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P-725x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11340" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P-725x1024.jpg 725w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P-768x1084.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/The-Siege_P.jpg 850w" sizes="(max-width: 725px) 100vw, 725px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>90年代後半のハリウッドは、民主党クリントン政権の影響か厭戦ムードにあり、<a href="https://b-movie.tokyo/the-rock/" data-type="post" data-id="5867">『ザ・ロック』（1996年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/the-peacemaker/" data-type="post" data-id="4640">『ピースメーカー』（1997年）</a>、『スリー・キングス』（1999年）といった、アメリカが掲げてきた正義に対して疑問を投げかけるような娯楽作が多数製作されていた。</p>



<p>ゴリゴリの共和党支持者のシュワルツェネッガーすら、軍産複合体を悪役にした<a href="https://b-movie.tokyo/eraser/" data-type="post" data-id="3893">『イレイザー』（1996年）</a>に主演したほどなのだから、当時の空気がいかに民主党寄りだったかがご理解いただけるだろう。</p>



<p>『イレイザー』は米軍事企業がロシアの武器商人に最新型の銃を売ろうとしており、その陰謀に気付いた連邦保安官のシュワルツェネッガーが地場のマフィアと組んで力づくで取引を阻止するというぶっ飛んだ内容で、21世紀の今こそあらためて見返したい一作である。</p>



<p>さらに余談だが、80年代に共和党系アクション映画で人気を博したスタローンがこの時期に低迷したのも必然だったと言える。</p>



<p>そんな潮流の中で生み出されたのが本作『マーシャル・ロー』（1998年）で、1995年4月に起こったオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件にインスパイアされたシミュレーション映画である。</p>



<p>米軍の極秘作戦で中東のシークが拉致されたことから、イスラム系組織によるテロ事件がNYで頻発するというのがざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>事件を担当するのはFBI捜査官のアンソニー・ハバード（デンゼル・ワシントン）だが、本来は国内での活動を許されていないはずのCIAエージェント エリース（アネット・ベニング）や、米陸軍将軍デヴロー（ブルース・ウィリス）が絡んできて事態はより混沌としていく。</p>



<p>製作・脚本・監督を担当したのは『ラスト・サムライ』（2003年）、<a href="https://movie-review.net/blood-diamond">『ブラッド・ダイヤモンド』（2006年）</a>など硬派な社会派ドラマと娯楽アクションの折衷を得意とするエドワード・ズウィックで、主演のデンゼル・ワシントンとは『グローリー』（1989年）、『戦火の勇気』（1996年）に続く三度目のコンビとなる。</p>



<p>先ほどは「オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件にインスパイアされた」と書いたが、むしろ2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件を予見したかのような内容の作品として知られており、公開時には興行的に失敗した一方、911後に脚光を浴びて全米でのビデオレンタルが大いに伸びたそうだ。</p>



<p>アメリカが中東の工作員を使い捨てにしたこと、入国管理がユルユルでテロリストが入り放題であったこと等、911の要因のいくつかを正確に言い当てている。</p>



<p>加えて、アラブ系住民に疑惑の目が向けられることや、捕虜への虐待、捜査機関の権限拡大など、事件後の反応も鋭く予見している。</p>



<p>ただし社会派映画としての分析眼の鋭さと、娯楽作としての面白さは必ずしも比例しないもので、これがあまり面白くない。</p>



<p>最初はペンキ爆弾程度だったテロ事件は、やがて連邦ビル爆破にまでエスカレートしていくのだが、これを受けた社会の反応が不十分なので、パニックが連鎖し、やがて事態が収拾不可能に陥っていく過程がスリリングに描かれていない。</p>



<p>またエドワード・ズウィックは時代劇でこそ生きる監督のようで、当時最先端の情報戦を描くことにはどうにも不慣れだったこともマイナス要因。</p>



<p>ついに戒厳令（マーシャル・ロー）が発出されるに至り、マンハッタン島に米陸軍が進駐してくる場面は圧巻のスペクタクルなのだが、これを指揮するのがブルース・ウィリスでは何とも締まりがない。</p>



<p>「俺が法律だ」と宣言する場面は失笑もので、本作と<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735">『アルマゲドン』（1998年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/mercury-rising/" data-type="post" data-id="6415">『マーキュリー・ライジング』（1998年）</a>の併せ技により、ブルースはゴールデンラズベリー最低主演男優賞を受賞した。</p>



<p>ブルースの単調すぎる演技ゆえか、彼の演じるデヴロー将軍は単純な悪人のように映っているのだが、脚本レベルにまでひも解いてみると、これがなかなか味わい深い人物である。</p>



<p>上司である参謀総長に対しては、国内で軍隊を展開することは下策であると進言するのだが、いざ命令が下れば躊躇せず職責を全うする。</p>



<p>その姿勢を責めるハバード捜査官に対しては、自分はあくまで大統領命令に従っているのであり、これが国益にかなっているかどうかは分からないし、それを判断すべき立場にもないと言い返す。</p>



<p>聞きようによっては無責任発言とも捉えられるが、これは文民統制というものの核心を突く会話でもある。</p>



<p>この通り、デヴロー将軍は興味深い人物ではあるのだが、ブルースが演じたためにそのキャラクター性のほとんどが埋没している。</p>



<p>デンゼルとブルースの役柄を入れ替えた方が良かったのではなかろうか。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】ジングル・オール・ザ・ウェイ_物売るってレベルじゃねぇぞ（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/jingle-all-the-way/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 22 Aug 2024 10:26:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[その他]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[シュワ]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1996年 アメリカ）シュワが「コメディもいける！」と勘違いしていた時期に主演した凡作。ウケを取りにいっているシュワの姿が痛々しいが、かといって見ていられないほど酷くもない。まさに凡作。 感想 むか～しゴールデン洋画劇 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1996年 アメリカ）<br>シュワが「コメディもいける！」と勘違いしていた時期に主演した凡作。ウケを取りにいっているシュワの姿が痛々しいが、かといって見ていられないほど酷くもない。まさに凡作。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="720" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P-720x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11296" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P-720x1024.jpg 720w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P-768x1092.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/08/Jingle-All-the-Way_P.jpg 844w" sizes="(max-width: 720px) 100vw, 720px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>むか～しゴールデン洋画劇場で見たけど、シュワを神として崇める私をもってしても擁護が難しい失敗作で、その後は一度たりとも見返してこなかったシュワの黒歴史。</p>



<p>いつもいつもお世話になっている午後のロードショーが、なつかしのゴールデン洋画劇場版の吹替でオンエアーしてくださったので、20数年ぶりの鑑賞となった。午後ロー様にはいつか菓子折り持ってお礼に行かなくっちゃ。</p>



<p>80年代、シュワは武骨な暴力装置として人気を博したが（<a href="https://b-movie.tokyo/conan-the-barbarian/" data-type="post" data-id="220">『コナン・ザ・グレート』（1982年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/the-terminator/" data-type="post" data-id="4812">『ターミネーター』（1984年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/red-heat/" data-type="post" data-id="228">『レッドブル』（1988年）</a>etc&#8230;）、その路線に行き詰まりでも感じていたのか、次第に人間味を求めるようになっていた。</p>



<p>ただしファンが望むのはムスっとした顔でハードな暴力をふるう大男であって、シュワに人間味を求める声など皆無。</p>



<p>どうもシュワはそんな世間からの期待を読み違えていたキライがあるのだが、アイヴァン・ライトマンやジェームズ・キャメロンといった彼の使い方を心得ている監督たちは、それでもうまくやってのけた。</p>



<p>まっすぐで、融通が利かなくて、破壊的でというアクション映画そのままのシュワを登場させたうえで、ダニー・デヴィートやジェイミー・リー・カーティスといった芸達者な共演者にリアクションを取らせてコメディに変換するというアプローチをとっていたのだ。</p>



<p>これならシュワ自身はいつも通りなので彼の演技に破綻がなかったし、旧来のファンにとっても許容できる内容だった。</p>



<p>そうした作品群が一定程度の成功を収める中でシュワはコメディに対する自信を持ち始めたのか、今度は自分で笑いを取ろうとし始めた。</p>



<p>そんな中で生み出された失敗作が本作である。</p>



<p>90年代半ば、クリス・コロンバス監督とシュワは<a href="https://b-movie.tokyo/planet-of-the-apes-1968/" data-type="post" data-id="10064">『猿の惑星』（1968年）</a>のリブート企画に取り組んでいたが、いつまで経ってもフォックスが脚本にゴーサインを出さないのでコロンバスが離脱し、本作『ジングル・オール・ザ・ウェイ』の企画に取り掛かり始めた。</p>



<p>一方シュワは依然として『猿の惑星』への出演を希望し続けたものの、ローランド・エメリッヒ、ジェームズ・キャメロン、ピーター・ジャクソンと短期間で何人もの監督の名前が挙がっては消えていく企画に愛想尽かしたのか、それからほどなくして降板した。</p>



<p>そんな折にフォックスから提案されたのが本作である。</p>



<p>クリスマスの一日を描いた、なんてことないファミリー向けコメディであるにも関わらず2000万ドルものギャラが支払われたので、シュワとしては笑いが止まらなかったことだろう。</p>



<p>クリス・コロンバスは製作に引っ込み、『フリントストーン/モダン石器時代』（1994年）のブライアン・レヴァントが監督に就任した。</p>



<p>大物監督とのコラボの多いシュワにとっては例外的な小粒監督だったが、シュワの出演承諾が1996年2月のことで、その年の11月には公開したいという突貫スケジュールだったことを考えると、贅沢も言っていられなかったのだろう。</p>



<p>今回シュワが演じるのは仕事人間のハワード。</p>



<p>悪い人ではないのだが、仕事に前のめり過ぎる余り家族との予定はすっぽかしがち。</p>



<p>息子の大事なカラテ発表会にも間に合わなかったハワードは、クリスマスこそ家族の期待に応えることを約束するものの、息子が欲しがっているターボマン人形は売り切れ続出の大人気商品だった。</p>



<p>現代ならばプレ値を受け入れて転売ヤーから買えば何とかなるところだが、1996年当時は在庫を持っている実店舗を足を使って探す以外に道はない。</p>



<p>クリスマス当日のお宝ゲットを狙って家を出るハワードの前には、同じ人形を探している怪しげな郵便配達員、困ってるこちらの足元を見てくる量販店員、パチもんを製造販売しているサンタ軍団、杓子定規な白バイ警官、愛する妻とのワンチャンを狙っている隣のシングルファーザーらが立ち塞がる。果たしてハワードは夕暮れまでにターボマン人形を手に入れることができるのか・・・</p>



<p>こうしてあらすじを書き出してみると、アドベンチャー映画の王道シナリオが当てはめられているということに気付く。</p>



<p>シンプルな冒険の動機、タイムリミットの設定、困難な旅路、次々と主人公に襲い掛かってくる脅威、間に挟まれる理不尽なイベントと、短い上映時間ながらアドベンチャー映画としてきちんと一巡しているのだ。</p>



<p>人気おもちゃの購入という小さなイベントを、王道アドベンチャーの骨格に当てはめて大袈裟に作ったこと自体がひと笑いになっており、シナリオレベルでは意外と良く計算されている。</p>



<p>クリス・コロンバスは『グーニーズ』（1984年）の脚本で注目を浴び、後にハリー・ポッターシリーズやパーシー・ジャクソンシリーズを手掛けるアドベンチャー映画の巨匠である。</p>



<p>うまい人が考えた一癖ある企画ということで、製作前には実に有望な作品であると評価されていたのだろう。フォックスはこの企画に6000万ドルもの予算を付けたが、変に肥大化させてしまったことでかえって笑いが薄まっている。</p>



<p>ハワードは次々とバカバカしい困難に巻き込まれるのだが、一つ一つの見せ場がなまじちゃんと作られているせいで、コントっぽい粗さがない。</p>



<p>また先述した通り、シュワが喜劇役者として振る舞っていることも笑いを削ぐ要因となっている。</p>



<p>スタンダップコメディアンのシンバッド、『サタデーナイトライブ』のレギュラー経験もあるフィル・ハートマン、<a href="https://b-movie.tokyo/red-heat/" data-type="post" data-id="228">『レッドブル』（1988年）</a>でシュワとの相性は確認済のジェームズ・ベルーシらが配置されているのだから、笑いは彼らに任せておけばいいのに、シュワ自らがやりにいっているのだ。</p>



<p>もしもクリス・コロンバスが監督していれば、なんだかんだ言いくるめて必要以上にシュワを出しゃばらせなかったはずだが、経験の少ないブライアン・レヴァントでは、当時世界一の大スターだったシュワを抑えることができなかったのだろう。</p>



<p>「どうです？面白いでしょ」と言わんばかりに変顔をするシュワ、ウケる気満々で&#8221;Put the cookie down now!!&#8221;（クッキーを今すぐ下ろせ‼︎）と絶叫するシュワ、トナカイとのドタバタを繰り広げるシュワetc&#8230;これらすべてが私の表情を凍り付かせた。</p>



<p>どんどん肥大化していく見せ場も、シュワが演じるといつもの彼に戻っているだけなので、エスカレートしていく過程の高揚感がない。もっと小市民的な俳優が主演すべき映画だったのだろう。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】キングコング2_38年早すぎた試み（ネタばれあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/king-kong-lives/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 30 Apr 2024 13:47:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クリーチャー・メカ]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラウレンティス]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=11102</guid>

					<description><![CDATA[（1986年 アメリカ）実は昏睡状態で生きながらえていたコングを、巨大な人工心臓とレディコングからの輸血で復活させるという力技の続編。アクションコメディ『ビッグ・ヒット』（1998年）でネタにされるなど駄作中の駄作ともい [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1986年 アメリカ）<br>実は昏睡状態で生きながらえていたコングを、巨大な人工心臓とレディコングからの輸血で復活させるという力技の続編。アクションコメディ『ビッグ・ヒット』（1998年）でネタにされるなど駄作中の駄作ともいわれる作品だが、そこまで悪くはないと思う。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-full"><img decoding="async" width="550" height="775" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/KingKong-Lives_1.jpg" alt="" class="wp-image-11104" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/KingKong-Lives_1.jpg 550w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/KingKong-Lives_1-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/KingKong-Lives_1-71x100.jpg 71w" sizes="(max-width: 550px) 100vw, 550px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-12" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-12">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">はじめて映画館で観た映画</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">38年早すぎた構成</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">はじめて映画館で観た映画</span></h3>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/godzilla-x-kong/" data-type="post" data-id="11094">『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024年)</a>が全世界で大ヒット中だが、同作で特に話題となっているのがコング主体で描かれる怪獣ドラマのパートである。</p>



<p>通常、怪獣映画には兼解説者のような人間キャラが登場し、怪獣たちのやっていることを事細かに説明してくれるのだが、『ゴジラxコング』からはそんなキャラすら排除されており、コングの咆哮と身振り手振りのみでドラマが進んでいくという、もはや狂気ともいえる時間が流れていた。</p>



<p>子供の頃から怪獣映画を見続ている私をしても驚きの構成だったと同時に、「かったるい人間ドラマを排除してほしい」という特撮少年たちの思いを愚直に叶えて見せた力技には感心したのだが、同じチャレンジをした映画をかつて見たことがあることをはたと思い出した。</p>



<p>それこそが本作『キングコング2』（1986年）である。</p>



<p>本作は私が初めて映画館で見た記念すべき映画でもある。当時は幼稚園児だったが本作のことは今でも強烈に覚えているので、一生の趣味を決定づけた映画ともいえる。</p>



<p>幼稚園児が感銘を受ける内容だったのは、ゴジ・コンに先駆けること38年も前に、怪獣オンリーのドラマを構築していたから。</p>



<p>本作はキングコングとレディコングのラブストーリーとして構築されており、人間キャラを間に挟むことなく二頭のドラマを展開させるという意欲的な試みがなされていたので、幼稚園児のハートにはぶっ刺さったのである。</p>



<p>1988年に日曜洋画劇場で放送された際にもバッチリ鑑賞し、やはり面白かった。「子供だまし」と言えばその通りかもしれないが、怪獣映画なんて本来は子供のものだからこの程度の完成度で良いと思う。</p>



<p>残念なのは、現代の日本においては鑑賞手段がものすごく限られているということ。</p>



<p>ディノ・デ・ラウレンティスが編み出したプリセールス（企画段階で映画の権利を売りさばくという資金調達方法）の弊害か、本作の権利関係は複雑で、20年以上前にリリースされた国内版DVDにはプレ値がついている。</p>



<p>幼少期の思い出の映画とはいえ、名作・傑作でもない本作に1万円弱は出せないぜと思っていたところ、困った時のオールドメディア頼みは有効で、初ソフト化時のレーザーディスクがなんと300円で叩き売られていたので、有難く購入させていただいた（国内未DVD化『ミラクルマスター/7つの大冒険』（1982年）も併せて購入。ワクワクが止まらない！）。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="766" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-766x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11107" style="width:766px;height:auto" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-766x1024.jpg 766w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-224x300.jpg 224w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-75x100.jpg 75w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-768x1027.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461-1149x1536.jpg 1149w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2461.jpg 1436w" sizes="(max-width: 766px) 100vw, 766px" /><figcaption class="wp-element-caption">当時ものとは思えないほど綺麗なジャケット</figcaption></figure>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="768" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-11109" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-1024x768.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-300x225.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-133x100.jpg 133w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-768x576.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458-1536x1152.jpg 1536w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/04/DSC_2458.jpg 1920w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">しかし画質はガビガビで参った</figcaption></figure>



<p>かくして1988年の日曜洋画劇場以来、実に36年ぶりの再鑑賞となったが、基本的には記憶通りの内容だったので、子供にも的確に情報を与えるという点では、なかなか優れた作品と言えるのではないか。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">38年早すぎた構成</span></h3>



<p>前作『キングコング』(1976年)でワールドトレードセンターからの落下という悲劇的な最後を遂げたコングだったが、どっこい彼は生きていたというのが本作（原題&#8221;King Kong Lives&#8221;の由来）。</p>



<p>10年間は昏睡状態だったが、大猿用の巨大な人工心臓は開発済。あとは手術用の輸血を待つのみというところで、ちょうどよくコングの同種レディコングがボルネオ島で発見され、蘇生手術が施されるのが前半部分。</p>



<p>なぜ前作の舞台とはかけ離れた島にコングの同種が生息していたのかはよくわからんが、それ以外の部分はよく考えられている。観客がギリギリ受け入れられる形でのコング復活となっているし、人工心臓・輸血・レディコングといった構成要素の展開のさせ方も手際良い。</p>



<p>共同で本作の脚本を書いたのはロナルド・シャセット。ダン・オバノンとのコンビで<a href="https://b-movie.tokyo/alien/" data-type="post" data-id="9918">『エイリアン』（1979年）</a>や『ゾンゲリア』（1981年）を手掛けたジャンル映画の職人であり、当時はラウレンティスの元で『トータル・リコール』の企画を進めているところだった。</p>



<p>なおラウレンティス版『トータル・リコール』は1988年にオーストラリアでセット建造にまで至ったのだが、本作の興行的失敗などが遠因となってラウレンティスのプロダクションが倒産。準備されていたセットも撮影機材もその場に放棄された。</p>



<p>脚本は『ランボー』シリーズの大ヒットで飛ぶ鳥を落とす勢いだった<a href="https://b-movie.tokyo/carolco-pictures/" data-type="post" data-id="5452">カロルコ・ピクチャーズ</a>に買い取られ、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の<a href="https://b-movie.tokyo/total-recall-1990/" data-type="post" data-id="871">『トータル・リコール』（1990年）</a>として生まれ変わった。シュワはかつてラウレンティスが主演候補から外した俳優だったが、映画は大ヒット。世の中は分からないものだ。</p>



<p>閑話休題</p>



<p>ラウレンティスは前作『キング・コング』（1976年）の公開直後から続編を考えていたものの、コングを再登場させる合理的な手段を思いつかずにいたのだが、そんな中でシャセットが持ち込んだ人工心臓と輸血というアイデアには飛びついた。</p>



<p>ただしレディコングには懐疑的で、「キングコングは50年来のポップカルチャーのアイコンなので観客たちも無条件に受け入れるだろうが、さすがにレディコングは無理あるだろ」と、かなりまともなことを言っていた。さすがは稀代の大プロデューサーである。</p>



<p>ただしシャセットも負けてはいない。「キングコングにだって生みの親はいるだろうし、メスの大猿が居たって何ら不思議ではない」と反論し、レディコング案を通した。一瞬、これが大人の会話かと思ったが、このやりとりで数千万ドルの大金が動くのだからハリウッドはつくづく夢のある世界だ。</p>



<p>なんやかんやありつつも手術は無事成功するが、雌の匂いを嗅ぎつけたコングは大興奮。檻を破ってレディコングと共にジョージア山脈に脱走する。</p>



<p>逃げる大猿カップルと追う米陸軍の攻防戦が後半の目玉となるが、大猿カップルのパートは人間抜きで構築されている。レディコングの気を引こうとするキングコングの仕草などはバカっぽいが、何をしているのか観客に十分通じるレべルになっているのだから大したものだ。</p>



<p>かつ、コング×レディのラブストーリーを補完すべく、堅物の女科学者エイミー（リンダ・ハミルトン）と、インディ・ジョーンズを5倍希釈したような冒険家ハンク（ブライアン・カーウィン）のラブストーリーという相似形のドラマが平行して描かれる構成もゴジ・コンに先駆けている。やはり本作の構成はすごいんじゃないか。</p>



<p>あと、美人の文脈で語られることの少ないリンダ・ハミルトンが、本作では例外的に美しく撮られていることもポイント高い。</p>



<p>そういえばジョン・ギラーミンは前作『シーナ』（1984年）でも女ターザンを美しく描いていたし、女性を魅力的に演出する技術を持った監督だったのだろう。なお、本作がギラーミン最後の劇場用作品となった。</p>



<p>守るものを得たコングと米軍との闘いは熾烈を極めるのだが、飛行機だのヘリだのを相手に戦うことの多いコングにとっては珍しく、戦車や歩兵を相手にしていることも新しかった。</p>



<p>実機を用いたハリウッドらしい大掛かりな撮影と、緻密な作りのミニチュアワークの組み合わせ方も何気によくできているし、エイミーとハンクを除く人間キャラを悪辣に描くことで対立構造をはっきりさせた脚本も怪獣映画としては悪くない。</p>



<p>思い出補正がものすごく入っていることは致し方ないが、私は今でも、というか今見るからこそ楽しめた。</p>



<p>バカ映画という悪評が先行しすぎているうえに、鑑賞手段が限られているので、本作を実際に見たことのある人は少ないと思うけど、もしも鑑賞の機会に恵まれた日には、偏見を持たずなるべく温かい目で見ていただければと思う。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】ブロンコ・ビリー_セクハラ・パワハラのオンパレード（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/bronco-billy/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 17 May 2024 09:19:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[その他]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[イーストウッド]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1980年 アメリカ）かつてイーストウッドが量産していたライト系の娯楽作だけど、家父長制的なイーストウッドの価値観は、現代目線では少々厳しい。めちゃくちゃ面白い展開があるわけでもなく、最後までノリ切れずに終わってしまっ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1980年 アメリカ）<br>かつてイーストウッドが量産していたライト系の娯楽作だけど、家父長制的なイーストウッドの価値観は、現代目線では少々厳しい。めちゃくちゃ面白い展開があるわけでもなく、最後までノリ切れずに終わってしまった。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="722" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P-722x1024.jpg" alt="" class="wp-image-11126" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P-722x1024.jpg 722w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P-768x1089.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/05/Bronco-Billy_P.jpg 846w" sizes="(max-width: 722px) 100vw, 722px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>午後ローで放送されていたのを録画して鑑賞。</p>



<p>70年代から80年代にかけてのイーストウッドは超多作で全部追いかけきれていないので、ちょいちょいイーストウッド特集をして<a href="https://b-movie.tokyo/dirty-harry/" data-type="post" data-id="7497">『ダーティハリー』（1971年）</a>以外のイーストウッド作品を放送してくれる午後ローさんには感謝しかない。</p>



<p>全米公開時にはさほど大きなヒットにはならず（低予算なので黒字ではあったが）、ヒロイン役のソンドラ・ロックが第一回ラジー賞で最低女優賞にノミネートされるなど、あんまり良い話題のない作品。</p>



<p>再評価される向きもあるようだが、個人的にはイマイチに感じた。</p>



<p>基本フォーマットは西部劇の流用で、『アウトロー』（1975年）で描かれたような疑似的な家族関係、主人公を中心とした家父長制的なコミュニティの様子が描かれる。</p>



<p>毎回決まったメンバーで映画を製作するイーストウッド自身の組織観・人材観を反映したものであり（多分・・・）、映画製作において抱える葛藤をそのまま置き換えることができるので、イーストウッドにとっては扱いやすい題材なのだろう。</p>



<p>イーストウッド自身、本作を非常に気に入っていると発言している（なので興行的にパッとしなかったことには不満を感じている様子）。</p>



<p>ワイルド・ウエスト・ショーの一座を率いて中西部をドサ巡りしているブロンコ・ビリー（クリント・イーストウッド）だが、都会育ちの富豪令嬢アントワネット・リリー（ソンドラ・ロック）をショーの相手役に迎えたことでひと悶着もふた悶着もあるというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>1980年代当時、すでに下火となっていた西部劇を、ワイルド・ウエスト・ショー（西部開拓時代のカウボーイの妙技を再現したヴォードヴィル・ショー）という題材をとって現代に復活させたのがこの企画の骨子であり、時代遅れの堅物男の生きづらさや、それでも仲間たちに対する責任をまっとうしようとする男の背中が描かれる。</p>



<p>さながら西部の寅さんという風情なのだが、製作時点ですでに時代遅れになっていた人種のドラマを、製作から44年後の2024年現在に鑑賞するという捻じれた構造での鑑賞だったので、私にはいろいろ伝わりづらい部分が多かった。</p>



<p>加えて、イーストウッドの家族観・人生観が極めて特殊であることも、作品への理解を困難にする要因となっている。</p>



<p>相手役のソンドラ・ロックは、70年代から80年代にかけてのイーストウッド作品の常連だった人。実に6作品でイーストウッドの相手役を努めていた。</p>



<p>チャールズ・ブロンソン作品におけるジル・アイアランドのような存在であるが、ブロンソンとアイアランドが法的に正式な夫婦だったのに対して、ロックはイーストウッドの愛人だったというのが凄い。</p>



<p>愛人関係を隠さないばかりか、自分のプロジェクトに堂々と参加させるというネジの飛んだ公私混同ぶり。そして正妻との間の子供（カイルとアリソン）と共演までさせているのだから、当時のイーストウッドの倫理観はぶっ壊れていたとしか言いようがない。</p>



<p>1980年代時点ですでに時代遅れだった西部の価値観、1980年代と2020年代との間の社会風潮の相違、そしてイーストウッド自身の非常にユニークな家族観・人生観・・・</p>



<p>こうした様々なバイアスを補正しながら見なきゃいけないので、まぁしんどかった。多分、イーストウッドが言いたかったことの半分も私には伝わっていないと思う。それくらい、本作は見づらい映画だった。</p>



<p>常日頃は過剰なポリコレ風潮に異議を唱えている私ですら分からなかったのだから、意識高い系の方々が本作を見ると倒れてしまうんじゃなかろうか。それほどの破壊力が本作にはある。</p>



<p>と、ここまで長い長い前置きをしてしまったけど、言いたいのは「私にはちょっと理解できない映画だった」ということ。私はよくわかっていないという前提で、以下の感想を読んでいただきたい。</p>



<p>まずブロンコ・ビリーという主人公にはまったく感情移入できなかった。</p>



<p>「半年も無給はさすがにしんどい」と訴える仲間たちを雨の中整列させて、「お前らは金の亡者か！」と恫喝するブロンコさん。この時点で私の共感の度合いは地の底にまで落ちた。</p>



<p>ブロンコさんの言い分を要約すると↓の感じ。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>こうして共同生活してるんだからお前らに金なんて要らんだろ</li>



<li>子供たちの笑顔を見たいという崇高な目的のために働いてるんだから文句なんて言うな</li>



<li>俺が金を貯めていつか本物の牧場を買う。それがお前らの夢でもあるだろ</li>
</ul>



<p>前半は新卒を汚い社員寮に押し込めたうえで提示した給料を支払わなかった<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/cd5cec8af245e0aaebe92946e21b2329b9a8437a">い〇ば食品</a>と同じ論理だし、後半はやりがい搾取以外の何物でもない。</p>



<p>1980年当時の観客がこのやりとりをどう受け取ったのかは分からないが、2020年代に見るとかなり厳しいことを言っている。</p>



<p>その後もブロンコさんのパワハラ・セクハラが炸裂しまくり。</p>



<p>ほぼ初対面のアントワネットのケツを叩く、関係性がない時点でキスを迫ろうとするなど、ブロンコさんやりたい放題なのである。</p>



<p>曰く、ブロンコさんはかつて結婚していたのだが、自分の親友と浮気をしてしまった奥さんを銃で撃ったとのこと。</p>



<p>「その場合、浮気相手の方を撃つべきでは？」と当然の疑問を投げかけるアントワネットに対して、「親友だったからな」と答えるブロンコさん。回答になっていない。</p>



<p>兎にも角にも、浮気をされたとは言え女性を銃で撃つという感覚はちょっと理解できない。</p>



<p>私にとってはやべぇ人だなという感じなのだが、この話を聞かされたアントワネットは逃げていかない。まかり間違えれば自分も銃で撃たれるかもしれない立場にあるのに、随分と悠長な人である。</p>



<p>そういえばアントワネット側のドラマもよくわからん。</p>



<p>アントワネットはNYの社長令嬢で、30歳までに結婚すればという謎の制約条件付きで父の莫大な遺産を相続することになる。</p>



<p>この制約条件の時点でいろいろ凄いとは思うが、作品内でこの条件はアッサリとスルーされるので、1980年時点では大した話ではなかったのだろう。</p>



<p>で、30歳のタイムリミットが迫る彼女に接近してきたのが胡散臭い詐欺師で、アントワネット的にも金目当てであることが見え見えだったのだけれども、それでもこいつと結婚することにする。</p>



<p>この詐欺師、せめてイケメンであってほしいところだが、むさっ苦しい中年男性でしかないので、本当に「なぜわざわざこいつと？」という疑問しか湧いてこない。</p>



<p>詐欺師を演じるのはイーストウッド作品の常連俳優ジェフリー・ルイスで、90年代に人気を博した女優ジュリエット・ルイスの父親である。</p>



<p>アントワネットは無一文で西部のド田舎に置き去りにされたうえ、遺産を狙う母親の策略で死亡したことにされたので、寝食を保証してくれる唯一の存在だったブロンコ・ビリー一座に参加するというのが彼女側のドラマなのだけれども、「私は生きてますよ」と警察に名乗り出ればよかったんじゃないかという気がしてならない。</p>



<p>このあたりのいい加減さも、作品への理解を著しく妨げている。</p>



<p>で、当初は息の合わないブロンコとアントワネットだが、様々な苦難を共にする中でベストパートナーになっていくというラブコメとしては王道のプロットが置かれているのだけれど、西部劇のバタ臭さがラブコメの背景としてはあまり合っていないように感じる。</p>



<p>そして何より、不器用で怒りっぽく、すぐに説教を始めるブロンコさんが女性にモテるタイプには見えないのである。普通に異性から嫌われるタイプだと思うけど、1980年の社会では違ったのだろうか。</p>



<p>そして、子供のいたずらでテントが全焼したブロンコ一座の金策が後半の山場になるのだけれど、もともと金持ちのアントワネットが動けばすぐに解決できたのではと思ったりもしたりで、最後までお話に乗り切れない自分がいた。</p>



<p>・・・と、いろいろツライ映画ではあったが、そんな中でも良かった点もあるにはある。</p>



<p>「なろうとすればなりたいものになれる」というメッセージ性は私の心にも響いた。</p>



<p>現在では西部のカウボーイにしか見えないブロンコさんだが、出身はニュージャージーで、もとは靴のセールスマンをしていた。</p>



<p>そんなブロンコが、世間の負け犬だった現在の仲間たちを集め、小さいながらもみんなで夢を叶えたのだ。</p>



<p>社長令嬢という圧倒的に有利な立場に甘んじる中で「なりたい自分」なんてものを考えてもこなかったアントワネットも、ブロンコさんと行動を共にする中で自分を解放していく。</p>



<p>王道ではあるけど、このドラマは良かったと思う。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】ワイルド・スピードX2_話はマズイがカーアクションはイケる（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/2-fast-2-furious/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 13 Jan 2024 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[2000年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（2003年 アメリカ）ヴィン・ディーゼル抜きの第二作。前作以上に話は面白くなかったけど、予算倍増でカーアクションの迫力は向上しており、特に大スケールのチェイスが繰り広げられるクライマックスは大いに楽しめた。 感想 第一 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2003年 アメリカ）<br>ヴィン・ディーゼル抜きの第二作。前作以上に話は面白くなかったけど、予算倍増でカーアクションの迫力は向上しており、特に大スケールのチェイスが繰り広げられるクライマックスは大いに楽しめた。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="722" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P-722x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10940" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P-722x1024.jpg 722w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P-768x1089.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/2-Fast-2-Furious_P.jpg 846w" sizes="(max-width: 722px) 100vw, 722px" /></figure>





<h2 class="wp-block-heading">感想</h2>



<p>第一作に引き続き、ソフト化時点で見たっきりだった映画。20年ぶりくらいで再見したけど、やはり面白くなかったなぁ。</p>



<p>本作にてローマン（タイリース・ギブソン）とテズ（リュダクリス）が初登場。日本語吹き替えだと、4作目以降にドム役のフィックスとなる楠大典さんが本作のローマン役なので、ちとややこしい。</p>



<p>前作の大ヒット直後から続編企画はスタートし、当初はヴィン・ディーゼル主演で進める予定だったが、ディーゼルが<a href="https://b-movie.tokyo/xxx/" data-type="post" data-id="8489">『トリプルX』（2002年）</a>を選択したので、もう一人の主役ポール・ウォーカー中心の企画に変更された。</p>



<p>また前作の監督ロブ・コーエンもヴィン・ディーゼルと共に『トリプルX』へと移っていったので、監督は『シャフト』（2000年）のジョン・シングルトンに変更された。</p>



<p>第一作のファンだったシングルトンは喜んで引き受けたとのこと。</p>



<p>現時点で、ヴィン・ディーゼルがカメオ出演すらしていない唯一のシリーズ作品である。</p>



<p>LA市警を退職したブライアン（ポール・ウォーカー）がフロリダでストリートレーサーとして活動していたところを、FBIに身柄拘束される。前作ラストでの容疑者逃亡幇助を帳消しにする代わりに麻薬王カーター・べローン（コール・ハウザー）の元に潜入せよという交換条件を提示され、仕方なくこれを引き受けるというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>前作と同じくブライアンの潜入捜査ものではあるが、捜査機関との信頼関係を築けておらず自分が捨て駒にされるかもしれないという不信感であったり、先に潜入していたモニカ捜査官（エヴァ・メンデス）が敵に寝返った可能性があったりと、本筋部分にいくつもの仕掛けが施されている。</p>



<p>またブライアンは幼馴染のローマン（タイリース・ギブソン）を相棒に指名するのだけど、警察嫌いのローマンからの逆恨みを受けており、二人の関係性の修復というサブプロットもおかれている。</p>



<p>脚本レベルではなかなかよく考えられた話だとは思うのだけれど、これがうまく機能していないのが残念なところ。</p>



<p>ブライアンの地位の不安定さは「潜入であることがバレるかも」というスリルにつながっていかないし、ローマンとの関係性もいつのまにやら良好になっている。</p>



<p>クライマックスに向かって物語は複線化し、麻薬王vsFBIを軸に、両者を出し抜いて大金を懐に入れようとするブライアン&amp;ローマン、FBIとは別の動機から麻薬王を叩き潰そうとするマイアミ市警の汚職警官と、複数の思惑が交錯するガイ・リッチー作品のような状態になっていく。</p>



<p>ただしこれまた企画倒れで、各自のプランが分かりやすい形で提示されないので、状況がどんどん込み入っていく面白さみたいなのを感じなかった。</p>



<p>とまぁ映画としては残念な仕上がりで、ラジー賞「最低リメイク及び続編賞、コンセプトが全てで中身空っぽ賞」にノミネートされたことにも納得なんだけど、見せ場のカーアクションは前作よりも良くなっている。</p>



<p>前作レビューで「直線を走ってるだけでドライビングテクニック関係ない」という文句を書いたけど、本作のストリートレースは街のカーブや勾配を利用したコース設計となっており、ドライバーの腕前がちゃんと反映される内容になっていた。</p>



<p>製作費が前作から倍増した成果（3800万ドル→7600万ドル）か、カーチェイスはド派手になっており、クライマックスでは大量のパトカーが主人公を追い、上空にはヘリまで飛んでいるという、なかなかゴージャスな見せ場を楽しむことができる。</p>



<p>ところどころCGの使い方が下手糞なことは気になったけど、ライブアクションは質・量ともに充実していた。</p>



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]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>【凡作】フラッシュ・ゴードン_ミン皇帝はフェアな奴（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/flash-gordon/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 08 Aug 2023 10:17:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[SF・ファンタジー]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラウレンティス]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1980年 アメリカ）良くも悪くも漫画レベルの映画。お話も見てくれもチープで、大予算をかけてなぜこのようなものを作ろうと思ったのか、ラウレンティスがこの企画のどこに勝機を見出していたのかはサッパリ分からない。あまりにも [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1980年 アメリカ）<br>良くも悪くも漫画レベルの映画。お話も見てくれもチープで、大予算をかけてなぜこのようなものを作ろうと思ったのか、ラウレンティスがこの企画のどこに勝機を見出していたのかはサッパリ分からない。あまりにも愚直すぎて唯一無二の魅力を放っていることも確かだが。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large"><img decoding="async" width="717" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P-717x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10659" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P-717x1024.jpg 717w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P-210x300.jpg 210w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P-768x1097.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/Flash-Gordon_P.jpg 840w" sizes="(max-width: 717px) 100vw, 717px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-18" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-18">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">Blu-ray版には注意が必要</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">ビジュアルも音楽もクセが凄い</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">ミン皇帝はフェアな奴</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">Blu-ray版には注意が必要</span></h3>



<p>子供のころから存在を認識していたが、本編は見たことがなかった映画。</p>



<p>2023年夏のAmazonプライムセールでBlu-ray版が安く売られていたので衝動買いしたが、セール後にも値段が変わっていなかったので、急いで買う必要もなかったなとちょっと後悔。</p>



<p>いざ見てみると、どうにも日本語字幕がこなれていない。まさかと思ってジャケットを確認すると、案の定「日本語字幕：須賀田昭子」の記載があった。</p>



<p>映画界では知る人ぞ知る須賀田昭子。スタジオカナル系映画ソフトの日本語訳としてたびたび登場しては、まったく頭に入ってこない日本語字幕で映画ファンたちのピュアなハートを傷つけてきた。</p>



<p>「須賀田昭子=姿無き子」として字幕界のアラン・スミシーとも呼ばれており、日本語に堪能な外国人が訳しているのではないか、いやNY在住の日本人だ、社内のド素人が翻訳した字幕をそのまま載せただけだ、機械による自動翻訳だと、様々な憶測がなされているが、その正体はいまだはっきりしない。</p>



<p>『戦争のはらわた』『ニューヨーク1997』『卒業』『ディアハンター』など幾多の名作傑作を台無しにしてきた御大が、まさかこんなところにまで進出していたとは。その守備範囲の広さには驚かされた。</p>



<p>幸いなことに日曜洋画劇場版の吹き替えも収録されているので、マッハで吹き替えに切り替えて事なきを得たが、字幕派の方にとっては厳しいソフトではないかと思う。購入の際には注意をされたい。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">ビジュアルも音楽もクセが凄い</span></h3>



<p>公開時には興行的にも批評的にも苦戦を強いられ、主人公を演じたサム・J・ジョーンズが第１回ラジー賞主演男優賞にノミネートされるなど、全くと言っていいほど敬意を受けられていない本作だが、冒頭はなかなか良い感じではないか。</p>



<p>♪ずんずんずんずんずんずんずん　フラッシュ！アーアー！</p>



<p>有名なクィーンのテーマ曲が景気よく流れ、コミック風のシルエットが映し出されるイントロは、チープかつ大袈裟なアメコミの印象をうまく実写にコンバートしている。</p>



<p>製作のディノ・デ・ラウレンティスはクィーンを知らなかったそうだが、どういうわけだかクィーンは『スター・ウォーズ』（1977年）を死ぬほど嫌っており、その対抗馬的存在だった本作への参加にはノリノリだったらしい。</p>



<p>良い意味での精神年齢の低さを感じさせられる「フラッシュ・ゴードンのテーマ」には、そんなクィーンの並々ならぬ情熱が込められている。</p>



<p>主人公フラッシュ・ゴードン（サム・J・ジョーンズ）はアメフトのスター選手で、自分の名前がデカデカと書かれたピチピチTシャツを着ている。原作準拠もたいがいにした方がいい。</p>



<p>移動のため乗った小型機内には若くて美人の添乗員デイル（メロディ・アンダーソン）も居合わせていて、ちょっとテンションの上がるフラッシュだったが、それも束の間、ミン皇帝（マックス・フォン・シドー）の起こした天変地異に巻き込まれて飛行機は不時着する。</p>



<p>偶然にもそこはミン皇帝との直接交渉に向かおうとするザーコフ博士（トポル）の敷地内だったが、平和のため大いなる敵と対峙しようとするザーコフ博士に対し、フラッシュとデイルはキ●ガイだ何だと大変失礼な物言いをする。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-10670" style="aspect-ratio:840/630" width="840" height="630" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-1024x768.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-300x225.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-133x100.jpg 133w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-768x576.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733-1536x1152.jpg 1536w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/DSC_1733.jpg 1920w" sizes="(max-width: 840px) 100vw, 840px" /><figcaption class="wp-element-caption">須賀田昭子氏による直訳が炸裂</figcaption></figure>



<p>なんやかんやあってミン皇帝の本拠地である惑星モンゴに降り立つ３人組だが、即、捉えられて皇帝の前に突き出される。</p>



<p>ここで登場する大広間が圧巻の一言で、途方もなくバカでかいセットが組まれており、現在の目で見ても、というか現在の目で見るからこそ驚かされる。CGがなくて本当に作るしかなかった時代の作品には、格別のものがありますな。</p>



<p>そこには赤とか金で装飾されたチープなキャラクターたちがいて、巨大セットとの対比で悲しくなってくるのだが、1930年代のアメコミを馬鹿正直に実写化すれば、まぁこんな感じになるだろうなという妙な納得感もあって、次第に味わい深く感じられてくる。</p>



<p>ミン皇帝はデイルに惚れて彼女を無理やり我がものにしようとし、これを阻止しようとしたフラッシュの処刑を決定する。</p>



<p>一方、ミン皇帝の娘オーラ姫（オルネラ・ムーティ）はフラッシュに一目惚れし、処刑寸前のところでフラッシュを逃がす。</p>



<p>揃いも揃って色ボケした親子が善悪両サイドの物語を動かすことになる点は脱力だし、フラッシュとデイルはいつの間に恋仲になったんだっけと、そもそもの部分にも疑問がわいてくる。</p>



<p>巨大セットを動かすことにみんな必死で、誰も脚本の出来には注目していなかったのだろう。かけた金に対して話があまりにもお粗末すぎるのが本作最大の欠点である。</p>



<p>また、オーラ姫の魅力がデイルを大幅に上回っており、姫に対して塩対応をとりながら愚直にデイル救出を目指すフラッシュの行動に合理性を感じない点も、思わぬネックとなっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">ミン皇帝はフェアな奴</span></h3>



<p>一方ミン皇帝は、部下のクライタス将軍に全権限を与えてフラッシュを追わせている。</p>



<p>捜索の過程でオーラ姫が裏切ったという事実を掴んだ将軍は、姫を拘束し拷問するのだが、父であるミン皇帝もこの拷問には反対しない。</p>



<p>組織に対して損害を与えれば、かわいい娘であろうと容赦なく罰する。何というフェアな男だろうかとミン皇帝を見直した。</p>



<p>拷問を受ける姫は姫で、どれだけの苦痛を与えられても秘密を守り通そうとする。フラッシュに対してはあくまで一途なのだ。</p>



<p>悪に位置付けられているミン皇帝とオーラ姫が、実は登場人物中でもっとも筋が通っているという倒錯した点も、本作の奇妙な味わいに繋がっている。</p>



<p>その分、主人公側の薄っぺらさが際立ってしまうのだが。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】ショーガール_ロバート・デヴィに泣かされるとは（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/showgirls/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 31 Dec 2022 15:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[その他]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[マリオ・カサール]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=10202</guid>

					<description><![CDATA[（1995年 アメリカ）最低映画の称号を欲しいままにする作品だが、腰を据えて見てみるとそんなに悪くない。エンタメ業界の魑魅魍魎をかなり極端な形で描いた作品で、一定の真理を突く鋭さはある。 目次 作品解説『氷の微笑』トリオ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1995年 アメリカ）<br>最低映画の称号を欲しいままにする作品だが、腰を据えて見てみるとそんなに悪くない。エンタメ業界の魑魅魍魎をかなり極端な形で描いた作品で、一定の真理を突く鋭さはある。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="720" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P-720x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10217" style="width:360px;height:512px" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P-720x1024.jpg 720w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P-768x1092.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/Showgirls_P.jpg 844w" sizes="(max-width: 720px) 100vw, 720px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-20" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-20">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">『氷の微笑』トリオ再び</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">90年代最悪映画</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">ビジネス的には成功した</a></li></ol></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc6" tabindex="0">言われるほど酷くはない</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">登場人物全員ゲス野郎</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">ロバート・デヴィに泣かされるとは</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">『氷の微笑』トリオ再び</span></h3>



<p>『氷の微笑』（1992年）は性的な内容ながら世界的大ヒット作となり、ほぼ無名だったシャロン・ストーンを一躍大スターの座に押し上げた。</p>



<p>同作の製作マリオ・カサール、監督のポール・ヴァーホーベン、脚本のジョー・エスターハスはその直後から次回作の検討に入り、ラスベガスを舞台にしたロック・ミュージカルがエスターハスより提案された。</p>



<p>これに乗ったヴァーホーベンはエスターハスと共に現地ラスベガスに取材に行くなどしていたが、程なくマリオ・カサールより別企画の提案を受けて、そちらを優先することに。</p>



<p>それは『ワイルドバンチ』(1968年）のウォロン・グリーンが脚本を書いた『クルセイド』という史劇で、<a href="https://b-movie.tokyo/total-recall-1990/" data-type="post" data-id="871" target="_blank">『トータル・リコール』（1990年）</a>で組んだアーノルド・シュワルツェネッガーが主演の予定だった。</p>



<p>その後、『クルセイド』はモロッコにオープンセットを建設するところまで進行したが、その途中で資金難に直面。</p>



<p>1億ドル以上の製作費がかかるという見通しが明らかになったことからマリオ・カサールは難しい判断を迫られ、ほぼ同時期に進行していたレニー・ハーリン監督の海賊映画<a href="https://b-movie.tokyo/cutthroat-island/" data-type="post" data-id="5736" target="_blank">『カットスロート・アイランド』（1995年）</a>に資金を集中し、『クルセイド』は製作中止とされた。</p>



<p>いまだに「『クルセイド』を見たかった」と言う映画ファンは多い。</p>



<p>こうして体の空いたポール・ヴァーホーベンは本作に戻ってきた。</p>



<p>ただし初期稿はエスターハスが以前に製作した『フラッシュ・ダンス』（1983年）とあまりにも似通っていたことから大幅な修正が必要であり、その結果、いかにもヴァーホーベンらしい誇張されたアメリカ文化という作風になった。</p>



<p>製作費は4500万ドルと非アクション映画としては異例の巨費となったが、フランスの会社が出資を決定したことで金の問題は片付いた。この頃のヴァーホーベンは大ヒット請負人として圧倒的な信頼を得ていたのだ。</p>



<p>制作陣は新人ダンサーにドリュー・バリモア、ショーのスターにマドンナのコンビを望んでいたが、あまりのヌードの多さにバリモアは二の足を踏む。</p>



<p>主人公のノオミ役を探すためのオーディションが行われ、シャーリーズ・セロンやアンジェリーナ・ジョリーもその候補に入っていたといわれるが、トップレスどころかアンダーヘアまでを晒すことが決まっていた上に、ダンス経験はマストだったことから対象者はほぼ絞られており、全くの無名だったエリザベス・バークレーが選ばれた。</p>



<p>撮影現場は恐ろしくド派手だったが、当時マリオ・カサールが製作していた他の映画と比較すると金額的インパクトは小さくて誰も気に留めなかったので、ポール・ヴァーホーベンは好きにやれた。</p>



<p>その結果、性的表現はどんどん過激なことになっていき、のちのインタビューでヴァーホーベン自身が「あれはやりすぎた」と反省するに至る。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">90年代最悪映画</span></h3>



<p>本作は公開されるや凄まじい酷評に遭い、その年のラジー賞では13部門ノミネート、最低作品賞を含む7部門を受賞という空前の悪評を受けた。</p>



<p>オランダ人のヴァーホーベンはラジー賞というものを知らなかったのだが、知り合いの記者から君の作品が対象になっているよと教えられ、授賞式に行ってみようと誘われた。</p>



<p>かくしてヴァーホーベンは実際に授賞式に現れた史上初の受賞者となり、自分の失敗を認める潔さと懐の広さに賞賛が集まった。</p>



<p>2000年には1990年代最悪映画賞も受賞したが、あれはラジー賞側からの敬意の表明と解釈すべきだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">ビジネス的には成功した</span></h3>



<p>4500万ドルの製作費に対して、興行ではたったの2000万ドルしか稼げなかった。劇場公開時には大赤字だったのだが、ソフトで巻き返す。</p>



<p>やはりエロは強いらしく、セルとレンタルあわせて1億ドル以上を稼ぎ、MGM史上もっとも稼いだホームメディアの一つとなった。</p>



<p>ヴァーホーベンが本作のことを笑って話せるのは、ビジネス的には成功して関係者を損させなかったからだろう。</p>



<p>なお、本作の内容をほめる人も少なからずいて、映画監督のジム・ジャームッシュやアダム・マッケイは作品に込められた風刺を評価している。またクエンティン・タランティーノは搾取を描いた作品としてその重要性を認めている。</p>



<p>また著名な映画評論家のロジャー・イーバートは、悪評の存在は認識しているが、言われるほど悪くはないとしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc5">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">言われるほど酷くはない</span></h3>



<p>失敗作だの最低映画だのと酷い言われようだが、なんだかんだで知名度は高い作品。悪名は無名に勝るという諺を地で行っていると思う。</p>



<p>私の初遭遇は信じられないことにテレビの地上波放送だった。一昔前には年末年始の深夜枠で大量の映画が放送されていたのだが、その中の一作として断片的に見た記憶がある。</p>



<p>21世紀初頭までテレビ地上波はやりたい放題で、深夜帯ならば裸はいくらでも映してOKという状態だった。そこに正月のめでたい気分も乗っかって、成人映画でも流しちゃえとなったのだろう。</p>



<p>ただし、当時の私は歴史的駄作という前評判に引っ張られすぎて映画として真面目に見ようとしていなかったうえに、エロ目的で見るにしても裸があまりに多すぎるので、数十分で飽きて観るのをやめてしまった。</p>



<p>なので全編を見たことは一度もないのだが、この度、突然思い立ってBlu-rayを買ってしまった。このサイトでもよく書いているが、つまらない可能性が高い作品でもソフトを買ってしまうというおかしなクセが私にはある。</p>



<p>そのセンサーに今回はショーガールが引っ掛かったのである。</p>



<p>で、全編を見た感想だが、確かに面白くはない。面白くはないんだけど、90年代随一の駄作というほど酷くもない。これよりも酷い映画はいくらでもある（<a href="https://b-movie.tokyo/hudson-hawk/" data-type="post" data-id="9741" target="_blank">『ハドソン・ホークス』（1991年）</a>とか）。</p>



<p>またポール・ヴァーホーベンの演出意図を考えながら見ると、さほど外した部分もないように思う。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">登場人物全員ゲス野郎</span></h3>



<p>本作でヴァーホーベンが意図したのは、アメリカ大衆文化の誇張だろう。大量消費社会やメディアを皮肉った<a href="https://b-movie.tokyo/robocop1987/" data-type="post" data-id="5" target="_blank">『ロボコップ』（1987年）</a>や、正義のための戦争を皮肉った<a href="https://b-movie.tokyo/starship-troopers/" data-type="post" data-id="6053" target="_blank">『スターシップ・トゥルーパーズ』（1997年）</a>などとも通底した、ヴァーホーベンの十八番である。</p>



<p>本作で皮肉っているのはバカみたいに肥大化したエンタメと、そんなエンタメに漠然とした夢を見出す頭の悪い若者と、そんな若者をうまいこと言って搾取する悪い大人達の歪な関係性である。</p>



<p>主人公のノエミ（エリザベス・バークレー）は田舎からラスベガスに出てくる。金がないのでヒッチハイクだが、露出度の高い服を着ていれば男はホイホイ車に乗せてくれる。相手はスケベ心全開だと分かっているのでナイフを見せて威嚇。</p>



<p>そんなノエミの夢はダンサーになること。しかしダンサーとしてどの程度の素養があるのか、どんなダンサーになりたいのか、見ているこちらにはちっとも伝わってこない。ただ漠然と「ラスベガスでダンサーになりたい」と言っているだけのバカなのである。</p>



<p>運良く大手ホテルの看板ショーへの出演チャンスを掴むのだが、これが出演者全員素っ裸で踊り狂うというイカレた内容で、実のところ一大ストリップショーでしかない。</p>



<p>実態は裸目当ての下品なショーなのだが、芸術性やエンタメを口実にすることでそれなりにパッケージ化されており、若者たちは実態も分からずホイホイと参加してしまう。そして下劣な主催者たちは美しい若者たちを食い物にする。</p>



<p>右も左も分からないオーディション会場で「よし服を脱げ！」「君のおっぱいは綺麗だな！」「乳首を立たせて来い！」とか、もうめちゃくちゃなんだけど、それらしきおっさんが言ってるのでノエミは「これも芸術の内か」と納得してしまう。</p>



<p>ショーの責任者はザック（カイル・マクラクラン）という男。いかにもやり手らしい風体で、それらしきことを滔々と語りもするんだけど、実態は出演者に手を出す下衆野郎である。そしてノエミは枕営業でザックに気に入られる。</p>



<p>そんな主催も主催なら、出演者も出演者で、彼女らは四六時中足の引っ張り合いをしている。ライバルを蹴落とすため舞台に小細工をするくらいのことは日常茶飯事だ。</p>



<p>唯一、ダンスのことを真面目に考えていそうなのは<a href="https://b-movie.tokyo/speed-1994/" data-type="post" data-id="4508" target="_blank">『スピード』（1994年）</a>でキアヌ・リーブスに車を奪われたお兄ちゃんで、彼はノエミに対して「君にはダンスの素質があるから僕のところに来い」と言ってしつこく勧誘。</p>



<p>今でこそ落ちぶれてはいるが、過去に何事かを成し遂げたことのあるような口ぶりで、『あしたのジョー』の丹下団平や香港映画のカンフーマスターを思わせるので、彼がノエミのメンター役になるのかなと思う。</p>



<p>しかしこのお兄ちゃんもダンスを口実に女性をナンパしているだけの男で、ダンサーとしては二流もいいところ。舞台では観客からのヤジを受けている。</p>



<p>隅から隅まで登場人物が下衆野郎揃いというのが本作の素晴らしいところである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">ロバート・デヴィに泣かされるとは</span></h3>



<p>そんな物語だが、まともな心を持った人間もわずかながら登場する。</p>



<p>それはラスベガスに流れ着いた当初のノエミが食い扶持を得るために勤務した、場末のストリップ小屋のおじさんとおばさんである。</p>



<p>うちおじさんを演じているのはロバート・デヴィで、80年代から90年代にかけてのアクション映画でよく見かける顔だった。</p>



<p>ラスボス格だった<a href="https://b-movie.tokyo/007-licence-to-kill/" data-type="post" data-id="8668" target="_blank">『007/消されたライセンス』（1989年）</a>という例外こそあれど、多くの場合はセコイ小悪人を得意とし、ブルース・ウィリスの足を引っ張る無能なFBI捜査官を演じた<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>や、ダニー・グローバーの足を引っ張る無責任なテレビレポーターを演じた<a href="https://b-movie.tokyo/predator-2/" data-type="post" data-id="205" target="_blank">『プレデター2』（1990年）</a>辺りが代表作というブレのない御仁である。</p>



<p>そんなロバート・デヴィなので、本作のストリップ小屋のおやじもゲスい感じで登場する。</p>



<p>趣味の悪いスーツに身を包み、マシンガンのように話すのだが、その内容の9割は下ネタと金の話というどうしようもない奴で、これぞ風俗産業の男と言える。</p>



<p>ただし彼には嘘がない。女の子を騙して裸にしているわけでもなければ、うまいこと言って自分に奉仕させようともしていない。</p>



<p>自分たちがやっているのは場末のストリップ小屋であり、人生の一時期、こういう業界に入らざるを得ない女の子たちもいる。そして自分は彼女らと持ちつ持たれつでいるという、フェアな精神の持ち主なのである。</p>



<p>だから、一流ホテルのショーに引き抜かれていったノエミのことを心配している。あそこは虚飾に満ちた場所で、容赦なく若者の夢や心が食い物にされる。</p>



<p>居ても立っても居られなくなったおじさんはノエミに面会に行くのだが、かける言葉がない。「いつでも戻って来いよ」という思いこそあれど、ストリップ小屋なんて戻ってくるべき場所ではないからだ。</p>



<p>彼はノエミに何の解決策も提示してあげられないのだが、それでも彼女の身の上を純粋に心配するという思いだけは溢れ出ている。</p>



<p>ストリップ小屋であれだけ喋りまくっていたおっさんが所在なさげに黙りこくってしまう場面で、私は涙が溢れそうになった。まさかジョンソン捜査官に泣かされそうになる日が来るとは思わなかった。</p>



<p>こう書き連ねてみると、案外良い映画なのかもしれない。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】スコーピオン_エルヴィス戦隊プレスリー（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/3000-miles-to-graceland/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 18 Jul 2022 13:44:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[2000年代]]></category>
		<category><![CDATA[コスナー]]></category>
		<category><![CDATA[カート・ラッセル]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=9870</guid>

					<description><![CDATA[（2001年 アメリカ）表面上は馬鹿映画っぽいのに馬鹿映画ではないし、シリアスな愛憎劇を匂わせつつも尻切れトンボで終わらせるという、何とも掴みどころのない映画。面白くはないのだが、かといって絶望的につまらないわけでもない [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2001年 アメリカ）<br>表面上は馬鹿映画っぽいのに馬鹿映画ではないし、シリアスな愛憎劇を匂わせつつも尻切れトンボで終わらせるという、何とも掴みどころのない映画。面白くはないのだが、かといって絶望的につまらないわけでもないので、暇つぶしにはなる。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-full"><img decoding="async" width="312" height="441" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/3000-Miles-to-Graceland_P.webp" alt="" class="wp-image-9874" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/3000-Miles-to-Graceland_P.webp 312w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/3000-Miles-to-Graceland_P-212x300.webp 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/3000-Miles-to-Graceland_P-71x100.webp 71w" sizes="(max-width: 312px) 100vw, 312px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-22" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-22">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">エルヴィスとカート・ラッセル</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">全米大コケ&amp;ラジー賞大量ノミネート</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">エルヴィス戦隊プレスリー</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">相変わらず芸達者なカート・ラッセル</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">エルヴィスとカート・ラッセル</span></h3>



<p>ラスベガスのホテルで開かれるエルヴィスそっくりさん大会に紛れるカジノ強盗団を描いた本作だが、主演のカート・ラッセルとエルヴィス・プレスリーには浅からぬ関係がある。</p>



<p>ああ見えて子役出身のラッセルは、デビュー作『ヤング・ヤング・パレード』（1963年）でエルヴィスと共演している。</p>



<p>その後、ラッセルは野球選手に転向してマイナーリーグでプレーしていたのだが、肩の故障が原因で俳優業に戻ってくる。</p>



<p>そこで主演したのが伝記映画『ザ・シンガー』（1979年）で、ここでラッセルはエルヴィスその人に扮している。</p>



<p>なお『ザ・シンガー』はジョン・カーペンター監督との初タッグ作でもあり、以降、カーペンターとのコンビで多くの作品を製作することとなる。</p>



<p>そして<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/forrest-gump" target="_blank">『フォレスト・ガンプ/一期一会』（1994年）</a>では、エルヴィスの声をノークレジットで演じた。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">全米大コケ&amp;ラジー賞大量ノミネート</span></h3>



<p>ケヴィン・コスナー、カート・ラッセルを始めとした豪華出演陣を見ればわかる通り、本作はそれなりに金のかかった作品である。</p>



<p>製作費は6200万ドルと言われているのだが、それに対して全米での興行成績は惨憺たるもので、僅か1872万ドルに留まった。</p>



<p>作品レビューも悪く、その年のラジー賞では最低作品賞を含む5部門にノミネートされた。幸いなことに一部門も受賞はしなかったが、かといって褒める批評家もいなかった。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">エルヴィス戦隊プレスリー</span></h3>



<p>最近、バズ・ラーマン監督の『エルヴィス』（2022年）を映画館で見たのだが、なぜかそこで思い出したのが本作だった。</p>



<p>日本公開当時、5色のエルヴィスが並んだスチール写真は破壊力抜群で、これを見た瞬間にとんでもないバカ映画が来たものだと思ったが、よく見るとケヴィン・コスナー、カート・ラッセル、クリスチャン・スレーターだったので、二度驚いた。</p>



<p>そんな思い出の映画。</p>



<p>エルヴィス戦隊プレスリーがエルヴィスそっくりさん大会に紛れてカジノ強盗を働くことが骨子なんだが、何度見ても彼らがエルヴィスに扮していることの意義が感じられず、一般客に紛れた方がよかったんじゃないかと思う。</p>



<p>かといってエルヴィス戦隊が笑いをとろうとするでもなく、盛りの過ぎたスター俳優達が集団でおかしな扮装をしているにも拘らず、全員が真顔でツッコミも入らないというよく分からん空気が漂っている。</p>



<p>本来はコミカルな場面もあったのだが、スベリ倒したので全部カットされたのかなとも邪推してしまう。それほどまでに空気感がおかしい。</p>



<p>強盗では黄エルヴィス（ボキーム・ウッドバイン）が射殺され、命からがらモーテルに逃げ延びた後に、仲間割れで青エルヴィス（クリスチャン・スレーター）と赤エルヴィス（デヴィッド・アークエット）も殺される。</p>



<p>生き残った白エルヴィス（カート・ラッセル）が金を持ち逃げしたものだから、凶悪な黒エルヴィス（ケヴィン・コスナー）に追われることとなる。</p>



<p>なんだが、白エルヴィスは行きずりの女（コートニー・コックス）とその子供を連れて逃げる羽目になるものだから、こっちはこっちでいろいろ大変。</p>



<p>その上さらにFBI捜査官（ケヴィン・ポラック）も追いかけて来るものだから、事態はどんどん拗れていく。</p>



<p>そんなあらすじを振り返ってみると、一癖も二癖もあるキャラクター達が織りなすタランティーノ風のクライムコメディが志向されていたのだろうと思うのだが、これが全然盛り上がらない。</p>



<p>キャラクター描写がうまくいっておらず、興味を持ってみられるキャラクター、愛着を感じるキャラクターが皆無なのである。</p>



<p>有名俳優を何人も使ってこれじゃいかんだろと思う。</p>



<p>本作を監督したのはMTV出身のデミアン・リヒテンスタインで、なるほど銃撃戦などにはセンスを感じるのだが、コミカルな描写やキャラクターの扱いは全然ダメで、本作以降に長編映画を撮っていないことにも合点がいく。</p>



<p>90年代後半から2000年代前半にかけてはMTV出身監督がわんさかデビューしたが、みんながみんなトニー・スコットやマイケル・ベイのようになれるわけではないということだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">相変わらず芸達者なカート・ラッセル</span></h3>



<p>カート・ラッセル扮する白エルヴィスは、おつとめを終えたばかりの犯罪者なんだが、血は通っているし一定の倫理感は持ち合わせている。この手の映画にありがちな気の良い悪党なんだが、ラッセルは抜群の安定感でこれを演じている。</p>



<p>彼の演技はあまり顧みられることがないが、ここまで多彩な役柄を自然に演じられる俳優って貴重ではなかろうか。</p>



<p>「俺の芸域の広さを見ろ！」と言わんばかりにパフォーマンスを見せつけるカメレオン俳優よりも、ナチュラルにいろんな役柄を演じられるラッセルの方が凄いんじゃないかと思う。</p>



<p>一方ケヴィン・コスナー扮する黒エルヴィスは、仲間でも平気で殺す冷血漢。エルヴィス御大にだけは深い愛着を示しているが、他のすべての人間は彼にとってコマに過ぎない。</p>



<p>DNA鑑定によるとエルヴィス本人との血縁を否定できないとの結果が出たのだが、かといってその結果を鵜呑みにしているわけではなく、本心ではそうではないと思いつつも、生育環境がつらすぎてエルヴィス父親説にしがみついているんだろうなと思わせる。</p>



<p>そんなわけで脚本レベルでは結構作りこまれているキャラのように見受けるのだが、当時のコスナーのスター演技がハナにつき、カリスマっぽく演じようとし過ぎているので、かえってダサくなっている。</p>



<p>ラッセルのようにナチュラルに演じればいいのに、「新境地開拓！」みたいなことに拘り過ぎたのかもしれない。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】光る眼_デヴィッド君が癒し系（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/village-of-the-damned-1995/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 21 Jun 2022 05:09:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[サスペンス・ホラー]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[カーペンター]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1995年 アメリカ）ジョン・カーペンターによる黙示録だが、光る眼の子供がとにかく不気味で恐ろしい。ヤバい子供達に日常を侵食された平凡な人々の恐怖が丹念に描かれており、直接的なショックシーンはないものの、じわじわ怖がら [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1995年 アメリカ）<br>ジョン・カーペンターによる黙示録だが、光る眼の子供がとにかく不気味で恐ろしい。ヤバい子供達に日常を侵食された平凡な人々の恐怖が丹念に描かれており、直接的なショックシーンはないものの、じわじわ怖がらせる良作となっている。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-full"><img decoding="async" width="312" height="441" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/Village-of-the-Damned-1995_P.webp" alt="" class="wp-image-9814" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/Village-of-the-Damned-1995_P.webp 312w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/Village-of-the-Damned-1995_P-212x300.webp 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/Village-of-the-Damned-1995_P-71x100.webp 71w" sizes="(max-width: 312px) 100vw, 312px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-24" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-24">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">『呪われた村』二度目の映画化</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">興行的・批評的失敗</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">カーペンターお得意の黙示録</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">ヤバイ奴に上がり込まれた日常</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">デヴィッド君が癒し系 ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">『呪われた村』二度目の映画化</span></h3>



<p>原作はSF作家ジョン・ウィンダム著の小説『呪われた村』（1957年）であり、同作はイギリスにて『未知空間の恐怖/光る眼』（1960年）として映画化されている。</p>



<p>ジョン・カーペンター監督は少年期にこれを鑑賞し、登場する少女の一人に夢中になったらしい。</p>



<p>時は経って1981年、同じく古典SFのリメイク<a href="https://b-movie.tokyo/invasion-of-the-body-snatchers/" data-type="post" data-id="8203" target="_blank">『SF/ボディスナッチャー』（1978年）</a>のヒットを契機として、MGMが『光る眼』のリメイクも企画したらしいのだが、その企画は結局実現しなかった。</p>



<p>さらに時を経てユニバーサルが本リメイクを企画し、『キングの報酬』（1986年）のデイヴィッド・ヒメルスタインが脚色。</p>



<p>そして監督には、『遊星よりの物体X』（1951年）のリメイク<a href="https://b-movie.tokyo/the-thing-1982/" data-type="post" data-id="4985" target="_blank">『遊星からの物体X』（1982年）</a>でもユニバーサルと組んだジョン・カーペンターが起用された。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">興行的・批評的失敗</span></h3>



<p>本作は1995年4月28日に全米公開されたが、サンドラ・ブロック主演の『あなたが寝てる間に』（1995年）やウィル・スミス主演の<a href="https://b-movie.tokyo/bad-boys/" data-type="post" data-id="4691" target="_blank">『バッドボーイズ』（1995年）</a>などに敗れて初登場5位と低迷。</p>



<p>全米トータルグロスは941万ドルで、2200万ドルの製作費の回収すらできなかった。</p>



<p>批評面でも苦戦し、その年のラジー賞ではワーストリメイク賞にノミネートされた（受賞したのはデミ・ムーア主演の『スカーレット・レター』）。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">カーペンターお得意の黙示録</span></h3>



<p>10代の頃に日曜洋画劇場で見て、その際には全然楽しめなかった作品。</p>



<p>この度、午後のロードショーで放送されたのでほぼ四半世紀ぶりに再見したのだが、記憶していたのとは全然違って今回はかなり楽しめた。</p>



<p>昔見た映画との再会の機会を作ってくれる午後ローは親戚のお兄ちゃんのような存在であるとは<a href="https://b-movie.tokyo/hudson-hawk/" data-type="post" data-id="9741" target="_blank">『ハドソン・ホーク』（1991年）</a>のレビューでも書いたような気がするが、再見して印象が変わると、尚のこと午後ローには感謝してもしきれなくなる。</p>



<p>では一体何が良かったのかと言うと、黙示録的な物語がよく出来ており、緊張感が終始維持されていたことである。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/the-thing-1982/" data-type="post" data-id="4985" target="_blank">『遊星からの物体X』（1982年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/prince-of-darkness/" data-type="post" data-id="9106" target="_blank">『パラダイム』（1987年）</a>など、ジョン・カーペンター（以下JC）は大きな背景を持つ小さな物語を得意としているのだが、本作でもその特性はいかんなく発揮されている。</p>



<p>舞台となるのはアメリカの小さな町ミッドウィッチで、住民全員が気を失った後に、妊娠可能な女性全員が受胎するという奇妙な現象が発生。赤ん坊は同日同時刻に生まれ、驚異的な能力を発揮し始めるというのがざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>集団気絶の直後からアメリカ政府のチームが事の対応にあたるのだが、当初は毒ガスなどの可能性を考えて町に入ることには慎重になるなど、有事にあたっての行動にリアリティがあった。</p>



<p>妊娠した女性たちは当然のことながら不安がるのだが、どうしても研究対象にしたい政府は、もしも出産してくれれば月3000ドルを支給すると言って全員に出産を決意させるなど、事後対応の進め方も下世話かつ現実的。</p>



<p>また女房を孕ませた覚えのない旦那が不倫を疑って憮然とするなど、考えうる反応がしっかりと描き込まれているので面白い。</p>



<p>こういう部分がしっかりとしたSF映画は余計な疑問を持たずに済むので有難い。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">ヤバイ奴に上がり込まれた日常</span></h3>



<p>生まれてきた子供達の知能面での発達は著しく、見てくれは子供であってもその発言内容は冷淡かつ合理的で、大人ですら太刀打ちできない。</p>



<p>加えて光る眼を使って人間の行動をコントロールすることも可能であり、ミッドウィッチの住民達は皆ビクビクしながら生活することとなる。</p>



<p>脅威の力を持つ子供とは『オーメン』（1978年）や<a href="https://b-movie.tokyo/the-brood/" data-type="post" data-id="9585" target="_blank">『ザ・ブルード/怒りのメタファー』（1979年）</a>でもおなじみだが、本作の子供たちはとりわけ不気味で、映画史上最恐レベルの子供と言えるのではなかろうか。</p>



<p>そして本作の裏テーマは、ヤバイ奴に上がり込まれた日常生活とも言える。</p>



<p>町内に道理の通じない基地外一家、反社っぽい人、キツめの新興宗教の信者などが引っ越してきて、いろんな無茶をし始めたらどうかという、現実社会に置き換えて考えられる不快感が描かれているのである。</p>



<p>異様な空気を漂わせながら隊列を組んで移動する光る眼の子供達に対して、町の住民たちは不快感を抱きつつも、遠巻きに眺めるのみで誰も文句は言わない。こちらから何か言った瞬間、何かやった瞬間にとんでもないことが起こりそうだから。</p>



<p>子供達が現れた瞬間にピンと張り詰めるあの感じは、ヤバイご近所さんと道でばったり鉢合わせた時のものに近い。</p>



<p>そして、子供達への対応は地元の小学校校長ジル先生（リンダ・コズラウスキー）一人に押し付けられているのだが、先生も限界に来ていて、医師のアラン（クリストファー・リーヴ）にも授業の一つを受け持つよう依頼する。</p>



<p>しかしそんな役割を引き受けたくないアランは、当たり障りのない言葉で逃げようとする。まさに修羅場である。</p>



<p>そしてジルとアランはそれぞれ光る眼の子供の親でもあるのだが、これを元スーパーマンのクリストファー・リーブに演じさせていることが興味深い。</p>



<p>スーパーマンは人情というものを理解して優しく育ってくれたが、我々よりも優れた種族が人間を同等だと考え、その秩序を尊重してくれるか？そんなわけないだろという、JCならではの皮肉ではないかと思う。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">デヴィッド君が癒し系 ※ネタバレあり</span></h3>



<p>そんな中で、唯一の救いはジル先生の息子デヴィッド君である。</p>



<p>当初は彼も他の子供と同じく冷徹な表情をしていたのだが、次第に人間性に目覚め始める。</p>



<p>光る眼の子供達は生まれた時点から男女がつがいになっているのだが、デヴィッド君のパートナーとなるはずだった女児は死産したことにされて生体解剖に回されたので、彼だけは一人なのである。</p>



<p>この不安定さが母親への愛着や人間への理解や共感を示すことへとつながり、最終的には光る眼のコミュニティではなく母親との関係性を選択するに至るのだが、このデヴィッド君がとにかく可愛くて癒し系なのである。</p>



<p>自暴自棄になった大人を哀れんだり、困った顔で自分を見つめる母親に対して申し訳なく思ったりするうちに人間に近づいていく、その変貌の過程がナチュラルだった。</p>



<p>光る眼の仲間達に表面上は合わせているのだが、だんだんと人間側へと傾いていく際の葛藤もよく描けており、小さな体で種族の壁という問題に直面したデヴィッド君が健気で仕方ない。</p>



<p>なお、デヴィッド君を演じたトーマス・デッカーは成長後にも俳優業を続け、テレビシリーズ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』（2008-2009年）ではジョン・コナー役を演じた。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【良作】D.N.A./ドクター・モローの島_獣人による市民革命（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1996/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 03 Jun 2022 12:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クリーチャー・メカ]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァル・キルマー]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1996年 アメリカ）昔見てつまらなかったのだが、最近見ると印象が全然違って物凄く面白かった。個人と秩序の関係という社会契約論的な話に始まり、市民革命の勃発から挫折までを描いた含蓄ある物語で、そう思って見れば高校時代の [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1996年 アメリカ）<br>昔見てつまらなかったのだが、最近見ると印象が全然違って物凄く面白かった。個人と秩序の関係という社会契約論的な話に始まり、市民革命の勃発から挫折までを描いた含蓄ある物語で、そう思って見れば高校時代の世界史選択者にはグッとくるものがあるんじゃなかろうか。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="728" height="1024" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-728x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9630" style="width:364px;height:512px" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-728x1024.jpg 728w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P-768x1080.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.Moreau_P.jpg 853w" sizes="(max-width: 728px) 100vw, 728px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-26" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-26">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">『モロー博士の島』（1896年）三度目の映画化</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">若手監督リチャード・スタンリー</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">荒れた製作現場</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">代打監督ジョン・フランケンハイマー</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">批評的・興行的失敗</a></li></ol></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">今見たら面白かった</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">モロー博士≒カーツ大佐</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">万人は万人に対して狼</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">戒律の受け止め方は様々</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">権力者が去った後の混乱</a></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">市民革命の挫折 ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">『モロー博士の島』（1896年）三度目の映画化</span></h3>



<p>本作の原作はH・G・ウェルズ著『モロー博士の島』（1896年）。</p>



<p>他の動物を人間のように改造するという設定が話題を呼んだ作品であり、チャールズ・ロートン主演の『獣人島』（1933年）、バート・ランカスター主演の<a href="https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1977/" target="_blank">『ドクター・モローの島』（1977年）</a>と本作以前にも２度映画化されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">若手監督リチャード・スタンリー</span></h3>



<p>1966年南アフリカ出身の映画監督リチャード・スタンリーも、『モロー博士の島』に魅了された人物の一人だった。</p>



<p>低予算のSFホラー『ハードウェア』（1990年）で20代前半にして注目を浴びたスタンリーは、少年期に読んで影響を受けた『モロー博士の島』の映画化に向けて動き始める。</p>



<p>4年がかりで仕上げた脚本はニューラインシネマの手に渡り、製作が始動。</p>



<p>ニューラインは、モロー博士役にマーロン・ブランドを引っ張ってきた。スタンリーがモロー役にイメージしていたのはユルゲン・プロホノフだったのだが、それを上回るビッグネームの就任となった。</p>



<p>ただしニューラインは若手監督の手には余る企画だと判断したのか、ロマン・ポランスキーに監督させようとしたのだが、自分で監督するつもりだったスタンリーは激怒。</p>



<p>意外なことにスタンリーのビジョンに共感していたブランドが監督交代に反対し、事なきを得た。</p>



<p>が、真の地獄はここからだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">荒れた製作現場</span></h3>



<p>その後にブルース・ウィリスの出演も決まり、キャストはこんな感じになった。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>モロー博士：マーロン・ブランド</li>



<li>国連職員 エドワード：ブルース・ウィリス</li>



<li>モローの助手 モンゴメリー：ジェームズ・ウッズ</li>
</ul>



<p>また作品のキーとなる特殊メイクには<a href="https://b-movie.tokyo/terminator-2/" data-type="post" data-id="4820" target="_blank">『ターミネーター2』（1991年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/jurassic-park/" data-type="post" data-id="7554" target="_blank">『ジュラシック・パーク』（1993年）</a>のスタン・ウィンストンを起用し、なかなかのメンツが揃った。</p>



<p>なのだが、撮影が迫ったタイミングで問題が起こった。ブルース・ウィリスが降板を申し入れてきたのである。</p>



<p>その後任としてヴァル・キルマーを雇ったが、こいつが疫病神だった。</p>



<p>当時、ジョアンヌ・ウォーリーとの離婚問題でプライベートがごちゃついていたキルマーは拘束時間を減らすことを要求してきて、出番の多いエドワード役からモンゴメリー役に変更した。そしてエドワード役にはテレビ俳優のロブ・モローを据えた。</p>



<p>1995年8月1日からオーストラリアでの撮影に入ったが、プライベートでのストレスを現場で吐き出すかの如く、キルマーは奇行に走った。</p>



<p>脚本通りに演じない、監督の考えを繰り返し批判するなど、多くのスタッフ・キャストは妨害的な態度であると感じていた。</p>



<p>普通ならクビにしているところなのだが、当時、キルマーがワーナーで主演した<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/batman-forever" target="_blank">『バットマン フォーエヴァー』（1995年）</a>が大ヒットしており（最終的には全米年間興行成績1位をとる）、ニューラインとしてはキルマーを手放すという判断を下せない。</p>



<p>この記事の最初に掲載している当時のチラシをご覧になっていただいても分かる通り、広告宣伝においてはヴァル・キルマーが全面に押し出されていたのだから、本作の興行的成功を担っているのはキルマーだった。</p>



<p>そして事情をよく聞かされずにロケ地入りしたロブ・モローは、現場のあまりの荒れ具合に恐れをなし、撮影２日目にして降板を申し出た。ニューライン会長ロブ・シェイに直接電話したモローは、涙ながらに降板を懇願したという。</p>



<p>これらの混乱を受け、そもそもスタンリー監督との折り合いの悪かったニューラインは、現場を仕切れていないことを理由にファックスで監督に解雇を通告。撮影開始後わずか３日目だった。</p>



<p>また悪いことに、スタンリーの最大の擁護者だったブランドも当時それどころではなかった。クランクイン前の1995年4月に娘シャイアンが自殺していたのである。</p>



<p>取りつく島のなくなったスタンリーは現場を離れるしかなかった。</p>



<p>スタンリーの監督としてのキャリアもほぼここで終わってしまい、次なる監督作のリリースは実に25年後。ニコラス・ケイジ主演の『カラー・アウト・オブ・スペース』（2020年）までは活動実績が真っ白になった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">代打監督ジョン・フランケンハイマー</span></h3>



<p>現場の立て直しを行わなければならないニューラインは、スタンリーの代打としてジョン・フランケンハイマーを起用した。マーロン・ブランドと仕事ができるということが、フランケンハイマーがこの仕事を引き受けた動機だった。</p>



<p>ジョン・フランケンハイマーは60~70年代に男性映画の雄として活躍した監督だったが、90年代当時はすでに忘れ去られた監督だった。<a href="https://b-movie.tokyo/ronin/" data-type="post" data-id="6396" target="_blank">『RONIN』（1998年）</a>での復活劇は本作後のことである。</p>



<p>早速、フランケンハイマーはロブ・モローの後任を探し、『ネイキッド 快感に満ちた苦痛』（1993年）でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞したデヴィッド・シューリスを起用した。シューリスもまた、マーロン・ブランドとの共演に惹かれていた。</p>



<p>またニューラインとフランケンハイマーはウォロン・グリーン（『ワイルドバンチ』<a href="https://b-movie.tokyo/eraser/" data-type="post" data-id="3893" target="_blank">『イレイザー』</a>）に脚本の書き直しをさせたが、さらに現場での変更をさせるためにテレビ脚本家のロン・ハッチンソンを雇った。</p>



<p>こんな現場なので当然のことながらスケジュールは崩壊しており、キャストやスタッフが何時間も待たされるなどザラだった。</p>



<p>そしてマーロン・ブランドが空調の利いたトレーラーで優雅に過ごしているのに対して、特殊メイクを施されたまま炎天下で待たされる他のキャスト達の不満は募っていった。</p>



<p>またベテラン監督フランケンハイマーの手法は、気鋭の若手監督だったスタンリーとは正反対のものだったことも反発を招いた。フランケンハイマーの演出法は独裁的で、スタッフの言うことになど全く耳を貸さなかったのである。</p>



<p>加えて、ブランドvsキルマー、フランケンハイマーvsキルマーのトラブルも酷いもので、彼らが揉め始めるたびに、スタッフ・キャストは待ちぼうけを喰らわされるのだった。</p>



<p>また前任者スタンリーが依然としてニューラインに対する敵意をむき出しにしていることも、不安材料だった。</p>



<p>いつ現場に妨害に現れるか分からない状況だったことから、セキュリティを強化。そのことが不穏な空気を余計に助長した。</p>



<p>当初6週間で終わる予定だった撮影には6か月近くもかかり、ハリウッド史上屈指の荒れた作品となったのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">批評的・興行的失敗</span></h3>



<p>そんな具合でどう考えても駄作になるしかない流れにあり、主演のデヴィッド・シューリスはプレミア上映にすら姿を現さなかった。</p>



<p>1996年8月23日に全米公開され、強い競合がいる週ではなかったにも関わらず初登場1位を逃した。僅か4週目にしてトップ10から姿を消し、全米トータルグロスは2766万ドルだった。</p>



<p>国際マーケットでも同じく苦戦し、全世界トータルグロスは4962万ドル。劇場の取り分や広告宣伝費までを考えると、4000万ドルの製作費の回収はできなかった。</p>



<p>そして批評面でも散々で、ラジー賞では5部門ノミネート（作品、監督、助演男優、脚本、ワーストカップル）、マーロン・ブランドがワースト助演男優賞を受賞した。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc7">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">今見たら面白かった</span></h3>



<p>昔、日曜洋画劇場でやっているのを見たのだが、気持ち悪いだけで面白くない映画だという印象で、その後も見返す気にならなかった。</p>



<p>が、最近になってBlu-rayを衝動買いしてしまった。なぜだかは自分でも分からないのだが、面白くないと認識している映画をわざわざ買ってしまう癖が私にはある。</p>



<p>リメイク版<a href="https://b-movie.tokyo/total-recall-2012/" data-type="post" data-id="242" target="_blank">『トータル・リコール』（2012年）</a>とか<a href="https://b-movie.tokyo/avp-2/" data-type="post" data-id="1318" target="_blank">『AVP2 エイリアンズvsプレデター』（2007年）</a>とか<a href="https://b-movie.tokyo/clear-and-present-danger/" data-type="post" data-id="6401" target="_blank">『今そこにある危機』（1995年）</a>とか、散々文句を言ってる割に、うちの棚にはBlu-rayがあったりする。</p>



<p>そんな謎行動でBlu-rayを入手して20年ぶりに鑑賞したのだが、あらためて見ると全然悪くない、というか普通に面白いと感じた次第。</p>



<p>こういう再会がたまにあるから、これからも私の駄作コレクションは続いていくのだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">モロー博士≒カーツ大佐</span></h3>



<p>今回の鑑賞においては、マーロン・ブランド扮するモロー博士の内面の葛藤が実に興味深く感じられた。</p>



<p>国連弁護士のエドワード・ダグラス（デヴィッド・シューリス）は飛行機事故でインド洋上を漂っていたところを、モンゴメリー（ヴァル・キルマー）の貨物船に救助される。貨物船は絶海の孤島に到着するのだが、そこではノーベル賞学者のモロー博士（マーロン・ブランド）がおぞましい動物実験を行っていたというのが、ざっくりとしたあらすじ。</p>



<p>モロー博士は遺伝子操作によって動物を人間に改造しようとしているのだが、その実験が余りにマッド過ぎて文明社会にいられなくなり、孤島に引きこもっているとのことである。</p>



<p>モロー博士は獣人たちに自分を「父」と呼ばせているのだが、これは生みの親というよりも創造主というニュアンスに近い。</p>



<p>つまりモロー博士は文明から隔絶されたこの島で小さな世界を築き、神として君臨しようとしているのである。</p>



<p>ただしそれが誇大妄想ゆえの暴走かと言うとそういうわけでもなく、神=人格者になりきることで、自分自身のマッドな面を抑え込もうとしているのではないかと思う。</p>



<p>それほどまでに、神を演じている時のモロー博士は楽しくなさそうなのである。</p>



<p>獣人の前に出ていくモロー博士は、白塗り&amp;サングラス&amp;手袋というマイケル・ジャクソン スタイルで、かなりの肥満体であるマーロン・ブランドがこの姿をしたことで、公開当時には失笑を買った。</p>



<p>しかしこうした奇怪な扮装も自分の内面をさらけ出さない、本来の自分とは別の存在になりきるという、モロー博士の苦肉の策と見ることもできる。</p>



<p>そしてこの扮装が似合わなければ似合わないほど、モロー博士は無理をして神の役を演じているということになり、そこに物の憐れが宿るのである。</p>



<p>恐らくモロー博士は白衣を着て動物実験をやっている時が一番楽しいのだが、劇中でその姿になることはない。一度だけ映る手術も助手のモンゴメリーにやらせており、自分自身で執刀することはない。それが自分に課した戒律なのだろう。</p>



<p>当初の監督のリチャード・スタンリーもマーロン・ブランドも、モロー博士の人物造形に当たっては<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/apocalypse-now" target="_blank">『地獄の黙示録』（1979年）</a>のカーツ大佐を念頭に置いていたらしい。</p>



<p>カーツ大佐は戦争という特殊状況に順応していく自分自身に恐怖を覚えた。</p>



<p>&#8220;The horror&#8230; the horror&#8230;&#8221;という有名なセリフは、「まさか自分がこんなことまで平気でできる人間だったとは」ということに対する恐怖だったと個人的には解釈しているのだが、本作のモロー博士も同じなのだろう。</p>



<p>出来上がった獣人たちを見て「滅茶苦茶やってんな、俺」ということを自覚し、このままだと内面の闇に引きずり込まれてもっと酷いこともしでかしそうなので、自分自身に対する枷として、神という理想的な人格を目指すことにしたのではないか。</p>



<p>本作でブランドはラジー賞受賞という不名誉を得たが、熱演と怪演は紙一重であり、その意図を考えながら見ると、結構良い演技だとも感じられた。</p>



<p>『ドクター・モローの島』（1977年）でバート・ランカスターが演じた超然としたモロー博士よりも、こっちのモロー博士の方が個人的には好み。</p>



<p>またブランドは、何となく誤魔化しながらやったことが結果的に評価された『地獄の黙示録』（1979年）でやり残したことを、本作で完成させようとしていたのではないかとも感じる。</p>



<p>余談であるが、『地獄の黙示録』（1979年）の原作『闇の奥』(1899年）は、行方不明になったリビングストンを探しに行った冒険家ヘンリー・モートン・スタンリー卿の実話にインスパイアされたんじゃないかとも言われているが、リチャード・スタンリー監督はそのスタンリー卿の末裔である。</p>



<p>そのことでもマーロン・ブランドの興味を惹いたらしい。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">万人は万人に対して狼</span></h3>



<p>この島の状況を端的に表現するならば、高校の世界史で習ったトマス・ホッブズ著『リヴァイアサン』（1651年）の「万人は万人に対して狼」である。出てくるのは文字通り獣だし。</p>



<p>社会契約論の代表的哲学者トマス・ホッブズは、人間は本質的には自由であり、自己保存のため他人に対して暴力をふるう権利も有しているとした。</p>



<p>ただし自然権を行使し合うことは、他人の暴力によって自己の死をも招くという諸刃の刃である。それが「万人は万人に対して狼」という言葉で表現されている。</p>



<p>そこで各自は自分の持つ権利の一部を社会に差し出し、完全な自由ではなくなることと引き換えに、他人の権利の濫用から守られるという仕組みを作ることが、幸福の最大化に繋がるんじゃないかと考えた。</p>



<p>これが社会契約論の骨子である。高校世界史もなかなか役に立つものだ。</p>



<p>そしてモロー博士は、まさにこれを実践しようとしている。</p>



<p>モロー博士は獣人たちに対し、四足歩行をするな、生肉を喰らうな、地べたの水を飲むなといった、彼らにとっては厳しい戒律を課す。</p>



<p>構成員が獣のままであれば、お互いが殺し合うだけであろう。全員が平和的な棲み分けを行うためには獣でなくなることが必要であり、自分のため他人のために本能の一部を放棄せよと迫っているのである。</p>



<p>余談であるが、先日子供から「戦争はなぜなくならないのか」と聞かれた時に、咄嗟に浮かんだ答えが「万人は万人に対して狼」だった。</p>



<p>自然人と同じく国家も自己保存の本能を持っており、生存のため戦う権利を有している。なのだが自然人と異なるのは、権利の一部を差し出す先がないということである。</p>



<p>だから依然として国家間では「万人は万人に対して狼」という状況が続いており、争いごとがなくならないのは当然っちゃ当然なのである。</p>



<p>で、その打開策が第一次大戦後に作られた国際連盟であり、第二次大戦後に作られた国際連合なのだろうが、いかなる国をも押さえつけるほどの圧倒的な力を持つに至っていないため、本来的に期待される機能を果たしていないのが現状である。</p>



<p>さらに言うと、国家としての生存権の一部を放棄した憲法を持つ日本国が80年近く戦争に巻き込まれていないのは、哲学的にはある程度説明が付くのである。私は9条にさほど肯定的ではないが、それでも一定の有効性は認めざるを得ないと思っている。</p>



<p>以上、完全な余談でしたな。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">戒律の受け止め方は様々</span></h3>



<p>モロー博士に支配される獣人側はというと、支配を受け入れる層と、拒絶する層に分かれていて、反応が一面的ではない点が興味深かった。</p>



<p>面白いのがベースとなった動物の種類によって受け止め方が変わってくることで、犬や猫をベースにした獣人達は戒律を積極的に受け入れ、人間に近づくことに喜びすら感じている。彼らのレベルになると人間との共同生活も可能。</p>



<p>牛や羊をベースにした獣人達はそこまで人間慣れはしないが、それでもモロー博士の屋敷の周辺で集落を形成し、戒律通りに生きようと努めている。</p>



<p>問題なのはイノシシやハイエナといった野生動物をベースにした獣人達で、彼らは森で放し飼い状態となっている。</p>



<p>体内に仕込んだ電極により苦痛を与えることで何とか行動を制御しているのだが、見られていない場所では戒律を侵したい放題で、ペナルティさえ受けなければ戒律など守る必要がないという態度でいる。</p>



<p>規則を積極的に守ろうとする者、気乗りはしないが仕方ないと受け入れている者、全く守る気のない者といった反応の違いも、現実の人間社会を反映しているようで興味深かった。</p>



<p>この話は実によく作り込まれているのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">権力者が去った後の混乱</span></h3>



<p>そんなこんなで反発を受けつつも島の秩序は守られ続けたのだが、火葬された仲間の死体から電極の位置を特定し、その取り外しに成功したハイエナとイノシシが、モロー博士に対する反乱を起こす。</p>



<p>彼らは神を殺すことに成功する。しかし問題は、その後の島をどう支配するのかのビジョンがなかったことだ。</p>



<p>一時期はモロー博士の助手のモンゴメリーが神の座に就こうとした。享楽的な男モンゴメリーは、「かったるい戒律なんか全部やめようぜ！」と言って獣人達に乱交パーティをさせたが、ラリった獣人の一人に殺された。</p>



<p>モロー博士にもっとも忠実だったはずの犬の獣人は、主人を亡くすと反体制派のハイエナの側に付き、文字通りその走狗となって、今度は秩序の破壊者側に回る。実社会にもこういう奴はいる。</p>



<p>犬の獣人はとっ捕まえた猫の獣人に対して「俺はモロー博士から厳しくしつけられたのに、お前は全然叱られなかったよな」と恨み節を述べるのだが、うちで飼ってる犬猫に会話させても同じことを言い出しそうで、ちょっと興味深かった。</p>



<p>犬ってのは言うことを聞いてくれるので、飼い主としてもついついダメとか言っちゃうんだよ、ごめんな。</p>



<p>話を映画に戻すが、モロー博士の秩序は正義でなかったかもしれないが、かと言って無秩序が善というわけでもない。無秩序は、理不尽な権力よりも多くの血を欲する。</p>



<p>ただし反体制派達の気持ちもわかる。彼らは本能のままに四本足で野を駆け回り、食べたい時に獲物を喰らいたかっただけである。</p>



<p>それを封じられたことが苦しかったという事情も理解できるのだが、一方で本能に忠実な獣だけでは島の秩序は維持できないのである。そのバランスが難しい。</p>



<p>この命題もまた、全体主義か自由主義かという国家と個人の関係を反映しているようで興味深かった。</p>



<p>そういえばこの前見た<a href="https://b-movie.tokyo/the-devils-advocate/" data-type="post" data-id="9616" target="_blank">『ディアボロス/悪魔の扉』（1997年）</a>で、「神は人間に欲望を与えておきながら、それを充たすな、我慢して生きろと言い、右往左往する人間を見て笑っているサディストだ」と言うセリフがあって、私は随分と納得できたのだが、本作にも似たようなものを感じる。</p>



<p>製造者責任というのだろうか、作ったら作ったで、俺らが苦労なく生きられるようにお膳立てしろよという創造物側の苦しみも大いに理解できる。本作でハイエナやイノシシが求めていることって、我々人間の苦しみでもあるのだ。</p>



<p>ある行為を欲する本能は我々が好んで身に着けたものではなく、生来備わっていたものであり、それが悪だから禁止しろと言われたって、そもそも俺らのせいじゃないんですけどという。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc13">市民革命の挫折 ※ネタバレあり</span></h3>



<p>最終的に神の座に就いたのはハイエナであり、旧支配階層の生き残りであるダグラスを引っ張って来て、俺が神であることを認めろと言う。</p>



<p>事ここに至っても人間による権威付けを必要としているあたりに、彼ら獣人の物悲しさが宿っている。</p>



<p>ダグラスは「君は神だ」と認めるのだが、続けて「神は一人だが、君らの中の一体誰がNo.1の神なんだ？誰に従えばいいんだ？」と言って革命派の内紛をけしかける。</p>



<p>これは露骨に市民革命後の内ゲバだ。</p>



<p>フランス革命（1789-1795年）では、酷い王様という万人の敵を討ち取った後に混乱が待っていて、急進派のロベスピエールは政敵を次々とギロチンに送り込み、最後は自分自身も処刑された。</p>



<p>ロべスピエールによるテルール（恐怖政治)は、テロリズムの語源ともなった。ハイエナとイノシシの内紛は、まさにテロに等しい行為だったと言える。</p>



<p>最終的にはモロー博士に対して従順（=保守派）だった羊の長老が権力を握ったという結末も、ナポレオン1世の台頭によって幕引きが図られたフランス革命の顛末を見ているようだった。</p>



<p>これまた高校世界史が役に立った。世界史選択者には必見の映画だと言える。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-b wp-block-embed-b"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/the-island-of-dr-moreau-1977" title="【凡作】ドクター・モローの島_熱血漢が秩序を壊す（ネタバレあり・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-160x99.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-160x99.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/04/The-Island-of-Dr.-Moreau-1977_1-2-320x198.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【凡作】ドクター・モローの島_熱血漢が秩序を壊す（ネタバレあり・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（1977年 アメリカ）チャチな特殊メイク、平板なキャラクター、凡庸な演出と、映画としてはあまり面白くなかった。学者バカのモロー博士vs熱血漢ブラドックの対比と、結果的にブラドックの正義感が島の秩序を破壊するという顛末は良かったけど、面白さ...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2022.06.03</div></div></div></div></a>
</div></figure>
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			</item>
		<item>
		<title>【駄作】ハドソン・ホークス_スベリ倒した映画（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/hudson-hawk/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 06 May 2022 14:54:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[その他]]></category>
		<category><![CDATA[駄作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ウィリス]]></category>
		<category><![CDATA[ジョエル・シルバー]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1991年 アメリカ）豪快にスベリ倒した映画で、見ていて辛くなるほどだった。これほどまでに意図したとおりの笑いをとれず、おしゃれなつもりが裏目に出てダサくなっている映画も珍しいのではなかろうか。清々しいほどの駄作ぶりで [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1991年 アメリカ）<br>豪快にスベリ倒した映画で、見ていて辛くなるほどだった。これほどまでに意図したとおりの笑いをとれず、おしゃれなつもりが裏目に出てダサくなっている映画も珍しいのではなかろうか。清々しいほどの駄作ぶりである。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Hudson-Hawk_P-722x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9743" width="361" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Hudson-Hawk_P-722x1024.jpg 722w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Hudson-Hawk_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Hudson-Hawk_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/05/Hudson-Hawk_P.jpg 761w" sizes="(max-width: 361px) 100vw, 361px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-28" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-28">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">ブルース・ウィリス入魂の企画</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">豪華スタッフ集結</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">全米大コケ</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">ラジー賞主要3部門受賞</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">スベり倒すとはこのこと</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">置きに行ってるブルース</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">ブルース・ウィリス入魂の企画</span></h3>



<p>2022年3月末に俳優業からの引退を表明したブルース・ウィリスだが、40年以上に及ぶ彼のキャリアの中で、脚本にまで関与したのは本作のみである。</p>



<p>企画を思いついたのはウィリスの無名時代で、製作総指揮及び原案としてクレジットされているロバート・クラフトと共同でのことだった。</p>



<p>いつか本作を実現させたいと思っていたウィリスだったが、<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>と<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard-2/" data-type="post" data-id="6990" target="_blank">『ダイ・ハード2』（1990年）</a>の大ヒットにより短期間でスターの地位を獲得したことにより制作環境が整い、4000万ドルという潤沢な製作費も調達できた。</p>



<p>なのだが、製作に入ると多くの過ちに気付いたことから脚本はひっきりなしに書き換えられ、マイケル・レーマン監督とブルース・ウィリスは現場で対立し続けた。</p>



<p>完成した作品は全米で大コケをした上に酷評も受け、後に『12モンキーズ』（1995年）に出演したウィリスは、もしもタイムトラベルができれば本作の製作前に戻って製作をやめさせたいとまで言った。</p>



<p>これに懲りたウィリスは以降30年以上に渡って俳優業に徹し、クリエイティブ面に関与することは二度としなかった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">豪華スタッフ集結</span></h3>



<p>駄作として名を轟かす本作であるが、そうは言ってもトライスター入魂の作品だけあって豪華なスタッフが集結している。そのことがまた、どれだけ優秀な人材が集まっても企画がダメだとどうにもならんということを証明している。</p>



<ul class="wp-block-list"><li>ジョエル・シルバー（製作）：80年代から90年代にかけてのアクション映画といえばこの人で、<a href="https://b-movie.tokyo/commando/" data-type="post" data-id="128" target="_blank">『コマンドー』（1985年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/predator/" data-type="post" data-id="901" target="_blank">『プレデター』（1987年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/lethal-weapon/" data-type="post" data-id="4475" target="_blank">『リーサル・ウェポン』（1987年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>など素敵な映画を多数製作。</li><li>スティーヴン・E・デ・スーザ（脚本）：ジョエル・シルバーのお気に入りで、『48時間』（1982年）、<a href="https://b-movie.tokyo/commando/" data-type="post" data-id="128" target="_blank">『コマンドー』（1985年）</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>などを担当。</li><li>ダニエル・ウォーターズ（脚本）：『ヘザース/ベロニカの熱い日』（1989年）で注目を浴び、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/batman-returns" target="_blank">『バットマン リターンズ』（1992年）</a>と<a href="https://b-movie.tokyo/demolition-man/" data-type="post" data-id="4078" target="_blank">『デモリションマン』（1993年）</a>が大ヒットした。</li><li>マイケル・ケイメン（音楽）：アクション映画界の巨匠で、<a href="https://b-movie.tokyo/lethal-weapon/" data-type="post" data-id="4475" target="_blank">『リーサル・ウェポン』（1987年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>を手掛ける。『ロビン・フッド』（1991年）ではグラミー賞最優秀主題歌賞を受賞。</li><li>ダンテ・スピノッティ（撮影）：マイケル・マン作品の常連で、<a href="https://b-movie.tokyo/heat/" data-type="post" data-id="6937" target="_blank">『ヒート』（1995年）</a>や『インサイダー』（1999年）が代表作。なお、当初の撮影監督は<a href="https://b-movie.tokyo/das-boot/" data-type="post" data-id="6677" target="_blank">『U・ボート』（1981年）</a>のジョスト・バカーノだったが、スケジュールの遅延により降板し、スピノッティはその後任だった。</li><li>クリス・レベンゾン（編集）：トニー・スコット作品やティム・バートン作品の常連で、<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" data-type="post" data-id="6529" target="_blank">『トップガン』（1986年）</a>と<a href="https://b-movie.tokyo/crimson-tide/" data-type="post" data-id="4643" target="_blank">『クリムゾン・タイド』（1995年）</a>でアカデミー賞にノミネートされている。</li></ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">全米大コケ</span></h3>



<p>本作は4000万ドルもの製作費がかけられた大作だったが、全米興行成績は1900万ドルに終わった。</p>



<p>同じくブルース・ウィリス主演作である<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard-2/" data-type="post" data-id="6990" target="_blank">『ダイ・ハード2』</a>の1億1754万ドル、<a href="https://b-movie.tokyo/the-last-boy-scout/" data-type="post" data-id="3239" target="_blank">『ラスト・ボーイスカウト』（1991年）</a>の5950万ドルと比較しても際立って低い数字であり、本作の不調が原因でトライスター・ピクチャーズは財政難に陥り、ソニーピクチャーズに吸収された。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">ラジー賞主要3部門受賞</span></h3>



<p>本作はラジー賞で6部門にノミネートされ（作品賞、主演男優賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞）、うち作品賞、監督賞、脚本賞を受賞した。</p>



<p>主要３部門を独占したことにより、1991年を代表する駄作という不名誉な称号を得たのだった。</p>



<p>また1999年にはこの１０年ワースト作品賞にもノミネートされている（受賞は『ショーガール』）</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">スベり倒すとはこのこと</span></h3>



<p>本作の劇場公開は私が小学生の頃で、子供の目にもかなり宣伝をやってるなぁと印象に残るほど大きく公開された。字幕を読める年齢ではなかったので映画館には行かなかったが。</p>



<p>数年後、ゴールデン洋画劇場での放送で初鑑賞したのだが、あまりにつまらなくて驚いた。</p>



<p>つまらなさ過ぎてその後に本作を見返すことはなかったのだが、この度、午後のロードショーで放送されたので有難く拝見した。</p>



<p>先日の<a href="https://b-movie.tokyo/the-golden-child/" data-type="post" data-id="9608" target="_blank">『ゴールデン・チャイルド』（1986年）</a>と言い、記憶に残る駄作を当時の吹き替えで鑑賞する機会を作ってくれるので、午後ローには感謝してもしきれない。私にとっては親戚のお兄ちゃんのような放送枠である。</p>



<p>で、再見しての感想だが、概ね初鑑賞時と変わるところはなかった。</p>



<p>レオナルド・ダ・ヴィンチが登場する冒頭に始まり、マフィアだのCIAだのバチカンだのが絡むスケールの大きな物語で、笑いありスリルありの一大娯楽を目指していたことが分かるのだが、まったくもってワクワク感がない。</p>



<p>ブルース扮するハドソン・ホークは10年の服役を終えたばかりの元大泥棒で、出所早々マフィアに絡まれて美術館に盗みに入らざるを得なくなる。</p>



<p>いつものブルース・ウィリスと違うのは腕っぷしにモノを言わせたり人を殺したりしないことで、屋上からこっそり侵入し、防犯カメラの映像をループさせるという小技を使ったりする。</p>



<p>防犯カメラにダミー映像を流すというトリックは、その後<a href="https://b-movie.tokyo/speed-1994/" data-type="post" data-id="4508" target="_blank">『スピード』（1994年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/mission-impossible-3/" data-type="post" data-id="5294" target="_blank">『ミッション：インポッシブル3』（2006年）</a>などでアクション映画の定番となるのだが、始めてこれをやったのは本作だったと思う。</p>



<p>そういった点では本作にも良いところはあるのだが、見せ方の問題かその新しさや発想力に感心させられないのが逆に凄い。</p>



<p>時間内に作業を完了させなければならないハドソン・ホークと相棒のトミー（ダニー・アイエロ）は、歌を歌ってタイミングを合わせたりする。</p>



<p>それが「どうです、おしゃれでしょ！」って感じで強調しすぎて逆に粋を感じない。こういう仕掛けはさりげなく見せないと。</p>



<p>その他、ハドソン・ホークが大好物のカプチーノにありつこうとするとことごとく邪魔が入るとか、お勤め中に流行したファミコンのことを知らないとか、カートゥーンの効果音が使われているとか、観客を楽しませたいんだなという仕掛けはいくつも目に付くのだが、それらすべてがうまく機能していない。</p>



<p>これほどスベリ倒している映画にはめったにお目にかかれないし、あまりにスベリ過ぎていて、笑っていない私が何か悪いことをしているような気分にすらなってくる。</p>



<p>観客にここまで気を遣わせる映画というのもなかなかないだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">置きに行ってるブルース</span></h3>



<p>もう一つ問題を感じたのが、コミカルなパートはことごとく周囲の脇役に振っており、ブルース自身は恥ずかしい演技をしていないことである。</p>



<p><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/the-king-of-comedy" target="_blank">『キング・オブ・コメディ』（1983年）</a>のストーカー役が強烈だったサンドラ・バーンハードは、本作でもかなり極端な悪役を演じているのだが、あまりに振り切れすぎてラジー賞助演女優賞にノミネートされた。</p>



<p>またヒロイン役のアンディ・マクダウェルはラリってイルカの物真似までを披露するのだが、正統派で頑張ってきた彼女にここまでやらせてスベらせるというのも酷い。</p>



<p>アンディ・マクダウェルは脚本が刻一刻と書き換えられていく製作現場を目の当たりにして、台詞をきっちり頭に入れていくことよりも、その場で何を言われても対応できることを意識していたのだとか。</p>



<p>こんなに頑張ってくれた女優さんをスベらせてはいけないと思うし、ブルース・ウィリス肝入りの企画ながらブルース自身は置きに行っているのはどうかと思った。座長が先陣切ってやらないでどうするんだと。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】エクスペンダブルズ3_メルギブが最強すぎる（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-expendables-3/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 11 Mar 2022 08:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[2010年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[シュワ]]></category>
		<category><![CDATA[ラングレン]]></category>
		<category><![CDATA[メルギブ]]></category>
		<category><![CDATA[ウェズ]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（2014年 アメリカ）待望のウェズ、まさかのハリソン&#38;メルギブと、シリーズ最高のメンツの揃った第3弾で、あまりの豪華さに畏敬の念すら抱いた。よく知らない若手のリクルートなど、不要としか思えないパートもあるにはあ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2014年 アメリカ）<br>待望のウェズ、まさかのハリソン&amp;メルギブと、シリーズ最高のメンツの揃った第3弾で、あまりの豪華さに畏敬の念すら抱いた。よく知らない若手のリクルートなど、不要としか思えないパートもあるにはあるが、このメンツのお祭り騒ぎですべて吹き飛んだ。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P-724x1024.jpg" alt="" class="wp-image-9392" width="362" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P-724x1024.jpg 724w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P-768x1086.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/03/The-Expendables-3_P.jpg 849w" sizes="(max-width: 362px) 100vw, 362px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-30" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-30">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">エクスペンダブルズ続投組</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">エクスペンダブルズ新入生</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">海賊版被害で興行的には失敗</a></li></ol></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc6" tabindex="0">満を持してのウェズ！</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">まさかのメルギブ＆ハリソン登場</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">スライとステイサム=ジャックとローズ</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">うっす～い若手ンダブルズ</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">全員集合したラストの凄さ</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">エクスペンダブルズ続投組</span></h3>



<ul class="wp-block-list"><li>シルベスター・スタローン（ささきいさお）/バーニー・ロス</li><li>ジェイソン・ステイサム（山路和弘）/リー・クリスマス</li><li>ジェット・リー（池田秀一）/イン・ヤン：第一作の時点から金にうるさかったヤンは、給料の良いトレンチの組織に移籍している。</li><li>ドルフ・ラングレン（大塚明夫）/ガンナー・ヤンセン</li><li>アーノルド・シュワルツェネッガー（玄田哲章）/トレンチ</li><li>ランディ・クートゥア（木下浩之）/トール・ロード：第2作でなぜか日本語吹き替えキャストが変わったのだが、本作で元に戻っている。</li><li>テリー・クルーズ（髙橋耕次郎）/ヘイル・シーザー：トール・ロードと同じく、第2作で変わった吹替キャストが元に戻った。</li></ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">エクスペンダブルズ新入生</span></h3>



<ul class="wp-block-list"><li>ウェズリー・スナイプス（江原正士）/ドクター・デス：第一作から待望されていたウェズが、刑務所でのお勤めを終えてついに参戦！</li><li>ハリソン・フォード（村井國夫）/マックス・ドラマー：大したこともしないのに400万ドルも要求してきたブルースは切られてインディが参戦。</li><li>メル・ギブソン（磯部勉）/コンラッド・ストーンバンクス：ついに出た！<a href="https://b-movie.tokyo/lethal-weapon/" data-type="post" data-id="4475" target="_blank">リーサル・ウェポン</a>。最初は監督を依頼されていたらしいが、その後に出演者に鞍替えした。</li><li>アントニオ・バンデラス（東地宏樹）/ガルゴ：スケジュールの競合から第2作を諦めたデスペラードが満を持しての参戦。</li><li>ロバート・ダヴィ（斉藤次郎）/ゴラン・ヴァータ：<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/predator-2/" data-type="post" data-id="205" target="_blank">『プレデター2』</a>、<a href="https://b-movie.tokyo/action-jackson/" data-type="post" data-id="7945" target="_blank">『アクション・ジャクソン』</a>など、ジョエル・シルバー製作作品に高確率で出ていたロバート・ダヴィもしれっと参戦。</li></ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">海賊版被害で興行的には失敗</span></h3>



<p>本作は2014年8月15日に全米公開されたが、初登場4位と低迷した。その理由は、公開3週間前に本編の動画が流出してダウンロードされまくったために、公開時点で内容が知れ渡っていたためである。</p>



<p>全米トータルグロスは3932万ドルで、1億ドル稼いだ『1』、85百万ドル稼いだ『2』と比較しても突出して低い数字だった。</p>



<p>国際マーケットでも同じく苦戦し、全世界トータルグロスは2億1465万ドルに終わった。3億1497万ドル稼いだ前作から32%もの減収だった。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc5">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">満を持してのウェズ！</span></h3>



<p>冒頭、武装列車を襲うエクスペンダブルズ。</p>



<p>ヘリを使ったかなり派手な撃ち合い＆爆破はシリーズの真骨頂という感じで初っ端からテンション爆上がりなのだが、その列車に幽閉されていたのが僕らのウェズリー・スナイプスだったことが判明した瞬間に、私のボルテージは振り切れた。</p>



<p>ウェズは第一作時点からアクション映画ファン達から出演を切望されており、また本人も出る気満々でいた。そんなファンとキャストの相思相愛状態があったにも関わらず、脱税裁判＆刑務所へのお勤めで、過去2回の出演機会はことごとく逃してきた。</p>



<p>そんなアクション映画界の彦星様が、租税法という天の川を渡ってようやくこちらに来られたのである。</p>



<p>「この瞬間を待っていた！」</p>



<p>悲願のウェズ登場に、画面上で起こっている以上のことを私は感じ取った。</p>



<p>しかしウェズは仲間のヘリとは逆方向に走っていく。</p>



<p>どうしちゃったのかと思って見ていると、ウェズは残存する兵士を皆殺しにし、列車の目的地である軍閥の基地に向けてありったけの砲弾を撃ち込んだうえで、フルスピードの列車を衝突させて基地を破壊する。</p>



<p>敵兵は税務署職員、基地は国税庁だと思って見ていただければ間違いないのだが、実に豪快なお礼参りをかますわけである。これでこそエクスペンダブルズ。</p>



<p>ウェズはスタローンと共にエクスペンダブルズを立ち上げた創設メンバーの一人であり、ドクター・デスという親には決して教えられない異名を持っている。</p>



<p>8年ものお勤めを経ての今回の救出劇だったが、スタローンは「この足で次のミッションに行くぞ」と言い、出所直後のウェズを早速使いまわす。この組織に就業規則なるものは存在しないのである。</p>



<p>せめてムショ上がりにはうまいもんくらい食わせてやれよと思うが、破壊こそ栄養、殺人こそ滋養のエクスペンダブルズのこと、「銃をぶっ放していれば元気になるだろ！」という脳筋理論で貫かれているようだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">まさかのメルギブ＆ハリソン登場</span></h3>



<p>次なるミッションとはソマリアでの武器商人暗殺であり、この手の暗殺は平常業務なのでチャチャっと済ませて帰ろうぜという感じなのだが、そうは問屋が卸さなかったのが本編となる。</p>



<p>この武器商人というのがストーンバンクス（メル・ギブソン）という男なのだが、メルギブが姿を現した瞬間、私の体には電撃が走った。</p>



<p>あの<a href="https://b-movie.tokyo/mad-max-2/" data-type="post" data-id="4529" target="_blank">マックス・ロカタンスキー</a>が、あの<a href="https://b-movie.tokyo/lethal-weapon/" data-type="post" data-id="4475" target="_blank">マーティン・リッグス</a>が、シルベスター・スタローンの映画に出ている！夢にも見なかったことが現実に起こっている！</p>



<p>これがどれだけ凄いことかと言うと、ゴジラ映画を見ていると突然ガメラが乱入してきて、怪獣大戦争を始めたようなものである。</p>



<p>ストーンバンクスはもう一人のエクスペンダブルズ創業メンバーであるため、こちらの戦法を熟知している上に、豊富な武器と兵士を抱えており、シリーズで最も強力な敵と言えよう。</p>



<p>この最強の敵を具体化するに当たり、かつての大スター メル・ギブソンはこれ以上ないほどの適任者だった。その大物感と言い、アクション映画界での実績と言い、スタローンと肩を並べられる数少ない俳優だからだ。</p>



<p>ヴィランとしてのメルギブ登場には、キン肉マンで悪魔将軍が出てきた時くらい緊張した。「こいつにどうやって勝つんだ」という絶望感を観客にまで与えたのである。</p>



<p>と同時に、若い頃のスタローンとメルギブが共同でエクスペンダブルズを立ち上げ、幾多の戦場に赴いていた様子を思い浮かべて、とてつもなく幸せな気分になったりもした。</p>



<p>そんなメルギブだが、凄まじい戦力でエクスペンダブルズを追い込み、シリーズ初の負け戦に持ち込む。</p>



<p>這う這うの体で帰国したエクスペンダブルズを待っていたのはお馴染みのシュワルツェネッガー。あまりにお馴染みすぎて、もはや『男はつらいよ』のタコ社長並みのキャラクターになっているのはご愛敬である。</p>



<p>が、この次に更なるサプライズが仕掛けられていた。</p>



<p>「暗殺をミスったな、どうしてくれるんだ」とスタローンに詰め寄ってくるのが、なんとハリソン・フォード。</p>



<p>ランボーとインディが同じ画面上で会話する画なんて、これまた夢にも見なかった。しかもメルギブに完膚なきまでに叩きのめされ、シュワルツェネッガーに慰められた後で。</p>



<p>日本国内で例えるならば、ゴジラとガメラが破壊の限りを尽くしているところに、ウルトラマンまでが参戦したという感じである。</p>



<p>この信じられない画に見とれるばかりで、会話の内容なんてほとんど頭に入ってこなかったよ。</p>



<p>まったくどんだけ凄い映画なんだ、これは。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">スライとステイサム=ジャックとローズ</span></h3>



<p>ハリソンから「もう一回行ってメルギブのタマ取ってこい」と言われるスタローンだが、こちらの戦法を熟知しているOBに対して既存メンバーを使うのは、みすみす彼らを死にに行かせるようなものである。</p>



<p>かといって「お前らには無理だ」と言うのも部下達のメンツを潰すと感じたのか、「もう終わり！以上！解散！」と言って無理矢理にエクスペンダブルじまいをしてしまう。</p>



<p>呆然とするメンバー達。「脱獄→電撃復帰→負け戦→無職」という目まぐるしすぎる数日間を送ったウェズは、いつも以上にピュアな目付きでスタローンを睨んでいる。</p>



<p>特に納得できていない様子なのはステイサムで、店から出て行ったスタローンに食い下がってこう言う。</p>



<p>「どこまでもあんたに付いていく気だった！」</p>



<p>もはや嫁か彼女である。</p>



<p>ただしスタローンも無下に彼らを捨てたのではなく、勝てない戦に既存メンバーを連れていくわけにはいかないという、こちらも愛ゆえの決断。</p>



<p>この一連のやりとりを見て、私は『タイタニック』（1997年）でジャックがローズを救命ボートに乗せる場面を思い出した。</p>



<p>ジャックはこれでサヨナラになることは分かっているのだが、愛するがゆえにローズをボートに乗せる。一方ローズは、あなたと一緒にいるのが私の希望なのよと言って、これに抵抗する。</p>



<p>本作のスタローンとステイサムも全く同じである。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">うっす～い若手ンダブルズ</span></h3>



<p>こうして既存メンバーを捨てたスタローンは、メルギブも予期しない戦略で対抗するための新人のリクルート活動を開始する。</p>



<p>であるが、こいつらに全然ワクワクさせられないので、しばし退屈な時間が続く。これが本作の欠点。</p>



<p>崖登りが趣味のハッカー、最新武器のスペシャリスト、格闘技に精通している女子など、一応は個性豊かな面々を揃えはするのだが、旧ペンダブルズと比べると薄っぺらすぎてあちら側が透けて見えそうだ。</p>



<p>マジで期待値が1ミリも上がらない。</p>



<p>だいたい、エクスペンダブルズとはアクション映画界での実績があることが入隊資格のはずで、フレッシュさなんてものは不要なのである。</p>



<p>もしも「笑点の新メンバーです」と言ってEXITや四千頭身を加入させれば、日テレの電話回線は苦情でパンクするだろう。それと同じ暴挙である。</p>



<p>唯一「お！」となったのはアントニオ・バンデラスだが、年齢を誤魔化して応募してきたデスペラードに対して、スタローンは「歳が行きすぎている」と非情な判断を下す。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/rocky-6/" data-type="post" data-id="1263" target="_blank">『ロッキー・ザ・ファイナル』（2006年）</a>で還暦過ぎての現役復帰を恥さらしだと非難にされた際に、「心は歳をとらない」と熱弁したスタローンの熱い魂はそこにはない。</p>



<p>かくして集められた若手ンダブルズだが、いつもの飛行場にはステイサムを始めとした旧ペンダブルズの面々が待ち受けており、タチの悪い上級生の如くいろいろと因縁を付けてくる。</p>



<p>事情を知らない若手からすれば、なぜこんなにおじさん達に絡まれているのかも分からないだろうが、かといって言い返したりやり返したりもしない現代っ子なので、いつものような賑やかさがない。</p>



<p>売られた喧嘩は100%買うのがエクスペンダブルズではないのだろうか。こうした点でもこの若手たちにはガッカリさせられた。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">全員集合したラストの凄さ</span></h3>



<p>とはいえスタローンの目論見自体は当たって、若手ンダブルズはメルギブを捕らえることに成功する。</p>



<p>のだが、すぐにメルギブ軍団の反撃に遭い、今度は囚われの身に。唯一、高架から川に落ちたスタローンだけは捕虜にならずに済む。さすがはレジェンド、若手のように易々とは敵の手に落ちないのである。</p>



<p>そこからスタローンはデスペラードと、実は現地にまで追いかけてきていた旧ペンダブルズと合流し、若手ンダブルズの奪還に臨む。</p>



<p>この一連の流れを踏まえると、やっぱり若手は要らなかったんじゃないのと思うのだが、旧ペンダブルズとスタローンが再合体する様には感動があったので、これはこれで良かったような気もしてきた。</p>



<p>さらには、ハリソンの操縦するヘリに乗ってシュワルツェネッガーとジェット・リーも加勢にやってくる。</p>



<p>日曜洋画劇場半年分くらいのメンバーが揃ったクライマックスは壮観そのものだった。</p>



<p>あまりにメンツが凄すぎて、すべてのカットが尊かった。最後の最後に全員が乗り合わせたヘリなんて、筋肉の重みと俳優達の凄みで墜落しそうな勢いである。</p>



<p>ハリソンが操縦するヘリにシュワ、ラングレン、ステイサム、バンデラス、ジェット・リー、ウェズが乗ってんだぜ。外にはスタローンがぶら下がってるんだぜ。</p>



<p>あらためて「なんちゅー凄い映画だ」と思ったし、この豪華なメンツとたった一人で渡り合ったメルギブの魅力と存在感も天晴れだった。</p>



<p>やっぱりエクスペンダブルズシリーズは最高としか言いようがない。</p>



<p><strong>エクスペンダブルズシリーズ</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-expendables/" data-type="post" data-id="9369" target="_blank">【良作】エクスペンダブルズ_タフガイのギャップ萌え</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-expendables-2/" data-type="post" data-id="9383" target="_blank">【傑作】エクスペンダブルズ2_夢実現！ありがとうスタローン</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/the-expendables-3/" data-type="post" data-id="9389" target="_blank">【良作】エクスペンダブルズ3_メルギブが最強すぎる</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/expend4bles/" data-type="post" data-id="10958" target="_blank">【凡作】エクスペンダブルズ4 ニューブラッド_キャスティングが弱い</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア_腐女子向けホラー（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/interview-with-the-vampire/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 07 Jan 2022 10:12:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[サスペンス・ホラー]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[トム・クルーズ]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1994年 アメリカ）トム・クルーズとブラッド・ピットのBLが描かれた超貴重作。出演者は美しいし、時代を再現した衣装やセットは素晴らしいし、愛憎入り混じるお話は興味深いし、総じて見応えのある作品でした。ホラー映画なのに [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1994年 アメリカ）<br>トム・クルーズとブラッド・ピットのBLが描かれた超貴重作。出演者は美しいし、時代を再現した衣装やセットは素晴らしいし、愛憎入り混じるお話は興味深いし、総じて見応えのある作品でした。ホラー映画なのに怖くないことは欠点ですが。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/01/Interview-with-the-Vampire_P.jpg" alt="" class="wp-image-9226" width="340" height="481" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/01/Interview-with-the-Vampire_P.jpg 680w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/01/Interview-with-the-Vampire_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/01/Interview-with-the-Vampire_P-71x100.jpg 71w" sizes="(max-width: 340px) 100vw, 340px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-32" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-32">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">難航した映画化</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">トム・クルーズ起用に原作者激怒</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">トムとブラピが不仲だったらしい</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">ブラピ、いやいや演じ続ける</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">興行的には大成功した</a></li></ol></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">腐女子向けホラー</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">トム、ブラピに片思い</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">バンデラス、ブラピに片思い</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">趣味に生きるのが一番</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading" id="作品解説"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading" id="難航した映画化"><span id="toc2">難航した映画化</span></h3>



<p>本作の原作はアン・ライス著の小説『夜明けのヴァンパイア』（1976年）。</p>



<p>この映画化に最初に着手したのはパラマウントで、小説出版前の1976年4月の時点で映画化権を押さえており、原作者自身が脚色。</p>



<p>ルイ役には当時人気だったジョン・トラボルタ、レスタト役にはルトガー・ハウアーが想定されていました。ハウアーは、小説執筆時点でアン・ライスがレスタトのモデルとした人物だったようです。</p>



<p>ですが企画が難航した上に、ジョン・バダム監督の『ドラキュラ』（1979年）、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『ノスフェラトゥ』（1979年）、コメディ映画『ドラキュラ都へ行く』（1979年）ら類似企画とのバッティングを避けるためプロジェクトを一時休止としているうちに、トラボルタとハウアーが年を取り過ぎてしまうという問題が起こりました。</p>



<p>結果、企画は中止。</p>



<p>その後、ワーナーの子会社ロリマー・プロダクションズに売却され、そのロリマーは1993年に解散したことから、親会社ワーナーブラザースの手に渡りました。</p>



<p>ワーナーは『クライング・ゲーム』（1992年）を大成功させたアイルランドの映画監督ニール・ジョーダンに監督を依頼し、ジョーダンは自ら脚本を書いていいことを条件に、これを引き受けました。</p>



<p>クレジット上の脚本家はアン・ライス一人ですが、ジョーダンによる大幅な書き換えがなされたようです。</p>



<p>脚本に関してもうひとネタ。アン・ライスはハリウッドのメインストリームが同性愛の映画を忌避する傾向にあることを憂慮して、異性愛に置き換えたバージョンも執筆していました。</p>



<p>実際、パラマウントでは同性愛と小児愛に難色を示されてスタジオの重役たちの反応が悪かったようだし。</p>



<p>ルイ役を女性に変更。歌手のシェールをキャスティングするというビジョンで、シェールは映画の主題歌として&#8221;Lovers Forever&#8221;という曲も作っていました。</p>



<p>ただしプロデューサーのデヴィッド・ゲフィン自身が同性愛を公言する人物だったこともあり、同性愛の何が悪いってことでシェール関係の企画はすべてボツに。</p>



<p>なお&#8221;Lovers Forever&#8221;は2013年にリリースされたシェールのアルバム収録曲として復活しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="トム-クルーズ起用に原作者激怒"><span id="toc3">トム・クルーズ起用に原作者激怒</span></h3>



<p>本作はキャスティングを巡ってひと悶着あった映画としても有名。</p>



<p>ルイ役はニール・ジョーダン監督就任前からブラッド・ピットに決まっており、特に異論も出なかったのですが、問題はレスタト役でした。</p>



<p>プロデューサーのデヴィッド・ゲフィンがアプローチしたのはダニエル・デイ・ルイスでしたが、ルイスは興味を持たず断られました。</p>



<p>一方、原作者ライスがレスタト役に希望したのは『ワーロック』（1989年）のジュリアン・サンズでしたが、一般的な知名度がないので却下。</p>



<p>ならばとライスはジョン・マルコヴィッチ、ピーター・ウェラー、ジェレミー・アイアンズ、アレクサンドル・ゴドノフと多くの俳優の名を挙げたものの、ジョーダン監督は歳が行き過ぎているとして全員却下。</p>



<p>その後、プロデューサーと監督の打合せでトム・クルーズの名が浮上し、デヴィッド・ゲフィンはその案に大乗り気。脚本を送ったところクルーズ側の反応も良かったのですが、これに大反対したのが原作者ライスでした。</p>



<p>子供っぽいトム・クルーズはどう考えてもレスタトではないし、どうしてもトム・クルーズを使うと言うなら、ブラピと役を交換すべきと提案したのですが（それはそれで面白そう）、その案も採用されませんでした。</p>



<p>結果、ライスはありとあらゆる場でトム・クルーズを批判するようになり、ゲフィンが連絡を取ろうとしても代理人弁護士が出てくるほどの深い溝ができました。</p>



<p>しかし完成した作品を見たライスは、映画を傑作であると褒めちぎると同時に、レスタト役のトム・クルーズを絶賛。謝罪の新聞広告まで出しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="トムとブラピが不仲だったらしい"><span id="toc4">トムとブラピが不仲だったらしい</span></h3>



<p>また、撮影現場ではトム・クルーズとブラピの不仲があったと言われています。</p>



<p>その後のキャリアを見ても、第一線で娯楽作に出演し続けるトム・クルーズと、製作者としてアカデミー賞受賞作を連発するブラピでは映画に対するスタンスがまったく異なっており、その違いが衝突に繋がったのかなと思います。</p>



<p>製作当時で言えば、トム・クルーズは監督から言われた通りにやる穏健なタイプ、ブラピは演出や脚本にも口出しする芸術家タイプだったとか。</p>



<p>現場での一例をあげると、役柄に入り込むブラピは時代劇なんだからということでデオドラント剤を使わず、その結果、体臭が漂ってくるようになったのでトム・クルーズが不快感を示しました。</p>



<p>その他、身長の低いトム・クルーズが高身長のブラピに嫉妬したとか、ゴーカート対決を引きずったとか、いろんな不仲説が報道されていました。</p>



<p>後に二人は<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/ford-v-ferrari" target="_blank">『フォードvsフェラーリ』（2019年）</a>で共演するという話があったものの実現せず、またブラピがアカデミー助演男優賞を受賞した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』（2019年）では、当初トム・クルーズがキャスティング候補にあがっていました。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="ブラピ-いやいや演じ続ける"><span id="toc5">ブラピ、いやいや演じ続ける</span></h3>



<p>共演者同士の不仲に加え、撮影環境も過酷だったため、ブラピは本作の撮影にいい思い出がないようです。</p>



<p>演じる役柄が最初から最後まで陰気で、そのテンションを5か月も維持することがしんどかったようだし、特殊メイクも大変だったとのこと。</p>



<p>本作のバンパイア達は白い肌に血管が透けて見える顔にメイクされるのですが、血管を浮き立たせるため数十分間逆さづりにされるということを、毎日やられていました。</p>



<p>そこにカラコンを装着し、薄暗いセットで演技をさせられる。</p>



<p>これが耐えられなかったというわけでゲフィンに降板を相談したところ、違約金4000万ドルが発生すると言われて、いやいや演技を続けたようです。</p>



<p>他方で凄かったのがトム・クルーズで、本作のために8kg減量、毎日3時間半かけての特殊メイクと、かなりの負荷をかけられたのですが、プロに徹してやり切りました。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="興行的には大成功した"><span id="toc6">興行的には大成功した</span></h3>



<p>本作は1994年11月11日に全米公開され、11月公開作としては史上最高の初動記録で全米No.1を獲得。全米トータルグロスは1億52万ドルで、バンパイア映画として史上最高の売上を記録しました。</p>



<p>国際マーケットでも同じく好調であり、全世界トータルグロスは2億2366万ドルに達しました。6000万ドルの製作費と比較しても、高収益の映画だったと言えます。</p>



<h2 class="wp-block-heading" id="感想"><span id="toc7">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading" id="腐女子向けホラー"><span id="toc8">腐女子向けホラー</span></h3>



<p>ジャンルはホラーで、血もいっぱい流れるのですが、怖い、気持ち悪いという一般的なホラー映画とは趣がかなり異なります。</p>



<p>映画界で吸血という行為は性行動のメタファーであり、本作も同じくなのですが、それを男性同士でやっていることが本作の特徴。トム・クルーズにブラッド・ピットにアントニオ・バンデラスですからね。</p>



<p>また人間に心奪われたバンパイアが、永遠の伴侶を求めて自分の血を分け与えるというロマンス要素が強めに出ていることも、特色のひとつ。</p>



<p>そして、バンパイア側は愛するがゆえにわが血を与えるのだが、受け取った側が必ずしもそれを歓迎するのではなく、「なぜ自分をこんな状態にしたのか」と相手を呪ってくる。</p>



<p>こうした愛憎劇もポイントとなっており、本作はスプラッターを見たいコアな男性ファン向けではなく、イケメン達のドロドロの愛憎劇を眺めたい腐女子向けのホラーだといえます。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="トム-ブラピに片思い"><span id="toc9">トム、ブラピに片思い</span></h3>



<p>1791年、お産で妻子を亡くした農場主のルイ（ブラッド・ピット）は海よりも深く落ち込んでいました。</p>



<p>そこにバンパイアのレスタト（トム・クルーズ）が現れ、最初は狩りの対象としてルイの血を吸うのですが、元より美少年好きのレスタトはルイに惚れてしまい、彼を仲間にしようとします。</p>



<p>自暴自棄だったルイは、どん底の今よりはマシだろうくらいの軽い思慮でOKするのですが、いざパートナーになってみると二人の関係がなかなかうまくいかないというのが本作のあらすじ。</p>



<p>夜しか行動できない、かつ、人間と比較してやたら長寿のバンパイアは基本孤独であり、その孤独から解放されたいレスタトは、狩りのパートナーとしてルイを選んだというわけ。ルイと一緒に人間を狩り、二人で血を吸えば、さぞかし楽しかろうと。</p>



<p>しかしルイは何時まで経っても人間の血を吸いたくないと言い、血を吸う自分を軽蔑した目で見てくるものだから、価値観を共有して楽しく暮らせると思ってたレスタトは、次第にストレスが溜まってきます。</p>



<p>ここで面白いのがルイとレスタトの関係性で、表面上は奔放なレスタトがルイを振り回しているように見えるのですが、実際のところ、振り回しているのはルイの方なんですね。</p>



<p>ルイの行動が気に喰わなければレスタトは離れて行けばいいのに、決してそうはしない。一方でルイはレスタトを求めていないにも関わらずです。</p>



<p>困り果てたレスタトは、ルイの気分を変えるために少女クローディア（キルステン・ダンスト）を仲間に加えます。彼女を二人の間の娘に見立て、カップルが無理なら家族で行動するというモデルに変えたわけです。</p>



<p>最初はレスタトになついていたクローディアですが、何十年経っても大人になれないことに不満を持ち、自分をこんな体にしたレスタトを恨むようになります。</p>



<p>ただし彼女がバンパイアになる原因を作ったのはレスタトではない。これが面白いところです。</p>



<p>空腹に耐えられなかったルイが思わずクローディアの血を吸ってしまい、このまま死なせるか、バンパイアにするかの二択しかなくなったところで、レスタトが彼女をバンパイアにしたのが始まりでした。</p>



<p>しかしレスタトはそのことをクローディアには伝えておらず、全部自分の思惑であるということにしていた。ゆえにクローディアからの恨みを一身に買ってしまったわけですが、その根底にあるのがルイへの愛情であるという辺りがいじらしいですね。</p>



<p>最終的にレスタトは二人に殺されてしまうのですが、それは愛情があるのにうまく家族を愛せないお父さんのようでもあって、実に気の毒に感じました。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="バンデラス-ブラピに片思い"><span id="toc10">バンデラス、ブラピに片思い</span></h3>



<p>レスタトの呪縛を断ち切ったルイ＆クローディアは同族を探すためヨーロッパに渡り、やがて最年長のバンパイア アーマンド（アントニオ・バンデラス）に出会います。</p>



<p>アーマンドはバンパイアグループをまとめるリーダーであり、みんなの前では威厳ある態度をとるのですが、やはりルイには惚れた様子で、二人っきりになると「一緒に生きよう」とか言います。</p>



<p>この時のアーマンドの口説き方が独特で、要約すると「ヨーロッパのバンパイアは古臭くて後先がない。ルイ君のように新鮮な感覚を持つ人こそ仲間にしたい」と、それらしい御託を並べながら迫っていきます。</p>



<p>何とかして若い子と不倫できないかとじたばたするおっさんみたいで面白かったですね。</p>



<p>当然のことながら、首を立てには振らないルイ。</p>



<p>するとアーマンドはルイとクローディアを切り離せばうまくいくと思い、レスタト殺しの罪で二人を処刑すると見せかけて、ルイだけを生存させます。</p>



<p>クローディアを亡くして荒れるルイはバンパイア達を殺害して回り、最後に残ったのはアーマンドとルイだけ。</p>



<p>ここでアーマンドは「もう二人っきりだし、仲良くしよう」と言って再度迫っていくものの、結局はフラれてしまいます。</p>



<p>仲間全員を犠牲にしてまでルイとの関係を求めたのに、結局はフラれるアーマンドが切なかったですね。もっと切ないのはルイに焼かれ、首をはねられた無関係なバンパイア達ですが。</p>



<h3 class="wp-block-heading" id="趣味に生きるのが一番"><span id="toc11">趣味に生きるのが一番</span></h3>



<p>人間でもなく、バンパイア社会に馴染むこともできないルイは一人で生きるようになるのですが、映画が発明されてからは映画オタクになり、『風と共に去りぬ』や『スーパーマン』や『テキーラ・サンライズ』を見に足しげく映画館に通います。</p>



<p>趣味を持てば心も落ち着くもので、そこから先には血生臭いエピソードもなくなります。</p>



<p>愛だの伴侶だの考えず、一人で趣味に生きるのが一番ということなのでしょう。この結論にも興味深いものがありましたね。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】スペシャリスト_爆破と裸は映画の華（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/the-specialist/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 10 Nov 2021 07:22:18 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=8940</guid>

					<description><![CDATA[（1994年 アメリカ）美女の魅力に負けて危険に手を出してしまうスペシャリスト。この筋書きを見る限りはノワールでありファムファタールものなのですが、演技力や演出力がその内容に追いついていませんでした。とはいえ爆破と裸さえ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1994年 アメリカ）<br>美女の魅力に負けて危険に手を出してしまうスペシャリスト。この筋書きを見る限りはノワールでありファムファタールものなのですが、演技力や演出力がその内容に追いついていませんでした。とはいえ爆破と裸さえあれば2時間弱は持ち堪えるもので、見ていられないほど酷い映画でもありません。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P-725x1024.jpg" alt="" class="wp-image-8947" width="363" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P-725x1024.jpg 725w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P-768x1084.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/The-Specialist_P.jpg 850w" sizes="(max-width: 363px) 100vw, 363px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-34" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-34">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">元はセガール主演企画だった</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">低評価だがヒットはした</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">ちぐはぐな映画</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">ファムファタールものになりきれていない</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">爆破は良かった</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">元はセガール主演企画だった</span></h3>



<p>本作は小説家で脚本家でミュージシャンでもあるジョン・シャーリーの小説&#8221;The Specialist&#8221;を原作としており、<a href="https://b-movie.tokyo/point-of-no-return/" data-type="post" data-id="6473" target="_blank">『アサシン 暗・殺・者』（1993年）</a>のアレクサンドラ・セロスの手で脚色がなされました。</p>



<p>この脚本はハリウッド界隈で評判になったようで、1993年にはロサンゼルスタイムスにて、未製作だが最高のスリラーとして紹介されました。</p>



<p>当初はスティーヴン・セガール主演で企画がスタートし、後に『フロム・ヘル』（2001年）を撮るヒューズ兄弟などが監督候補に挙がっていたのですが、セガールの要求してきた出演料が高すぎたので流れました。</p>



<p>その後にスタローン主演に変更。セガールからスタローンへという流れは直前の<a href="https://b-movie.tokyo/demolition-man/" data-type="post" data-id="4078" target="_blank">『デモリションマン』（1993年）</a>でも起こったことですが、同じアクション俳優とはいえ両者のイメージは全然違うと思います。</p>



<p>ローランド・エメリッヒをハリウッドに紹介するなど監督選びにセンスを見せるスタローンは、本作の監督にデヴィッド・フィンチャーを推していたのですが、<a href="https://b-movie.tokyo/alien-3/" data-type="post" data-id="5153" target="_blank">『エイリアン3』（1992年）</a>でやらかした監督というイメージの強かった時期なのでプロデューサーが却下。</p>



<p>フィンチャーとスタローンの合体はぜひ見てみたかったのですが。</p>



<p>その後、ペルー出身で後に<a href="https://b-movie.tokyo/anaconda/" data-type="post" data-id="6163" target="_blank">『アナコンダ』（1997年）</a>などを撮るルイス・ロッサ監督に決定。『山猫は眠らない』（1993年）で職人気質の殺し屋（そちらはスナイパー）を描いたことが人選理由だと思われます。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">低評価だがヒットはした</span></h3>



<p>90年代と言えばスタローンが半ばネタキャラ化していた時期であり、その主演作を褒める批評家は皆無でした。</p>



<p>またラジー賞にも毎年のようにノミネートされており、例にもれず本作も5部門にノミネート（作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、スクリーン・カップル賞）。尚、同年にラジー賞を受賞したのはブルース・ウィリスがエロに挑んだ<a href="https://b-movie.tokyo/color-of-night/" data-type="post" data-id="7904" target="_blank">『薔薇の素顔』（1994年）</a>でした。</p>



<p>そんなわけで肯定的な批評は皆無だったのですが、そうはいっても<a href="https://b-movie.tokyo/cliffhanger/" data-type="post" data-id="64" target="_blank">『クリフハンガー』（1993年）</a>大ヒットの影響が続いていた時期だし、シャロン・ストーンとの激しいカラミもあるということで話題性は十分。</p>



<p>1994年10月7日に公開されるや、前週の1位だった<a href="https://b-movie.tokyo/the-river-wild/" data-type="post" data-id="7630" target="_blank">『激流』（1994年）</a>に2倍もの金額差をつけて堂々のNo.1を獲得しました。</p>



<p>全米トータルグロスは5736万ドル、全世界トータルグロスは1億7036万ドルで、90年代のスタローン主演作でも2番目に高い売り上げを記録（1位は2億5500万ドル稼いだクリフハンガー）。</p>



<p>4500万ドルという大作としては標準的な製作費とのバランスを考えても、上々の売上でした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">ちぐはぐな映画</span></h3>



<p>親の仇をとるため美貌を武器に組織に潜入する女と、心と経歴に傷を持つ殺し屋という組み合わせは間違いなくノワールなのに、舞台となるのは太陽のまぶしいマイアミで、ド派手な爆破で殺害という風情のなさ。</p>



<p>この構図が示す通り本作はちぐはぐな作品で、その違和感は随所から感じられました。</p>



<p>主人公レイ（シルベスター・スタローン）は目立たぬよう質素な生活を送り、移動手段も市営バスなのですが、バスではチンピラと派手に喧嘩。全然世を忍ぶ気がありません。スタローンのようなガタイの良い相手に喧嘩を売るチンピラ達もどうかしていますが。</p>



<p>そもそもスタローンが目標の行動を読んで爆弾を仕掛けるような神経質な殺し屋には見えないという問題もあるし。</p>



<p>またレイの孤独を嗅ぎつけたかのように野良猫が彼の後を追ってくるのですが、これが綺麗なメインクーン。ペットショップだと20~30万円ほどするお高い猫が、マイアミだとその辺の道端をウロウロしているのでしょうか。</p>



<p>なお、この猫はスタローンの次回作<a href="https://b-movie.tokyo/assassins/" data-type="post" data-id="6419" target="_blank">『暗殺者』（1995年）</a>にも、ジュリアン・ムーアの飼い猫として登場します。</p>



<p>殺しの依頼主となるメイ（シャロン・ストーン）はと言うと、どこで売ってるのか分からないほどスカート丈の短い喪服を着て来たり、ノーブラ＆へそ出しという凄まじい恰好で街を歩いたりと、セクシーを通り越して見せたがりの域に達しています。こちらも変でした。</p>



<p>そんな二人が織りなすラブシーンも変。</p>



<p>良い感じになってくるとムーディな音楽が流れ始め、ベッドから始まったのに肝心のカラミはバスルームという普通とは逆の動きをします。</p>



<p>バスルームではタコのように絡み合い、セクシーという感じではありませんでした。</p>



<p>御年48歳にしてラブシーン初挑戦のスタローンがガチガチだったたけではなく、ルイス・ロッサ監督もこの場面をどう撮ればいいのか分かっていなかったようであり、作品のハイライトであろうカラミの出来が悪いのは如何なものかと。</p>



<p>もしもトニー・スコット辺りが監督していれば良い感じになっただろうと思うのですが（本作の撮影監督は<a href="https://b-movie.tokyo/top-gun/" data-type="post" data-id="6529" target="_blank">『トップガン』</a>のジェフリー・L・キンボール）、スコットはスタローンの前妻ブリジット・ニールセンと不倫して離婚理由を作った人物だけに、その人選は無かったのでしょうね。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">ファムファタールものになりきれていない</span></h3>



<p>『スペシャリスト』というタイトルの通り主人公レイは用心深く、メイの依頼は自分をおびき出すための罠ではないかと疑っています。</p>



<p>しかしメイの声と容姿に惹かれ、彼女が潜入目的で犯罪組織のNo.2 トマス・レオン（エリック・ロバーツ）に抱かれていることにジェラシーも覚え、危険を感じつつも仕事を引き受けてしまいます。</p>



<p>本作はファムファタールものでもあるわけです。</p>



<p>女性の魅力に抗えず危険に飛び込んでしまった男のどうしようもなさや、これは本当に罠なのかというサスペンスこそが作品本来の魅力だったはずなのですが、スタローンの演技力とルイス・ロッサの演出力が致命的に不足していたために、この要素が全然生きてきません。</p>



<p>本編中にはいくつかサプライズが仕掛けられているのに、事前のドラマに没入感がないので「なんかごちゃごちゃやってんな」という印象にしかなりませんでした。</p>



<p>決して依頼人には姿を見せないというルールを自らに課してきたレイが、欲望に負けてメイの前に出て行って濃厚なラブシーンに突入するくだりも同様。</p>



<p>この場面でのスタローンは『氷の微笑』でのマイケル・ダグラスみたいな立場に置かれており、もしも女がクロなら殺されるかもしれないという危険と背中合わせのラブシーンだったはずなのに、レイの逡巡が描かれていないので、その緊迫感が伝わってきませんでした。</p>



<p>また、シャロン・ストーンの魔性性も引き出せていません。</p>



<p>憐れな被害者なのか、別の企みを持つ腹黒い女なのかという迷いを観客に対しても与えられておらず、最終的には落ち着くべきところに落ち着いていくだけなので、キャラとしての面白みがまったくありませんでした。</p>



<p>やはりバーホーベンほどの力量を持つ監督は稀少なのでしょう。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">爆破は良かった</span></h3>



<p>そんなわけでいろいろと企画倒れの部分が多かったのですが、そうはいっても本作は90年代爆破アクションの一翼を担った作品だけあって、ハイライトの爆破シーンには見応えがありました。</p>



<p>景気よく火柱が上がり、その後に起こる豪快な対象物の破壊。</p>



<p>爆破でホテルの外壁に損傷を与えて部屋の一角を落とすなど、やってることはかなり荒唐無稽なのですが、これくらいやっても気にならない90年代特有のおおらかな空気が流れていたので、決して嫌いではありません。</p>



<p>警官隊に取り囲まれたレイが自分の拠点をボコボコと爆破していくクライマックスの過剰なまでのド派手さも良かったです。</p>



<p>爆破と裸さえあれば、映画は2時間弱はもつということを示した好例ではないでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】薔薇の素顔_ジェーン・マーチだけが良すぎる（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/color-of-night/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 01 Nov 2021 03:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[サスペンス・ホラー]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ウィリス]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=7904</guid>

					<description><![CDATA[（1994年 アメリカ）犯人探しのミステリーも危険の連続の展開も盛り上がらないダメサスペンスではあるのですが、主演のジェーン・マーチの魅力で何とか持ち堪えているので、まったく見られない駄作でもありません。 目次 作品解説 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1994年 アメリカ）<br>犯人探しのミステリーも危険の連続の展開も盛り上がらないダメサスペンスではあるのですが、主演のジェーン・マーチの魅力で何とか持ち堪えているので、まったく見られない駄作でもありません。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="363" height="512" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/Color-of-Night_P.jpg" alt="" class="wp-image-7905" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/Color-of-Night_P.jpg 363w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/Color-of-Night_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/Color-of-Night_P-71x100.jpg 71w" sizes="(max-width: 363px) 100vw, 363px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-36" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-36">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">ゴールデンラズベリー最低作品賞受賞作</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">興行的失敗とレンタル市場での好調</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">センスのない官能映画</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">スリルのないサスペンス</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">ジェーン・マーチのみ素晴らしい ※ネタバレあり</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">ゴールデンラズベリー最低作品賞受賞作</span></h3>



<p>全米公開時には酷評の嵐で、ゴールデンラズベリー賞（通称ラジー賞）9部門にノミネート、うち最低作品賞を受賞するという不名誉を受けました。</p>



<p>ラジー賞にかすった作品は数多く存在するものの、最低作品賞を受賞した真の駄作とはそうそうありません。</p>



<p>で、驚きなのがブルース・ウィリス主演作でラジー賞最低作品賞受賞作は二本目だということで、彼は『ハドソン・ホーク』（1991年）でも真の駄作の称号を得ています。ここまで立て続けに駄作に出るというのは、それはそれで凄いことです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">興行的失敗とレンタル市場での好調</span></h3>



<p>本作は1994年8月19日に公開されたのですが、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/forrest-gump" target="_blank">『フォレスト・ガンプ一期一会』(1994年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/clear-and-present-danger/" data-type="post" data-id="6401" target="_blank">『今そこにある危機』（1994年）</a>といった息の長い人気作に阻まれて初登場4位と低迷。</p>



<p>その後もランクを上げることはなく、全米トータルグロスは1972万ドルに留まりました。一体何に使ったのか製作費は4000万ドルもかかった作品でしたが、興行は大赤字に終わったというわけです。</p>



<p>ただし大スター ブルース・ウィリス主演の上にエロもありということでレンタルビデオ市場では好調であり、全米では年間トップ20に入るほどの人気作となりました。どこで人気に火が点くかは分からないものです。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">センスのない官能映画</span></h3>



<p>現在から振り返ると信じられないことなのですが、90年代前半はやたら女優が脱ぐ映画が流行していました。</p>



<p>ポール・バーホーベン監督の『氷の微笑』（1992年）が全世界で3億5200万ドル（同年の『アラジン』をも凌ぐ金額）という特大ヒットになったことがきっかけなのですが、同じく官能サスペンスを標榜したマドンナ主演の『BODY/ボディ』（1993年）、レベッカ・デモーネイ主演の『ストレンジャー』（1996年）などが続々公開。</p>



<p>また『ゲッタウェイ』（1994年）や<a href="https://b-movie.tokyo/the-specialist/" data-type="post" data-id="8940" target="_blank">『スペシャリスト』（1994年）</a>など、ジャンルは違うし話の流れ的にもまったく不要なのに、突如濃厚なラブシーンがおっ始まる映画もありました。男としては、そのサービス精神を有難く受け取りましたが。</p>



<p>本作も、そんな中で製作された官能サスペンスの一本。</p>



<p>ラブシーンは他作に負けず劣らずの濃厚ぶりで目を楽しませてくれるのですが、同時にエロをやるにも才能が必要であることも思い知らされました。</p>



<p>ビシっとスーツを着てディナーを食べようとするブルース・ウィリスの向かいには全裸のジェーン・マーチが座っていて、「やっぱり君を食べたいなぁ」とか言って始まるラブシーンなど死ぬほどダサかったです。笑わせようとしてるのかと。</p>



<p>その他にも裸にエプロンなど、センスも捻りもないエロ描写の連続にはまったく風情がありませんでした。この監督はギルガメッシュナイトでも見て勉強したのでしょうか。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">スリルのないサスペンス</span></h3>



<p>NYの精神科医ビル（ブルース・ウィリス）は、セラピー中の患者が目の前で飛び降り自殺を図ったことから精神を病み、友人の精神科医ボブ（スコット・バクラ）の元に一時的に身を寄せるのですが、ボブは何者かに殺されます。</p>



<p>ボブ亡き後には彼の患者を引き取ったビルですが、どうやらその中にボブ殺しの犯人がいるらしいというのが本作のあらすじ。</p>



<p>犯人は一体誰なのかというミステリーと、ビルの身にも危険が及び始めるというサスペンスが映画の両輪だと思うのですが、どちらもうまく機能していませんでした。</p>



<p>まずミステリーですが、容疑者である5人の患者にイマイチ興味を持てないので犯人探しが盛り上がりません。</p>



<p>それぞれ固有の精神疾患を抱えているという設定であり、演じるのもブラッド・ドゥーリフやランス・ヘンリクセンなどの曲者俳優ではあるのですが、人物描写に深みが無さ過ぎるので「心に深い傷を負った多彩なキャラクター」ではなく「変わり者の集まり」でしかないわけです。</p>



<p>次に主人公が危険な目に遭うサスペンスですが、主演がブルース・ウィリスなので「絶対に大丈夫」という無用な安心感が終始漂っています。</p>



<p>中盤では結構派手なカーチェイスにも巻き込まれるのですが、ブルース・ウィリスにとっては日常茶飯事ですからね。ここで死ぬなんてことはまずありえないわけです。</p>



<p>企画の初期にビル役にキャスティングされていたのは<a href="https://b-movie.tokyo/lifeforce/" data-type="post" data-id="4106" target="_blank">『スペースバンパイア』（1985年）</a>のスティーヴ・レイルズバックであり、線が細い上に神経質そうなレイルズバックならばサスペンスにもスリルが伴ったと思うのですが、プロデューサーは一体何を思ってブルース・ウィリスに変更したのでしょうか。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">ジェーン・マーチのみ素晴らしい ※ネタバレあり</span></h3>



<p>そんなわけで面白い要素が少ない作品なのですが、謎の女を演じるジェーン・マーチだけは輝いていました。</p>



<p>軽い追突事故が原因でビルは偶然にも彼女と知り合い、その美貌とエロさの虜になるのですが、ビルが夢中になるのも納得できるくらい彼女は魅力的なのです。</p>



<p>またシャロン・ストーンやマドンナのような肉食系の雰囲気ではなく、幸薄い感じや儚い感じがこのキャラクターの独自性となっています。</p>



<p>加えて、ラストのドンデンは完璧に騙されました。性別を超越した役柄を演じられるって凄くないですか？</p>



<p>彼女はラジー賞で最低女優賞と最低助演男優賞にノミネートされているのですが、なぜそんな評価を受けたのかが全く理解できません。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【駄作】007 ダイ・アナザー・デイ_壊滅的に面白くない（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/007-die-another-day/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 18 Sep 2021 17:04:15 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[駄作]]></category>
		<category><![CDATA[2000年代]]></category>
		<category><![CDATA[007]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（2002年 イギリス、アメリカ）ボンドが00ライセンスを抹消されるというハード路線で始まったのに、いつのまにかムーア時代の緩い空気になっていくという中途半端な作品。シリーズの悪いところがギュッと凝縮されたような内容で、 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2002年 イギリス、アメリカ）<br>ボンドが00ライセンスを抹消されるというハード路線で始まったのに、いつのまにかムーア時代の緩い空気になっていくという中途半端な作品。シリーズの悪いところがギュッと凝縮されたような内容で、ブロスナンボンドでは最低の出来でした。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P-720x1024.jpg" alt="" class="wp-image-8639" width="360" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P-720x1024.jpg 720w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P-768x1092.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/Die-Another-Day_P.jpg 844w" sizes="(max-width: 360px) 100vw, 360px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-38" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-38">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">ダブルアニバーサリー作品</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">世界的大ヒット作</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">シリーズ屈指のアバンタイトル</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">ハード路線から平常運転への急な転調</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">ダブルアニバーサリー作品</span></h3>



<p>本作は記念すべき20作目にして、シリーズ第一弾『ドクターノオ』（1962年）から40年にあたるという、ダブルアニバーサリー作品でした。</p>



<p>そのためか製作費も潤沢で、当時としては過去最高の1億4200万ドルがかけられた実にゴージャスなアクション映画となっています。</p>



<p>ブロスナンによると監督候補にも錚々たるメンツが並んでいたようで、ジョン・マクティアナン、ジョン・ウー、アン・リーらが関心を示していたとか。</p>



<p>そしてトニー・スコットが監督するという話も検討されていたのですが、スコットが「脚本をタランティーノにお願いしよう」と言い出した時点で、製作陣はターゲットの客層から外れてしまうと考えて断りました。ブロスナンはスコットとの仕事を希望していただけに、プロデューサーの判断にはガッカリしたようです。</p>



<p>結局、製作陣は制御可能な監督を望んだことから、ニュージーランド出身で大作の監督経験のないリー・タマホリが選ばれました。</p>



<p>ただし現場でひっきりなしに撮影方法を変えてくるタマホリのやり方にブロスナンは反発し、二人の関係は最悪なものでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">世界的大ヒット作</span></h3>



<p>本作は2002年11月22日に全米公開され、前週１位の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』（2002年）を抑えて初登場１位。</p>



<p>全米トータルグロスは1億6094万ドルで、それまでの最高記録だった『ワールド・イズ・ノット・イナフ』の1億2694万ドルを大きく更新しました。</p>



<p>国際マーケットでも好調で、全世界トータルグロスは4億3197万ドル。こちらもこの時点でのシリーズ最高記録であり、2002年の年間興行成績で第5位という大ヒットとなりました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">シリーズ屈指のアバンタイトル</span></h3>



<p>冒頭の舞台は北朝鮮。世界各国を舞台としつつも、リアルな紛争当事国を扱うことはしてこなかったこのシリーズが、ガチの&#8221;火種&#8221;を取り上げたことにちょっと驚きました。</p>



<p>ボンドはいつもながら大規模な見せ場で目を楽しませてくれるのですが、その後には北朝鮮軍に捕まるという、こちらも異例の事態を迎えます。現実には華麗なる脱出とはいかない、これまたリアルの厳しさを突き付けてくるような鋭さがありました。</p>



<p>とはいえこれは娯楽作品、スパイが受ける拷問を直接的に見せるわけにもいかないので、タイトルバックにて象徴的な形で見せるという表現方法も冴えており、アバンタイトルの出来の良さはシリーズ屈指のものでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">ハード路線から平常運転への急な転調</span></h3>



<p>14か月に及ぶ拷問を受けた後、捕虜交換によりボンドはMI6に返されるのですが、組織はボンドを労うどころか情報の漏洩元はボンドだったんじゃないのかという疑惑をかけてきます。</p>



<p>お国のためハードな状況に耐えてきたにも関わらず半ば裏切者扱いされ、Mに00ナンバーを取り消されるという屈辱までを受けたボンドは、身の潔白を晴らすために施設から脱走し、単身で情報の漏洩元を突き止めようとします。これが作品の導入部分。</p>



<p>ボンドが組織からの支援を受けられなくなるというシチュエーションは『消されたライセンス』以来のものであり、本作は『消された～』と同じくハード路線を行くのかなと思いました。</p>



<p>しかしまもなく、何をやってもボンドが勝利するという大衆娯楽路線が復活し、00ナンバー停止中であるにも関わらず、普通にMと作戦会議をやったりQからの秘密兵器の提供を受けられたりするようになります。</p>



<p>この急な転調にはガッカリでした。</p>



<p>かくして中盤以降のボンドは平常営業に切り替わるのですが、悪い奴が人工衛星を使った大規模な陰謀を仕掛けるという荒唐無稽な話には、やはりしんどいものがあります。</p>



<p>コネリーやムーアの時代には受け入れられた話であっても、映像表現がノーリミットになった時代においては、物語が地に足をつけていないと取り留めもないことになっていくのです。</p>



<p>本作はまさにその罠に陥っており、見せ場が派手で大規模になればなるほど手に汗握らないという逆説的な状況が発生しています。</p>



<p>ボンドがプロのドライバーを超えるテクニックで氷上を駆け抜けた後、サーフィンで極寒の海から生還するという見せ場にはスリルも興奮も宿っておらず、やたら派手で音のでかい映像をぼんやりと眺めるという恐ろしいことになっていました。</p>



<p>本作はかなりの大ヒットになったものの、この路線に未来はないと感じたプロデューサー達が次回作として<a href="https://b-movie.tokyo/007-casino-royale/" data-type="post" data-id="8459" target="_blank">『カジノ・ロワイヤル』（2006年）</a>を製作したのは見事な采配でした。</p>



<p><strong>≪007シリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-the-living-daylights/" data-type="post" data-id="8663" target="_blank">【凡作】007 リビング・デイライツ_重厚な国際情勢を軽く描く</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-licence-to-kill/" data-type="post" data-id="8668" target="_blank">【良作】007 消されたライセンス_地獄のような壮絶さ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-goldeneye/" data-type="post" data-id="8596" target="_blank">【凡作】007 ゴールデンアイ_良くも悪くも伝統に忠実</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-tomorrow-never-dies/" data-type="post" data-id="8603" target="_blank">【良作】007 トゥモロー・ネバー・ダイ_戦うボンドガール</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-the-world-is-not-enough/" data-type="post" data-id="8618" target="_blank">【凡作】007 ワールド・イズ・ノット・イナフ_アクション映画として不十分</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/die-another-day/" data-type="post" data-id="8638" target="_blank">【駄作】007 ダイ・アナザー・デイ_壊滅的に面白くない</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-casino-royale/" data-type="post" data-id="8459" target="_blank">【良作】007 カジノ・ロワイヤル_荒々しく暴力的なボンド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-quantum-of-solace/" data-type="post" data-id="8468" target="_blank">【凡作】007 慰めの報酬_ジェイソン・ボーンみたいにしちゃダメ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-skyfall/" data-type="post" data-id="8475" target="_blank">【良作】007 スカイフォール_Mがボンドガール</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-spectre/" data-type="post" data-id="8481" target="_blank">【凡作】007 スペクター_幼馴染みのブロフェルド君</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-no-time-to-die/" data-type="post" data-id="8740" target="_blank">【良作】007 ノー・タイム・トゥ・ダイ_目を見張るアクション</a></p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】007 ワールド・イズ・ノット・イナフ_アクション映画として不十分（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/007-the-world-is-not-enough/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 18 Sep 2021 17:03:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[007]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1999年 イギリス、アメリカ）ソフィー・マルソー扮するエレクトラの魅力が只事ではなく、シリーズ有数のキャラに仕上がっているのですが、その描写に全精力を投入したのかアクションなどはただ撮っているだけという状態であり、全 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1999年 イギリス、アメリカ）<br>ソフィー・マルソー扮するエレクトラの魅力が只事ではなく、シリーズ有数のキャラに仕上がっているのですが、その描写に全精力を投入したのかアクションなどはただ撮っているだけという状態であり、全体的にはさほど面白くなかったことが難点でした。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P-736x1024.jpg" alt="" class="wp-image-8619" width="368" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P-736x1024.jpg 736w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P-216x300.jpg 216w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P-72x100.jpg 72w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P-768x1068.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/The-World-Is-Not-Enough_P.jpg 863w" sizes="(max-width: 368px) 100vw, 368px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-40" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-40">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">ピーター・ジャクソンが監督候補だった</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">興行的には成功した</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">悪女エレクトラの魅力に尽きる</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">凡庸な演出でアクション映画としては不発</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">ピーター・ジャクソンが監督候補だった</span></h3>



<p>前作の公開後、すぐに続編の企画がスタートし、前作のロジャー・スポティスウッド監督に続投の打診がなされたのですが、『トゥモロー・ネバー・ダイ』があまりに過酷な現場だったこともあり、スポティスウッドからは断られました。</p>



<p>その後に新監督選びが始まり、悪女エレクトラを中心にした物語だったこともあってか『蜘蛛女』（1993年）のピーター・メダックが候補として考えられていたのですが、その後にメダックが監督した『スピーシーズ2』（1998年）が大コケしたことから、その案はなくなりました。</p>



<p>また、同じく女性描写という点から『乙女の祈り』（1994年）のピーター・ジャクソンも候補に挙がったのですが、こちらも次回作『さまよう魂たち』（1996年）で、やっぱりちょっと違うっと思われて候補から外れました。</p>



<p>そのほか、マーティン・スコセッシやジョー・ダンテも監督候補として挙がったのちに、『愛は霧の彼方に』（1988年）のマイケル・アプテッド監督に決まりました。</p>



<p>脚本家としては、21世紀のボンド映画すべてに関わることとなるニール・パーヴィス＆ロバート・ウェイドがシリーズ初参加。</p>



<p>彼らの書いたドラフトを、『ゴールデンアイ』（1995年）、『トゥモロー・ネバー・ダイ』（1997年）のブルース・フィアステンが推敲する形で仕上げられました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">興行的には成功した</span></h3>



<p>本作は1999年11月19日に全米公開され、ジョニー・デップ主演の『スリーピー・ホロウ』（1999年）を僅差で下して1位を獲得。</p>



<p>全米トータルグロスは1億2694万ドルで、前作『トゥモロー・ネバー・ダイ』（1997年）をわずかに上回ってその時点でのシリーズ最高記録を達成。</p>



<p>国際マーケットでも好調で、全世界トータルグロスは3億6183万ドル。こちらでもシリーズ最高記録を達成しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">悪女エレクトラの魅力に尽きる</span></h3>



<p>本作には二人のボンドガールが登場するのですが、うち、ソフィー・マルソー扮するエレクトラ・キングの魅力は突き抜けています。シリーズ全体を通してもトップクラスのキャラクターではないでしょうか。</p>



<p>エレクトラは石油王ロバート・キング卿の娘で、テロリスト レナード（ロバート・カーライル）に誘拐されて命からがら脱出した過去を持っています。そのレナードが再び活動を開始し、今度はロバート・キング卿が殺害されたことから、ボンドの警護を受けることに。</p>



<p>登場時点でのエレクトラはテロの被害者であり、若くして父の事業を引き継いだ女性実業家。そしてボンドは彼女の魅力に夢中になります。</p>



<p>しかしボンドが調べていくうちにエレクトラとレナードはグルであることが判明。かつての誘拐事件でエレクトラの心は完全に壊れており、テロリスト側の人間になっていたというわけです。</p>



<p>心に痛みを感じないエレクトラと身体的な痛みを感じないレナードというコンビには興味深いものがあるのですが、エレクトラの振舞を見ると二人の関係はフェアーなものではなく、一方的な愛情を示しているのはレナードの方であることが分かります。</p>



<p>すなわちエレクトラは、ボンドとレナードの両方を手玉にとっていたというわけで、ここまでの悪女はシリーズ史上類を見ません。</p>



<p>歴代ボンドガールには有名女優を使ってこなかったのですが、そんな規則性を破ってまで国際的な知名度のあったソフィー・マルソーを起用したのも、ちょっとやそっとの実力ではエレクトラを演じられないとの見立てによるものでしょう。</p>



<p>実際、マルソーは妖艶さと狂気の両方を帯びた演技で場の空気を席巻し、『恋におちたシェイクスピア』（1998年）でオスカーを受賞したばかりのジュディ・デンチの存在感をも霞ませます。</p>



<p>その最後も壮絶なもので、彼女は怒り狂ったボンドにより射殺されます。女性、しかも丸腰の相手をボンドが撃つということはかつてなかったし、状況を考えてもあの場面ではエレクトラを人質にしてレナードと交渉すべきだったのに、そうした判断がすべて吹き飛ぶほどボンドが我を失っていたというわけです。</p>



<p>ボンドをここまで精神的に追い込んだ敵は唯一エレクトラだけではないでしょうか。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">凡庸な演出でアクション映画としては不発</span></h3>



<p>そんなわけで本作はキャラクター劇として優れており、またブロスナンボンド前2作と比較するとシナリオには筋が通っているのですが、アクション映画らしいスリルや興奮というものとは無縁だったので、面白くはありませんでした。</p>



<p>プロデューサーたちは本作の成功のカギはエレクトラにあると睨んでいたようで、そのために『歌え！ロレッタ愛のために』（1980年）でシシー・スペイセクにアカデミー主演女優賞をもたらし、『愛は霧の彼方に』（1988年）、『ネル』（1994年）でもそれぞれシガニー・ウィーバーとジョディ・フォスターをアカデミー主演女優賞にノミネートさせたマイケル・アプテッド監督が選ばれたと思われます。</p>



<p>実際、エレクトラをシリーズ随一のキャラクターに仕立て上げたのだからアプテッドは期待されるだけの仕事をしたと言えますが、それ以上のものにもなっていません。</p>



<p>エレクトラ絡み以外の場面は「ただ撮っているだけ」という状態であり、ハラハラもドキドキもなし。</p>



<p>クライマックスは前作『トゥモロー・ネバー・ダイ』に引き続いて船内での格闘なのですが、アクション映画としてきちんとまとまっていた前作と比較すると、本作のダラダラ加減にはかなり厳しいものがありました。</p>



<p><strong>≪007シリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-the-living-daylights/" data-type="post" data-id="8663" target="_blank">【凡作】007 リビング・デイライツ_重厚な国際情勢を軽く描く</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-licence-to-kill/" data-type="post" data-id="8668" target="_blank">【良作】007 消されたライセンス_地獄のような壮絶さ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-goldeneye/" data-type="post" data-id="8596" target="_blank">【凡作】007 ゴールデンアイ_良くも悪くも伝統に忠実</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-tomorrow-never-dies/" data-type="post" data-id="8603" target="_blank">【良作】007 トゥモロー・ネバー・ダイ_戦うボンドガール</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-the-world-is-not-enough/" data-type="post" data-id="8618" target="_blank">【凡作】007 ワールド・イズ・ノット・イナフ_アクション映画として不十分</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/die-another-day/" data-type="post" data-id="8638" target="_blank">【駄作】007 ダイ・アナザー・デイ_壊滅的に面白くない</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-casino-royale/" data-type="post" data-id="8459" target="_blank">【良作】007 カジノ・ロワイヤル_荒々しく暴力的なボンド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-quantum-of-solace/" data-type="post" data-id="8468" target="_blank">【凡作】007 慰めの報酬_ジェイソン・ボーンみたいにしちゃダメ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-skyfall/" data-type="post" data-id="8475" target="_blank">【良作】007 スカイフォール_Mがボンドガール</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-spectre/" data-type="post" data-id="8481" target="_blank">【凡作】007 スペクター_幼馴染みのブロフェルド君</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/007-no-time-to-die/" data-type="post" data-id="8740" target="_blank">【良作】007 ノー・タイム・トゥ・ダイ_目を見張るアクション</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】G.I.ジョー_緩急のない見せ場の連続（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/g-i-joe/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 17 Jun 2021 07:11:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[2000年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=8123</guid>

					<description><![CDATA[（2009年 アメリカ）秘密兵器に秘密基地と男子の大好物がこれでもかと詰め込まれたサービス精神満点の映画なのですが、演出に緩急がなく緊張感のない見せ場がいつ終わるともなく続いているような状態なので、面白くはありませんでし [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2009年 アメリカ）<br>秘密兵器に秘密基地と男子の大好物がこれでもかと詰め込まれたサービス精神満点の映画なのですが、演出に緩急がなく緊張感のない見せ場がいつ終わるともなく続いているような状態なので、面白くはありませんでした。面白くないということを除けば、良い娯楽作だったと思います。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P-683x1024.jpg" alt="" class="wp-image-8125" width="342" height="512" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P-683x1024.jpg 683w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P-200x300.jpg 200w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P-67x100.jpg 67w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P-768x1152.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_P.jpg 960w" sizes="(max-width: 342px) 100vw, 342px" /></figure>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-42" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-42">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">完成までの苦節15年</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">期待外れの興行成績</a></li></ol></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc5" tabindex="0">秘密基地！忍者！タンクトップ！</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">緩急ゼロ！いつものソマーズ演出</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">強いんだか弱いんだか分からないG.I.ジョー</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">ゆるい部活みたいな秘密結社コブラ</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc2">完成までの苦節15年</span></h3>



<p>アメリカのおもちゃメーカー ハズブロが『G.I.ジョー』の映画化権を売ったのは1994年のこと。購入したのは<a href="https://b-movie.tokyo/true-lies/" data-type="post" data-id="5222" target="_blank">『トゥルーライズ』（1994年）</a>のプロデューサー ローレンス・カザノフで、ワーナーで製作するつもりでいました。</p>



<p>しかしカザノフは『モータルコンバット』(1995年）の製作を優先し、本作の企画はいったん立ち消えに。</p>



<p>2003年、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラがこの企画に興味を持ちました。ボナヴェンチュラはワーナー幹部として『マトリックス』（1999年）や『ハリーポッター』シリーズで辣腕を振るった人物であり、プロデューサーとして独立した後、めぼしい企画を探しているところでした。</p>



<p>そして彼の製作会社ディボナヴェンチュラピクチャーズは古巣ワーナーではなくパラマウントとのアライアンスを持っていたことから、本作もパラマウントで製作することとなりました。</p>



<p>『300 〈スリーハンドレッド〉』（2006年）の脚本家マイケル・E・ゴードンが雇われて脚本の執筆がスタートしたのですが、当時はイラク戦争下で軍事ネタはタイムリーすぎたことから、ボナヴェンチュラとパラマウントは同じくハズブロ発の『トランスフォーマー』（2007年）の製作を優先することに。</p>



<p>2005年には『フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い』（2005年）の脚本家ポール・ラヴェットとデヴィッド・エリオットが雇われてゴードンによる初稿の手直しを行い、更に『ソードフィッシュ』（2001年）のスキップ・ウッズ、<a href="https://b-movie.tokyo/collateral/" data-type="post" data-id="6629" target="_blank">『コラテラル』（2004年）</a>のスチュアート・ビーティも次々と関与しました。</p>



<p>しかしネット流出した脚本がファンからの猛烈なバッシングを受けたことから（コブラの設定が気に食わなかったようです）、ハズブロは脚本の全面的な見直しを約束。</p>



<p>2007年には『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』（1999年）のスティーヴン・ソマーズが監督として雇われ、007映画のようなコンセプトを打ち出しました。ソマーズはスチュアート・ビーティと共に脚本の執筆を行い、また日系のアメコミ編集者ラリー・ハマがコンサルタントとして雇われて、ファンが嫌いそうな要素を取り除く作業を行いました。</p>



<p>そして脚本家協会がストライキに突入する前に何としてでも脚本を仕上げる必要性が発生したことから、『パーフェクト・ワールド』（1993年）のジョン・リー・ハンコック、『オーシャンズ13』（2007年）のコンビ脚本家ブライアン・コペルマンとデヴィッド・ㇾビーンが雇われて執筆作業をスピードアップ。</p>



<p>かくして脚本が完成し、2008年2月に撮影開始、2009年8月にワールドプレミアと、ローレンス・カザノフが映画化権を購入して15年後にようやく完成にまで漕ぎつけたのでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">期待外れの興行成績</span></h3>



<p>2009年8月7日に全米公開され、2位のメリル・ストリープ主演作『ジュリー&amp;ジュリア』（2009年）に2倍以上の金額差をつけてのぶっちぎりの1位を獲得。しかし翌週には売上高が半減して思ったように伸びていかず、全米トータルグロスは1億5020万ドルに留まりました。</p>



<p>また国際マーケットでも同様の状態であり、全世界トータルグロスは3億246万ドル。</p>



<p>一般的には悪くない金額ではあるのですが、1億7500万ドルという高額な製作費と比較すると物足りないレベルだし、パラマウントが本作のベンチマークとしていたであろう『トランスフォーマー』（2007年）の売上高7億ドルの半分以下だった点からも、本作の成績は期待外れだったと言えます。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc4">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">秘密基地！忍者！タンクトップ！</span></h3>



<p>世界各国が資金と人材を提供して作り上げた秘密組織G.I.ジョーと、世界制覇をたくらむ悪の組織コブラが、新型の大量破壊兵器ナノマイトを巡って衝突するというのがざっくりとした本作のあらすじ。</p>



<p>実はいろんなサブプロットが錯綜していて、細かい部分まで把握しようとするとなかなか骨が折れるのですが、それらを理解したところで面白さが増すわけでもないので上記程度の認識で大丈夫です。</p>



<p>本作で描かれるのは巨大な秘密基地、特殊な乗り物、特殊な武器、覆面被った敵、そして忍者と、男子の大好物ばかりであり、出されたものを素直に楽しむべき内容となっています。</p>



<p>さらにはお色気もあり。レイチェル・ニコルズにシエナ・ミラーと敵味方両方に美人女優を配置。しかもピッチリのボディスーツや胸元が大きくあいたタンクトップなど、どうぞエロい目で見てくださいと言わんばかりのコスチュームが連続します。</p>



<figure class="wp-block-image aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_レイチェルニコルズ2.jpg" alt="" class="wp-image-8126" width="338" height="506" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_レイチェルニコルズ2.jpg 450w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_レイチェルニコルズ2-200x300.jpg 200w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/G.I.Joe_レイチェルニコルズ2-67x100.jpg 67w" sizes="(max-width: 338px) 100vw, 338px" /><figcaption>全世界の男子を殺しにかかったレイチェル・ニコルズ</figcaption></figure>



<p>特筆すべきは序盤のトレーニング場面。タンクトップ姿のレイチェル・ニコルズがルームランナーで走る様がしばし映し出されるという、全世界の男子騒然の見せ場が待っています。しかもその隣には上半身裸のチャニング・テイタムもスタンバイし、お母様方の目の保養もバッチリという。</p>



<p>スティーヴン・ソマーズ監督は007映画をモチーフにしたとのことで、これらのお色気は意図的に仕込まれたものだと思います。</p>



<p>ただし007がはっきりと性的な描写だと分かる見せ方だったのに対して、本作は「トレーニング場面ですが、何か？」とすっとぼけながら美男美女の肉体を見せるというムッツリな感じだったので、余計にエロさを感じました。</p>



<p>本作のスタッフ・キャストは良い仕事をなさったと思います。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">緩急ゼロ！いつものソマーズ演出</span></h3>



<p>そんなわけでサービス精神満点な作風だったのは結構だったのですが、これらをまとめるスティーブン・ソマーズ監督の演出がイマイチどころかイマニ、イマサンくらいだったので、「見せ場の連続だけど手に汗握らない」という困った状態になっています。</p>



<p>ソマーズ監督の最高傑作と言えば間違いなく『ザ・グリード』（1998年）で、予算的・技術的制約条件がそこそこあったためか見せ場とドラマをうまく繋ぎ合わせて全体を構築し、ユーモアとスリルが絶妙なバランスで組み合わされた良作となっていました。</p>



<p>しかしメジャースタジオからの信頼を得て、予算と人材をいくらでも使えるようになった『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』（2001年）辺りから、彼の映画の見せ場はインフレを起こすようになってきます。</p>



<p>観客に飽きられるのが怖いのか全編を見せ場で固めるようになり、そのために緩急なるものは失われました。</p>



<p>2時間ず～っと誰かが戦って何かが爆発しているだけで、「どうなれば勝ちなのか」「もし負けるとどんな悪いことが起こるのか」といった基本情報の伝達すら甘い状態でボカスカやってるので、そこに緊張とか興奮は伴わないわけです。</p>



<p>さすがに本作でハリウッドから愛想尽かされたソマーズは、以降、大作を取っていません。2009年頃に『地球最後の日』（1951年）のリメイク企画を立ち上げたものの、10年以上に渡って進捗がない状態です。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">強いんだか弱いんだか分からないG.I.ジョー</span></h3>



<p>本編の内容に戻ります。</p>



<p>ナノマイトの輸送を請け負った米軍の車列が、コブラの奇襲によりいとも簡単に壊滅。ナノマイトを奪われるというその瞬間に今度はG.I.ジョーが現れ、コブラを蹴散らしてみせます。</p>



<p>G.I.ジョーめちゃくちゃつぇぇ！</p>



<p>という初登場場面に続き、サハラ砂漠のど真ん中にある秘密基地に舞台が移り、ゴージャスにも程がある武装の数々が映し出されます。</p>



<p>追い込みをかけるように「世界中から選抜した兵士を集めている」とのホーク将軍（デニス・クェイド）の一言。武装も兵士も一流の世界最強部隊であることが強調されます。</p>



<p>しかしその数十分後、少人数のコブラに本部を襲撃されてホーク将軍は負傷、ナノマイトはあっさりと奪われます。</p>



<p>G.I.ジョーめちゃくちゃよぇぇ！</p>



<p>って、一体どっちなんでしょうか。本部を襲撃されてトップが負傷という展開は続編以降に残しておくべきで、第一作ではG.I.ジョーはひたすら強いという設定で通すべきだったと思いますが。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">ゆるい部活みたいな秘密結社コブラ</span></h3>



<p>対するコブラはコブラで変な組織です。</p>



<p>一般的に、悪の秘密結社とは指揮命令系統が実によく出来ているのが特徴です。例えばショッカーは大首領→幹部→怪人→戦闘員という形で組織化されています。『トランスフォーマー』（2007年）のデストロンもメガトロンを頂点としたピラミッド型の組織でした。スタースクリームはメガトロンにヘコヘコしてたでしょ。</p>



<p>が、本作のコブラは組織として洗練されておらず、悪の秘密結社らしさがありません。</p>



<p>その名の通りコブラコマンダー（ジョセフ・ゴードン=レヴィット）がリーダーであることは確かなのですが、その下についているはずのバロネス（シエナ・ミラー）、ストームシャドー（イ・ビョンホン）、ザルタン（アーノルド・ヴォスルー）、Dr.マインドベンダー（ケヴィン・J・オコナー）らはコブラコマンダーに対してタメ口を聞いており、ゆるい部活みたいになっています。</p>



<p>さらに組織図を分かりづらくしているのがデストロ（クリストファー・エクルストン）の存在で、こいつはコブラコマンダーとほぼ同格扱いで、口の聞き方どころか一部の指揮権すら持っているようでした。バイキンマンとドキンちゃんの関係くらい、どちらが上なのかよく分からんわけです。</p>



<p>これら一連の描写から、リーダーの権威が確立されていない未熟な組織にしか見えないので、厄介な敵という印象を持てませんでした。</p>



<p>またコブラの目的が「ナノマイトを持ってる俺らに世界は屈服する」という実にふわっとしたもので、仮に実現したところで何が良いのかよく分からない目的のために、巨大な秘密基地を作ったり、謀略を張り巡らせたり、死の危険を冒したりといったことがまったくピンときませんでした。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

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</div></figure>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場 wp-block-embed-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/g-i-joe-3/" title="【良作】G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ_ジョン・ウーみたいな愛憎劇（ネタバレあり・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="99" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/G.I.Joe-3_2-160x99.webp" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/G.I.Joe-3_2-160x99.webp 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/G.I.Joe-3_2-120x74.webp 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2022/07/G.I.Joe-3_2-320x198.webp 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【良作】G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ_ジョン・ウーみたいな愛憎劇（ネタバレあり・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（2021年 アメリカ）前２作がつまらなかったので本作にも期待していなかったのだが、まさかまさかの面白さだった。全体的にシリアスで、男の友情と裏切りが作品の核をなしており、もはやG.I.ジョーというよりもジョン・ウーの映画だった。感想シリー...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2022.07.05</div></div></div></div></a>
</div></figure>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】GODZILLA（1998年）_言われるほど悪くはない（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/godzilla-1998/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 03 Jan 2021 08:43:11 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クリーチャー・メカ]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[エメリッヒ]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=7435</guid>

					<description><![CDATA[（1998年 アメリカ）悪名高きエメリッヒ版ゴジラは確かに不出来ではあるのですが、日本のゴジラ映画と比較すると随分マシとも言えるレベルなので、世間で言われるほど悪い映画でもないように思います。「これはこれでいいんじゃない [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1998年 アメリカ）<br>悪名高きエメリッヒ版ゴジラは確かに不出来ではあるのですが、日本のゴジラ映画と比較すると随分マシとも言えるレベルなので、世間で言われるほど悪い映画でもないように思います。「これはこれでいいんじゃないの」というのが私の率直な感想です。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="211" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P-211x300.jpg" alt="" class="wp-image-7438" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P-721x1024.jpg 721w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P-768x1091.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_P.jpg 845w" sizes="(max-width: 211px) 100vw, 211px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-44" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-44">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">ゴジラとは</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">二転三転した監督候補</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">困難を極めた新ゴジラ像</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">公開時の悲惨な評価</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">興行的には成功した</a></li></ol></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc9" tabindex="0">かなりイケる導入部</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">ゴジラの個性が確定していない</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">中途半端な人間ドラマ</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">不完全なVFX</a></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">それでも東宝のやつよりは面白い</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>南太平洋で日本の漁船が謎の巨大生物に襲われた。アメリカ政府は現地に科学者チームを送り込んで調査を開始し、フランス政府もまた極秘裏に工作員を送り込んでいた。</p>



<p>アメリカの科学者ニック・タトプロス（マシュー・ブロデリック）は核実験の影響で誕生した新種の巨大生物の仕業であるという仮説を立て、漁船の生存者が「ゴジラ」と呼んだその生物の追跡を開始するが、程なくしてゴジラはニューヨークに上陸。</p>



<p>タトプロスはそのままアメリカ軍によるゴジラ撃退作戦に加わるが、ゴジラの上陸目的が巣作りであり、無性生殖により増加していくという自説を唱えたことから対策班内では浮いた存在となり、元恋人のテレビレポーターが極秘資料を無断で持ち出したことへの責任も問われてチームから追放される。</p>



<p>アメリカ軍からは信用されなかったが、もしゴジラが子供を産めば人類の危機である。タトプロスはフランス工作員フィリップ（ジャン・レノ）と共に独自でゴジラの巣を探し始める。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">ゴジラとは</span></h3>



<p>ゴジラとは1954年に東宝が製作した怪獣映画『ゴジラ』（1954年）の主人公であり、当該作品は当時問題になっていたビキニ環礁の核実験に着想を得たものでした。そんな出自からゴジラは核の落とし子として絶対的な恐怖の対象として描写されており、敗戦後の混沌とした社会背景を反映した陰鬱な作風とも相まって、インパクトの強いキャラクターとなりました。</p>



<p>第一作のヒットを受けて、翌年には『ゴジラの逆襲』（1955年）が公開。アンギラスとの対決が描かれたのですが、シリーズはいったんそこで打ち止めとなりました。</p>



<p>それから7年後の1962年。アメリカで製作中止となった『キングコングvsフランケンシュタイン』の企画が流れに流れて東宝にまでやってきて、東宝はキングコングのキャラクター使用権を取得。そして対戦相手としては日本を代表するモンスターとしてゴジラを立てることにしました。</p>



<p>東宝設立30周年作品として公開された『キングコング対ゴジラ』（1962年）は日本国内での観客動員数が1120万人を超える大ヒットになった上に、世界的な人気キャラクターとの共演作ということで海外セールスも好調であり、東宝に莫大な収益をもたらしました。</p>



<p>ここからゴジラは東宝のドル箱スターとして矢継ぎ早に新作が製作・公開されるようになっていきましたが、子供向けの明るく楽しい作風にシフトしたことから第一作目のキャラクターからは著しく外れていきました。</p>



<p>そこからゴジラというキャラクターは急激に浪費されていき、『メカゴジラの逆襲』（1975年）の興行的惨敗から映画シリーズは再度打ち止めとなりました。</p>



<p>そして9年後の1984年、ゴジラ誕生30周年作品として『ゴジラ』（1984年）が公開されました。60~70年代のヒーロー路線をなかったことにした原点回帰の作風に加えて、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/tidal-wave" target="_blank">『日本沈没』（1973年）</a>の流れをくむ大人向けの災害パニックとして製作された同作は、配給収入17億円というまずまずの結果を収めました。</p>



<p>ここからいわゆる平成VSゴジラシリーズが始まるのですが、1984年版のハードな作風を引き継いだ『ゴジラvsビオランテ』（1989年）の興行収入が伸び悩んだことから次作『ゴジラvsキングギドラ』（1991年）ではファミリー向け路線にシフトし、以降『vsモスラ』（1993年）、『vsメカゴジラ』（1993年）、『vsスペースゴジラ』（1994年）、『vsデストロイア』（1995年）とゴジラ映画は日本の冬の風物詩となりました。</p>



<p>平成VSゴジラシリーズの興行成績はどれも良かったのですが、ハリウッド版が製作されること、しかも3部作構成が予定されていたことから、2005年まで日本でのゴジラ製作中止という契約書上の条件を受け入れて1995年の『vsデストロイア』にてシリーズは一旦終了。</p>



<p>しかし1998年に公開されたエメリッヒ版の評判が悪かったことからハリウッドで続編が製作される目はなくなり、思いのほか早く日本でのゴジラ製作再開の目途が立って1999年に『ゴジラ2000 ミレニアム』（1999年）が公開。興行的には及第点だったことから続編が製作されることとなりました。</p>



<p>ゴジラミレニアムシリーズと名付けられた一連のシリーズはSF的なこだわりが強いオタク向けの作風が特徴となっているのですが、もはやゴジラ単独での興行は不可能と判断されたのか『とっとこハム太郎』との同時上映という形でのリリースとなり、一体誰を相手に商売しているのかよくわからない興行スタイルをとったことから当然の如く伸び悩みました。その結果、第6弾『ゴジラ FINAL WARS』（2004年）で終了。</p>



<p>以降、10年以上というかつてないほど長いブランクを迎えたのですが、レジェンダリー・ピクチャーズが製作した二度目のハリウッド版<a href="https://b-movie.tokyo/godzilla-2014/" data-type="post" data-id="4304" target="_blank">『ゴジラ』（2014年）</a>が世界的な大ヒットとなったことから東宝でのゴジラ製作の機運が高まり、かねてより特撮ファンを公言していた庵野秀明を総監督に迎えた『シン・ゴジラ』（2016年）が製作されました。</p>



<p>徹底したハード路線に振り切った同作は興行成績82.5億円という破格の大ヒットとなった上に、ゴジラ映画として初めてキネマ旬報年間トップ10に入るという批評的な成功も収めたのですが、あくまで単発映画という位置づけだったのでシリーズ化はされていません。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">二転三転した監督候補</span></h3>



<p>話をハリウッド版ゴジラに移します。</p>



<p>ハリウッド版ゴジラの製作が真剣に検討され始めたのは1990年頃でした。前年に『バットマン』（1989年）が大ヒットしたことから、有名なキャラクターを使った超大作製作の機運が盛り上がったことの影響でした。</p>



<p>1992年に東宝から映画化権を取得したソニーは『アラジン』（1992年）を大ヒットさせ、後に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを手掛けることになるコンビ脚本家のテリー・ロッシオとテッド・エリオットに初稿の執筆を依頼。二人はクトゥルフ神話に着想を得た物語を思いつき、ゴジラが宿敵怪獣グリフォンと闘うという内容としました。</p>



<p>ソニーはゴジラファンを公言するジェームズ・キャメロンとティム・バートンの元に脚本を持ち込んだのですが、どちらからも監督依頼を断られました。デヴィッド・フィンチャーにも依頼がいっていたようなのですが、当時のフィンチャーは<a href="https://b-movie.tokyo/alien-3/" data-type="post" data-id="5153" target="_blank">『エイリアン3』（1992年）</a>の失敗から立ち直れていない時期でした。一時はポール・バーホーベンが監督する意向を示したものの話は流れ、バーホーベンとの関係の深いヤン・デ・ボンが監督に就任しました。1994年のことでした。</p>



<p>ゴジラの大ファンであるデ・ボンはやる気満々で絵コンテを仕上げ、CGのテスト作業にまで着手したのですが、製作費の概算見積もりが1億3000万ドルを越えた時点でソニーが難色を示して企画は頓挫。ここでボツにされたプロットはデ・ボンの次回作<a href="https://b-movie.tokyo/twister/" data-type="post" data-id="6170" target="_blank">『ツイスター』（1996年）</a>で流用されることとなります。</p>



<p>その後、『スターゲイト』（1994年）をスマッシュヒットさせたローランド・エメリッヒが監督候補に浮上しました。エメリッヒの強みは独自のVFXチームを抱えていることから製作工程の一括受注が可能だということであり、外注に出す部分が少ないために製作費を安く抑えることができました。</p>



<p>90年代のハリウッドは製作費の高騰に頭を抱えていたのですが、その主要因はVFXがやたら高額だったことでした。業界最大手で毎年のようにアカデミー視覚効果賞を受賞していたVFX工房ILMに外注に出すとバカ高い金額を請求されるので、ジェームズ・キャメロンは独自のVFXスタジオを設立して<a href="https://b-movie.tokyo/true-lies/" data-type="post" data-id="5222" target="_blank">『トゥルー・ライズ』（1994年）</a>を製作するような状況でした。</p>



<p>そうしたVFX内製化の第一人者がエメリッヒであり、もともとプロダクション・デザイナーを志望していたエメリッヒは技術に精通しており、西ドイツ時代から子飼いのスタッフを抱えてVFXを内製していました。</p>



<p>実際、エメリッヒは次回作『インデペンデンス・デイ』（1996年）を僅か8000万ドルで作り上げており、納期と予算の厳守という点でハリウッドからは重宝されていました。その点が、デ・ボン版で製作費超過がボトルネックとなった『ゴジラ』の企画と整合したというわけです。</p>



<p>エメリッヒはゴジラを１億ドル以内で製作可能と主張し、1996年にソニーとエメリッヒの契約が成立。かくしてエメリッヒ体制での製作が決定したのですが、ソニーとの契約後に公開された『インデペンデンス・デイ』（1996年）が年間興行成績でぶっちぎりのNo.1を獲得したことから、エメリッヒに向けられる期待はさらに高まりました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">困難を極めた新ゴジラ像</span></h3>



<p>エメリッヒはテリー・ロッシオとテッド・エリオットによる脚本を放棄して一から企画を組み直すことにしたのですが、いざ具体的な物語を考え始めるとコメディ路線しか思いつかずに苦戦しました。しかしソニーはシリアスに作れと言ってくる。</p>



<p>そんな中でエメリッヒがソニーに提示したのがキャラクターの大幅変更であり、ゴジラに根本的なお色直しを施したうえで、東宝にまで出向いて当該変更の承諾を受けました。なんだかんだ批判されていますが、エメリッヒは無理を言われながらもいろいろ考え、ちゃんと筋を通しながら作っていたのです。</p>



<p>1997年4月に製作が本格始動しましたが、重々しい動きをする日本のゴジラとはまったく違う新ゴジラをどうやって動かせばいいのかアニメーター達には皆目見当もつかず、VFXの作業は捗りませんでした。</p>



<p>従来は現場管理に長けていたエメリッヒが、本作に関してはクリエイティブ面で行き詰まり作業の遅延を起こしかけていたのです。</p>



<p>その救世主となったのがアニメーターのアンドリュー・R・ジョーンズでした。彼は後に『アバター』（2009年）を手掛け、また『ジャングル・ブック』（2016年）と<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/the-lion-king-2019" target="_blank">『ライオン・キング』（2018年）</a>で実写と区別がつかないほど細密なCGアニマルを製作することとなるハリウッドトップクラスのコンピューター・アニメーターであり、『タイタニック』（1997年）の作業が終わってスケジュールが空いたことから本作に参加することとなりました。</p>



<p>ジョーンズの参加により、脚本通りにゴジラを動かすという問題は何とかクリアー。</p>



<p>かくして難産の末に本作は誕生したのですが、結局、製作費は1億3000万ドルもかかりました（実は1億7000万ドルかかったのではという推測もありますが…）。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">公開時の悲惨な評価</span></h3>



<p>前述のとおりクリエイティブ面での困難性から製作は遅れ気味であり、ソニーは作品の質を上げるべく公開日を遅らせるという提案をしたのですが、エメリッヒは予定通りに納品すると主張。</p>



<p>その言葉通り作品は期日に間に合ったのですが、ソニー幹部が作品を見られたのが公開3週間前という本当にギリギリの納品だったためにテスト上映などを行う余裕がなく、プレミアにて初披露となりました。</p>



<p>一般客の反応をうかがいながらの微調整ができていないこともあって、案の定、レビューは最悪。ほぼ満場一致でつまらないという意見であり、本作を肯定的にとらえているレビューを探し出すことが困難という有様でした。</p>



<p>後に、スティンガーズ最悪映画賞が選出する20世紀最悪映画でワースト20に入ったほどであり、酷い出来ということで本作への歴史的な評価はほぼ確定しています。2021年現在に至るまで再評価の機運は微塵も高まっていません。</p>



<p>本作の敗因はドイツ人のローランド・エメリッヒにとってゴジラが身近なキャラクターではなかったために、変えてはいけないオリジナルのスピリットを継承できなかったことであり、後にソニーが社運をかけて『スパイダーマン』（2002年）を製作した際には、原作のファンであることを監督選任の条件の一つとして加えました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">興行的には成功した</span></h3>



<p>そんなわけで映画としての評価は壊滅的だったのですが、興行成績は別。</p>



<p>1998年5月20日に全米公開されるや、3日間で4400万ドルを稼ぎ出すという記録的なオープニング興行成績を叩き出し、前週までの1位だった<a href="https://b-movie.tokyo/deep-impact/" data-type="post" data-id="4748" target="_blank">『ディープ・インパクト』（1998年）</a>を大差で下しての全米No.1ヒットを記録。</p>



<p>2週目も1位をキープした後、3週目にしてジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』（1998年）とマイケル・ダグラス主演の『ダイヤルM』（1998年）に敗れて3位に後退。全米トータルグロスは1億3631万ドルで、年間興行成績第8位という悪くない結果を収めました。</p>



<p>そして国際マーケットではアメリカ以上の強さを見せ、全世界興行成績は3億7901万ドルに及びました。これは年間興行成績第3位という好記録であり、上にいたのは<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735" target="_blank">『アルマゲドン』（1998年）</a>と<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/saving-private-ryan" target="_blank">『プライベート・ライアン』（1998年）</a>だけでした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc8">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">かなりイケる導入部</span></h3>



<p>作品は1950年代の核実験映像から始まるのですが、セピア色の映像と物々しい音楽により描かれるゴジラ誕生場面には『ゴジラ』第一作（1954年）の空気感が宿っており、何度見てもその素晴らしさに身震いしそうになります。</p>



<p>そこから物語は90年代の現代へと移り、軍隊と科学者が謎の巨大生物の痕跡を辿るというモンスター映画としては定番の展開を迎えるのですが、これまたロケーションによるライブ撮影とVFXを組み合わせた場面が連続し、まだ見ぬゴジラへの期待感を大いに高めてくれます。</p>



<p>この映画、導入部は実によくできているのです。</p>



<p>しかも簡潔であり、説明に時間を使いすぎることなく開始25分後にはゴジラはNY上陸。この無駄のなさ、テンポの良さには感心させられました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">ゴジラの個性が確定していない</span></h3>



<p>NY上陸後にはゴジラvs米軍の戦いが始まるのですが、ここから映画の質はガクっと落ちます。</p>



<p>ゴジラを駆除すべき巨大生物として描きたいのか、応援すべきヒーローとして描きたいのかが定まっておらず、物語の見方が最後までよくわからないのです。</p>



<p>ゴジラvs米軍の第一回開戦時。大量の魚におびき出されたゴジラが初めて全身を見せる場面ではヒーロー誕生とでも言いたげな勇壮な音楽が流れ、そこから始まる戦闘においてもゴジラは積極的な攻撃を行わず、町を破壊するのは専ら米軍。</p>



<p>この一連の場面を見る限りでは、映画の作り手たちは観客に対してゴジラへの愛着を覚えて欲しかったのだろうと思います。</p>



<p>しかし程なくして映画は「ゴジラが卵を産んでいる可能性がある」として、もしベビーゴジラが孵化すれば人類の脅威となるから、その前に卵を発見しなければならないという話になっていきます。ここでゴジラは愛すべきキャラクターから駆除すべき巨大生物へと格落ちします。</p>



<p>その後いろいろあって孵化したベビーゴジラ達は『ガメラ2/レギオン襲来』（1996年）の群体レギオンの如く主人公一行を襲い、F-18のミサイルにより焼き払われて人類は事なきを得ます。</p>



<p>ここまでの流れではゴジラは迷惑生物以外の何物でもなかったのですが、ベビーゴジラの死骸を見つめる母ゴジラの悲しげな表情や、その母ゴジラがこれまたミサイル攻撃で死ぬ場面ではゴジラへの感情移入を求めるような演出が再度施され、どう感じていいのかが分からなくなります。</p>



<p>加えて、ゴジラへの同情を求めた数秒後にはゴジラ撃退に歓喜する人々の姿が描かれるので、余計に混乱させられました。この映画は観客に一体何を感じ取ってほしいのだろうか、そもそも作り手たちはゴジラをどんな存在として理解していたのだろうかと。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">中途半端な人間ドラマ</span></h3>



<p>出来が悪いのはゴジラだけではなく、人間のキャラ達も同じくです。感情移入可能なキャラクターが一人もいないので、ドラマに一本筋が通っていないのです。</p>



<p>ただし不思議な点が一つ。頭の中で脚本レベルにまで戻していくと、直感的な感想とは裏腹に登場人物達は意外とよく作りこまれているということに気づきます。なんでしょう、この奇妙な感覚は。そこで人間ドラマについて振り返ってみましょう。</p>



<ul class="wp-block-list"><li>研究のみを愛するあまり世間や学界での立ち回りに無頓着で変人扱いの科学者。</li><li>その元カノで、アンカーウーマンになりたくてテレビ界に入ったが30歳を目前にしてもアシスタント止まりのテレビ局スタッフ。</li><li>彼女を支える気さくなベテランカメラマン。</li><li>母国が生み出してしまったゴジラ騒動に介入するフランス人工作員。</li></ul>



<p>彼らが織りなすミクロなドラマを中心として、行政・軍隊・科学者の連携の悪さや、混乱を煽る方向に動いてしまうマスコミなどマクロな視点も絡められています。こうして振り返るとなかなか複雑なドラマが構築されているのです。</p>



<p>そしてドラマの中心人物はアンカーウーマン志望のオードリー・ティモンズだったと思われます。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="736" height="519" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_Maria-Pitillo.jpg" alt="" class="wp-image-7441" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_Maria-Pitillo.jpg 736w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_Maria-Pitillo-300x212.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/Godzilla-1998_Maria-Pitillo-142x100.jpg 142w" sizes="(max-width: 736px) 100vw, 736px" /><figcaption>マリア・ピティロ扮するオードリー・ティモンズ。ピティロに決定する前にはレニー・ゼルウィガーも配役候補だったとか。<br>©Sony Pictures</figcaption></figure></div>



<p>オードリー以外の登場人物達は一癖も二癖もありつつも独自の分野ですでに確実な実績や評価を手にしており、今回のゴジラ騒動においても各自やるべきことをやっている中で、彼女だけは不完全な職業人として描かれています。この構図から考えるに、彼女の成長譚こそが作品の横糸だったはず。</p>



<p>オードリーは生き馬の目を抜くテレビ業界の住人ではあるが、何としてでも大役を掴んでやろうというガッツもなければ、他人の地位をかすめ取ってでも上に行こうとするズル賢さもない。一度も叶えられたことのないうわべだけの約束を信じて上司の言いなりになり続けて現在に至っています。</p>



<p>そんなオードリーが、元カレが政府の御用学者となったという縁でゴジラ騒動の中心人物の一人となり、職業人として一人前になるまでのドラマ。</p>



<p>終盤、放送を通じてベビーゴジラの脅威を訴え、軍隊の意思決定を変えさせる場面こそが彼女の成長譚のゴールであり、それまで危なっかしかったオードリーがアンカーウーマンとして堂々たるレポートをやりきる場面こそが最大の感動ポイントだったはずなのですが、どうにもこれが決まっていません。</p>



<p>オードリーを演じたマリア・ピティロの演技はその年のラジー賞で最低助演女優賞を受賞するという酷評を受けました。本作以降、彼女はたまにテレビドラマにゲスト出演する程度の女優となり、そのキャリアは本作で終わったと言っても過言ではありません。</p>



<p>ただし問題はピティロの演技力よりも、オードリーというキャラクターが当初の想定よりも小さくされすぎたことではないかと思います。その結果、ただうるさくて場を引っ掻き回すだけの不快なキャラクターになってしまったのではないかと。</p>



<p>『スターゲイト』（1994年）や『インデペンデンス・デイ』（1996年）でも感じたのですが、ローランド・エメリッヒの映画は脚本レベルでは結構しっかりと作りこまれており、決してバカにできるような代物ではありません。</p>



<p>しかしエメリッヒの演出力では自分が書いた脚本のポテンシャルを引き出せないようで、いつも中途半端なところでドラマを切り捨ててしまい、バカ映画と言われてしまうことが常です。本作では特にその傾向が強く出ているように感じます。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">不完全なVFX</span></h3>



<p>加えて、頼みの綱のVFXの出来もよくありません。</p>



<p>都市破壊は同年の<a href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" data-type="post" data-id="4735" target="_blank">『アルマゲドン』（1998年）</a>や<a href="https://b-movie.tokyo/deep-impact/" data-type="post" data-id="4748" target="_blank">『ディープ・インパクト』（1998年）</a>を下回るクォリティであり、NYの街並みがあまりにもミニチュア然としすぎていました。ベビーゴジラが暴れる場面に至っては5年も前の<a href="https://b-movie.tokyo/jurassic-park/" data-type="post" data-id="7554" target="_blank">『ジュラシック・パーク』（1993年）</a>をも下回るレベル。</p>



<p>ライブアクションとの組み合わせなんて最悪で、逃げる兵隊の後ろで戦車が爆発する場面などは遠近感が不自然で合成丸出し。7年も前の<a href="https://b-movie.tokyo/terminator-2/" data-type="post" data-id="4820" target="_blank">『ターミネーター2』（1991年）</a>にもまったく及んでいませんでした。</p>



<p>映像でアッと驚かせるということができていないのでは、夏の大作として赤点としか言いようがありません。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc13">それでも東宝のやつよりは面白い</span></h3>



<p>こうして文句ばかりを書いてきましたが、それでも私は本作を駄作だとは思っていません。</p>



<p>なぜなら、東宝が作ってきたゴジラ映画の大半は本作よりもはるかに酷いものばかりだったから。</p>



<p>子供の頃の私は特撮映画が好きで、昭和のシリーズと平成VSゴジラシリーズは全作見ているのですが、はっきり言って子供騙しにすらなっていない映画ばかりでした。</p>



<p>それらと比較すると、本作は遥かに面白くて見ていられるのです。</p>



<p>本作が公開された時に「日本のゴジラと比べると…」なんて言って本作を貶す評価が多かったのですが、そういうことを言ってる人たちは一体何本ゴジラ映画を見たことがあるのだろうかと疑問に思っていました。</p>



<p>『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』（1969年）や『ゴジラ対メガロ』（1973年）を見ても同じことを言えるのか、あなた方はと。</p>



<p>見方を変えれば、ハリウッドが作ってもゴジラは難しいということを証明した映画だったとも言えます。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【駄作】マーキュリー・ライジング_登場人物が全員愚か（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/mercury-rising/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 28 Jul 2020 09:00:35 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[駄作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ウィリス]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1998年 アメリカ）まったく緊張感のないサスペンスアクション。その原因は追う側も追われる側も合理的な判断を下していないことであり、双方が行き当たりばったりの行動をしているうちに、より多くのボロを出した方が負けるという [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1998年 アメリカ）<br>まったく緊張感のないサスペンスアクション。その原因は追う側も追われる側も合理的な判断を下していないことであり、双方が行き当たりばったりの行動をしているうちに、より多くのボロを出した方が負けるという程度の低い追っかけっこが面白いわけがありません。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="213" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P-213x300.jpg" alt="" class="wp-image-6416" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P-213x300.jpg 213w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P-726x1024.jpg 726w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P-768x1083.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Mercury-Rising_P.jpg 851w" sizes="(max-width: 213px) 100vw, 213px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-46" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-46">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">製作は『アポロ13』のブライアン・グレイザー</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">監督は『冷たい月を抱く女』のハロルド・ベッカー</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">『スーパーマン4/最強の敵』のコンビ脚本家</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">主演はブルース・ウィリス</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">共演はアレック・ボールドウィン</a></li></ol></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc9" tabindex="0">興行的には低迷した</a></li></ol></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">登場人物</a><ol><li><a href="#toc11" tabindex="0">主人公サイド</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">NSA関係者</a></li></ol></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc14" tabindex="0">敵が弱そうに感じられる</a></li><li><a href="#toc15" tabindex="0">おかしな選択ばかりする主人公</a></li><li><a href="#toc16" tabindex="0">子役の演技がリアルすぎて浮いている</a></li><li><a href="#toc17" tabindex="0">見せ場のキレのなさがツライ</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>自閉症児のサイモン（ミコ・ヒューズ）がパズル雑誌の難問を解いたが、それはNSA職員が紛れ込ませていた「マーキュリー」と呼ばれる暗号だった。決して破られるはずのないマーキュリーが解読されたことに焦ったNSA高官クドロー（アレック・ボールドウィン）は、サイモンの自宅に殺し屋を差し向ける。殺し屋はサイモンの両親を殺害したが、肝心のサイモンは見つけられずに退散した。</p>



<p>その後に現場を訪れたFBI捜査官のアート（ブルース・ウィリス）は隠れているサイモンを発見。サイモンは病院に収容されるが、何者かの指示により警備体制が解かれ、殺し屋が現れた。巨大な陰謀の存在を感じ取ったアートは、サイモンを連れて病院を脱出した。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">製作は『アポロ13』のブライアン・グレイザー</span></h3>



<p>1951年LA出身。南カリフォルニア大学映画学科を卒業後はサーファーをしていたという変わり種で、1970年代に数本のテレビ映画を製作した後、『ラブ IN ニューヨーク』（1982年）で仕事をしたロン・ハワードとコンビを組むようになりました。</p>



<p>1986年にはロン・ハワードと共同でイマジン・エンターテイメントを設立し、以降、<a href="https://b-movie.tokyo/backdraft/" data-type="post" data-id="6407" target="_blank">『バックドラフト』（1991年）</a>、『アポロ13』（1995年）、『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)と多くのヒット作を製作。『ビューティフル・マインド』（2001年）ではアカデミー賞を受賞しました。</p>



<p>また大ヒットテレビドラマ<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/24-japan-1" target="_blank">『24 -TWENTY FOUR-』(2001-2010年)</a>も手掛けており、雑誌による映画業界のパワーランキングでは常に上位に名を連ねている大プロデューサーです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">監督は『冷たい月を抱く女』のハロルド・ベッカー</span></h3>



<p>1928年ニューヨーク出身。1960年代に短編監督を何作か監督し、1970年代に長編監督デビュー。</p>



<p>若き日のショーン・ペンやトム・クルーズが出演した『タップス』（1981年）がまぁまぁのヒットとなり、以降はマシュー・モディーン主演の青春ドラマ『ビジョン・クエスト/青春の賭け』(1985年)、ジェームズ・ウッズとショーン・ヤングが共演した『THE BOOST 引き裂かれた愛』(1988年)、一番ダメだった頃のアル・パチーノ主演したサスペンス『シー・オブ・ラブ』（1989年）など、有名俳優を卒なく演出できる監督として重宝されました。</p>



<p>本作に出演したアレック・ボールドウィンとは、ニコール・キッドマン主演のサスペンス『冷たい月を抱く女』（1993年）でも一緒に仕事をしています。</p>



<p>近年はニコラス・ケイジ主演のサスペンス『ヴェンジェンス』（2016年）にプロデューサーの一人としてクレジットされていました。</p>



<p><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/vengeance" target="_blank">ヴェンジェンス【6点/10点満点中】面白くはないが心には残るビジランテもの</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">『スーパーマン4/最強の敵』のコンビ脚本家</span></h3>



<p>脚本を執筆したのはコンビで活躍するローレンス・コナーとマーク・ローゼンタール。</p>



<p>ローレンス・コナーはもともとテレビ界の住人で、『大草原の小さな家』や『探偵レミントン・スティール』などのエピソードを執筆していました。</p>



<p>その後映画界に転身してマーク・ローゼンバーグと組むようになり、マイケル・ダグラス主演の『ナイルの宝石』（1985年）や『スーパーマン4/最強の敵』（1987年）など低品質な続編を手掛けました。</p>



<p>完成作品が観客からの支持を得られるかどうかはともかく、このコンビは続編やリメイクの類を得意としているようであり、『必死の逃亡者』（1955年）のリメイク企画である<a href="https://b-movie.tokyo/desperate-hours/" data-type="post" data-id="6388" target="_blank">『逃亡者』（1990年）</a>、人気シリーズ第6弾『スター・トレックVI 未知の世界』（1991年）、『猿人ジョー・ヤング』（1949年）のリメイク『マイティ・ジョー』（1998年）、往年の名作のリメイク『PLANET OF THE APES 猿の惑星』（2001年）などを手掛けています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">主演はブルース・ウィリス</span></h3>



<p>1955年生まれ。高校卒業後に警備員、運送業者、私立探偵など複数の職業に就いた後、俳優としてニューヨークで下積みを経験し、オフ・ブロードウェイの舞台などに立っていました。</p>



<p>1984年頃にLAに転居してからはテレビ俳優となり、オーディションで3000人の中から選ばれた『こちらブルームーン探偵社』（1985年～1989年）の主演でコメディ俳優としての評価を確立しました。</p>



<p>アーノルド・シュワルツェネッガー、クリント・イーストウッド、リチャード・ギア、メル・ギブソンらに次々と断られた末にオファーが来た<a href="https://b-movie.tokyo/die-hard/" data-type="post" data-id="7052" target="_blank">『ダイ・ハード』（1988年）</a>の主人公・ジョン・マクレーン役でコメディ俳優の枠を超える評価と、国際的な知名度を獲得。以降はハリウッド有数のマネーメイキングスターとして多数の大作に出演しました。</p>



<p>彼のキャリアが独特なのは、第一線に立つスターでありながらインディーズ監督との仕事を積極的に進めていたことであり、比較的低予算で製作された『パルプ・フィクション』（1994年）に出演したり、ディズニーが出資を渋る中でブルース・ウィリスが積極的に製作を働きかけたと言われる『シックス・センス』（1999年）などがその成果となっています。</p>



<p>本作はその『シックス・センス』（1999年）と重複する部分が多く、この時期は父性のある役柄を求めていたのかなと思います。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">共演はアレック・ボールドウィン</span></h3>



<p>1958年ニューヨーク州出身。1986年に映画デビューし、<a href="https://b-movie.tokyo/the-hunt-for-red-october/" data-type="post" data-id="4503" target="_blank">『レッド・オクトーバーを追え！』（1990年）</a>のジャック・ライアン役でブレイク。個人的には、現在に至るまで最高のジャック・ライアンはアレック・ボールドウィンだと思っています。</p>



<p>1993年には人気女優キム・ベイシンガーと結婚し、主演クラスの俳優として活躍していたのですが、リメイク版『ゲッタウェイ』（1994年）、『シャドー』（1994年）、『ヘブンズ・プリズナー』（1996年）と主演作が立て続けにコケたことから、本作に出演した90年代後半から脇役が増えてきました。</p>



<p>本作の出演には気乗りがしていなかったようなのですが、ユニバーサルとの契約の縛りがあったために渋々出演したのが実態だったようです。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc8">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">興行的には低迷した</span></h3>



<p>本作は1998年4月3日に全米公開されましたが、往年のテレビドラマのリメイク『ロスト・イン・スペース』（1998年）と、16週目を迎えてもなお勢いを保っていた『タイタニック』（1997年）に敗れて初登場3位と低迷。</p>



<p>翌週は『スピーシーズ2』（1998年）にすら敗れて6位に落ち、公開5週目にしてトップ10圏外へとフェードアウト。全米トータルグロスは3293万ドルにとどまりました。</p>



<p>世界マーケットでも同じく苦戦を強いられ、全世界トータルグロスは9310万ドル。製作費6000万ドルの大作としてはかなり物足りない金額でした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc10">登場人物</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">主人公サイド</span></h3>



<ul class="wp-block-list"><li>アート・ジェフリーズ（ブルース・ウィリス）：FBIシカゴ支局の捜査官で主に潜入捜査を担当していたが、現場で上司を殴ったことからポジションを外された。親子心中事件という市警の案件を回されて現場に向かったところ、背後に巨大な陰謀があることに気付く。</li><li>サイモン・リンチ（ミコ・ヒューズ）：自閉症の少年で、パズルを解くことが趣味。パズル雑誌に忍ばされていた「マーキュリー」と呼ばれる暗号を解読したことから、NSAに命を狙われることになる。</li><li>トミー・ジョーダン（シャイ・マクブライド）：FBIシカゴ支局の捜査官で、アートの同僚。組織に頼ることのできなくなったアートから協力を依頼される。</li><li>ステイシー（キム・ディケンズ）：気が良すぎて社会にうまく馴染めない求職中の女性。スタバで偶然出会ったアートから一時的にサイモンを預けられたことから、事件に巻き込まれる。</li></ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">NSA関係者</span></h3>



<ul class="wp-block-list"><li>ニコラス・クドロー（アレック・ボールドウィン）：暗号コード「マーキュリー」開発チームを率いており、組織内での評判は高い。決して破られないと思われていたマーキュリーを破られたことは大きな失点に繋がるとして、その隠蔽を図る。</li><li>ピーター・バーレル（リンゼイ・ギンター）：クドロー配下の殺し屋で、サイモンの命を狙っている。記録上は何年も前に死んだことになっている。</li><li>レオ・ぺドランスキー（ボッジ・パイン・エルフマン）：クドローの部下で、マーキュリー開発チームのメンバー。パズル雑誌にマーキュリーを掲載した。サイモンを殺そうとするクドローの方針に反発し、アートとの接触を図る。</li><li>ディーン・クランデル（ロバート・スタントン）マーキュリー開発チームのメンバーで、レオの同僚。サイモン殺害に対する反発はレオと同様だが、クドローを恐れており、レオよりも慎重。</li></ul>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc13">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc14">敵が弱そうに感じられる</span></h3>



<p>本作の主人公の側は、どれも社会からの脱落者のような面々です。アート（ブルース・ウィリス）はFBI内の偉い人を殴って窓際扱いだし、同僚のトミー（シャイ・マクブライド）も上司の顔色を伺っているような窓際予備軍。協力者となるステイシー（キム・ディケンズ）は人が良すぎて悪いことをすべて背負い込んでしまう求職者。</p>



<p>こうした面々がNSAの包囲網を掻い潜りながら子供の命を守り、陰謀を暴いていくことが物語の骨子となっているのですが、負け犬からの思いがけない反撃というせっかくの図式を、本作はうまく娯楽に落とし込めていません。</p>



<p>その要因は敵が強そうではないという点にあります。</p>



<p>彼らと対峙するNSAの高官クドロー（アレック・ボールドウィン）は緻密な作戦でアートを追い込んでいるわけでもないし、たった一人であたふたしていてNSAの組織力も発揮されていません。</p>



<p>その配下の殺し屋バーレルは子供一人を何度も何度も仕留め損ねるような間抜け。おまけに白昼堂々と銃を振り回して監視カメラにバッチリ撮られるようなバカなので話になりません。</p>



<p>特に酷いと思ったのが内部告発をしようとするNSA職員レオとアートが密会する場面で、通信を傍受したバーレルが現場に先回りするのですが、公共の場ということで放てる銃弾は一発限り。</p>



<p>そこでバーレルが殺しのターゲットに選んだのが、なんとレオの方。反撃能力のあるアートを優先して殺し、レオは追い追い始末すればいいんじゃないのと普通は考えるところなのですが、よりにもよってその逆を選んだわけです。案の定、バーレルはアートに追いかけ回されることになるのだから話になりません。</p>



<p>クドロー達は負けるべくして負けたようにしか見えないので、圧倒的強者を相手にした負け犬達の大番狂わせの物語になりえていません。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc15">おかしな選択ばかりする主人公</span></h3>



<p>ただし、バカという点では主人公側も負けてはいません。</p>



<p>サイモンが入院している病院を訪れたアートは殺し屋に襲われ、何か巨大な陰謀が動いていることを察知します。その結果、自身は指名手配犯になりながらサイモンを連れて単独で逃亡するという、考えうる最悪の選択をします。FBIの拠点に連れ帰ればいいのに。</p>



<p>そうして誰も信用できないという行動をとっている割には、スタバで偶然出会ったステイシーにはちょっとサイモンを見ててくれとか気軽に頼むし。サイモンと一緒にいさせるということは、口封じのために消されるリスクをステイシーにも負わせるということなのに、その辺りの逡巡はないわけです。</p>



<p>それどころか一度世話になっただけでは飽き足らず、ステイシーの家にまで押しかけて、泊めてくれとか言い出す始末。もう無茶苦茶ですね。</p>



<p>ステイシーもステイシーで、いくら良い人設定があるとは言え、何か訳の分からんことに焦っているブルース・ウィリスを見てヤバイ人だと思わず、可能な限りの協力をしてあげるというのは、一人の人間として破綻しているような気がしました。</p>



<p>クドローの件もそうでしたが、本作は「なぜ登場人物がこんな選択をしたのか」という点がきちんと整理されていないので、全員が愚かに見えてしまうという問題が発生しています。知恵を使った高度な出し抜き合いではなく、ボロを多く出した方が負けていくような。これではサスペンスが盛り上がるはずがありません。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc16">子役の演技がリアルすぎて浮いている</span></h3>



<p>サヴァン症候群の子供サイモンを演じるミコ・ヒューズは迫真の演技を見せます。サイモン役のために障がい者施設に通うなど、子役ながら大人並みの役作りをした成果なのですが、あまりにもサイモンに成りきりすぎていて映画全体から浮いています。</p>



<p>本作はロバート・デ・ニーロやダスティン・ホフマンが出ている映画ではないのです。ブルース・ウィリスがあたふたしており、ご都合主義的な展開も多く見受けられる娯楽アクションなのだから、ミコ・ヒューズ君は『レインマン』（1987年）で確立されたサヴァン症候群のテンプレ演技をやっておく程度で丁度良かったのです。</p>



<p>たった一人だけ異様にリアルな演技をしていることの違和感が物凄いことになっています。「サザエさん」の中にたった一人だけ劇画タッチのキャラクターが紛れ込んでいるような。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc17">見せ場のキレのなさがツライ</span></h3>



<p>そしてブルース・ウィリス主演の娯楽アクションであるにも関わらず、目を奪われるような見せ場が無かった。そのことが本作の出来にとどめを刺しました。</p>



<p>冒頭、白人至上主義者が占拠する銀行にFBIが突入をかける場面から、アクションの出来の悪さが炸裂します。</p>



<p>FBIがあっちにいて、犯人グループがこっちにいて、FBIがバンバン銃を撃って、犯人グループがバタバタと倒れる。非常に平面的なアクションで、動きというものがまったくありません。</p>



<p>クライマックスでもまったく同じような見せ場が登場します。ビルの屋上にいるクドロー達に対して、ビルの中からFBIの攻撃隊が現れる。FBIはあっちにいて、クドロー達はこっちにいて、FBIがバンバン銃を撃つ。</p>



<p>意図的に冒頭の図式を反芻しているのだろうとは思いますが、アクション映画的にはつまらない見せ場を二度も繰り返されても困るなぁという感じでした。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】ランボー ラスト・ブラッド_熱く激しい怒りの物語（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/rambo-5/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 26 Jun 2020 17:46:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[2010年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（2019年 アメリカ）シンプルで力強い物語とブルータルな見せ場が融合した見事なアクション映画でした。物語はテンプレ通りに盛り上がっていき、クライマックスの戦闘で大爆発する。最高でした。 目次 あらすじスタッフ・キャスト [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（2019年 アメリカ）<br>シンプルで力強い物語とブルータルな見せ場が融合した見事なアクション映画でした。物語はテンプレ通りに盛り上がっていき、クライマックスの戦闘で大爆発する。最高でした。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="209" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P-209x300.jpg" alt="" class="wp-image-6443" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P-209x300.jpg 209w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P-713x1024.jpg 713w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P-70x100.jpg 70w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P-768x1102.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/06/Rambo5_P.jpg 836w" sizes="(max-width: 209px) 100vw, 209px" /></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-48" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-48">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">監督は『キック・オーバー』のエイドリアン・グランバーグ</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">脚本はスタローンとマシュー・シラルニック</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">主演は僕らのシルヴェスター・スタローン</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">作品概要</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">紆余曲折の第5弾</a></li></ol></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc9" tabindex="0">スタローンの浪花節炸裂</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">殺人マシーンに戻るランボー</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">燃えるアクション</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">クライマックスの意味</a></li><li><a href="#toc13" tabindex="0">ランボーのキャラが変わりすぎ問題</a></li><li><a href="#toc14" tabindex="0">久しぶりの映画館だった件</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>前作ラストでアリゾナの実家に戻ったランボーは、牧場を営みながら古くからの友人マリアと、その孫ガブリエラと平穏な暮らしを送っていた。大学進学を控えたカブリエラは、メキシコの友人から実の父親の生存を伝えられる。ランボーの反対を振り切ってガブリエラはメキシコへと足を踏み入れ、人身売買組織に誘拐されてしまう。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">監督は『キック・オーバー』のエイドリアン・グランバーグ</span></h3>



<p>1975年生まれ。『トラフィック』（2000年）、<a href="https://b-movie.tokyo/collateral-damage/" target="_blank">『コラテラル・ダメージ』（2002年）</a>、『アポカリプト』（2006年）、『復讐捜査線』（2010年）などの大作でアシスタント・ディレクターを務め、後者２作で関係の深かったメル・ギブソン主演のクライムアクション『キック・オーバー』（2012年）で監督デビューしました。</p>



<p>その他、Netflixの人気シリーズ『ナルコス』『ナルコス：メキシコ編』でもセカンドユニットの監督を務めており、ラテンアメリカを舞台にした作品に強い様子です。</p>



<p><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/narcos-season1" target="_blank">ナルコス（シーズン1）_麻薬戦争は文字通り戦争だった！【8点/10点満点中】</a><br><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/narcos-mexico-season1" target="_blank">ナルコス:メキシコ編（シーズン1）_熱量が足らない【6点/10点満点中】</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">脚本はスタローンとマシュー・シラルニック</span></h3>



<p>スタローンは<a href="https://b-movie.tokyo/rocky/" target="_blank">『ロッキー』（1976年）</a>でアカデミー賞ノミネート経験も持つ名脚本家でもあり、第一作<a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank">『ランボー』（1982年）</a>以来、本シリーズ全作に脚本家としても関わり続けています。</p>



<p>今回のオリジナルを書いたのはマシュー・シラルニックという人で、テレビドラマ『アブセンシア〜FBIの疑心〜』（2017年～）のクリエイターとして評価された人物です。『アブセンシア』はAmazonプライムにて視聴可能なので、興味があればどうぞ。</p>



<p>シラルニックの脚本は大規模な見せ場が連続するアクション大作だったようなのですが、キャラクターと物語に集中すべきと判断したスタローンによって、見せ場は縮小されたとのことです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">主演は僕らのシルヴェスター・スタローン</span></h3>



<p>1946年ニューヨーク出身。1970年に俳優としてデビューするもパッとせず、ロジャー・コーマン製作の『デス・レース2000年』（1975年）でのマシンガン・ジョー役でようやく二番手の役を掴み取り、自ら脚本を書いた<a href="https://b-movie.tokyo/rocky/" target="_blank">『ロッキー』（1976年）</a>でブレイクしました。</p>



<p>『ロッキー』『ランボー』のシリーズ化で80年代には世界一のマネーメイキングスターとなりましたが、90年代に入ると同業者アーノルド・シュワルツェネッガーの猛烈な追い上げもあって低迷。</p>



<p>しかし<a href="https://b-movie.tokyo/rocky-6/" target="_blank">『ロッキー・ザ・ファイナル』（2006年）</a>と『ランボー最後の戦場』（2008年）の好評を受けて映画人としての評価を確立し、『エクスペンダブルズ』シリーズで完全復帰を果たしました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">作品概要</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">紆余曲折の第5弾</span></h3>



<p>1982年に始まったランボーシリーズは、年間興行成績第２位という猛烈な大ヒットを記録した<a href="https://b-movie.tokyo/rambo-2/" target="_blank">『ランボー/怒りの脱出』（1985年）</a>で頂点を極め、悪者にしたソ連軍が公開直前にアフガンから撤退し非常にバツの悪い形で公開された<a href="https://b-movie.tokyo/rambo-3/" target="_blank">『ランボー3/怒りのアフガン』（1988年）</a>で地に堕ち、ブルータルなアクションが好評を博した『ランボー/最後の戦場』（2008年）で息を吹き返しました。</p>



<p>前作『ランボー/最後の戦場』（2008年）が公開中の時点から、スタローンは作品がヒットすれば続編を製作すると公言しており、同作が全世界にて1億ドルを越える興行成績を記録したことから、2008年には企画がスタートしました。</p>



<p>最初はランボーの故郷アリゾナを舞台にした物語として構築していたのですが、なかなかうまくいかずに断念。この時の脚本はジェイソン・ステイサム主演の『バトルフロント』（2013年）になりました。</p>



<p>その他、北極圏にてランボーが特殊部隊を率いて異星人と戦うというスタローン版プレデターみたいな話も検討されていたのですが、うまくまとまらず2010年にスタローンが製作中止を発表しました。</p>



<p>2011年には<a href="https://b-movie.tokyo/conan-the-barbarian-2011/" target="_blank">『コナン・ザ・バーバリアン』（2011年）</a>のショーン・フッドによって『ランボー/ラスト・スタンド』と名付けられた脚本が書かれました。小さな町を舞台に、覚せい剤を売買する軍隊とランボーが死闘を繰り広げる話だったのですが、結局ボツに。</p>



<p>その後、2000年代半ばに『ザ・ハリケーン』（1999年）のダン・ゴードンが執筆して製作開始寸前にまでいったものの、土壇場のところでミャンマーを舞台にした『ランボー/最後の戦場』（2008年）に置き替えられた『ランボー4/ボーダーライン』の脚本が流用されることになりました。</p>



<p>十数年前に書かれたこの脚本をマシュー・シラルニックがブラッシュアップし、スタローンによる書き直しを経て『ランボー/ラスト・ブラッド』の脚本が完成したのでした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc8">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">スタローンの浪花節炸裂</span></h3>



<p>1970年代よりスタローンの映画は湿っぽくて通俗的で、私は浪花節だなと思って見てきたのですが、本作でもその傾向は継続しています。というか、より強固なものとなっています。</p>



<p>小さくても幸せな生活があって、それを悪者によって壊されて、怒ったランボーが仕返しをする。メキシコ人が犯罪に走らざるを得ない事情や、国境の街の複雑な事情といった社会的な考察は一切なく、今時珍しいほどの勧善懲悪の物語となっています。</p>



<p>この古風な物語に私は完全にハマりました。ネタバレも何も言いようがないほど物語はレンプレ通りで、予想から1mmもブレることなく進んでいくのですが、王道ならではの安定感や力強さというものがあって、実に面白いのです。</p>



<p>物語の序盤、ランボー（シルヴェスター・スタローン）が我が子のように大事に育ててきたガブリエラ（イヴェット・モンリール）がメキシコの実父に会いに行きたいと言い出します。</p>



<p>行けば絶対にえらい目に遭うことが分かっているので、観客は「行くな！」と思うわけです。この時の不穏な空気や、ガブリエラの身を案ずるランボーと観客の一体感などは、実によく計算されています。</p>



<p>そこから憎たらしい悪党が現れ、ガブリエラがとんでもなく酷い目に遭わされ、怒ったランボーが血の雨を降らせることとなるのですが、徹底的に観客にストレスを与えた後の大反撃という流れも定番ながらしっかりと出来上がっています。</p>



<p>捻りも、難しい考証もないものの、映画として基本的なことが非常によく出来ているなと感心しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">殺人マシーンに戻るランボー</span></h3>



<p>ここ10年のランボーは先祖代々の牧場を守り、ガブリエラを大事に育て、ベトナム仕込みのトラッキング技術を災害救助に役立てるという、世のため人のための道を見つけて生きていました。</p>



<p>しかしメキシコの人身売買組織に大事なガブリエラを奪われたことから、殺人マシーンへと戻っていきます。</p>



<p>人身売買組織を切り盛りするメキシコ人兄弟のうち、まず弟の方を惨殺。あの夜のうちに兄の方も暗殺しておけばそこで終われたはずなのですが、あえて兄には手を出さず、弟の死体に挑戦状をぶっ刺して一旦退散するわけです。</p>



<p>ここで分かるのは、もはやランボーの目的な復讐ではないということです。復讐はギャングの弟を殺した時点で終わっています。怒りと同時にランボーの中に存在しているのは戦争をしたいという願望であり、あえて兄の方をけしかけ、自分のフィールドに呼び寄せているのです。</p>



<p>ガブリエラという生きがいを失ったから、かつての生きがいであった戦争をおっ始めようとするランボー。ここに「一人だけの軍隊」という第一作のテーマが再浮上するように出来ています。この辺りの構成は実に興味深く感じました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">燃えるアクション</span></h3>



<p>それまで情緒的だった映画は、ここから急激に熱くなっていきます。</p>



<p>ブライアン・タイラーのBGMがガンガンに鳴り始め、自宅の牧場を要塞に改造するランボーと、戦闘部隊を引き連れてアメリカ国内にやってくるメキシコの犯罪組織が交互に映し出されます。</p>



<p>ランボーの自宅にはマシンガンが何挺もあるのですが、あえてそれらは使わず、狩猟用の二連銃とナイフで武装します。マシンガンで効率よく敵を片付けるつもりはない、一人一人苦痛を与えながら殺してやるという決意の表れのような武装でした。</p>



<p>牧場に溝を掘り、ガソリンを流し込んで作ったファイヤーウォールにしても、普通ああいうものは外敵を本丸に入れないために用いるものなのですが、今回のランボーは敷地内に入った敵を外に出さないために使っています。もう殺す気まんまんという。</p>



<p>そしてついにまみえたランボーと犯罪組織は、過剰なまでの血が飛び散る地獄の戦闘を開始します。戦闘というか、ランボーによる一方的な殺戮なのですが。</p>



<p>これまで悪事の限りを尽くしてきた犯罪組織が面白いように殺されていくことの高揚感。不謹慎ながら、観客は目の前の地獄絵図に興奮を覚えます。クライマックスのアクションは予想を超えるほどの迫力と興奮に満ちているので必見なのです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">クライマックスの意味</span></h3>



<p>戦闘を負え、その過程で何発か被弾したランボーは、家のポーチのロッキングチェアに腰掛けます。チェアに全体重を預けてしばらくぐったりとするランボーですが、次の瞬間、馬に乗って駆けだします。</p>



<p>ロッキングチェアに座った時点では、恐らくランボーはそのまま死ぬつもりだったのでしょう。生きがいだった疑似家族を失い、その弔い合戦も終わった。もはや自分には何も残っていないので、ここが散り際だなと。</p>



<p>しかしランボーは考えを変えます。何も残っていないのはその通りだが、それでも生きるのだと。馬で駆け出すラストは、彼が生きる道を選択したことを示しています。</p>



<p>これは<a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank">『ランボー』第一作</a>と整合するラストです。アメリカに帰国しても職も友人も行き場もなかったランボーは、警官隊相手の戦闘で死のうとしていたのですが、最後は投降を選びました。</p>



<p>ランボーにとっての生とは、もしかしたら死よりも重く苦しいものなのかもしれません。それでも生と向き合うのであるということが、シリーズを通したランボーの一貫した姿勢なのです。</p>



<p>そんなシリーズの流れを踏襲した本作のラストも素晴らしいと感じました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc13">ランボーのキャラが変わりすぎ問題</span></h3>



<p>と、アクション映画としては大満足だったのですが、一点だけ気になったのがランボーの人格が前作までとまったく繋がっていないということでした。</p>



<p>序盤からべらべらとよく喋り、普通に笑顔も見せる。これはもうランボーじゃないよなと。第一作の原作者のデヴィッド・マレルも本作には批判的だったようなのですが、確かにその気持ちは分からんでもないです。</p>



<p>ランボーが疑似家族を持ち、普通の人間のように生きているのはやはり違うと思います。孤独な部分、人を寄せ付けない部分があってこそのランボーなのです。</p>



<p>例えばガブリエラは近所の少女で、ランボーは影ながらその成長を見守ってきたが、犯罪組織に危害を加えられたので立ち上がったという『レオン』（1994年）や『アジョシ』（2010年）みたいな話の方がしっくりきます。</p>



<figure class="wp-block-embed-wordpress wp-block-embed is-type-wp-embed is-provider-公認会計士のわんぱく洋画劇場"><div class="wp-block-embed__wrapper">

<a href="https://b-movie.tokyo/leon/" title="【良作】レオン_燃えるアクションと秀逸なドラマ（ネタバレあり・感想・解説）" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf" target="_blank"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="160" height="90" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2.jpg 1315w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2-300x169.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2-1024x575.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2-160x90.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2-768x432.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/01/Leon_1-2-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">【良作】レオン_燃えるアクションと秀逸なドラマ（ネタバレあり・感想・解説）</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">（1994年 フランス・アメリカ）アクションとドラマが絶妙に絡み合った良作です。ただし完全版は蛇足。劇場版のリリースが止まっていて出来の良い方のバージョンを容易に見られない状況がしんどいのですが、TSUTAYAに行けば運よく出会えるかもしれ...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://b-movie.tokyo" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">b-movie.tokyo</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.01.03</div></div></div></div></a>
</div></figure>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc14">久しぶりの映画館だった件</span></h3>



<p>作品評ではなくて申し訳ないのですが、備忘的に社会風潮についても書いておきます。</p>



<p>新型コロナウィルスの流行で映画館を開けられない、新作が公開されないという中で、今回が久しぶりの映画館でした。振り返ると最後に映画館に行ったのは2020年3月17日だったので、実に3か月ぶりの映画館ということになります。</p>



<p>やっぱりスクリーンで映画を見るという体験は良いものです。動画配信の隆盛で映画館などのリアルのサービスがヤバイなどと言われていましたが、こうして体験できなくなると、リアルの施設の有難みが分かるようになるものです。</p>



<p>あと今だけのことですが、座席が一つ空けだったので隣の席の人とのひじ掛けの取り合いが生じることがなく実に居心地が良かったです。映画館の経営は心配ですが。</p>



<p>これは今だけの特典なので、ぜひこの快適さを満喫すべきだと思います。デートには不向きですが。</p>



<p><strong>≪ランボーシリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank">ランボー【傑作】ソリッドなアクションと社会派ドラマのハイブリッド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-2/" target="_blank">ランボー/怒りの脱出【駄作】アクションとテーマが打ち消し合っている</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-3/" target="_blank">ランボー３/怒りのアフガン【良作】見ごたえあるアクション大作</a> <br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-5/" target="_blank">ランボー ラスト・ブラッド【良作】熱く激しい怒りの物語</a></p>



<p></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】ランボー３/怒りのアフガン_見ごたえあるアクション大作（ネタバレなし・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/rambo-3/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 26 May 2019 15:29:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[マリオ・カサール]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1988年 アメリカ）本作の置かれた政治的微妙さはこの際置いておくとして、アクション映画としては非常に充実した内容となっています。世間的にはシリーズ中もっとも評価の低い作品らしいのですが、十分面白いアクション映画だと思 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1988年 アメリカ）<br>本作の置かれた政治的微妙さはこの際置いておくとして、アクション映画としては非常に充実した内容となっています。世間的にはシリーズ中もっとも評価の低い作品らしいのですが、十分面白いアクション映画だと思いますよ。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="211" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo3_P-211x300.jpg" alt="" class="wp-image-192" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo3_P-211x300.jpg 211w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo3_P.jpg 550w" sizes="(max-width: 211px) 100vw, 211px" /><figcaption>©  Tri-Star Pictures, Inc., </figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-50" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-50">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">監督のピーター・マクドナルドって何者？</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">脚本はスタローン、他1名</a></li></ol></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">登場人物</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">当時としては史上最高額の作品</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">政治的には微妙な作品</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">アクション大作としては合格すぎる出来</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>タイの寺院で働くランボーの前に元上官のトラウトマン大佐が現れ、ソ連軍の侵略と戦うアフガニスタンの戦士に武器を届けるルート開拓の手伝いを依頼される。ランボーは断ったが、後にトラウトマンがソ連軍に拘束されたと知るや、ランボーはすぐにアフガニスタンへと向かった。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">監督のピーター・マクドナルドって何者？</span></h3>



<p>1939年ロンドン生まれ。1950年代より撮影技師として映画界で働くようになり、1979年代末から第二班監督も務めるようになって『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』（1980年）や『エクスカリバー』（1981年）などに参加しました。前作『ランボー/怒りの脱出』（1985年）にもノークレジットながら参加しています。</p>



<p>本作『ランボー3/怒りのアフガン』が監督デビュー作となるのですが、本作後には再び第二班監督に戻り、『バットマン』（1989年）、『デッドフォール』（1989年）、『ハリー・ポッター』シリーズ、『ボーン・アルティメイタム』（2007年）、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』（2014年）などに参加しています。</p>



<p>これだけ息の長いキャリアを誇っているということは、現場での仕事がめちゃくちゃによくできるということなのだろうと思います。</p>



<p><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/tango-and-cash" target="_blank" aria-label="デッドフォール【6点/10点満点中_ユルいけど楽しい】（ネタバレあり感想） (新しいタブで開く)">デッドフォール【6点/10点満点中_ユルいけど楽しい】（ネタバレあり感想）</a></p>



<p>撮影開始時点での本作の監督は『ハイランダー 悪魔の戦士』（1986年）のラッセル・マルケイでしたが、スタローンとの創作面での方向性の不一致により撮影開始後２週間で降板。その後、荒れた現場の立て直しに呼ばれたのが、現場掌握力の高いピーター・マクドナルドでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">脚本はスタローン、他1名</span></h3>



<p>前々作、前作に引き続き、スタローンが脚本を執筆しているのですが、もう一名シェルドン・レティックなる人物が脚本家としてクレジットされています。</p>



<p>レティックは1951年NY生まれ。海兵隊員としてベトナム戦争に従軍した後は、カメラマンになることを目指していました。しかし彼が脚光を浴びたのはベトナムでの経験を舞台化した”Tracers”の共同作者としてであり、本作への起用もこの経歴によるものと思われます。</p>



<p>本作後にはジャン=クロード・ヴァン・ダムの初期作品に頻繁に関わるようになり、『ブラッドスポーツ』（1988年）、『ライオンハート』（1990年）、『ダブル・インパクト』（1990年）の脚本を執筆しています。1998年にはヴァン・ダムと共同で『レジョネア 戦場の狼たち』の脚本を執筆し、本作のピーター・マクドナルドが監督を務め、また『ランボー/怒りの脱出』（1985年）のスティーヴン・バーコフが出演しています。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc5">登場人物</span></h2>



<ul class="wp-block-list"><li>ジョン・ランボー（シルヴェスター・スタローン）：前作のラストでトラウトマンの元を去った後、タイの寺院の修復を手伝いつつ、必要な金は賭け試合への出場で稼いでいた。穏やかな生活ですっかり憑き物が落ちたようになっており、初対面のモーサから「実戦には参加したことがないね」と言われるほどだった。トラウトマンよりアフガニスタンへの武器供給路開拓任務への参加を要請されたものの、現在の平穏を守りたくて一旦は辞退。しかし、後にトラウトマンがソ連軍に捕らえられると、単身アフガニスタンへと乗り込んだ。</li><li>サミュエル・トラウトマン大佐（リチャード・クレンナ）：ソ連軍の侵攻に抵抗するアフガニスタンの民兵達に、ヘリを撃ち落とすためのスティンガーミサイルを供給するルート開拓をおこなっていた。事前にランボーに参加を打診したが断られたため、単身アフガニスタンへ乗り込んだところ、ソ連軍に拘束された。大佐という立派な肩書の割には現場仕事が多いし、ランボー以外に部下がいる様子がない。</li><li>ザイセン大佐（マーク・ド・ジョング） ：ソ連軍大佐で、トラウトマンがターゲットとした地域の司令官。残忍な性格と軍人としての抜け目のなさで悪名が高い。大佐という肩書にも関わらず自らヘリを操縦して前線に出てくるほどの現場主義者であり、敵とするには厄介だが、自軍からはめちゃくちゃに信頼されるタイプだと思われる。</li><li>モーサ（サッソン・ガーベイ）：ムジャヒディンの一人で、ランボーの現地協力者。道案内役に徹しており、戦闘ではほぼ役に立たず、かと言って足を引っ張ることもない。</li><li>マスード（スピロス・フォーカス）：ムジャヒディンのリーダー。「あなたの気持ちも分かるが、我々もいろいろ大変でねぇ」と言って、ランボーの提案するトラウトマン奪還作戦への参加を拒否した。実在した反ソ連ゲリラの司令官・アフマド・シャー・マスードがモチーフだと思われる。<br> <a rel="noopener" aria-label="アフマド・シャー・マスード（Wikipedia） (新しいタブで開く)" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%89" target="_blank">アフマド・シャー・マスード（Wikipedia）</a></li><li>ウーリ（シャビー・ベン・アロヤ）：ソ連軍からの脱走兵で、基地の構造をランボーに教える。</li></ul>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">当時としては史上最高額の作品</span></h3>



<p>前作『ランボー/怒りの脱出』も4400万ドルという尋常ではない製作費がかけられていましたが、同作の世界的な大ヒットによりその続編である本作の製作費はさらにオン。6300万ドルという、当時としては史上最高額の製作費が投入されました。</p>



<p>これがいかに凄い金額かというと、同年のアクション大作『ダイ・ハード』（1988年）の製作費が2800万ドル、翌年の大ヒット作『バットマン』（1989年）の製作費が3500万ドルであり、ちょうど両作を足したのと同じくらいの金額を本作一本で使い切っているのです。</p>



<p>金曜ロードショーでの初放送時に水野晴郎さんも熱く説明されていましたが、本作に登場するソ連軍のヘリや戦車はホンモノ。中東戦争でイスラエル軍が鹵獲した実機を撮影に使用するという、映画の撮影を越えたことをやっています。</p>



<p>この頃のカロルコは異常で、同年にシュワルツェネッガーが主演した『レッドブル』（1988年）ではハリウッド映画として初めて赤の広場での撮影を許可されており、映画の撮影にあたって政府レベルの交渉をしていました。</p>



<p>同年に製作した作品ながら、一方ではソ連政府に国内での撮影を許可してもらい、もう一方ではソ連と敵対している国から鹵獲した実機の使用を認められるなど、マリオ・カサールは一体何枚の舌を持っていたんだという感じです。</p>



<p><a rel="noopener" aria-label="レッドブル（1988年）【7点/10点満点中_すべてが過剰で男らしい】（ネタバレあり感想） (新しいタブで開く)" href="https://movie-review.net/red-heat" target="_blank">レッドブル（1988年）【7点/10点満点中_すべてが過剰で男らしい】</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">政治的には微妙な作品</span></h3>



<p>前々作・前作とベトナム戦争のトラウマをテーマにしてきたシリーズですが、第三弾になってついにベトナムから離れ、ソ連のアフガン侵攻をテーマにしました。</p>



<p>内容は、ソ連の侵攻に対して旧式の武装で対抗しているムジャヒディンにアメリカが非公式に武器を届けたくてトラウトマンがそのルート開拓をするという、現在の価値観で見ると結構微妙なものとなっています。</p>



<p>その当時のスタローンに知る由はないにせよ、敵の敵は味方という理屈で世界中に武器を配り、兵士を訓練してきた結果が2001年の同時多発テロ事件に繋がるのですから。</p>



<p>また本作公開の３か月前にソ連はアフガン撤退を表明し、作品に込めた主張がほぼ無に帰すというバツの悪いことにもなりました。</p>



<p>本来は喜ぶべきニュースではあるのですが、監督のピーター・マクドナルドは作品の興行成績への悪影響を懸念したと言います。ソ連軍がいかに悪い連中かを告発する内容の映画を、ソ連の撤退表明後にやったって説得力ゼロですからね。</p>



<p>マクドナルドの懸念は的中し、本作の全米興行成績は5300万ドルと、1億5000万ドル以上稼いだ前作の1/3程度にまで落ち込みました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">アクション大作としては合格すぎる出来</span></h3>



<p>政治的メッセージがアレなのは仕方ないとして、アクション映画としては非常にハイレベルな作品となっています。</p>



<p>ただダラダラと爆破を見せられるだけでスリルや興奮とは無縁だった前作からは一転して、見せ場にきちんと流れがあり、見事なアクション大作として仕上がっているのです。</p>



<p>例えば前半でランボーが敵基地に潜入する場面。</p>



<p>当初は隠密行動で敵に見つかってはならないという緊張感が画面を支配しているのですが、敵兵士の放った銃声をきっかけに一大戦闘が開始され、そこからはバカバカしいほどに爆破が連続し、目を楽しませてくれます。</p>



<p>直前までの隠密行動とのコントラストが実に見事であり、銃声をきっかけにメインテーマが高鳴るという音楽による援護も良くて、アクション映画として当然の演出が教科書的ながらも実にうまくハマっていく感じが見ていて気持ちよかったです。</p>



<p>その後は最終決戦まで間断なく見せ場が連続し、飽きる暇がありません。</p>



<p>加えて、かけた金がきっちりと画面に反映されており、大規模な爆破は迫力満点だし、実機を使用したヘリチェイスにはその他のアクション映画にはない説得力がありました。</p>



<p></p>



<p>クライマックスのヘリvs戦車という前代未聞のチキンレースも、その奇抜なアイデアを見事に形にできていました。</p>



<p><strong>≪ランボーシリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank">ランボー【傑作】ソリッドなアクションと社会派ドラマのハイブリッド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-2/" target="_blank">ランボー/怒りの脱出【駄作】アクションとテーマが打ち消し合っている</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-3/" target="_blank">ランボー３/怒りのアフガン【良作】見ごたえあるアクション大作</a> <br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-5/" target="_blank">ランボー ラスト・ブラッド【良作】熱く激しい怒りの物語</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【駄作】ランボー/怒りの脱出_アクションとテーマが打ち消し合っている（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/rambo-2/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 25 May 2019 08:33:35 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[駄作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[スタローン]]></category>
		<category><![CDATA[マリオ・カサール]]></category>
		<category><![CDATA[ジェームズ・キャメロン]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=169</guid>

					<description><![CDATA[（1985年 アメリカ）天下のキャメロンが脚本に入っているだけあって、味方に裏切られたりヒロインを亡くしたりと結構いろいろある話なんですが、勧善懲悪の単純な構図と単調なアクションがそれらをすべて消し去っています。加えて、 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1985年 アメリカ）<br>天下のキャメロンが脚本に入っているだけあって、味方に裏切られたりヒロインを亡くしたりと結構いろいろある話なんですが、勧善懲悪の単純な構図と単調なアクションがそれらをすべて消し去っています。加えて、テーマがテーマなので『コマンドー』のように笑って盛り上がれるような突き抜け方もしておらず、アクションとドラマがお互いを打ち消し合っているという、なんとも残念な状態になっています。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="212" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_P-212x300.jpg" alt="" class="wp-image-182" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_P.jpg 540w" sizes="(max-width: 212px) 100vw, 212px" /><figcaption>© Tri-Star Pictures, Inc., </figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-52" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-52">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">監督は『カサンドラ・クロス』のジョージ・P・コスマトス</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">脚本はジェームズ・キャメロン</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">製作は前作に引き続きマリオ・カサール</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">登場人物</a></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">ランボーの悪いイメージを形作った続編</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">派手だがメリハリのないアクション</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">社会的意義のなさ</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">中盤での転調がうまくいっていない</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>服役中のランボー（シルベスター・スタローン）の元にトラウトマン大佐（リチャード・クレンナ）が訪れ、ベトナムで行方不明の米兵を探す計画への参加を打診される。社会から隔絶された刑務所という環境に馴染んでいたランボーは最初渋るが、ベトナム戦争を共に戦った兵士の救出という作戦の主旨に賛同して、参加を決意する。 </p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">監督は『カサンドラ・クロス』のジョージ・P・コスマトス</span></h3>



<p>ジョルジ・パン・コスマトスと表記されることもあるギリシア出身の映画監督。オットー・プレミンジャー監督の『栄光への脱出』（1960年）、マイケル・カコヤニス監督でアカデミー賞三部門を受賞した『その男ゾルバ』（1964年）などの助監督を務めた後に、1973年に監督デビュー。イタリアの大プロデューサー カルロ・ポンティ製作の『カサンドラ・クロス』（1976年）の脚本・監督で有名になりました。</p>



<p>『ランボー』の続編にコスマトスが起用された意図とは、知的背景を持った娯楽作を従前より得意としてきた点にあったものと推測されるのですが、完成した作品からは、その知的背景というものがまったく無くなってしまっています。</p>



<p>とはいえ、本作は当時としてはアクション映画史上最高レベルの大ヒット作となったのだから（全世界で3億ドルを荒稼ぎ）、スタローンとの黄金コンビをスタジオが放っとくはずもなく、スタローンの次回作である『コブラ』でも引き続き監督を務めています。そちらはより偏差値の低くなった作品でしたが。</p>



<p><a aria-label="コブラ【凡作】願わくば話がもっと面白ければ（ネタバレあり・感想・解説） (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/cobra/" target="_blank">コブラ【凡作】願わくば話がもっと面白ければ</a></p>



<p>息子のパノス・コスマトスも映画監督であり、ニコラス・ケイジの振り切れた怪演で話題となった『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』（2018年）を監督しています。</p>



<p><a rel="noopener" aria-label="マンディ 地獄のロード・ウォリアー【4点/10点満点中_無駄な映像が多すぎ】（ネタバレなし・感想・解説） (新しいタブで開く)" href="https://movie-review.net/mandy" target="_blank">マンディ 地獄のロード・ウォリアー【4点/10点満点中_無駄な映像が多すぎ】</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">脚本はジェームズ・キャメロン</span></h3>



<p>本作の脚本家としてクレジットされているのは３名。モーリス・ジャールの義理の息子で、後に『グローリー』（1989年）なども手掛けるケヴィン・ジャールが原案、そしてスタローンと”世界の王”ジェームズ・キャメロンが脚色を行っています。</p>



<p>キャメロンは『ターミネーター』（1984年）の撮影が一時的に止まった際、生活費のために２本の脚本の執筆をアルバイト感覚で引き受けました。一本は『エイリアン』（1979年）の続編、もう一本は『ランボー』（1982年）の続編です。</p>



<p>第一作の路線をまったく引き継がない開き直ったかのような大作路線や、ミリタリー要素を全開にした作風が両作で共通しているのは、キャメロンにとって双子のような存在だったからです。</p>



<p>ただし、後に監督に抜擢されてキャメロンの作家性が完成作品にまで反映された『エイリアン２』とは対照的に、本作はスタローンによって大幅に書き換えられたと言われています。</p>



<p>完成版との最大の違いは、キャメロン版にはブリューワーというサイドキックがいたことであり、軽口の止まらない若い兵士という設定でジョン・トラボルタがキャスティング候補に挙げられていたのですが、スタローンにより全面削除。さらに、キャメロンがこだわった軍事用語の数々も、スタローンによってほぼ削除されたようです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">製作は前作に引き続きマリオ・カサール</span></h3>



<p>1951年ベイルート出身。コロンビア・ピクチャーズやトライスター・ピクチャーズの下で働き、1976年にカロルコ・ピクチャーズを設立。大手が手を出さなかった『ランボー』（1982年）を大ヒットさせたことでカロルコは軌道に乗り、更なる成功を目指して作られたのが本作でした。</p>



<p>海外マーケットを知り尽くしていることと、金の流れの作り方がうまいことが彼の特徴であり、中東出身の独立系プロデューサーという点でメナハム・ゴーラン（イスラエル出身）と共通しているのですが、ゴーラン率いるキャノン・フィルムズの作品には常にB級臭さが付き纏っていたのとは対照的に、監督や主演にビッグネームを起用するカサールの作品には大手が製作する大作に似た雰囲気が漂い、安っぽさがない点が特徴となっています。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/carolco-pictures/" target="_blank" aria-label=" (新しいタブで開く)">カロルコとマリオ・カサールの功績を振り返る</a></p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">登場人物</span></h2>



<ul class="wp-block-list"><li>ジョン・ランボー（シルヴェスター・スタローン）：元グリーンベレーで、ベトナム戦争中には暗殺を専門にしていた。現在は前作で起こした騒動で服役中だが、大統領直轄で進められているベトナム戦争時行方不明者（MIA）の捜索活動への参加をトラウトマン大佐より求められた。戦場に戻ることには多少の躊躇があったものの、特典として恩赦も与えられたことから、これに参加することにした。</li><li>サミュエル・トラウトマン大佐（リチャード・クレンナ）：ランボーの元上官。MIA捜索活動の対象地域が戦時中にランボーが活動していた地域だったことから、そのスキルの高さと併せてランボーこそが最適任者であると考えて、参加を要請した。まずランボーに捕虜収容所の写真を撮って来させ、偵察の結果、MIAの存在を確認した場合には、トラウトマンがデルタフォースを指揮して捕虜たちの救出に向かうという作戦になっていた。</li></ul>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="300" height="242" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_3-300x242.jpg" alt="" class="wp-image-186" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_3-300x242.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_3.jpg 731w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>ランボーとトラウトマンはこんなに仲良し</figcaption></figure></div>



<ul class="wp-block-list"><li>コー・パオ（ジュリア・ニクソン）：ベトナムの堀北真希。作戦におけるランボーの現地協力者で、収容所への道案内を担当した。マードックに見捨てられてベトナム軍に捕まったランボーの脱出の手引きをしたが、その直後に「私もアメリカに連れて行って」と死亡フラグのぶっ刺さる発言をし、アクション映画のセオリーに則って敵に殺された。</li></ul>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="300" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_コーパオ-2-300x300.jpg" alt="" class="wp-image-203" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_コーパオ-2-300x300.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_コーパオ-2-150x150.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_コーパオ-2-768x767.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_コーパオ-2.jpg 793w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>こんな美人と両想いになるランボー</figcaption></figure></div>



<ul class="wp-block-list"><li>ポドフスキー中佐（スティーヴン・バーコフ）：ベトナムに非公式に派遣されているソ連の軍事顧問。ベトナム軍に捕らえられたランボーに電気ショックの拷問を行った。</li><li>マードック（チャールズ・ネイピア）：MIA捜索活動の指揮のためにワシントンから派遣されたCIA職員。今回のミッションではMIAが生存しない証拠が出てくることを願っており、ランボーが捕虜を連れていたことからランボーの救出を中止させた。スタローンが意図的にやっているのか、前作のティーズル保安官に見た目が似ている。</li></ul>



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<figure class="wp-block-image size-medium"><img decoding="async" width="300" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo_ブライアンデネヒー-2-300x300.jpg" alt="" class="wp-image-174" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo_ブライアンデネヒー-2-300x300.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo_ブライアンデネヒー-2-150x150.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo_ブライアンデネヒー-2.jpg 630w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>第一作のティーズル保安官</figcaption></figure>



<p></p>
</div>



<div class="wp-block-column is-layout-flow wp-block-column-is-layout-flow">
<figure class="wp-block-image size-medium"><img decoding="async" width="300" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_チャールズ・ネイピア-2-300x300.jpg" alt="" class="wp-image-175" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_チャールズ・ネイピア-2-300x300.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_チャールズ・ネイピア-2-150x150.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_チャールズ・ネイピア-2-768x768.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_チャールズ・ネイピア-2.jpg 990w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>本作のマードック司令官</figcaption></figure>



<p></p>
</div>
</div>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc7">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">ランボーの悪いイメージを形作った続編</span></h3>



<p>原作『一人だけの軍隊』では、ランボーはトラウトマン大佐に頭をショットガンで吹っ飛ばされて死亡したのですが、映画版の『ランボー』（1982年）では生き残り、逮捕されました。</p>



<p>その続編である本作より、ランボーは原作を離れて映画独自のキャラクターへと進化を始めるのですが、上半身裸で走り回り、ウォーっと叫びながらマシンガンを乱射して一山なんぼの敵兵を殺しまくるというランボーのイメージは、本作が出発点となっています。</p>



<p>これは、『ランボー』の話をする時の悲しいほどの認識のズレを生じさせた原因ともなっています。</p>



<p>映画ファンにとって『ランボー』とは尽くした祖国から厄介者扱いされた兵士の悲しいドラマであるのに対して、一般の人からはバカバカしいアクションでしょと一刀両断にされてしまう。</p>



<p>それほど第一作の印象は薄く、本作の印象が突出しているということなのですが、ランボーというキャラにとってバカバカしいマッチョヒーローとしてしか認識されていないことは不幸のような気がします。</p>



<p>第一作でランボーは人命を重視して一人も人を殺していないことなど（安全ベルトを外したためにヘリから転落死したガルトはノーカウントとして）、多くの人は知りません。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="300" height="130" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_ウォー-300x130.jpg" alt="" class="wp-image-183" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_ウォー-300x130.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_ウォー-768x334.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_ウォー.jpg 853w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>うぉ～！は本作から</figcaption></figure></div>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">派手だがメリハリのないアクション</span></h3>



<p>ラストで破壊するための町を建設するなど第一作も決して安い映画ではありませんでしたが、続編の本作では製作費が3倍の4400万ドルに爆上げされています。</p>



<p>これがどれだけ異常な金額かと言うと、シュワルツェネッガーが破壊の限りを尽くした『コマンドー』（1985年）が1000万ドル、リプリーが宇宙のランボーと化した『エイリアン2』（1986年）が1850万ドル、世界的な大ヒット作『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』（1983年）が3250万ドルですから、当時の標準的な娯楽作を軽く凌ぐ金額となっています。</p>



<p>増額した製作費はすべて火薬代とガソリン代に使ったんじゃないのというほどの爆破の連続となっており、本作ではかつてないほどド派手なアクションが繰り広げられるのですが、そこら中で景気よく火柱が上がっているだけで、アクションに必要なスリルや興奮は宿っていません。</p>



<p>ただ派手なだけのアクションなら『コマンドー』（1985年）と同じじゃないかと思うし、実際、『コマンドー』の監督マーク・L・レスターは公開前の本作のフッテージを見て、「うちも負けてらんねぇ」と言ってアクションをより大規模にしていったという逸話もあります。</p>



<p>ただし、『コマンドー』はシュワルツェネッガーが離陸中の旅客機から生身で飛び降りたり、中に居る人ごと電話ボックスを投げ飛ばしたりといった前代未聞の見せ場があって、その先に銃撃と爆破があるという構成になっていたので、あれはあれで異なった見せ場を組み合わせて単調な印象を与えないという工夫ができていました。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/commando/" target="_blank" aria-label="コマンドー【傑作】B級アクションの金字塔（ネタバレあり・感想・解説） (新しいタブで開く)">コマンドー【傑作】B級アクションの金字塔（ネタバレあり・感想・解説）</a></p>



<p>一方、本作は製作費に物を言わせて最初から最後までド派手な見せ場しかないので、メリハリというものがありません。せっかくの資本を間違った使い方をしてしまった悪しき例と言えるのではないでしょうか。 </p>



<div class="wp-block-columns has-2-columns is-layout-flex wp-container-core-columns-is-layout-28f84493 wp-block-columns-is-layout-flex">
<div class="wp-block-column is-layout-flow wp-block-column-is-layout-flow">
<figure class="wp-block-image size-medium"><img decoding="async" width="300" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_スタローン2-2-300x300.png" alt="" class="wp-image-178" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_スタローン2-2-300x300.png 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_スタローン2-2-150x150.png 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_スタローン2-2.png 454w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>ロン毛の方がランボー</figcaption></figure>



<p></p>
</div>



<div class="wp-block-column is-layout-flow wp-block-column-is-layout-flow">
<figure class="wp-block-image size-medium"><img decoding="async" width="300" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_C-2-300x300.jpg" alt="" class="wp-image-171" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_C-2-300x300.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_C-2-150x150.jpg 150w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/Rambo2_C-2.jpg 600w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption>角刈りの方がコマンドー<br>©20th Century Fox</figcaption></figure>



<p></p>
</div>
</div>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">社会的意義のなさ</span></h3>



<p>テーマと娯楽が見事なバランスで一致していた前作では、ランボーとティーズル保安官双方に理解可能な背景があり、一応の悪役とされているティーズル側にも街の治安を守るという大義があって、どちらが悪いわけでもなく戦闘が始まってしまったという構図自体に深い意義がありました。</p>



<p>他方、本作はMIA問題という当時としてはかなり重い社会的テーマを扱いながらも、冷戦構造に当てはめて勧善懲悪の構図を作ってしまったために、掲げたテーマと実際にやっていることが乖離したような印象を受けました。</p>



<p>敵方には何の背景も思想もなく、純粋悪でしかないソ連人将校と、人格すら持たされていないその他大勢のベトナム兵がわらわらと押し寄せて来て、ランボーはそれを捌くのみという戦闘の不毛さ。</p>



<p>加えて、ランボーほど強い兵士がいるんなら、MIA問題なんて簡単に解決しちゃうんじゃないの。それどころか、ベトナム戦争には勝てたはずなんじゃないのと、遠い世界での絵空事を見せられているような気分にさせられました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">中盤での転調がうまくいっていない</span></h3>



<p>本作はミッションものとしてスタートするのですが、捕虜を連れていたためにランボーはCIAに見捨てられてベトナム軍に拘束され、さらにはベトナムと影で繋がっているソ連軍までが現れて、ランボーはベトナム軍、ソ連軍、身内の３つの敵と戦わねばならなくなります。</p>



<p>ただし、このドラマティックな展開がまったくうまく機能していません。</p>



<p>まずCIAの裏切りについては、トラウトマンをはじめとしてランボーが捕虜を連れている様を目撃した兵士が大勢いる中で、今更事態の隠蔽なんてできないだろというシチュエーションなので、マードックの判断に説得力なさすぎでした。</p>



<p>また、ランボーを見捨てたことをトラウトマンに詰め寄られたマードックが言う、MIAを取り戻すためにはベトナム政府に大金を支払うか、もう一度戦争をするかしかないが、どちらにしても国益が傷つくという理屈も何だか的を射ていなくて、大義と大義のぶつかり合いという前作のような構図を作り損ねていました。</p>



<p>次にソ連軍ですが、これは完全に演出上の見せ方をミスっています。</p>



<p>彼らが初登場する場面は「なぜベトナムにソ連軍が」と観客にとってのサプライズとして機能するような見せ方であるべきだったのに、思いのほかサラっと見せてしまうので本来あるべき感情が伴っていませんでした。</p>



<p>いざランボーとの戦闘が始まった後にも、ベトナム兵との装備や能力の違いというものを的確に設定できていないために、ランボーがより厄介な敵に攻撃されているという緊張感の醸成に失敗しています。</p>



<p><strong>≪ランボーシリーズ≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank">ランボー【傑作】ソリッドなアクションと社会派ドラマのハイブリッド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-2/" target="_blank">ランボー/怒りの脱出【駄作】アクションとテーマが打ち消し合っている</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-3/" target="_blank">ランボー３/怒りのアフガン【良作】見ごたえあるアクション大作</a> <br><a href="https://b-movie.tokyo/rambo-5/" target="_blank">ランボー ラスト・ブラッド【良作】熱く激しい怒りの物語</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】ジョーズ’87復讐篇_今度はストーカー映画（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/jaws-4/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 09 May 2020 03:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クリーチャー・メカ]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[80年代]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=6232</guid>

					<description><![CDATA[（1987年 アメリカ）サメがブロディ一家に復讐しに来るという荒唐無稽な話なので真面目に見ると相当しんどいのですが、90分程度のコンパクトな内容である上に、水中撮影は結構よくできていているので、割り切って見れば暇つぶし程 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1987年 アメリカ）<br>サメがブロディ一家に復讐しに来るという荒唐無稽な話なので真面目に見ると相当しんどいのですが、90分程度のコンパクトな内容である上に、水中撮影は結構よくできていているので、割り切って見れば暇つぶし程度にはなります。世間で言われるほどの最低作品ではないように思います。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="220" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_P-220x300.jpg" alt="" class="wp-image-6233" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_P-220x300.jpg 220w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_P-73x100.jpg 73w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_P.jpg 600w" sizes="(max-width: 220px) 100vw, 220px" /><figcaption>©Universal Pictures</figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-54" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-54">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">監督は『サブウェイ・パニック』（1974年）のジョセフ・サージェント</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">ロレイン・ゲイリーがついに主演昇格</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">共演は名優マイケル・ケイン</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">作品概要</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">ラジー賞7部門ノミネート作品</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">劇場版とVHS版の違い</a></li></ol></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc10" tabindex="0">感応し合うサメとエレン</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">未亡人エレン・ブロディの熟年の恋路</a></li><li><a href="#toc12" tabindex="0">海中場面は結構スリリング</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>かつて巨大サメを倒したマーティン・ブロディは心臓発作で亡くなっており、次男のショーン（ミッチェル・アンダーソン）は父の跡を継いでアミティ警察の保安官となっていた。ある夜、アミティ沖の丸太を撤去して欲しいとの要請を受けたショーンは一人で海に出て行き、そこでサメに襲われて命を失う。</p>



<p>ショーンと同居していた母エレン（ロレイン・ゲイリー）は悲しみに暮れるが、長男マイケル（ランス・ゲスト）からの誘いもあって、妻子を持つマイケル一家が暮らすバハマへ移り、しばらくマイケル宅に滞在する。</p>



<p>孫とのふれあいやセスナ機パイロット・ホーギー（マイケル・ケイン）との恋で徐々に元気を取り戻すエレンだが、サメはエレンを追ってバハマ沖にも姿を現わす。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">監督は『サブウェイ・パニック』（1974年）のジョセフ・サージェント</span></h3>



<p>1925年ニュージャージー州出身。『0011ナポレオン・ソロ 地獄への道連れ』（1966年）で映画監督デビューし、『ターミネーター』（1984年）を先取ったSFサスペンス『地球爆破作戦』（1970年）、後にトニー・スコット監督でリメイクもされるクライム・サスペンスの佳作『サブウェイ・パニック』（1974年）が好評となります。</p>



<p>ただし『サブウェイ・パニック』以降はパッとした作品を撮っておらず、80年代以降はテレビ映画に活躍の場を移していました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">ロレイン・ゲイリーがついに主演昇格</span></h3>



<p>1937年ニューヨーク出身、ロサンゼルス育ち。子供の頃から演技を開始し、16歳で地元劇団の女優賞を受賞。1956年に弁護士のシド・シャインバーグと結婚しました。</p>



<p>夫のシド・シャインバーグは後にユニバーサルの重役となってスピルバーグを発掘した人物であり、また1973年からユニバーサルCEOに就任。その縁もあって、ユニバーサルが製作しスピルバーグが監督する『ジョーズ』（1975年）にて、主人公マーティン・ブロディの妻エレン役にロレイン・ゲイリーがキャスティングされました。</p>



<p>その後、スピルバーグもロイ・シャイダーもシリーズを去り、二人の息子は毎回俳優が入れ替わる。伝説の第一作との接点はもはやロレイン・ゲイリーの存在のみとなったシリーズ４作目において、ついに主役の座に躍り出たのでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">共演は名優マイケル・ケイン</span></h3>



<p>1933年ロンドン出身。1956年に映画デビュー。長い下積みを経て『ズール戦争』（1964年）で脚光を浴び、『国際諜報員』（1965年）で主演クラスのスターとなりました。</p>



<p>『アルフィー』（1966年）でアカデミー賞初ノミネート、『ハンナとその姉妹』（1986年）でアカデミー助演男優賞を受賞したのですが、本作の撮影でバハマ滞在中だったため授賞式を欠席したという武勇伝を持っています。</p>



<p>このエピソードが示す通り、名優でありながら非常に多作で仕事を選ばない傾向があり、『ポセイドン・アドベンチャー2』（1979年）や『沈黙の要塞』（1994年）のようなまともな俳優なら近寄らない作品にも金さえ積まれれば出るというツワモノぶりを披露します。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/beyond-the-poseidon-adventure/" target="_blank">ポセイドン・アドベンチャー２【駄作】緊張感ゼロ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/on-deadly-ground/" target="_blank">沈黙の要塞【凡作】セガールの説教先生</a></p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">作品概要</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">ラジー賞7部門ノミネート作品</span></h3>



<p>『ジョーズ2』（1978年）の時点すでに話に無理矢理感が出ており、『ジョーズ3』（1983年）で限界を突破した感があったのに、また作ってしまったシリーズ第4弾。</p>



<p>公開当時から一貫して不評の作品であり、ラジー賞では堂々の７部門ノミネート、１部門で受賞となりました。</p>



<ul class="wp-block-list"><li>ワースト作品賞【ノミネート】</li><li>ワースト主演男優賞（サメのブルース）【ノミネート】</li><li>ワースト主演女優賞（ロレイン・ゲイリー）【ノミネート】</li><li>ワースト監督賞（ジョセフ・サージェント）【ノミネート】</li><li>ワースト助演男優賞（マイケル・ケイン）【ノミネート】</li><li>ワースト脚本賞（マイケル・デ・ガズマン）【ノミネート】</li><li>ワースト視覚効果賞【受賞】</li></ul>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">劇場版とVHS版の違い</span></h3>



<p>本作は劇場版とVHS版で結末が異なります。</p>



<p>劇場版はボートのマストが刺さったサメが絶命して終わるのですが、VHS版ではマストに刺さったサメが大爆発を起こし（何に引火したのかは謎）、その直前にサメに食べられていたマリオ・ヴァン・ピーブルズが腹の中から生還するという、物凄い終わり方をします。</p>



<p>VHS版は背景の空がいかにも書き割りですという感じで雑だったので、後付けで撮り直したものだと推測されます。</p>



<p>現在Netflixで配信されているのは劇場版、Amazonプライムで配信されているのはVHS版なので、動画配信で両バージョンを見比べることができます。良い時代になりましたね。</p>



<p>なお、日曜洋画劇場版はマイケル・ブロディがシャア・アズナブルこと池田秀一さんだったり、マイケル・ケイン扮するホーギーが安定の羽佐間道夫さんだったりするので、吹替の出来は日曜洋画劇場版の方が上でした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc9">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">感応し合うサメとエレン</span></h3>



<p>冒頭、“Jaws The Revenge”のタイトルと共にアミティ沖に姿を現わす例のヒレ。</p>



<p>本作はシリーズで三度仲間を殺されたホオジロザメが、憎きブロディ一家に復讐しに来るという荒唐無稽な物語となっています。</p>



<p>サメに仲間意識などあるのか、人間の個体を識別できるのか、人間の血縁関係を理解できるのか、主に地上にいる人間の行動がなぜ分かるのかといった疑問の数々が浮かぶのですが、その点に関しては特に説明や言い訳はなく、そういうものだと受け入れて見なければなりません。</p>



<p>まずサメはアミティ沖に流木を設置し、その除去にやって来たブロディ家の次男ショーン（ミッチェル・アンダーソン）を襲って殺します。</p>



<p>息子の死にショックを受ける母エレイン（ロレイン・ゲイリー）は、長男マイケル（ランス・ゲスト）からの勧めもあって妻子持ちのマイケル一家が暮らすバハマへとやってきます。</p>



<p>するとサメもバハマへと移動。</p>



<p>遅れてバハマに到着したサメの気配を感じ取るエレン。</p>



<p>サメとエレンは感応しあっています。怨敵というよりも、もはや仲良しさんじゃないかというレベルで。</p>



<p>一応前作までは「獰猛な野生動物vs人間」という図式が保たれており、ブロディ一家はたまたまサメ騒動に巻き込まれ、その対応の中心人物になるという常識の範囲内で理解可能な物語となっていたのですが、本作は完全にオカルトの領域に達しています。</p>



<p>そしてサメの異様な執念はモンスターというよりもストーカーレベルとなっており、なぜそこまでブロディ一家のみに執着するのだろうかと不思議で仕方ありません。</p>



<p>まぁ好意的に考えれば、長年に渡る因縁の中でモンスターとその被害者が感応し合うようになるという設定は後の『エイリアン4』（1997年）や『バイオハザードII アポカリプス』（2004年）を先取っていると言えなくもないのですが。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/alien-4/" target="_blank">エイリアン4【良作】今度はダークヒーローもの</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/resident-evil-2/" target="_blank">バイオハザードII アポカリプス【良作】見せ場とヒロインで押し切った快作</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">未亡人エレン・ブロディの熟年の恋路</span></h3>



<p>サメが居ない時に描かれるのは、夫マーティンを失って未亡人となったエレンの熟年の恋です。</p>



<p>エレンはバハマに来る際にセスナ機のパイロットであるホーギー（マイケル・ケイン）と出会い、ホーギーはエレンにガンガン迫っていきます。最初は乗り気ではなかったエレンも、冗談がうまく紳士的なホーギーを受け入れるようになり、二人は熟年の恋を楽しみます。</p>



<p>って、こんな話に誰が興味あるんですかね？</p>



<p>マイケル・ケインは良い俳優だと思うし、この時点で魅力もありましたが、それにしても孫の居るエレン・ブロディとホーギーの恋なんてぶっちゃけどうでもいいのです。</p>



<p>サメが出てこない時には二人のデートがひたすら描かれるという構成は辛かったです。孫を守ろうとするおばあちゃんの話に振り切ってくれればよかったのに。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="644" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-1024x644.jpg" alt="" class="wp-image-6234" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-1024x644.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-300x189.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-160x100.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-768x483.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン-120x74.jpg 120w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Jaws4_エレン.jpg 1200w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption>カーニバルを楽しむエレン。肩パット入れすぎでゲルググのようないかり肩</figcaption></figure></div>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc12">海中場面は結構スリリング</span></h3>



<p>そんなわけでダメな部分が多いのですが、サメが襲ってくる場面のスリルはなかなかよくできており、サメを楽しむための映画だと割り切ってしまえば、そこそこ見られます。</p>



<p>中でも素晴らしかったのが沈没船内でのマイケルとサメの追っかけっこであり、サメが狭い通路を猛スピードで泳ぎ、人間は機転で逃れるという前代未聞の構図には結構ハラハラさせられました。</p>



<p>この場面は、後にレニー・ハーリン監督の『ディープ・ブルー』（1999年）に影響を与えたと見ています。</p>



<p><strong>≪サメ映画≫</strong><br><a href="https://b-movie.tokyo/jaws/" target="_blank">ジョーズ【良作】グダグダの現場から生まれた名作</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/jaws-2/" target="_blank">ジョーズ2【凡作】今度はモンスター映画</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/jaws-3/" target="_blank">ジョーズ3【駄作】今度は3D映画</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/jaws-4/" target="_blank">ジョーズ’87復讐篇【凡作】今度はストーカー映画</a><br><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/the-meg" target="_blank">MEG ザ・モンスター_技術は良くてもダメ脚本で台無し【4点/10点満点中】</a><br><a rel="noopener" href="https://movie-review.net/47-meters-down" target="_blank">海底47m_サメ映画では群を抜く怖さ【8点/10点満点】</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【良作】ツイスター_常軌を逸した見せ場が楽しい（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/twister/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 23 Apr 2020 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[災害・パニック]]></category>
		<category><![CDATA[良作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[スピルバーグ]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1996年 アメリカ）見せ場は今見ても大迫力であり、本当にトラクターを落下させて撮影しているライブアクションなんて、むしろ現在の目で見る方が新鮮に映りました。自らの意思で竜巻に突っ込んでいくストームチェイサーが主人公な [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1996年 アメリカ）<br>見せ場は今見ても大迫力であり、本当にトラクターを落下させて撮影しているライブアクションなんて、むしろ現在の目で見る方が新鮮に映りました。自らの意思で竜巻に突っ込んでいくストームチェイサーが主人公なので緊張感を欠くという根本的な問題を抱えているのですが、芸達者な俳優陣のおかげで何とか血の通った映画として踏みとどまっています。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="212" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P-212x300.jpg" alt="" class="wp-image-6171" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P-722x1024.jpg 722w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P-768x1089.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_P.jpg 846w" sizes="(max-width: 212px) 100vw, 212px" /><figcaption>©Universal Pictures &amp; Warner Bros.</figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-56" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-56">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">監督は『スピード』のヤン・デ・ボン</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">脚本は『ジュラシック・パーク』のマイケル・クライトン</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">夫婦の再生の物語が良くできている</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">ド迫力の竜巻描写</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">ストームチェイサーが緊張感を損ねている</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>気象予報士のビル（ビル・パクストン）は、妻のジョー（ヘレン・ハント）から離婚届けを受け取るために、現役ストームチェイサーであるジョーの「職場」である竜巻追跡の現場を訪れる。ジョーのチームは画期的な竜巻観測システム「ドロシー」の実用化に向けた運用実験を行うところであり、その発案者であるビルも内容には興味がある。そんな中で竜巻が発生し、ビルもジョーのチームに同行することにする。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">監督は『スピード』のヤン・デ・ボン</span></h3>



<p>1943年オランダ生まれ。オランダ時代にはポール・バーホーベン監督作品の撮影の常連で、トム・クルーズ主演の青春映画『栄光の彼方に』（1983年）辺りからハリウッド映画の撮影も手掛けるようになりました。</p>



<p>1980年代後半から1990年代前半にかけての仕事は『ダイ・ハード』（1988年）、『ブラック・レイン』（1989年）、『レッド・オクトーバーを追え！』（1990年）、『氷の微笑』（1992年）、『リーサル・ウェポン3』（1992年）という物凄い状態となっていました。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/the-hunt-for-red-october/" target="_blank">レッド・オクトーバーを追え！【良作】シリーズで一番面白い</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/lethal-weapon-3/" target="_blank">リーサル・ウェポン3【凡作】リーサル・ウェポンだと思わなければ楽しめる</a></p>



<p>レニー・ハーリンに監督を断られた後にデ・ボンの手元にやってきた『スピード』（1994年）で監督デビュー。同作と本作の連続大ヒットで一躍ハリウッドトップクラスの監督になったのですが、『スピード２』（1997年）での失速以降はロクな映画を撮っていません。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/speed-1994/" target="_blank">スピード【良作】簡潔で面白いアクション映画の理想形</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/speed-2/" target="_blank">スピード2【駄作】驚くべき失速ぶり</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">脚本は『ジュラシック・パーク』のマイケル・クライトン</span></h3>



<p>1942年シカゴ出身。ハーバードメディカルスクール在学中に作家デビューし、主に最先端のサイエンストピックをモチーフにした娯楽小説で人気を博しました。映画化された小説で最大のヒット作は『ジュラシック・パーク』（1993年）。</p>



<p>なお、本作には原作となる小説は存在しておらず、クライトンとその妻アン・マリー・マーティンによるオリジナル脚本となっています。</p>



<p>他に、『ライオン・キング』（2019年）のジェフ・ネイサンソン、『アベンジャーズ』（2012年）のジョス・ウェドン、『シンドラーのリスト』（1993年）のスティーヴン・ザイリアンもノークレジットで本作の脚本に参加しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ</span></h3>



<p>泣く子も黙るヒットメーカー。ただし本作はスピルバーグ自身の企画というよりも、彼のプロダクションであるアンブリンの企画という色合いが濃く、クリエイティブ面ではほぼ関与せず、製作総指揮として名義だけ貸していることが実体だったようです。</p>



<p>主演のビル・パクストンによると、スピルバーグに初めて会えたのは映画が完成してから1年半も経ってからだったとのことで、その時のスピルバーグの言葉は「大金を稼いでくれてありがとう」でした。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">夫婦の再生の物語が良くできている</span></h3>



<p>元ストームチェイサーで都会への転職を控えた気象予報士のビル（ビル・パクストン）が、現役ストームチェイサーの妻ジョー（ヘレン・ハント）の離婚届けを受け取りに現場へとやってくるところから本筋が始まります。</p>



<p>メリッサ（ジェイミー・ガーツ）という新恋人もいて一刻も早い離婚を望むビルに対して、どうやら未練があって離婚届けへのサインを先延ばしにしているジョー。</p>



<p>危機を迎えた夫婦の再生の物語はディザスター映画の定番なのですが（『アビス』『アウトブレイク』）、未練を抱えているのが女性側で、男性側は目の前に新恋人を連れてくるほど無神経という構図は目新しいものでした。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/the-abyss-special-edition/" target="_blank">アビス【凡作】キャメロンでも失敗作を撮る</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/outbreak/" target="_blank">アウトブレイク【良作】感染パニックものでは一番の出来</a></p>



<p>「離婚届にサイン頼むよ」と事務的に言ってくる無神経なビルに合わせてジョーは「うんいいわよ」と答えてしまい、「別れたくない」の一言が言えない。翌年の『恋愛小説家』（1997年）でアカデミー主演女優賞を受賞するヘレン・ハントの芸達者ぶりのおかげでジョーの女心が透けて見えてきて、見ているこちらも切なくなりました。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="561" height="315" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_ヘレンハント-2.jpg" alt="" class="wp-image-6174" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_ヘレンハント-2.jpg 561w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_ヘレンハント-2-300x168.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_ヘレンハント-2-160x90.jpg 160w" sizes="(max-width: 561px) 100vw, 561px" /><figcaption>男勝りなんだけど肝心のことを言い出せない女子<br>©Universal Pictures &amp; Warner Bros.</figcaption></figure></div>



<p>ビルはビルで思いがけず現場に舞い戻ったことでかつてのバイタリティを取り戻し、新恋人そっちのけでどんどん仕事に打ち込んでいく様が相変わらず無神経だったのですが、同時に少年っぽさも表現できており、なぜジョーが彼への未練を持っているのかが見えてきます。</p>



<p>大人のラブストーリーとしてなかなか良くできているのです。</p>



<p>とは言え問題がないわけでもなく、あのイカれたストームチェイサー達から「過激先生」と呼ばれ、おそらくは輪をかけたイカれっぷりであったであろうビルが、なぜ現場を離れることになったのか。さほど関係が悪いようにも見えないジョーとの結婚生活がなぜ終わったのかといった前提部分が端折られているので、ドラマに入り込みづらくなっています。</p>



<p>なお当初はトム・ハンクスがキャスティング候補で、他にカート・ラッセルやマイケル・キートンも考慮されていたのですが、最終的に南部らしいということでビル・パクストンが選ばれたとのことです。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">ド迫力の竜巻描写</span></h3>



<p>見せ場は今見てもド迫力。</p>



<p>竜巻は都合6つ出てくるのですが、サイズやパワーなどでそれぞれの竜巻に個性のようなものが付けられており、クライマックスに出てくる竜巻のラスボス感は凄かったです。この辺りの丁寧な仕事はILMらしいなと思いました。</p>



<p>加えて、ただ竜巻を描くだけではなく、何が飛んでくるのかという点で見せ場の色合いを変えており、意外と工夫がされています。</p>



<p>有名な牛が飛ぶ場面なんてよく考え付いたなと感心するし、トラクターが空から降ってきたり、横転したタンクローリーが爆発したり、吹き飛ばされた民家が道路を塞いだりと、いろんなものが障害物になって盛り上がります。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="575" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2-1024x575.jpg" alt="" class="wp-image-6173" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2-1024x575.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2-300x169.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2-160x90.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2-768x432.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_2-2.jpg 1299w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption>公開時に話題をさらった牛<br>©Universal Pictures &amp; Warner Bros.</figcaption></figure>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="576" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2-1024x576.jpg" alt="" class="wp-image-6176" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2-1024x576.jpg 1024w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2-300x169.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2-160x90.jpg 160w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2-768x432.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/Twister_1-2.jpg 1311w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption>タンクローリーも横転する<br>©Universal Pictures &amp; Warner Bros.</figcaption></figure></div>



<p>見せ場はCGによる竜巻とライブアクションの組み合わせとなっているのですが、公開時に注目を集めたCGよりも、結構無茶しているライブアクションの方が今となっては新鮮だったりします。</p>



<p>トラクターなんてヘリで吊るして本当に地面に落としているので、頭がおかしいとしか言いようがありません。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">ストームチェイサーが緊張感を損ねている</span></h3>



<p>ただし竜巻に突っ込んでいくストームチェイサーが主人公だと、何があっても自業自得感が出てしまい、緊張感や悲壮感が損なわれていたことは残念でした。</p>



<p>神出鬼没の竜巻を題材にする場合、被災民を主人公にしづらいという設定上の問題があったことは理解できるものの、もうちょっと何とかならなかったのかなと。</p>



<p>立派なディザスター映画ではあるが、パニック映画にはなっていないという残念な結果に終わっています。</p>



<p><strong>≪ディザスター映画≫</strong><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/the-poseidon-adventure/" target="_blank">ポセイドン・アドベンチャー【凡作】作劇に古さを感じる</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/beyond-the-poseidon-adventure/" target="_blank">ポセイドン・アドベンチャー２【駄作】緊張感ゼロ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/poseidon/" target="_blank">ポセイドン【良作】前作の欠点を修正した悪くないリメイク</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/the-towering-inferno/" target="_blank">タワーリング・インフェルノ【凡作】アクション演出が悪すぎる</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/twister/" target="_blank">ツイスター【良作】常軌を逸した見せ場が楽しい</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/daylight/" target="_blank">デイライト【凡作】映画史上最も文句の多い生存者</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/dantes-peak/" target="_blank">ダンテズ・ピーク【凡作】仕事しない町長と溶けないタイヤ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/volcano/" target="_blank">ボルケーノ【良作】缶コーヒーを差し入れたくなる映画</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/armageddon/" target="_blank">アルマゲドン【凡作】酷い内容だが力技で何とかなっている</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/deep-impact/" target="_blank">ディープ・インパクト【良作】よく考えられたシミュレーション映画</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/outbreak/" target="_blank">アウトブレイク【良作】感染パニックものでは一番の出来</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【駄作】ダブルチーム_ミッキー・ロークの無駄遣い（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/double-team/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 07 Apr 2020 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[軍隊・エージェント]]></category>
		<category><![CDATA[駄作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァンダム]]></category>
		<category><![CDATA[ミッキー・ローク]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
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					<description><![CDATA[（1997年 アメリカ）豪勢な見せ場の連続なので楽しみたいという思いはあるものの、誰が誰を狙っているのか分かりづらい下手くそな編集のせいで見せ場がつまらないものになっているし、私怨vs私怨の構図も有効に機能していません。 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1997年 アメリカ）<br>豪勢な見せ場の連続なので楽しみたいという思いはあるものの、誰が誰を狙っているのか分かりづらい下手くそな編集のせいで見せ場がつまらないものになっているし、私怨vs私怨の構図も有効に機能していません。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="212" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/Double-Team_P-212x300.jpg" alt="" class="wp-image-6084" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/Double-Team_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/Double-Team_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/Double-Team_P.jpg 680w" sizes="(max-width: 212px) 100vw, 212px" /><figcaption>©Sony Pictures</figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-58" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-58">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">スタッフ・キャスト</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">「香港のスピルバーグ」ツイ・ハークのハリウッド進出作</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">脚本は『スペースバンパイア』のドン・ジャコビー</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">主演はジャン=クロード・ヴァン・ダム</a></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">共演はNBA選手デニス・ロッドマン</a></li></ol></li><li><a href="#toc7" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc8" tabindex="0">やけくそのようなアクションの連打</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">私怨と私怨の衝突を表現できていない</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">タイトル負けしている</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>CIAエージェントのジャック・クイン（ジャン=クロード・ヴァン・ダム）は国際テロリスト・スタヴロス（ミッキー・ローク）を倒すための作戦中に、流れ弾でスタヴロスの妻子を死なせてしまう。怒りに燃えるスタヴロスの反撃に遭ったクインは大怪我を負い、引退したエージェントが隔離される島「コロニー」に強制送還される。</p>



<p>コロニーで分析業務に当たるクインは、スタヴロスの犯行現場において妻の拘束を匂わせるメッセージを読み取る。妻を助け出すためにコロニーを脱出したクインは、アントワープの武器商人ヤズ（デニス・ロッドマン）を頼りにする。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">スタッフ・キャスト</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">「香港のスピルバーグ」ツイ・ハークのハリウッド進出作</span></h3>



<p>1950年ベトナム出身。ベトナム戦争の難民として香港に渡り、後にテキサス州立大学で映画製作を学びました。1979年に映画監督としてデビューし、『蜀山奇傅 天空の剣』（1983年）などの監督作がヒットして「香港のスピルバーグ」と呼ばれるようになりました。</p>



<p>香港映画界で干されていたジョン・ウーに手を差し伸べて『男たちの挽歌』（1986年）をプロデュースするという熱い一面を持つ反面、ジョン・ウーのハリウッド進出の際には契約問題で足を引っ張るなど嫉妬深い一面も持っています。</p>



<p>本作ではジョン・ウー、リンゴ・ラムに続いてヴァンダム主演作でのハリウッド進出となりました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">脚本は『スペースバンパイア』のドン・ジャコビー</span></h3>



<p>『ブルーサンダー』（1983年）や『フィラデルフィア・エクスペリメント』（1984年）の脚本で脚光を浴びた後に、メナハム・ゴーラン率いるキャノン・フィルムズの常連脚本家となり、『スペースバンパイア』（1985年）、『スーパー・マグナム』（1985年/マイケル・エドモンズ名義）、『スペース・インベーダー』（1986年）などを立て続けに手掛けました。</p>



<p>“The Colony”というタイトルの本作のオリジナル脚本は1995年に100万ドルで買い取られたのですが、ヴァンダムによってコミカルに書き換えられたようです。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/lifeforce/" target="_blank" aria-label="スペースバンパイア【良作】エロだけじゃない！全編見せ場だらけ (新しいタブで開く)">スペースバンパイア【良作】エロだけじゃない！全編見せ場だらけ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/death-wish-3/" target="_blank" aria-label="スーパー・マグナム【凡作】とんでもなく楽しいクソ映画 (新しいタブで開く)">スーパー・マグナム【凡作】とんでもなく楽しいクソ映画</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">主演はジャン=クロード・ヴァン・ダム</span></h3>



<p>開脚や回し蹴りのスペシャリスト。</p>



<p>若い頃に香港で生活していたというゆかりもあって香港映画界への愛着を持っており、90年代にはジョン・ウー、リンゴ・ラムと香港の監督を立て続けにハリウッドデビューさせてきました。そして、当時の香港映画界最大の大物だったツイ・ハークをデビューさせたのが本作でした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc6">共演はNBA選手デニス・ロッドマン</span></h3>



<p>NBA選手で、1992年から1998年にかけて7年連続でリバウンド王を獲るほどの優れたプレイヤーでしたが、奔放な私生活や奇抜なファッションなどでも注目を集めていました。</p>



<p>90年代半ばよりテレビドラマなどに出演するようになり、本作がメジャースタジオでの初の大役となるのですが、不評を浴びてラジー賞最悪助演男優賞・最悪新人俳優賞・最悪スクリーンカップル賞を受賞しました。</p>



<p>しかしこれに懲りず、本作と同じくソニーが製作したアクション『サイモン・セズ』（1999年）では主演を務めました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc7">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">やけくそのようなアクションの連打</span></h3>



<p>巨大車両が東欧の田舎道を爆走する冒頭に始まり、爆破と銃撃が数分おきに繰り返される景気の良いアクション大作となっています。</p>



<p>しかも月並みなものは何一つ作らないという気合が入っており、中でもコロッセオを舞台にしたトラvsヴァンダムという対戦カードは『グラディエーター』（2000年）を数年先取っていました。</p>



<p>ただし編集が異様に下手クソで、登場人物の位置関係や、誰が誰を狙っているのかがサッパリ分からず、事態の把握に手間取るという問題も発生しているので額面通りに楽しめないことが難点でした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">私怨と私怨の衝突を表現できていない</span></h3>



<p>ミッキー・ローク扮するスタヴロスは流れ弾で妻子を失ったことから、その作戦を仕切っていたジャン=クロード・ヴァン・ダム扮するクインを恨んでいるという逆『フェイス/オフ』（1997年）な設定。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/face-off/" target="_blank" aria-label="フェイス/オフ【良作】濃厚コッテリなジョン・ウー総決算 (新しいタブで開く)">フェイス/オフ【良作】濃厚コッテリなジョン・ウー総決算</a></p>



<p>そこでスタヴロスが取った対抗策とは、妊娠中のクインの妻を誘拐し、クインに自分と同じ苦しみを味わわせるというものでした。</p>



<p>ここにテロリストとCIAエージェント双方の家族を巻き込んだ私怨vs私怨の構図が出来上がるのですが、驚くほどに情感が無くて盛り上がりに欠けました。</p>



<p>せっかくミッキー・ロークという演技のできる俳優を配置できているのだから、観客がもっとスタヴロスに感情移入できるように作るべきだったし、多くの家族をテロ行為で殺してきたスタヴロスが、わが身に不幸が降りかかってようやく暴力の残酷さを知るという因果な描写を加えても良かったのですが、そうしたドラマ的な要素はほぼオミットされています。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">タイトル負けしている</span></h3>



<p>『ダブルチーム』というタイトルはバスケ用語に由来し、一人では防げない強力な敵オフェンスに対して、二人のディフェンスで守ることを指しています。</p>



<p>そして作品においては、スタヴロスがあまりに強力なので、クインがヤズの力を借りて対抗している構図を示しているものと考えられます。 </p>



<p>ただし肝心のスタヴロスの強さがさほど感じられない上に、相棒のヤズがほぼ役に立っていないので、完全にタイトル負けしています。 </p>



<p><strong>≪ヴァンダム関連記事≫</strong><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/kickboxer/" target="_blank">キックボクサー【凡作】ヴァンダムが若くて可愛い</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/hard-target/" target="_blank">ハード・ターゲット【良作】面白いアクションと深い社会派テーマ</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/maximum-risk/" target="_blank">マキシマム・リスク【凡作】ヴァンダムらしからぬ真面目映画</a> <br><a href="https://b-movie.tokyo/double-team/" target="_blank">ダブルチーム【駄作】ミッキー・ロークの無駄遣い</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/universal-soldier/" target="_blank">ユニバーサル・ソルジャー【良作】デラックスなB級アクション</a><br><a aria-label=" (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/universal-soldier-regeneration/" target="_blank">ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション【良作】アクション・ドラマともに最高</a><br><a aria-label="ザ・コマンダー【凡作】Vシネ相応の面白さはある（ネタバレなし・感想・解説） (新しいタブで開く)" href="https://b-movie.tokyo/second-in-command/" target="_blank">ザ・コマンダー【凡作】Vシネ相応の面白さはある（ネタバレなし・感想・解説）</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/pound-of-flesh/" target="_blank">マキシマム・ブラッド【凡作】満身創痍で戦うヴァンダムが素敵</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【凡作】沈黙の要塞_セガールの説教先生（ネタバレあり・感想・解説）</title>
		<link>https://b-movie.tokyo/on-deadly-ground/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[b-movie]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 03 Apr 2020 09:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[クライムアクション]]></category>
		<category><![CDATA[凡作]]></category>
		<category><![CDATA[90年代]]></category>
		<category><![CDATA[セガール]]></category>
		<category><![CDATA[ラジー賞]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://b-movie.tokyo/?p=5912</guid>

					<description><![CDATA[（1994年 アメリカ）セガールのナルシシズムが全開になった作品であり、相当イタい内容でした。ただし企画はそれなりに考えられており、セガールがくっつけた余計な尾ひれを度外視すれば、ある程度は楽しめるアクション映画となって [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>（1994年 アメリカ）<br>セガールのナルシシズムが全開になった作品であり、相当イタい内容でした。ただし企画はそれなりに考えられており、セガールがくっつけた余計な尾ひれを度外視すれば、ある程度は楽しめるアクション映画となっています。</p>



<div class="wp-block-image"><figure class="aligncenter size-medium"><img decoding="async" width="212" height="300" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P-212x300.jpg" alt="" class="wp-image-5914" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P-212x300.jpg 212w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P-724x1024.jpg 724w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P-71x100.jpg 71w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P-768x1087.jpg 768w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/On-Deadly-Ground_P.jpg 848w" sizes="(max-width: 212px) 100vw, 212px" /><figcaption>©Warner Bros.</figcaption></figure></div>




  <div id="toc" class="toc tnt-number toc-center tnt-number border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-60" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-60">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">あらすじ</a></li><li><a href="#toc2" tabindex="0">作品解説</a><ol><li><a href="#toc3" tabindex="0">セガール唯一の監督作品</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">興行的には不調だった</a></li><li><a href="#toc5" tabindex="0">『沈黙の戦艦』（1992年）との関係</a></li></ol></li><li><a href="#toc6" tabindex="0">感想</a><ol><li><a href="#toc7" tabindex="0">セガールが悪党側という面白い構図</a></li><li><a href="#toc8" tabindex="0">『千の顔を持つ英雄』</a></li><li><a href="#toc9" tabindex="0">環境破壊は許さん！と言って油田大爆破</a></li><li><a href="#toc10" tabindex="0">セガールの説教先生</a></li><li><a href="#toc11" tabindex="0">セガールの強さを説明するお囃子セリフを聞こう</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">あらすじ</span></h2>



<p>油田火災の専門家であるフォレスト・タフト（スティーブン・セガール）は、エイジス社の油田で起こった火災の消火活動の際に、バルブが不自然な割れ方をしていたことに気付く。エイジス社は油田を操業させるために欠陥部品の存在を知りながらも無視しており、そのことを抗議したフォレストはジェニングス社長（マイケル・ケイン）の謀略により殺されかける。イヌイットの助けで何とか生き延びたフォレストは、エイジス社の油田の破壊に乗り出す。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">作品解説</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc3">セガール唯一の監督作品</span></h3>



<p>90年代は俳優が監督業に進出することがブームでした。『ダンス・ウィズ・ウルブス』（1990年）でケヴィン・コスナーが、『許されざる者』（1992年）でクリント・イーストウッドが、<a rel="noopener" href="https://movie-review.net/braveheart" target="_blank">『ブレイブハート』（1995年）</a>でメル・ギブソンが監督と主演を務めてアカデミー賞を受賞しています。</p>



<p>そのブームに乗って、本作ではセガールも監督デビュー。ただしセガールはアカデミー賞ではなくゴールデンラズベリー賞最低監督賞を受賞しましたが。</p>



<p>これに懲りたセガールは、二度と監督をすることはありませんでした。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc4">興行的には不調だった</span></h3>



<p>本作は1994年2月18日に全米公開され、3週目に入ったジム・キャリー主演の『エース・ベンチュラ』（1994年）を抑えて全米No.1を獲得。翌週は金額こそ落ちたものの他にライバルもなく、V2を達成しました。</p>



<p>ただしほっといてもセガールの映画を見に来るアクション映画ファン以外に人気は伝播しなかったようで第3週、第4週と順調にランクを落としていき、5週目にはトップ10圏外へと弾き出されました。</p>



<p>全米トータルグロスは3859万ドルであり、セガールの前作<a href="https://b-movie.tokyo/under-siege/" data-type="post" data-id="7" target="_blank">『沈黙の戦艦』（1992年）</a>の8356万ドルを大きく下回りました。5000万ドルという巨額の製作費は回収できず、赤字映画だったと考えられます。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc5">『沈黙の戦艦』（1992年）との関係</span></h3>



<p>本作の日本公開時には「沈黙シリーズ第２弾」という名目で公開されました。第一弾は言わずと知れた<a href="https://b-movie.tokyo/under-siege/" data-type="post" data-id="7" target="_blank">『沈黙の戦艦』（1992年）</a>であり、同作の大ヒットにあやかって本作を続編の位置づけに置いたものと思われますが、本来はまったくの別物でした。</p>



<p>問題は1995年に『沈黙の戦艦』（1992年）の正式な続編<a href="https://b-movie.tokyo/under-siege-2/" data-type="post" data-id="27" target="_blank">『暴走特急』（1995年）</a>が製作されたことであり、当時のピュアなアクション映画ファン達は本作をどう扱うべきかで大いに混乱させられました。</p>



<p>なお、セガールさえ出ていれば沈黙シリーズという本作が作り上げた公式はいまだに生き続けており、おそらくは本人すらあずかり知らぬところで、沈黙シリーズは粛々と数を増やし続けています。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc6">感想</span></h2>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc7">セガールが悪党側という面白い構図</span></h3>



<p>本作でセガールが演じるのは油田火災消化のプロであるフォレスト・タフト。</p>



<p>ただし登場時点のセガールは正義の人ではなく、高額報酬に釣られてマイケル・ケイン扮する悪徳社長の腰巾着の一人となっています。ヒーヒー言いながら踏ん張る現場からは距離を置き、悪徳社長の杜撰な経営の結果起こった油田火災を鎮火することがその役割。</p>



<p>主人公のこの人物像にはなかなか興味が持てました。</p>



<p>加えて、悪徳社長の背景も意外と作り込まれています。</p>



<p>エイジス社はアラスカでの油田採掘権を持っているのですが、期限内に採掘を開始できなければその権利を失ってしまうために、是が非でもエイジス1と呼ばれる油田の操業を開始しようとしています。</p>



<p>そんな中でエイジス1の部品の一部に欠陥が見つかったのですが、これを取り換えていると期限が過ぎてしまうことから、不具合を隠蔽しています。</p>



<p>確かに悪徳社長がやっているのは不正なんですが、企業としては採掘権を失うかどうかという瀬戸際に立たされており、背に腹は代えられないとして不正に手を付けた判断にも一定の理解ができるようになっています。</p>



<p>単純な勧善懲悪の図式を置くのではなく、営利企業であれば仕方ないよなという図式を置いた辺りに、この脚本の周到さを感じました。</p>



<p>本作は単純なアクション映画ではなく、それ以上のものを目指していた志の高い作品だったように思います。実際にその通りになったかどうかは別としてですが。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc8">『千の顔を持つ英雄』</span></h3>



<p>セガールは火災現場で欠陥部品を発見し、悪徳社長に抗議します。</p>



<p>すると悪徳社長はセガールの爆殺を図ります。セガールはすんでのところで気付いて死こそ免れたものの、爆破で重傷を負います。その後、イヌイットに拾われて復活。</p>



<p>主人公が死にかけた後に超人的なパワーを得るという構成はアクション映画の定型の一つであり、『マッドマックス2』（1981年）、『ランボー』（1982年）、『ロボコップ』（1987年）など枚挙に暇がありません。</p>



<p>そして、そのルーツを辿るとジョーゼフ・キャンベル著の『千の顔を持つ英雄』（1949年）に行きつくわけで、本作は単純なセガール映画のようでいて、実は英雄譚の古典的なテンプレートに当てはめて丁寧に作られているということがわかります。</p>



<p>ただし、セガール映画でそれをやる必要が本当にあったのかという問題はありますが。そもそも強いってことで問題のないセガールに、パワーアップの儀式などが必要あったのだろうかと。</p>



<p>あと、セガールが生まれ変わりを果たす場面で見る熊とかおばあさんとか裸の美女とかの幻想が無駄に長くて退屈だった点もマイナスでした。</p>



<p><a href="https://b-movie.tokyo/mad-max-2/" target="_blank" aria-label="マッドマックス２【傑作】ポストアポカリプス映画の最高峰 (新しいタブで開く)">マッドマックス２【傑作】ポストアポカリプス映画の最高峰</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/first-blood/" target="_blank" aria-label="ランボー【傑作】ソリッドなアクションと社会派ドラマのハイブリッド (新しいタブで開く)">ランボー【傑作】ソリッドなアクションと社会派ドラマのハイブリッド</a><br><a href="https://b-movie.tokyo/robocop1987/" target="_blank" aria-label="ロボコップ（1987年）【良作】問答無用の名作！…と同時にとても変な映画 (新しいタブで開く)">ロボコップ（1987年）【良作】問答無用の名作！…と同時にとても変な映画</a></p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc9">環境破壊は許さん！と言って油田大爆破</span></h3>



<p>かくして復活を遂げたセガールは、小さな国に宣戦布告でもしようとしているレベルの爆薬をエイジス1に仕掛け、これを爆破します。</p>



<p>セガールを迎え撃つのはリー・アーメイが率いる傭兵軍団なのですが、かのリー・アーメイ先生がいつ居なくなったのかが分からないほどアッサリと敗北するという圧倒的な力でセガールが突き進みます。</p>



<p>最後まで悪態をやめない悪徳社長は当然としても、戦意喪失して逃げ出す部下達までが須らく惨い死に方をするという徹底ぶりであり、ここでのセガールは怒れる神が憑依したかのような暴れっぷりを見せます。</p>



<p>そして、ラストではこれだけの破壊活動を行ったにも関わらず何の罪にも問われておらず、環境保護について熱弁を振るうというウルトラCまでを披露。</p>



<p>「一番環境を破壊したのはお前」というツッコミを誰もしない辺りに、周囲の人たちの大人の対応を感じました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="635" height="357" src="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/On-Deadly-Ground_爆破.jpg" alt="" class="wp-image-6121" srcset="https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/On-Deadly-Ground_爆破.jpg 635w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/On-Deadly-Ground_爆破-300x169.jpg 300w, https://b-movie.tokyo/wp-content/uploads/2020/04/On-Deadly-Ground_爆破-160x90.jpg 160w" sizes="(max-width: 635px) 100vw, 635px" /><figcaption>セガール神を怒らせた結果がこれだ！<br><a href="http://blog.livedoor.jp/dragonomiso/archives/10797593.html">http://blog.livedoor.jp/dragonomiso/archives/10797593.html</a></figcaption></figure>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc10">セガールの説教先生</span></h3>



<p>このラストの説教ですが、撮影時点では40分もあり、セガール監督はこれを全部使うつもりでいたようです。</p>



<p>しかし、いくら『沈黙の戦艦』（1992年）大ヒットの直後とは言えアクション映画の後半部分が丸々説教という前代未聞の構成が許されるはずもなく、7分にまで縮められました。7分でも十分に長かったのですが。</p>



<p>本作はこのラスト以外にも随所にセガールの説教が散りばめられており、セガールに叱っていただく映画としても機能しています。</p>



<ul class="wp-block-list"><li>（酒場での喧嘩相手に向かって）人間の本質を変えるには何が必要だ</li><li>（悪徳社長が欠陥部品を使っていたことに触れて）どれだけ稼げば気が済むのか</li><li>（マスコミに訴えるべきというヒロインに対し）暴力に頼りたくはないが、選択の余地はない。</li></ul>



<p>特に一番目の、人間の本質がどうのこうのという説教は意味わからんものでしたね。</p>



<p>セガール映画の定番である酒場での大乱闘が始まり、セガールは複数人相手に余裕で勝利。リーダー格をひとしきりいたぶった後でこのセリフが飛び出すのですが、一体どの口でこんなことを言ってるんだろうかと疑問符が浮かびました。</p>



<p>明らかに浮いている説教の数々。セガールからこういうセリフをどこかに入れたいと言われ、脚本家達が無理やりねじ込んだかのような製作現場を想像しました。</p>



<p>セガール監督、やりたい放題ですね。人間の本質を変えるには何が必要なんでしょうか。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><span id="toc11">セガールの強さを説明するお囃子セリフを聞こう</span></h3>



<p>またセガール映画の定番として、いかにセガールが強いか、敵に回しちゃいけないかを第三者がこんこんと語るというお囃子セリフというものがあります。</p>



<p>きっかけは前作『沈黙の戦艦』（1992年）であり、「やった！ライバックがあそこに乗ってるってよ！」と喜んで、後はモニターを眺めているだけのペンタゴン指令室が最初だったと思うのですが、本作では『沈黙の戦艦』×2くらいの頻度でお囃子セリフが飛び出します。</p>



<ul class="wp-block-list"><li>（セガールは何者なのかと聞かれた悪徳社長が）君の魂の奥底を探って究極の悪夢を想像してみろ。奴はその悪夢を実現する男だ。</li><li>（セガールの正体について議論する傭兵達が）相当厄介な相手ってことだ</li><li>（セガールが隠し持つ大量の爆薬を見たヒロインが）小さな国に宣戦布告でもしようとしているの？</li><li>（エイジス1が停電になった状況で社長秘書が）あいつが戻って来たわ</li><li>（セガールを舐めた発言をする部下に対してリー・アーメイが）軍部で失敗の許されない作戦をやる時、この男を呼んで実行部隊の訓練を任せると言うくらいだ。奴はガソリンを腹いっぱい飲んで、平気でキャンプファイヤーに小便を飛ばすような男だ。奴を素っ裸にして北極点に置き去りにしても、翌日にはバリっと白いスーツを決め込んで、何もなかったように満面の笑みをたたえてプールサイドに現れる。テロリストを十把一絡げにしたって到底追い付かん。プロの中のプロだ。</li></ul>



<p>ポイントは、これらをオスカー俳優マイケル・ケインやハートマン軍曹に言わせているということですね。最後のやつなんて異様に長いセリフなのですが、ハートマン軍曹がこれほどビビる相手だということでセガールの強さが表現されているわけです。</p>



<p>なかなか味わい深いセリフの数々と、これをセガール監督が言わせているという構図をぜひともご堪能ください。 </p>



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